ソフトウェア業界

ソフトウェア業界とは?仕事内容や現状の課題、今後の動向・将来性などを解説

ソフトウェア業界とは?

ソフトウェア業界とは、パソコンやスマホなどのデバイスにインストールして利用するソフトウェアやアプリケーションを開発する業界のことです。

パソコンやスマホに限らず、電化製品などの動作にもソフトウェアが活用されています。ソフトウェアと聞いて馴染みがある人は少ないかもしれませんが、実は私たちの暮らしと密接な関係にある製品と言えるでしょう。

2021年の市場規模や成長率等は以下の通りです。

業界市場規模

0.7兆円

成長率

5.5%

利益率

4.5%

出典:業界動向SEARCH.COM「ソフトウェア業界

ソフトウェア業界は年々市場規模を拡大させており、成長率も高い業界です。ソフトウェア開発には大規模な機械などが必要ないため、利益率も高い傾向にあります。

ソフトウェアの主な種類

ソフトウェア業界が手掛けるソフトウェアには、大きく分けて下記5つの種類があります。

  • オペレーティングシステム(OS)
  • ミドルウェア
  • アプリケーションソフトウェア
  • デバイスドライバ
  • ファームウェア

オペレーティングシステム(OS)

オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータを動かすための基盤となるソフトウェアです。コンピュータで実行されているソフトウェアなどをはじめ、メモリやタスク、周辺機器の管理などを行います。

ミドルウェア

ミドルウェアとは、オペレーティングシステム(OS)とアプリケーションソフトウェアの間を取り持つソフトウェアです。Webサーバーやデータベースなどの種類があります。

アプリケーションソフトウェア

アプリケーションソフトウェアとは、コンピュータ上である特定の機能を動作させるためのソフトウェアです。ユーザーが利用するソフトウェアの多くはアプリケーションソフトウェアであり、代表的なものにはテキストエディタや表計算ソフト、メールソフトなどがあります。

デバイスドライバ

デバイスドライバとは、コンピュータ内部に組み込まれた装置や、外部から接続した機器を制御するためのソフトウェアです。

コンピュータには、CPUやハードディスク、キーボード、マウスなどのさまざまなデバイスが接続されます。これらをコンピュータが正しく認識して動作できるようにするには、デバイスドライバが欠かせません。

ファームウェア

ファームウェアとは、IT機器などのハードウェアに組み込まれたシステムを制御するためのソフトウェアです。ハードウェアは、組み込まれたファームウェアによってそれぞれ決められた処理を行います。

ソフトウェア業界の代表的な企業

ソフトウェア業界の代表的な企業と、その売上高をまとめました。

企業名

売上高

日本オラクル株式会社

2,146億円(※1)

トレンドマイクロ株式会社

1,903億円(※2)

株式会社オービック

894億円(※3)

株式会社ジャストシステム

416億円(※4)

株式会社ミロク情報サービス

365億円(※5)

株式会社オービックビジネスコンサルタント

347億円(※8)

サイボウズ株式会社

184億円(※6)

株式会社クレオ

147億円(※7)

フリー株式会社

143億円(※9)

ピー・シー・エー株式会社

133億円(※10)

※1 出典:日本オラクル株式会社「2021年度有価証券報告書
※2 出典:トレンドマイクロ株式会社「2021年度有価証券報告書
※3 出典:株式会社オービック「2021年度有価証券報告書
※4 出典:株式会社ジャストシステム「2021年度有価証券報告書
※5 出典:株式会社ミロク情報サービス「2021年度有価証券報告書
※6 出典:株式会社オービックビジネスコンサルタント「2021年度有価証券報告書
※7 出典:サイボウズ株式会社「2021年度有価証券報告書
※8 出典:株式会社クレオ「2021年度有価証券報告書
※9 出典:フリー株式会社「2021年度有価証券報告書
※10 出典:ピー・シー・エー株式会社「2021年度有価証券報告書

売上高上位の企業である日本オラクル株式会社やトレンドマイクロ株式会社は、多くのシステムに欠かせないデータベースを扱う企業です。

企業向けの製品に限らず、一般家庭にも普及しているセキュリティソフトなども扱います。日本だけではなく、それぞれの分野で世界的に高いシェアを誇っています。

ソフトウェア業界の職種・仕事内容

ここでは、下記5つのソフトウェア業界の主な職種・仕事内容について、詳しく解説します。

  • システムエンジニア(SE)
  • ネットワークエンジニア
  • プログラマー
  • ITコンサルタント
  • 営業

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアとは、ソフトウェア開発の企画・設計を行う職種です。クライアントと協議しながら必要な機能などを確認し、要件定義を行います。また、プロジェクト全体を管理するため、マネジメントスキルも欠かせません。

SEに興味がある方が、「SE(システムエンジニア)とはどんな仕事?仕事内容や必要なスキルを紹介」も読んでみてください。

ネットワークエンジニア

ソフトウェアの多くは、ネットワークを通じて処理を行います。ネットワークエンジニアとは、ソフトウェアが利用するネットワークの構築・保守・管理を行う職種です。

ソフトウェアが正しく動作するには、ネットワークの環境が正しく構築されている必要があります。ソフトウェアが常に正しく動作できるように、ネットワークを構築・維持するのがネットワークエンジニアの仕事です。

プログラマー

プログラマーとは、システムエンジニアの設計に沿ってソフトウェアのプログラミングを行う職種です。C言語やPython、JAVAなどのさまざまなプログラム言語を利用して、ソフトウェアが設計通りに動くようにプログラミングします。

ITコンサルタント

ITコンサルタントとは、クライアントの問題点や課題に対して、ITを用いた解決策を提案する職種です。ソフトウェアの導入だけではなく、ソフトウェアを利用した業務改善を提案するなど、その業務範囲と求められる知識は非常に幅広いです。

ITコンサルタントに興味がある方は、「ITコンサルタントとは?仕事内容を簡単に解説!取るべき資格や年収事情も」も読んでみてください。

営業

ソフトウェア業界の営業職は、自社製品をクライアントに説明して購入・契約に繋げます。とくにソフトウェア業界では、クライアントの課題をソフトウェアによって解決するという視点が重要です。自社商品やサービスの知識はもちろんのこと、ITに関する知識も必要でしょう。

営業に興味がある方は、「営業職とは何か説明!種類や仕事内容、向いている人の特徴や年収」も読んでみてください。

ソフトウェア業界の年収

ソフトウェア業界の年収

ソフトウェア業界の平均年収と、全業界の平均年収を比較してみましょう。

業界

平均年収

ソフトウェア業界

737万円(※1)

全業界

433.1万円(※2)

※1 出典:業界動向SEARCH.COM「ソフトウェア業界
※2 出典:国税庁「民間給与実態統計調査

ソフトウェア業界の平均年収は737万円と、全業界の平均年収よりも300万円ほど高いです。ソフトウェア業界の平均年収が高い要因として、ソフトウェア開発には高い専門性が必要であることに加え、ソフトウェア業界の利益率が高いことも挙げられます。

もちろんスキルや勤続年数によって年収は変動しますが、高年収を目指せる業界と言えるでしょう。

ソフトウェア業界の現状の課題

ソフトウェア業界には、下記のような課題があります。

  • 人材不足が続いている
  • 長時間労働となりやすい傾向にある

人材不足が続いている

現在、ほとんどの人がスマホやパソコンなどの機器を所有しています。このような急速なIT化に伴い、ソフトウェア業界全体として人材が不足しています。

ソフトウェア業界は、開発手法やプログラム言語などが複数あることや、トレンドの移り変わりが激しいことから、人材育成が難しい業界です。専門的な知識が必要な業界でもあるため、人材不足が続いており深刻な問題となっています。

長時間労働となりやすい傾向にある

人材不足の影響もあり、ソフトウェア業界は他の業界と比べて労働時間が長い傾向にあります。

ソフトウェアの開発は、自社完結で行われることもありますが、受託開発で行われることも多いです。一つの開発に多くの会社が関わっていると、納期にゆとりを持てず長時間の残業や休日出勤などが発生する可能性があります。

ソフトウェア業界の今後の動向・将来性

ソフトウェア業界の今後の動向や将来性について、下記4つの視点で解説します。

  • 5Gの普及で高速・大容量の通信が可能に
  • ビッグデータを活用したソフトウェアの開発
  • クラウド化の拡大による利便性の追求
  • IoTの普及によるさまざまなビジネス展開

5Gの普及で高速・大容量の通信が可能に

5Gの普及によって、高速・大容量の通信が実現するようになりました。これにより、今後は5Gを前提としたソフトウェア開発が主流となると言われています。

スマホアプリやオンラインゲームなどの身近な製品においても、5Gを前提としたソフトフェア開発が求められるでしょう。

ビッグデータを活用したソフトウェアの開発

技術の進歩により大量のデータを解析できるようになったことで、ビッグデータの活用が注目されています。

ビッグデータとは、人間が把握できないほどの巨大なデータ群のことです。ビッグデータの活用で、ソフトウェアがより進化すると予想されています。

クラウド化の拡大による利便性の追求

ソフトウェア業界では、パッケージからクラウドへの移行が加速しています。

クラウドはインターネット環境さえあれば、さまざまな端末でソフトウェアを利用できるのが特徴です。今後も利便性の観点からクラウド化が普及するでしょう。

IoTの普及によるさまざまなビジネス展開

技術の進歩により、あらゆる場面でIoTが利用されるようになりました。IoTとはさまざまなものをインターネットに繋ぎ相互に制御し合う技術のことであり、その構築にはソフトウェアが欠かせません。

さらなるIoTの普及によって、ソフトウェア業界ではさまざまなビジネス展開が予測されます。

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