証券業界

証券業界とは?現状の課題や今後の動向・将来性などを解説

証券業界とは?

証券業界とは、株式や債券・投資信託の売買の仲介を行い仲介手数料を得る仕事です。売買の仲介だけでなく、顧客に金融商品に関する情報の提供や、運用のアドバイスをする投資コンサルティング業務も行っています。

証券業界の2021〜2022年における市場規模や成長率、利益率は以下のとおりです。

業界市場規模

4.0兆円

成長率

-1.8%

利益率

12.7%

出典:業界動向SEARCH.COM「証券業界

2021年は世界的な株高を背景に証券業界各社で手数料収入が伸びましたが、2022年は各国の金融引き締めの影響もあり、業界全体での成長率はマイナスとなりました。

証券業界に属する企業の種類

証券会社に属する企業は、以下の4つの種類に分類できます。

  • 独立系証券
  • 銀行系証券
  • 外資系証券
  • ネット証券

独立系証券

独立系証券会社とは、他社と資本関係を結ばずに事業を行う証券会社のことです。また、独立系証券会社のなかでも企業の規模や顧客基盤・営業エリアによって、大手・準大手(中堅)・地場(地方)証券などに分けられます。

【独立系証券(大手)の代表例】

【独立系証券(準大手・中堅)の代表例】

【独立系証券(地場・地方)の代表例】

銀行系証券

銀行系証券会社とは、大手銀行グループの傘下にあるか、メガバンクのフィナンシャルグループに属しているなど、銀行と資本提携している証券会社を指します。銀行系証券会社の強みは、銀行と提携することで大規模な事業を展開できる点です。

【銀行系証券の代表例】

外資系証券

外資系証券とは、世界各国に拠点を置く外国法人の証券会社のことです。大企業や機関投資家、公共機関との取引など収益性が高い案件や、スケールの大きい案件を扱う傾向にあります。

【外資系証券の代表例】

ネット証券

ネット証券とは、店舗を持たずインターネット上で金融商品の仲介を行う証券会社です。

1998年の規制緩和によって、それまで免許制であった証券会社の開業が登録制となり、証券業界への参入障壁が低くなりました。

また、翌年には株式売買委託手数料の自由化が始まったこともあり、価格競争力の高いネット証券はインターネットの普及とともにその地位を確立しました。

対面型の証券会社に比べて安価な手数料で少額投資ができることから、昨今は個人投資家からの支持を集めています。

【ネット証券の代表例】

証券業界の代表的な企業

証券業界の代表的な企業と、その売上高をまとめました。

企業名

売上高

野村HD

1兆5,939億円(※1)

SBIホールディングス

7,636億円(※2)

大和証券グループ本社

6,194億円(※3)

三菱UFJ証券HD

3,512億円(※4)

楽天証券

954億円(※5)

マネックスグループ

887億円(※6)

東海東京フィナンシャルHD

809億円(※7)

岡三証券グループ

737億円(※8)

HSホールディングス

(旧社名:澤田ホールディングス)

615億円(※9)

GMOフィナンシャルHD

459億円(※10)

※1 出典:野村ホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書
※2 出典:SBIホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書
※3 出典:株式会社大和証券グループ本社「2021年度有価証券報告書
※4 出典:三菱UFJ証券ホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書
※5 出典:楽天証券株式会社「2022年12月期 決算説明会資料」(2022年度決算)
※6 出典:マネックスグループ株式会社「2021年度有価証券報告書
※7 出典:東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書
※8 出典:株式会社岡三証券グループ「2021年度有価証券報告書
※9 出典:HSホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書
※10 出典:GMOフィナンシャルホールディングス株式会社「2021年度有価証券報告書

独立系証券会社である野村ホールディングスの売上高は、2位以下の企業に2倍以上の差をつけています。

また、2位のSBI証券、5位の楽天証券、6位のマネックスグループ、10位のGMOフィナンシャルHDはいずれもネット証券です。売上上位の半分近くを占めていることからも、ネット証券の勢いの強さが伺えるでしょう。

証券業界の仕事内容

証券業界の仕事内容には、以下に挙げるものがあります。

  • ブローカー(トレーディング)業務
  • ディーリング(ディーラー)業務
  • アンダーライター業務
  • セリング業務
  • 投資銀行業務

ブローカー(トレーディング)業務

ブローカー業務とは、株式や債券の売買注文を受け付け、証券取引所に取り次ぐ業務です。顧客の注文を市場に取次いだときに得られる手数料が、証券会社の利益となります。

ディーリング(ディーラー)業務

ディーリング業務とは、証券会社が自社の資金で株式や債券の売買を行うことを言います。一般の投資家と同じように株式や債券を売買し利益を得ます。

アンダーライター業務

アンダーライター業務とは、新規発行された株式・債券を証券会社自らが引き受け、個人や企業などの投資家に販売することです。販売しきれず売れ残った有価証券は、証券会社が全て引き取ることになります。

セリング業務

セリング業務とは、企業からの委託を受けて株式や債券を個人・企業などの投資家に販売することを言います。アンダーライター業務と異なるのは、もし有価証券が売れ残ってしまったとしても、証券会社が引き取る必要はない点です。

投資銀行業務

投資銀行業務では、具体的には以下に挙げる業務を行います。

  • M&Aの仲介・アドバイス
  • 投資の助言
  • 企業の資金調達支援

証券会社の持つ幅広い金融知識で、顧客となる個人や企業の財務上の問題を解決する仕事です。

証券業界の職種

証券業界の職種には、以下に挙げるものがあります。

  • 営業
  • 事務・支援職
  • オペレーター(コールセンター)
  • 金融商品開発

営業

証券業界の営業は、金融の専門知識を活かして顧客に投資商品を提案したり、運用のアドバイスを行ったりするのが仕事です。また、個人や法人を訪問し、自社に口座を開設してくれる新規顧客の開拓もします。

顧客に口座開設や金融商品の購入をしてもらうことで、自社の収益を作り上げていく重要な役割も果たしています。

営業に興味がある方は、「営業職とは何か説明!種類や仕事内容、向いている人の特徴や年収」も読んでみてください。

法人営業に興味がある方は、「法人営業とは何か解説!種類や仕事内容、年収・給料などを紹介」も読んでみてください。

事務・支援職

事務・支援職は、営業職やアナリストなどをサポートするのが主な仕事です。事務仕事や補佐業務で、営業職やアナリストの仕事が円滑に進むようサポートを行います。

その他、事務・支援職は以下のようなさまざまな業務も担当します。

  • 金融商品の販売促進
  • 店頭や電話での顧客対応
  • 顧客情報の管理
  • データ入力
  • 契約書や伝票などの各種書類作成

オぺーレーター(コールセンター)

オペレーターはネット証券会社に多い職種です。具体的には以下に挙げるような業務を行います。

  • 口座開設や株価照会の問い合わせ対応
  • 株式等の受発注
  • オンライン取引に関する各種問い合わせ対応

仕事は顧客対応がメインで、昨今は電話だけでなくチャットを通した顧客対応が増えています。

金融商品開発

金融商品開発では、証券会社で扱う金融商品の開発を行います。株式・債券・個別企業・マーケット情勢などの調査分析・シュミレーションを行い、新たな金融商品を開発するのが仕事です。

顧客のニーズやさまざまなリスクも想定した上で、顧客に魅力的と感じてもらえるような商品を開発しなくてはなりません。

証券業界の年収

証券業界の年収

証券業界の平均年収と、全業界の平均年収を比較してみましょう。

業界

平均年収

証券業界

860万円(※1)

全業界

433.1万円(※2)

※1 出典:出典:業界動向SEARCH.COM「証券業界
※2 出典:国税庁「民間給与実態統計調査

証券業界の平均年収は、全業界平均の約2倍です。

証券業界の平均年収が高い理由の一つとして、営業職にインセンティブ制度が設けられるケースが多いことが挙げられます。成績が良い人はインセンティブが基本給を上回ることもあるため、それが平均年収にも反映されていると考えられます。

証券業界の現状の課題

証券業界の現状の課題として、以下の事柄が挙げられます。

ネット証券の台頭で店舗型証券は苦戦

ネット証券は1998年の新規参入以降、手数料が安く気軽に取引できるといった利点から大幅に利用者を増やしています。そして今やネット証券は、証券業界内で大きなシェアを獲得しつつあります。

対して、大手・中堅を始めとした店舗型証券会社は「取引手数料が高い」「利用しづらい(利用のハードルが高い)」といった理由から利用者や売上高が伸び悩み、苦戦が続いている状況です。

また、ネット証券が安価な手数料を武器として売上を伸ばしていることから、店舗型証券会社としては、もはや手数料収入に頼った従来のようなビジネスモデルは限界なのではという考えもあります。

競争の厳しい証券業界で店舗型証券が存続していくためには、新たな収益モデルの構築が求められるでしょう。

金融引き締めなど景気の影響を受けやすい

証券会社は、景気の影響を受けやすい業界です。リーマンショックや新型コロナウイルス流行による世界景気の冷え込み、国内では東日本大震災などによって株価は影響を受けます

証券業界は、2021年の金融緩和に伴う株高を背景に手数料収入を大きく伸ばしましたが、2022年には欧州・米国中央銀行の金融引き締めの影響を受け、株価は大幅に下落しました。

先行き不安による投資家の買い控えから、手数料収入の減少が予想され、2022年以降の証券業界全体の業績は不透明です。

証券業界の今後の動向・将来性

証券業界の今後の動向として、以下の事柄が挙げられます。

NISAやiDeCo普及による投資家人口の増加

近年の政府主導のもと、「貯蓄から投資へ」の動きが進んでいます。実際にNISA(小額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)口座を利用した投資需要は、若年層を中心に高まっています。

当初、年間100万円までと定められていた非課税枠が120万円に拡大されたことに加え、通常のNISA口座だけでなく、つみたてNISAやジュニアNISAなど口座の種類も増えました。こうした制度の後押しもあり、国内投資家人口の増加が期待されています。

進むビジネスモデルの転換

最低契約金額の低下や豊富な品揃えから、ファンドラップ口座の販売数が伸びています。

ファンドラップ口座とは、資産の運用・管理を証券会社に一任する運用形態のことです。証券会社は顧客から預かる資産の残高に応じて、手数料を受け取れる仕組みとなっています。

従来のファンドラップ口座は富裕層向けのサービスとして、最低契約金額が3,000万円からと設定されていました。しかし、最低契約金額が500万円に引き下げられたことで顧客層が広がり、ファンドラップ口座の開設数は右肩上がりに上昇しています。

これにより安定した収益を得られ、手数料ビジネスからの脱却に繋がるとして、証券業界ではファンドラップ口座の普及に期待が寄せられています。

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