総合商社業界

総合商社業界とは?特徴や現状の課題、今後の動向や平均年収を解説

総合商社業界とは?

総合商社業界とは、独自の販売ルートや物流網を活かして海外から商品を輸入したり、商品を売りたい企業と買いたい企業の仲介をしたりする業界です。身近な食料品・日用品から石油やガスといった資源まで幅広い商品を取り扱うことから「総合」の名が付きます。

総合商社は日本の産業や物流を支えるとともに、国際的なプロジェクトも手掛けるなど、その事業は世界各国に幅広く展開しています。

多種多様な商品を扱う総合商社の業態は、他の国にはない日本特有のもので、海外では「sogo shosha」と呼ばれています。

2021年の市場規模や成長率等は以下の通りです。

業界市場規模

66.2兆円

成長率

5.5%

利益率

5.3%

出典:業界動向SEARCH.COM「総合商社業界

石油・ガスといった国のインフラに関わる資源を扱うこと、世界各国に活躍の舞台があることなどから、総合商社の手掛ける仕事はその一つ一つが大スケールです。それが60兆円超という巨大な市場規模にも反映されていると考えられます。

専門商社業界に興味がある方は、「専門商社業界とは?仕事内容や魅力、現状の課題や年収をわかりやすく解説」も読んでみてください。

総合商社業界の代表的な企業

総合商社業界の代表的な企業と、その売上高をまとめました。

企業名

売上高

三菱商事

17兆2,648億円(※1)

伊藤忠商事

12兆2,933億円(※2)

三井物産

11兆7,575億円(※3)

丸紅

8兆5,085億円(※4)

豊田通商

8兆280億円(※5)

住友商事

5兆4,950億円(※6)

双日

2兆1,007億円(※7)

兼松

7,679億円(※8)

野村貿易

1,113億円(※10)

三谷産業

844億円(※9)

※1 出典:三菱商事株式会社「2021年度有価証券報告書
※2 出典:伊藤忠商事株式会社「2021年度有価証券報告書
※3 出典:三井物産株式会社「2021年度有価証券報告書
※4 出典:丸紅株式会社「2021年度有価証券報告書
※5 出典:豊田通商株式会社「2021年度有価証券報告書
※6 出典:住友商事株式会社「2021年度有価証券報告書
※7 出典:双日株式会社「2021年度有価証券報告書
※8 出典:兼松株式会社「2021年度有価証券報告書
※9 出典:野村貿易株式会社「2021年度有価証券報告書
※10 出典:三谷産業株式会社「2021年度有価証券報告書

売上高上位の三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・丸紅・住友商事を指して「5大商社」と呼び、そこに双日・豊田通商の2社を加えて7大商社と呼ぶこともあります。

上位3社で業界シェアの6割近くを占めるなど、上位企業のシェアは圧倒的であることが分かります。

総合商社業界の職種別の仕事内容

総合商社業界における、総合職と一般職のそれぞれの仕事内容を紹介します。

総合職

総合職は、以下のような会社の中核業務を担う職種です。

トレーディング

トレーディングは会社間取引のマッチングや、貿易の仲介を行う仕事です。仲介で得られる手数料や、売値と買値の差額が総合商社の収益となります。

トレーディングは総合商社の伝統的なビジネスモデルです。

営業

営業は売りたい企業と買いたい企業を繋げる仕事です。商材の売り先・仕入れ先の開拓のほか、商材の価格設定や流通経路の確保なども行います。

世界を股にかける総合商社の営業にはビジネスレベルの語学力が必須です。

営業に興味がある方は、「営業職とは何か説明!種類や仕事内容、向いている人の特徴や年収」も読んでみてください。

事業企画

事業企画は自社でどのような商材を取り扱うのか、どのような企業に投資するのかといった、経営に関わる事業計画を立案する仕事です。自社が関わる事業や商材を選定し、事業戦略を立てます。

会社の売り上げを左右する重大な仕事と言えるでしょう。

事業投資

事業投資とは、企業に対し自社の持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を投資したり、企業を買収したりして利益を得る仕事です。商社がこれまで培ってきた人脈や資金力、経営ノウハウを提供・活用し、投資先企業をサポートします。

昨今では、事業投資はこれまで総合商社の収益を支えてきたトレーディングに代わり、コア事業となりつつあります。

一般職

一般職は総合職の仕事のサポートを行います。主な仕事は事務で、その業務は多岐にわたります。具体的な仕事内容は以下の通りです。

  • 書類作成
  • 電話の応対
  • 取引先とのやりとり
  • 営業社員のサポート
  • 税関手続き

会社全体の業務がスムーズに進むよう、総合職や他社企業との円滑なコミュニケーションを図る力が必要です。また、一般職の業務でも英語に触れる機会はあるため、相応の語学力が求められることもあります。

総合商社業界の年収

総合商社業界の年収

総合商社業界の平均年収と、全業界の平均年収を比較してみましょう。

業界

平均年収

総合商社業界

1,331万円(※1)

全業界

433.1万円(※2)

※1 出典:業界動向SEARCH.COM「総合商社業界
※2 出典:国税庁「民間給与実態統計調査」 

総合商社業界の平均年収は、1,331万円と全業界の平均年収の3倍ほどあります。特に5大商社とされる企業では、かなり高いレンジの給与が期待できるでしょう。

なお、年収は部署や役職、海外勤務かどうかによって大きく変動するので、必ず応募前に企業の待遇も確認しておくと良いでしょう。

総合商社業界の現状の課題

総合商社業界の現状の課題として、以下の事柄が挙げられます。

資源価格に業績が左右されやすい

総合商社の多くは、資源価格が低下すれば業績が下がり、資源価格が高騰すれば業績が上向くといったように、売上や利益が資源価格の影響を大きく受けます。

2020年は、原油安に加えて石炭や天然ガスといった資源価格が軒並み下落しました。2020年3月期の連結最終損益においては、大手7社のうち5社が減益・赤字を計上しました。

商社各社では「資源に頼らず稼ぐ力」の向上を課題とし、非資源分野の強化を図っています。

ポートフォリオの組み直しの検討

ポートフォリオの組み直しも、総合商社には求められています。総合商社各社では、以下のようにポートフォリオの多角化を進めています。

企業名

ポートフォリオ内訳

三菱商事

金属/天然ガス/産業インフラ/電力/食品産業

住友商事

メディア・デジタル/生活・不動産/インフラ/輸送機・建機

伊藤忠商事

金属/エネルギー・化学品/機械/情報・金融

どの分野にどれだけの投資をするのか、どの程度の利益が見込めるのか、情勢に応じて都度事業バランスを見直していかなくてはなりません。

また、特定分野に収益の軸が傾かないよう事業リスクを分散させる必要もあるでしょう。このポートフォリオ次第で、企業の業績は大きく変わります。

総合商社業界の今後の動向・将来性

総合商社業界の今後の動向として、以下の事柄が挙げられます。

非資源分野への注力

総合商社各社では、収益を資源に頼らない事業モデルの構築が進んでいます。具体的にはガス・石油・石炭といった資源分野から、再生可能エネルギーや繊維・食品といった別事業への積極的な投資・参画の動きがあります。

各社の取り組み事例は以下の通りです。

企業名

取り組み内容

三菱商事

・2030年度までに脱炭素関連事業へと2兆円を投資

丸紅

・台湾の太陽光発電開発会社を買収

・サウジアラビアで太陽光発電所の建設に参画

伊藤忠商事

・情報通信、食料品、機械、住宅分野に注力

新たなビジネスモデルとしてのDX推進

総合商社各社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも取り組んでいます。DX化はあらゆる産業で必要とされており、総合商社が培ってきたノウハウと蓄積されたデータにデジタルを掛け合わせることで事業の強化を狙います。

各社の取り組み事例は以下の通りです。

企業名

取り組み内容

三菱商事

・AIで食品需要を予測し、余剰在庫や食品ロスの減少を目指す

・位置情報システムを活用し、ドライバー不足や買い物難民問題の解決を図る

伊藤忠商事

・サイネージ広告の設置

・AIカメラを利用した顧客行動の分析

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