転職時の参考に、タクシー会社の寮事情と自分に合う寮の見つけ方
2020年05月12日
目次
どんな寮があるのか?
生きていくためには衣食住が必要不可欠。
いくら質素な生活をしていても、この3つだけは切り捨てることができません。
貯金をするために出費を抑え、熱心に節約する人も多いでしょう。
食費であれば自炊を取り入れたり、節約レシピを活用して工夫次第で大きく出費を削ることが可能です。
ですが家賃は毎月数万円、一定のお金がかかります。
一度物件を決めてしまえばそれ以上の工夫はできません。
駅からの距離や築年数など、自分の希望にできるだけ近い物でありながら、極力安い物件にしたいと思いますよね。
そんな時に転職先の会社に寮制度があると嬉しいはずです。
寮であれば地域の相場よりも安い賃料で借りられますし、同じ家賃の物件に比べ部屋もそこそこ良い場合が多いです。
福利厚生として寮制度を導入している企業は少なくありません。
それは一般の企業に限らずタクシー会社でも同じ。
家賃を抑えたいならぜひ寮のあるタクシー会社に応募してみてはいかがでしょうか?
とはいえ、これまで寮に住んだことがないという人も多いでしょう。
通常の物件とどんな違いがあるのか、どういった点に注意しておくべきなのかなどの疑問を抱えているかもしれません。
一言に寮と言ってもその制度にはいくつか種類があります。
まずは一般的な寮の種類について解説します。
自社寮
自社寮はアパート、もしくはマンションすべてが会社の所有財産であるタイプ。
会社が管理を行っているので修繕などの相談がしやすいです。
会社が所有している物件だけあり、自社寮はたいてい会社から近い位置にあることがほとんど。
わざわざ遠くに建てるもないでしょうからこれは当然と言えます。
中には会社の敷地内に建てられており、通勤時間が0分ということさえあります。
寮に住んでいるのは当然ながら全員会社関係者です。
一般的に会社の寮と言えば自社寮を思い浮かべる人も多いでしょう。
自社寮最大の特徴はなんといっても家賃が安いことです。
会社が寮を持っているのは部屋を貸し出して儲けるためではありません。
あくまで社員の生活をサポートするのが第一の目的であるため、不動産屋で見つける物件よりも必然的に安くなります。
寮を維持するための費用は負担しなければならないでしょうが、それでも圧倒的にコストパフォーマンスが良いことに変わりはありません。
寮にもよりますが、部屋にトイレや風呂がついておらず、共用とされていることもあります。
また、部屋が個室ではなく相部屋になっていることも。
風呂、トイレの共用や相部屋だけは避けたいという方も多いはず。
いざ入寮してからこんなはずではなかった!とならないためにも気になる人は事前に確認しておきましょう。
借り上げ寮
自社寮がない場合、通常の不動産屋で紹介されるようなマンションやアパートの一室を会社が借りて社員へ貸し出す場合があります。
この場合は貸し出された部屋を借り上げ寮と呼びます。
当然ながら部屋は通常の賃貸と同じイメージで問題ありません。
ワンルームの部屋もあれば1Kの部屋もあり、風呂トイレが別のこともあれば一緒になっていることもあります。
借り上げ寮の特徴は部屋選びの選択肢が多いことです。
1つの建物に限定されているわけではないので、住所や部屋のタイプなど好みの条件を見つけやすいのが特徴。
同じ借り上げ寮の中でもタイプは2種類に分かれており、1つは会社があらかじめ地元の不動産屋といくつかの部屋を契約しているパターン、もう1つは社員が直接不動産に行き、選んだ部屋を会社で契約してもらうパターンです。
転職先の会社次第ではありますが、自分で部屋を選べるパターンであれば自由度はかなり高いと言えます。
しかし不動産屋を介している以上、どうしても家賃は自社寮よりも高くなりがちです。
会社が家賃の何割を負担してくれるかにもよりますが、自分で不動産屋と契約するよりは間違いなく安く済みます。
家族寮
寮というと一人暮らしの社員に対して貸し出されるイメージが強いですが、家族寮はその名の通り家族を持つ社員に対して貸し出される寮です。
一人向けの寮よりも部屋数が多かったり広かったりするのが特徴です。
とはいえ家族寮を用意しているタクシー会社はあまり多くありません。
入社を希望している会社に家族寮があるかも、という期待はしない方がいいでしょう。
どうしても気になるのであれば、転職サイトのスタッフに相談することがおすすめです。
転職サイトでは多数の企業との繋がりがあり、スタッフは各企業の制度や条件にも精通しています。
あなた自身でそれぞれのタクシー会社を調べるより、効率的に条件にあった会社がみつけられるでしょう。
住宅手当制度
すべてのタクシー会社が寮制度を設けているわけではありません。
となれば転職する会社によっては自分で部屋を探さなければいけないわけです。
家賃は全額自己負担かと思うでしょうが、寮がないからといって諦めるのはまだ早いです。
社則で住宅手当の制度がないか確認してみましょう。
住宅手当は自分の家を持たない社員に対して家賃の補助をする制度。
寮ほどではないにしろ、少しでも家賃の出費が少なくなるのはありがたいですよね。
会社と不動産屋との間で太いパイプがあり、会社から良い物件を紹介してもらえることもあるそうです。
ダメ元でも上司や先輩に相談してみるのも1つの手かもしれません。
入寮条件や期間は?
寮が用意されているとはいえ、その収容能力には限界があります。
自社寮であれば維持費も相当にかかりますから、残念ながら社員だからといって誰でも入寮できるわけではありません。
そのため寮に入れる条件や、○年間経過後は寮を出なければいけないなどの期限が設定されている場合がほとんどです。
会社や同じく寮に住む人たちへ迷惑がかからないよう寮独自のルールが設定されていることも間違いないでしょう。
それでは具体的にはどのような条件があるのでしょうか?
寮に住むにあたっての条件、寮費
●単身向け、家族向けの寮に住む条件
あなたが一人暮らしであるのか、それとも家庭を持っているのかで条件は大きく変わります。
一人暮らしの社員が家族寮への入寮、家族持ちが単身寮への入寮を希望したところで、部屋によほど空きがあるなど特殊な事情がない限り受け入れてもらえないでしょう。
そこで気になるのは入寮した後に結婚、もしくは離婚をしてしまった場合ですが、その場合は寮を出なければならないことが多いようです。
会社の規定によっては特例が認められる可能性もないわけではないので、その際は会社と相談しましょう。
●ペットを飼うことは可能か
今現在、ペットを飼っている人もいるでしょう。
しかし残念ながら寮に入るためにはペットを飼うのは難しいと言わざるを得ません。
ペットを飼っているとどうしても壁紙に傷ができてしまったりにおいが残ってしまったりします。
普通に生活する上でどうしてもできてしまう傷やシミであれば仕方ありませんが、ペットの場合はそうではありません。
会社がそのための修繕費用を出してくれることはないでしょう。
やはり実家にペットを預けるか、自分でペット可の物件を探すしかありません。
●転職した場合、いつから入居できるのか
寮に入るためにはその寮を管理する会社の社員になることは絶対条件ですが、まだ社員にはなっていなくとも内定をもらっていれば入居が許可されることも多いです。
各企業によっても対応が異なるため、すぐに入寮したい方は説明や面接の際に相談しておきましょう。
●一般的な寮費はいくらか
寮費は2万円から8万円程度の請求をされることが多いです。
とはいえどんな金額になるにせよ、寮と同じ条件でそれより安い物件を見つけるのは難しいです。
自分で賃貸契約するよりも圧倒的に安く済むことは間違いありません。
特別寮に対して不満がないのであれば寮制度を利用しない手はないはずです。
●寮に住める期間はどのくらい?
年長者がいつまでも寮を占領するわけにはいきません。
後輩が入社してくれば先輩として部屋を譲り渡すのが当然の流れです。
どのくらい寮に住んでいられるかは一概に言えませんが、住居という特性上2年や3年といった短い期間であることは考えにくいです。
少なくとも5年程度は住み続けられると考えておいて問題ないでしょう。
寮生活の心構え
寮生活、それも自社寮の場合は住んでいる建物の住人はみんな同じ会社で働く仲間です。
通常のアパートやマンションでも隣人関係を大事にすることは重要ですが、寮に住むのであればそれ以上の意識が必要になります。
まずは住人と会ったらしっかり挨拶をすること。
相手が挨拶をするかどうかは関係ありません。
たまたますれ違った相手がこれからお世話になる先輩かもしれないのです。
次に騒音で迷惑をかけないこと。
自宅というプライベートな空間を邪魔されると誰でもイライラしてしまいます。
相手を不快にさせ、それが職場での人間関係にヒビを入れることにもなりかねません。
特にタクシードライバーには夜勤もあるため、日中帯でも睡眠をとっている人がいます。
睡眠を妨害されればどんなに温厚な人でもイライラしてしまうものです。
迷惑かけないため、できるだけ物音を鳴らさないように気をつけましょう。
寮ごとに掃除はいつ誰がするのかといった当番制になっていたり、風呂に入っていい時間が決められているなどルールが決められていることもあります。
みんなで決めたルールにはちゃんと従い、良好な人間関係を築きましょう。
タクシー寮に入るメリットは?
家賃が安い
寮の一番の魅力は家賃が安いことでしょう。
お金はいくらあっても困ることがありません。
普通の物件に住むのに比べて月々1万円安いだけだったとしても、年間では12万円が浮きます。
これだけあれば旅行にだって行けてしまいますね。
家賃は収入の3分の1以内が目安と言われています。
そう考えると出費のうち家賃が占める割合はかなりのもの。
寮に入ってしまえばこの出費を半分以下に抑えることも夢ではありません。
また、自分で物件を探すにしても会社に近くて家賃もお手頃な部屋を見つけるのはなかなか骨の折れる仕事でしょう。
寮があればそんな苦労をすることもありません。
家賃が安いどころか、その家賃の中に水道代や光熱費も含まれている場合があります。
どちらも生きていくためには必要な出費ですから、毎月数千円はかかりますよね。
それが0になるということですから、ますます節約がはかどります。
寮によっては食堂が設けられているケース<もあります。
一人暮らしだとついついコンビニやスーパーの弁当で済ませがちになってしまいますが、これではいずれ健康を害してしまう恐れもあります。
健康問題は現代の社会問題でもあり、国が積極的に対策を進めている活動の一つ。
まだ若いからといって油断しているといつの間にか深刻な病気になり、仕事どころではなくなってしまうかもしれません。
食堂があれば栄養バランスを考えて自炊する手間もかかりませんし、出来合いの惣菜を食べるよりもずっと健康的です。
料金も低めに設定されていることが多いので、家賃どころか食費さえ抑えることができます。
会社までの距離が近い
自社寮は社員の通勤を考え、会社から近い場所、もしくは会社の敷地内に建てられている場合がほとんどです。
通勤が短いとその分時間を有効に活用できます。
東京や大阪の都市圏では通勤に1時間以上かけている人が半分以上もいるそうです。
行きと帰りを合わせると1日のうち2時間以上を無駄にしているとも考えられます。
一般的な年間休日日数が120日と言われていますので、労働日数は245日。
とすれば一般の会社員は移動だけで年間で590時間、日数にしてまるまる24日以上を使っている計算です。
24日ともなればほとんど1か月。
くつろぐための時間にあてたり勉強の時間にあてる方がよっぽど有意義な時間の使い方と言えるでしょう。
通勤時間が短いことは想像以上に大きいメリットなのです。
体力的な消耗が少ないことも大きなメリットです。
1時間以上も電車やバスに揺られていては仕事が始まる前に疲れてしまいますよね。
帰りも仕事で疲れ切った体に長時間の移動は苦しいです。
特にタクシードライバーは仕事中は常に運転をしているわけですから、少しの疲れや気のゆるみが大きな事故を起こしかねません。
ましてやお客さんを乗せている間はハンドルにその命が握られています。
一般的なオフィスワーカーとは比べものにはならないほど責任を抱えていると言えるでしょう。
万全な体調を整える上でも通勤が短くて済むのは無視できないメリットです。
社員同士の絆が深まる
自社寮であれば、住んでいるのはみんな同じ会社の仲間です。
家が近い分、職場以外でも付き合いが増えることは間違いないでしょう。
仕事が終わった後に気軽に飲みに誘ったり誘われたりということもあるはずです。
時には寮全体のイベントが企画されることもあるかもしれません。
最近は会社の付き合いよりもプライベートを優先する方が増えていますが、人生の長い時間の中で仕事が占める割合はとても大きいもの。
せっかくなら職場の人とも仲を深め、楽しみたいとは思いませんか? せっかくの仕事が人間関係でギクシャクしてしまうのはもったいないですからね。
もしかすると寮で仲良くなった同僚が一生の友人になることもあるかもしれません。
一人で働く時間の長いタクシードライバーだからこそ社員同士の絆を深めておきたいものです。
特に入社したばかりのころは慣れない土地や環境で体以上に心が疲れてしまうこともあるでしょう。
辛い気持ちを一人で抱え続けては精神的な病にもかかりかねません。
関係がそこまで深くない人であっても、見知った人が身近にいればそれだけで心の負担は軽減されます。
右も左も分からない状態である方にこそ寮生活はオススメしたい暮らし方です。
自分に合った寮を見つける方法
寮についての細かい規約や規則は入社してから、もしくは選考がある程度進んでからの確認になるかと思います。
そのため実際に入社してから自分は入れない寮だった、条件が合わなかった、なんてことも。
入社後のミスマッチを避けるためには会社についての説明を受ける段階で詳しく話し合う必要がありますが、就職活動では複数の会社を受けることになるでしょう。
1つ1つの会社とじっくり話をしている余裕はなかなかないはずです。
そもそも入社前に寮の細かい話まで突っ込んで質問をすることに抵抗を感じてしまう方もいるでしょう。
そこでオススメなのは転職サイトのスタッフに相談することです。
転職サイトの運営会社はこれまでさまざまな会社を利用者に紹介してきた実績があります。
当然各社の採用担当と面識を持っているなど強力なコネクションがありますので、それぞれの会社の寮事情など内部の情報にも詳しいです。
いくつかあるタクシー会社の中からあなたにピッタリな条件を満たす会社を見つけてくれることでしょう。
無数にあるタクシー会社の中からどの会社に転職するか決めかねている段階でも気軽に相談することができます。
自分一人だけでは想定していなかった会社を紹介してくれるかもしれません。
転職活動をするにあたっては住む家だけでなく、さまざまな不安が付きまとうことでしょう。
これまでとは違う業界へ就職することに漠然とした不安を抱えている人も多いはず。
ネットや本で情報を集めるにしても、実際に働き始めなければ分からないことはたくさんあります。
不安を完全に解消するのは難しいと言わざるを得ません。
これから就職するタクシー会社の社員にそんな弱気は見せられませんが、転職サイトのスタッフとであれば気楽に悩みを相談できるのではないでしょうか。
せっかくサポートしてくれる人がいるのです。
転職サイトの利用も積極的に検討してみてください。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!