60代が大活躍できる仕事!タクシードライバーへ転職
2020年06月17日
高齢化が進む中で、シニア層の転職が課題となっています。
終身雇用の崩壊に年金受給年齢の引き上げなど、老後の生活資金を確保するために長く仕事を続けることが必要となっているからです。
そのような状況の中で、タクシードライバーへの転職はシニア層にとってのひとつの解決手段と言えます。
その理由は何か、そしてタクシードライバーという仕事にはどのような魅力があるのかをご紹介します。
目次
厳しいシニア世代の転職市況
シニアの転職は難しい
求人倍率はここ数年上昇の傾向にありました。
これは1人の就職希望者に対して求人募集をする会社の数が増えていることを表しています。
ですが実際に細かく見てみると、これは若年層に見られる傾向であることが分かります。
高齢化社会となる中で、55歳以上のシニア層をいかに活用するかが、企業やひいては日本全体にとっての課題となっています。
しかし、現実には多くの企業は人件費削減のために正社員から派遣社員へとシフトし、定年後の再雇用者の給料も少なくなる傾向が見られます。
転職市場においても、シニア層への求人募集の数はぐんと少なくなっています。
また必要とされる人材も、多くの場合シニア層は管理スキルを保有する人が優先されます。
その業種もかなり限定され、人材不足が顕著な建設業や介護・医療関係の事務職などが挙げられます。
あるいは第一線で活躍できるような転職のためには、特定分野でのスペシャリストや資格保有者、経験によりスキルを培ってきた人材などであることが求められます。
またシニア層の中でも高齢者となれば、自由に体が動かなくなる方もいるためフルタイムでの仕事も難しくなります。
働き方にある程度の自由が与えられる仕事となれば、なおさら探すのは難しいものです。
例えば求人募集では年齢を問わず、とあっても結果として年齢制限で弾かれるというケースは少なくありません。
これは若い応募者を優先するという形で現れるようです。
あるいは資格を保有していないと、応募することすらできないケースも見られます。
また、これまで務めた業界での転職であっても難しくなっているようです。
技術変化に対応できる若い世代を優先したり、あるいは仕事があっても極端に低い給与を提示されたりということが多いようです。
またパソコンを使いこなすことを求められる点も、高齢者の転職の壁となっています。
平成30年版厚生労働白書によると、65歳以上の76.3%は非正規での仕事となり、人気の職種はビルやマンションの管理・警備員などが挙げられています。
もちろん給与は以前よりも大きく下がり、日々の生活費を稼ぐことで精いっぱいといったケースも見られます。
未経験でも歓迎!タクシードライバーという職業
このようなシニア層の転職市場において、タクシードライバーの求人情報に注目が集まっています。
以前からタクシー業界は年齢を問わず転職しやすいことで知られていましたが、きっかけになったのは2017年の一部地域におけるタクシー基本料金の値下げです。
これが新たな需要を掘り起こすことにつながり、タクシー業界全体で人材を必要とするようになったからです。
タクシードライバーの特徴
タクシードライバーは未経験でも始めやすいことで知られています。
これはしっかりとした研修制度を持つ会社が多いことが理由となります。
また高齢となっても仕事を続けることができるので、シニア層の転職希望者も多いというわけです。
まずタクシーに関して、運輸や労働に関する各種法令によると年齢に関する定めがありません。(※ただし個人タクシーは除きます)
そのためにタクシードライバーの平均年齢は、約60歳と様々な産業の中でもかなり高い数値となっています。
そして、タクシードライバーの雇用形態は年齢によって変わってきます。
通常は65歳から75歳くらいまでに定年を迎えることになります。
それまでは正社員として勤務しますが、定年後は非正規として勤務を続けることができます。
長年の経験を生かしたサービスが行えることも高齢者の働きやすさに影響しているでしょう。
タクシードライバーの給料は魅力的
転職を考えるシニア層がタクシードライバーに注目するのは、未経験でも就職できることだけが理由ではありません。
その独特な給与形態も、生活費を必要とするシニア層にとっては大きな魅力と言えます。
タクシードライバーの給与形態はいくつかありますが、最も多いのは固定給プラス歩合給という形です。
これは売上に対して決まった割合が歩合として支払われる仕組みですが、頑張り次第で収入が増えることを意味しています。
歩合はおよそ売上の50%から60%ほどとなります。
タクシー業界は国土交通省下の関東運輸局に対して、定期的に報告を行う義務があります。
それを元にして売上実績などが公表されています。
例えばタクシー1台当たりの一か月の売上は平均で540,000円となっています。
これはそのうちの50%から60%がタクシードライバーの歩合給になることを意味します。
都市部では歩合が多くなる傾向があるので、多くもらう人で月給は約324,000円となります。
これに基本給も加わりますので、それなりの年収になるわけです。
一般企業でシニアが未経験で転職した場合、これほどの収入を得られることはそれほどありません。
もちろん都市部ではタクシーの需要も多いのですが、地方都市となると状況が異なります。
また体力的な問題から勤務日数も少なくなれば、当然稼ぎは少なくなります。
上記の数字はあくまでも平均値なので、参考にとどめておく必要はあります。
けれどもシニア層でも稼いでいるタクシードライバーはいますし、頑張りが収入につながるという点では通常の業種ではあまり見られないのも事実です。
新人に嬉しい給与保証
タクシー会社によって条件は異なりますが、新人に対しては給与保証が定められるケースがあります。
例えば半年間は売り上げに関わらず30万円の給与が支払われるというような形です。
未経験で仕事を初めると、最初はなかなか売上を上げることができません。
となれば収入もそれに応じた額となってしまいます。
けれどもこのような給与保証があれば、仕事に慣れるまでの間の生活費を確保することができるので安心です。
ただしシニアの場合には条件は少し厳しくなるようです。
それでも3ヶ月は保証されるなど、タクシードライバーには有利な条件がついています。
タクシードライバーのメリット
タクシードライバーのメリットは何といっても自由度の高さではないでしょうか。
営業に出れば基本的に自分一人での仕事になります。
会社の職場のように多くの人と接するわけではありません。
そこには人間関係での悩みやストレス、上司からの叱責などとは無縁です。
もちろん、自由であるということは逆に言えば、自己管理を必要とすることを意味します。
自分に厳しくなければしっかりと売上を出すことができません。
さらには売上のノルマがある会社もあります。
規定の売上が出なければ、足きりと呼ばれる解雇処分を受けるケースもあるので注意が必要です。
もちろんそのようなノルマがない会社もありますし、転職の際にはエージェントなどに相談することができます。
転職エージェントを利用すれば、自分が希望するような条件の求人情報を紹介してくれます。
ますます需要が増える?これからのタクシー業界
高齢化が進み、これからはちょっとした移動にタクシーを使うシーンが増えることが想定されます。
そのために初乗り料金を東京23区と武蔵野市、三鷹市では410円に改正しました。
これにより利用回数が増えていることが明らかになり、タクシー需要は十分にあることが推測されます。
これまでは国際的に見て割高とされていた日本のタクシー初乗り料金を引き下げることで、ちょっとした移動に利用したいという需要を掘り起こしたというわけです。
またこれからも様々な取り組みで、さらに需要は増やせると見込まれています。
例えば海外のサービスであるウーバーの上陸やライドシェア解禁の動きがあるのも、タクシーの需要はまだまだ増えると見込んでいるからです。
あるいはアプリ配車サービスを開始したところ、多くの利用者が生まれました。
このようにサービスの工夫により、利用客は今後も増えると考えられています。
そのような背景の中でタクシー会社も新たな人材を必要としており、転職者にとっては魅力ある業界であることが分かります。
まとめ
高齢化と長寿命化により、シニア層はどれだけ長く働き続けるかを模索することになります。
そのような時代の中で、タクシードライバーという仕事がいかに魅力的な転職市場であるかということが分かると思います。
IT業界などは常に若い世代を必要としていますが、これは技術進歩の早さや慢性的な長時間労働といったシニア層には少しつらい環境かもしれません。
けれどもタクシードライバーという仕事は、経験が確実にスキル向上につながります。
よりよいサービスの提供、効率の良い稼ぎ方に結び付くわけです。
さらに需要が今後も増えることが予測される中、人材需要も増えてきています。
未経験でもしっかりと研修を受けて仕事に取り組めることも、シニア層の転職先としていかに魅力的なものであるかの理由と言えるでしょう。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!