プランナーとは?
プランナーとは、主に何かプロジェクトを企画したり、立案をする仕事のことです。業界によって業務内容は大きく異なりますが、基本的には各分野の専門知識を生かしながら、企画や立案を行っていきます。
プランナーの種類によっては企画・立案以外に、顧客の課題解決まで担当することもあります。プランナーという職業は数多くの業種・分野に存在するため、プランナーの種類は業界の数だけあるとも言えるでしょう。
プランナーの種類
プランナーには数多くの種類があります。
ここではプランナーと呼ばれる職種のうち、代表的な以下の5つを取り上げて紹介します。
- ゲームプランナー
- 広告プランナー
- Webプランナー
- ファイナンシャルプランナー
- ウェディングプランナー
ゲームプランナー
ゲームプランナーとはゲーム全体の企画を行う仕事です。
プロデューサーの指示を受け、ゲームの画面レイアウトやルール策定、キャラクターやシナリオの作成などの具体的な企画を提案します。
ゲームプランナーに興味がある方は、「ゲーム業界とは?市場規模や仕事内容、平均年収や今後の動向も紹介」も読んでみてください。
広告プランナー
広告プランナーはクライアントの要望を受けて、どのような広告を制作するかを企画・立案する仕事です。
クライアントが宣伝したい商品やサービス、また企業そのもののカラーを理解し、トレンドを押さえた上で広告が効果的なものになるよう企画を提案します。
Webプランナー
WebプランナーはWebサイト全体の企画設計を行います。
クライアントのニーズを聴きながら、Webサイトのコンセプトを固めたり、コンテンツを企画したりします。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーはライフイベントに合わせた家計管理や資産形成を提案する仕事です。相談者のあらゆるお金の悩みや疑問を解決し、お金のリスクを軽減させる専門家という立ち位置です。
税金・保険・年金・ローン・資産運用・相続・不動産といった家計にまつわるお金の問題を総合的に判断し、相談者とともに人生設計を進めます。
ウェディングプランナー
ウェディングプランナーは結婚式をプランニングする仕事です。
新郎新婦から希望を聴いた上で、最適な挙式プランを提案します。他にも、予算・日程・衣装・演出の提案、スタッフの手配など、企画から当日の進行管理まで結婚式全般に関わる業務を行います。
ブライダルプランナーに興味がある方は、「ブライダル業界とは?仕事内容や年収・給料、現状の課題などを解説」も読んでみてください。
プランナーの仕事内容
プランナーの仕事内容には大きく分けて以下の4つがあります。
- 専門分野の知識をもとにした企画の立案
- クライアントの悩みや課題のヒアリングと解決
- プロジェクトの進行管理
- プロジェクトの運用・分析
専門分野の知識をもとにした企画の立案
クライアントのニーズを聴いてから、それぞれの専門分野の知識をもとに企画の立案を行うのがプランナーの仕事です。
例えば広告プランナーであれば、まずはクライアントの意向やイメージを具体的な広告の形に落とし込みます。その上で、トレンドなども考慮した最も効果的なプロモーション戦略を組みます。
WebプランナーならWebデザイン・アプリなどの知識を活用して、クライアントの望むWebサイトを構築するのが主な仕事です。ウェディングプランナーなら、新郎新婦の理想の結婚式を作ります。
クライアントの要望やイメージを具体的な企画の形にし、提案するのがプランナーの仕事と言えるでしょう。
クライアントの悩みや課題のヒアリングと解決
プランナーは顧客の相談に乗り、その悩みや課題に対する最適解を提示することも仕事のひとつです。クライアントが何に悩んでいるのか、何を求めているのかといった潜在的なニーズを引き出して解消する方法を教えたり、クライアントが満足する提案を行ったりします。
例えばファイナンシャルプランナーなら、生活設計や家計の支出などの悩みを抱える人が相談者です。資産・収入・ローン・保険・税金・年金などの幅広い観点から課題を洗い出しアドバイスをします。
Webプランナーならより多くの集客ができるWebサイトをどう構築すべきかを検討します。広告プランナーならターゲット層にアプローチするために、どのような広告を打つべきか等のクライアントの悩みを解決するのが仕事です。
プロジェクトの進行管理
プランナーの仕事は企画・立案に留まりません。自分の立案した企画やプロジェクトが計画通り行われているかを確認し、進捗管理を行ったり現場で働くスタッフに指示を出したりすることもプランナーの仕事です。
プランナーはクライアントの意向を最もよく把握しているため、イメージ通りの形になっているかをチェックし、トラブルや修正に対応することもその業務の一つです。
例えばウェディングプランナーなら、プラン通りの挙式が行われるよう式場で指揮を行います。ゲームプランナーなら、制作作業が企画書に沿って行われているか適宜チェックし、指示を出したりバグや修正に対応したりします。
プランナーには企画がスムーズに進行するようスタッフをまとめ、企画やプロジェクトをゴールに導く役割もあるのです。
プロジェクトやプランの改善
プランやプロジェクトが完成し、ローンチしたあともプランナーの仕事は続きます。
例えば広告プランナーやWebプランナーなら、公開した広告やページがターゲット層にアプローチできているかを分析します。目標や予想を下回る場合は、内容の見直しや情報配信のスケジュール変更などをしなくてはなりません。
ファイナンシャルプランナーなら、ライフイベントや経済情勢に応じて数年おきに家計や人生設計の見直しをする必要もあるでしょう。
プランナーはクライアントの求めるゴールや目標達成に向けて、見直しや改善を繰り返していきます。
プランナーの魅力ややりがい
プランナーの魅力ややりがいについて、以下の3つを紹介します。
- チームで仕事に取り組める
- 仕事が評価されたときの達成感が大きい
- さまざまなスキルを身につけ、成長できる
チームで仕事に取り組める
プランナーは企画の立案を行いますが、実際にそれを実現する際には、多くのスタッフやチームの協力が必要です。
進めた企画やプロジェクトの成功を皆で分かち合える点は、プランナーの仕事の最大の魅力と言えるでしょう。
仕事が評価されたときの達成感が大きい
企画というゼロの段階からスタートするのがプランナーの仕事です。そのため、企画や制作物によって得られる効果やプロジェクトの成功可否が、プランナーとしての評価に直結します。
プランナーは企画立案から進行管理・マネジメントまで担う業務が幅広く、責任やプレッシャーの大きな仕事ですが、その分成果が出たときの達成感も大きいです。
さまざまなニーズに対応する能力が身につく
先述したようにプランナーの仕事は多岐に渡るため、さまざまなニーズに対応する中で、たくさんのスキルが身につくチャンスがあります。
具体的には、クライアントの要望やニーズを汲み取るコミュニケーション能力、悩みや課題を解決する提案力が身に付きます。また、最適な提案をするためには専門知識も必要です。
プランナーの仕事を通じて身につけたスキルを活かせば、キャリアの選択肢も増えていくでしょう。
プランナーの仕事の大変なところ
プランナーの仕事の大変なところについて、以下の3つを解説します。
- きめ細やかなクライアントとの調整が必要
- たびたびの指示変更や仕様変更がある
- 業務時間が長く激務になりやすい
きめ細やかなクライアントとの調整が必要
プランナーの仕事には企画や進行管理だけでなく、クライアントへの対応も含まれます。
社内のスタッフの業務進行を見つつ、クライアントと打ち合わせやすり合わせを行い、クライアントの望む形に企画を落とし込む調整が必要です。社内外の両方の調整が必要な点は、プランナーの仕事の大変な部分と言えます。
たびたびの指示変更や仕様変更がある
こだわりの強いクライアントの担当になると、何度も修正指示があったり、仕様変更を依頼されたりするケースがあります。
修正や変更が重なることで、疲弊してしまうプランナーもいます。
業務時間が長く激務になりやすい
担当する業務範囲が広いため、激務になりやすいといった点もプランナーの仕事の大変なところです。
いくつもの案件が同時に進行することもあるため、プランナーは気力・体力を要する仕事でもあります。
プランナーに必要な資格
ほとんどのプランナーにとって、必須の資格はありません。専門知識や経験があれば、プランナーとしての仕事は果たせます。
ただし例外として、ファイナンシャルプランナーだけは資格が必要です。国家資格の「FP技能士」、または民間資格の「AFP」「CFP」の資格を取得しなければファイナンシャルプランナーを名乗ることはできません。
プランナーに必要なスキル
プランナーの仕事をするにあたって求められるスキルを4つ紹介します。
- 企画立案力
- マネジメントスキル
- プレゼンテーションスキル
- 各分野の専門知識やスキル
企画立案力
企画の立案はプランナーの仕事の主たるものです。どんな企画やプロジェクト・プランの成否も、土台となる企画の内容の良し悪しによって決まります。
企画立案力を高めるためには、日頃から専門知識や経験を蓄え、常にトレンドを押さえておく努力もしなくてはなりません。
マネジメントスキル
プランナーには、スタッフに指示を出し、企画を計画通りに業務を進行させるマネジメントスキルが求められます。
例えばゲームプランナーなら、ゲーム開発というゴールに向かってデザイナー・プログラマー・デバッガー・営業といったさまざまなメンバーとチームで仕事を進めます。ウェディングプランナーなら、挙式準備ではスタイリストと、当日の式進行にあたっては司会者やバンケットスタッフとの連携が必要です。
マネジメントスキルなくしては、プランナーの仕事は成立しないでしょう。
プレゼンテーションスキル
プランナーには立案した企画やプランの魅力をクライアントに伝えるプレゼンテーション能力も必要です。
提案の場では、その企画やプロジェクトがいかにクライアントのニーズや課題を解決するか、どんなメリットがあるかをクライアントに伝わるよう説明する必要があります。物事を論理的かつわかりやすく説明する能力が非常に重要です。
各分野の専門知識やスキル
優れた企画やプロジェクトを立案するためには、その分野の高いスキルや専門的な知識も求められます。スキルや専門知識があることで、企画やプロジェクトの内容に深みが増し、クライアントに対してより最適な提案ができるでしょう。
例えば広告プランナーなら広告制作やマーケティングに関する知識を、WebデザイナーならWebデザインやプログラミング言語の知識などがあるとなお活躍できます。
プランナーに向いている人
プランナーに向いている人の特徴を2つ紹介します
- コミュニケーション能力が高い人
- 新しい知識を得るのが好きな人
コミュニケーション能力が高い人
プランナーには、チームやスタッフと情報共有してスムーズに仕事を進めるためのコミュニケーション能力が必須です。
プロジェクトの達成に向けて社内では意見交換を行ったり、ときにはクライアントと納期や予算の交渉をしたりすることもあります。プランナーの仕事には対社内・対社外どちらとも信頼関係を築き、対話ができるコミュニケーション能力の高い人が向いているでしょう。
新しい知識を得るのが好きな人
クライアントに喜ばれる提案をするためには、各分野の基礎知識を備えていることはもちろん、業界のトレンドや最新の情報にも精通している必要があります。
例えばゲームプランナーなら、オンラインゲームやゲームアプリの流行に敏感でなくてはなりません。広告プランナーなら社会情勢や世の中の動向を常に把握していなければ、ターゲットにリーチする広告は作れません。
トレンドや社会の流れをいち早く察知でき、さらにそれを企画に落とし込む能力のあるプランナーなら優れた提案ができるでしょう。
プランナーに向いていない人
プランナーに向いていない人の特徴を2つ紹介します
- マルチタスクが不得意な人
- 柔軟性に乏しい人
マルチタスクが不得意な人
プランナーの業務はヒアリングや企画立案に始まり、プロジェクトの進行管理、チームメンバーやスタッフのマネジメント、プロジェクトの修正対応などとても幅広いです。時には、これらを同時進行しなくてはなりません。
物事に優先順位をつけるのが苦手な人や、タスクごとに頭を切り替えて取り組むことが難しいと感じる人にはプランナーの仕事は向いていないかもしれません。
柔軟性に乏しい人
プランナーの仕事には変更・修正・改善がつきもので、臨機応変な対応が求められます。
プロジェクトの進行が当初の計画から変更されたり、クライアントの意向で企画そのものに変更・修正の手が加わったりすることもあるでしょう。想定外の事態に弱い、計画の修正や変更に強いストレスを感じるといった性格の人にはあまり向いていない仕事と言えます。
プランナーの年収や給料事情
プランナーの年収・時給を職種ごとに紹介していきます。
【ゲームプランナーの場合】
勤務形態 | 年収・時給 |
正社員 | 年収519万円 |
アルバイト・パート | 時給1,150円 |
派遣社員 | 時給1,899円 |
出典:求人ボックス給料ナビ「ゲームプランナーの年収・時給・給料」
【広告プランナーの場合】
勤務形態 | 年収・時給 |
正社員 | 年収514万円 |
アルバイト・パート | - |
派遣社員 | 時給1,828円 |
出典:求人ボックス給料ナビ「広告プランナーの仕事の年収・時給・給料」
【ファイナンシャルプランナーの場合】
勤務形態 | 年収・時給 |
正社員 | 年収386万円 |
アルバイト・パート | 時給1,048円 |
派遣社員 | 時給1,475円 |
出典:求人ボックス給料ナビ「ファイナンシャルプランナーの仕事の年収・時給・給料」
【ウェディングプランナーの場合】
勤務形態 | 年収・時給 |
正社員 | 年収368万円 |
アルバイト・パート | 時給1,044円 |
派遣社員 | 時給1,299円 |
出典:求人ボックス給料ナビ「ウェディングプランナーの年収・時給・給料」
総務省統計局の「家計調査」によると、国内の平均年収は433万円です。
ゲームプランナー・広告プランナーの正社員年収は500万円以上で、国内平均を上回っています。一方、ファイナンシャルプランナー・ウェディングプランナーの年収は370万円前後と、国内平均を下回っています。
もちろん、勤務先や経験・スキルによって年収額は大きく変わってくるのが一般的です。しかし同じプランナーという職種でも、業界によって平均年収に100万円以上の差が生じることは念頭に置いておきましょう。