エンジニア

エンジニアとは?仕事内容や向いている人の特徴・年収・給料などを解説

エンジニアとは?

エンジニアとは「工学(エンジニアリング)に関する専門的な知識やスキルを持った人材」を指す言葉です。日本ではシステムの開発や設計に携わる技術者を指し、主にインターネット関連の分野で活躍するITエンジニアが大勢います。

近年はスマートフォンやPC、タブレットなどが普及していることから、今後もエンジニアの需要が絶えることはないでしょう。

エンジニアの仕事のやりがい

エンジニアのやりがいは大きく分けて次の3つです。

  • 成果が目に見える
  • 社会に与えるインパクトが大きい
  • チームでの達成感が得られる

成果が目に見える

エンジニアが開発した成果物は目に見えるため、非常にやりがいがあります。例えば自分が開発したシステムが動いたり、開発したシステムを自分自身で使ったりと、仕事の成果を見て楽しめる機会が多いでしょう。

特にプログラムを設計するシステムエンジニアや開発に携わるWebエンジニアなどは、成果が目に見えやすい職種です。

社会に与えるインパクトが大きい

自分の働きによって、社会に大きなインパクトを与えられるのもエンジニアのやりがいの一つでしょう。

ユーザーからの共感を得たシステムや製品が世の中に出て、ニュースやSNS等で紹介されることもあります。また、テクノロジーによって社会に変化が起きるとき、必ずと言って良いほどエンジニアがプロジェクトに携わっています。

大きなスケールで仕事ができるのは、エンジニアの仕事の楽しさとも言えるでしょう。

チームでの達成感が得られる

エンジニアはチームで業務に当たることが多いため、チームでの達成感も得られます。ひとつのシステムや製品ができあがるまでチーム一丸となって取り組むため、仕事が完了したときの喜びも大きいでしょう。

またチームで成し遂げた経験を積めば積むほど、エンジニアのスキルアップにもつながります。

エンジニアの仕事内容

エンジニアの仕事内容は職種ごとに異なります。

代表的な10種類のエンジニアの仕事内容を見ていきましょう。

システムエンジニア(SE)の場合

システムエンジニアは、システム開発において提案から設計、開発に至るまでの一連の業務を担う仕事です。クライアントの要望を受けた後、システムを設計しプログラムを組んでいきます。

プログラミングやテストは別の部門に任せるのが一般的ですが、場合によってはエンジニアが参加することもあります。

工程ごとに他部門との連携が多く、高いコミュニケーションスキルが必要です。

SEに興味がある方は、「SE(システムエンジニア)とはどんな仕事?仕事内容や必要なスキルを紹介」も読んでみてください。

プログラマーの場合

プログラマーは、システムエンジニアが制作した設計書(仕様書)をプログラミングし、機能を実装する仕事です。対応するシステムや使用する言語はさまざまで、一口にプログラマーと言ってもJavaプログラマーやPHPプログラマーなどの分野に分かれています。

プログラマーは仕様書にただ従うだけではなく、不備や改善点が見つかったときはシステムエンジニアに指摘・相談するのも大事な役割です。

インフラエンジニアの場合

インフラエンジニアは、サーバーの構築やクライアント端末の設定といったITインフラを支える仕事です。

業務の範囲が広く、ITインフラの監視やメンテナンスにも対応しなければなりません。もし障害が起きた場合は、即座に原因を特定して復旧作業を進めていく大変さがあります。

なお、一般的にインフラエンジニアは「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」に分類されているのが特徴です。ネットワークエンジニアはネットワークの構築を、サーバーエンジニアはシステムのサーバー構築を行うといった違いがあります。

インフラエンジニアに興味がある方は、「インフラエンジニアとは?仕事内容や種類をわかりやすく解説!取るべき資格や年収事情は?」も読んでみてください。

Webエンジニアの場合

Webエンジニアは、Webサイトやアプリケーションなどの設計や開発、運用・保守をする仕事です。エンジニアのなかでも特にWebに関する専門性が高く、ネットワークやセキュリティー対策に関する知識が求められます。

一般的にWebエンジニアは「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」に分類されているのが特徴です。

フロントエンドエンジニアは商品ページなどのユーザーの目に見える部分の動きやデザインのコードを担当します。一方バックエンドエンジニアは、ユーザーが購入したデータの処理やその結果の出力など、ユーザーの目に見えない部分のシステムの開発を行う仕事です。

データベースエンジニアの場合

データベースエンジニアは、データベースの設計・開発や運用・保守を担当する仕事です。大量のデータの中から必要なデータを必要なときに取り出すことができるよう、一定のルールでデータを格納したものをデータベースと呼びます。

データベースエンジニアは情報の多い現代社会に欠かせないものであり、今後も需要が伸びていくと予想されます。

データサイエンティストの場合

データサイエンティストは、過去から現在まであらゆるデータの中から必要な内容を分析して抽出する仕事です。統計学やコンピューターサイエンス、データ分析などを活用する必要があり、高い専門性が求められます。

また、企業の課題解決を目的とするコンサルタント的色合いも強く、エンジニアの中でも特に収入面で安定しているのが魅力です。

データサイエンティストに興味がある方は、「データサイエンティストとは?仕事内容や向いている人の特徴・年収・給料などを解説」も読んでみてください。

セールスエンジニアの場合

セールスエンジニアは専門知識を活かした営業特化のエンジニアで、FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)とも呼ばれる職種です。

クライアントに対してシステム導入を提案するため、ITに関する知識だけでなく、高いコミュニケーションスキルが求められます。また、専門用語をクライアントへわかりやすく伝えることも大切なので、一定のエンジニアとしての知識も必要な仕事です。

ものづくりエンジニアの場合

ものづくりエンジニアとは製造業に携わるエンジニアであり、研究開発や設計、メンテナンスを担う仕事です。

ものづくりエンジニアが携わる分野は、例えば次のように多岐に分かれます。

  • 自動車
  • 電気機器
  • 精密機器
  • 半導体
  • プラント
  • 産業機械など

対応する分野の専門知識があることはもちろん、各部署と連携して仕事を進めるので高いコミュニケーション能力が必要です。

ITコンサルタントの場合

ITコンサルタントは、クライアントの課題に対して システム導入を提案して解決を図る仕事です。ヒアリング・分析に始まり、提案からマネジメントまで、ITコンサルタントの仕事は多岐にわたります。

システムエンジニアと混同されることが多い仕事ですが、システムの開発が目的のシステムエンジニアに対して、ITコンサルタントは経営課題の解決が目的です。

プロジェクトマネージャーの場合

プロジェクトマネージャーはシステム開発の進行管理を担う職種で、言うなればプロジェクト全体の総責任者です。プロジェクトには予算や品質、納期といった管理が必要となりますが、プロジェクトマネージャーはそれらを見通して意思決定を行います。

また納品して終わりではなく、プロジェクト終了後は顧客がシステムを使えるよう説明や指導を進めていかなければなりません。

プロジェクトマネージャーに興味がある方は、「プロジェクトマネージャーとは?どんな仕事内容かを解説!取るべき資格や年収事情も紹介」も読んでみてください。

エンジニアになるには

エンジニアとして働くためには、まずスキルや専門知識の習得が必要です。

ITの専門学校を卒業して就職するのが一般的ですが、未経験の場合は職業訓練校で学んだりプログラミングスクールに通ったりする方法もあります。

またできるだけ費用を抑えるなら、独学でスキルや専門知識を習得するのもおすすめです。書籍で学びながら実際に自分でサイトを制作し、自分を売り込むポートフォリオを準備しておくと良いでしょう。

エンジニアに必要なスキル

エンジニアに必要なスキルは、大きく分けて次の3つです。

  • プログラミングスキル
  • コミュニケーションスキル
  • マネジメントスキル

プログラミングスキル

まずエンジニアは、システムを作る上で欠かせないプログラミングスキルが必要です。基礎的な文法や、仕様書に合わせてプログラムを記述できるといった最低限のスキルが求められます。

一部ですが、プログラミング言語には次のような種類があります。

言語名

内容

Java(ジャバ)

Webや業務システムに利用される。

汎用的な言語で、多くのエンジニアが使用する。

PHP(ピーエイチピー)

サーバー上で動作する言語で、主にWebやゲーム開発で利用される。

JavaScipt(ジャバスクリプト)

ブラウザ上の動作に関わる言語で、ポップアップの表示やボタン操作の処理などに利用される。

Webアプリ開発には必須の言語。

Python(パイソン)

人工知能の開発で利用される言語。

シンプルな文法で初心者でも使いやすい。

Ruby(ルビー)

Webアプリの作成で利用される言語。

シンプルな文法で初心者でも使いやすい。

C言語(シーげんご)

電子機器の組み込みシステム開発、OS作成などで利用される。

変換処理が必要であり難易度は高い。

C ++(シープラスプラス)

C言語にオブジェクト指向と呼ばれる概念を取り入れた言語で、C言語と互換性が ある。

習得すればプログラム開発を効率化できる。

C#(シーシャープ)

C ++やJavaをベースにしたプログラミング言語。

アプリだけでなくゲーム開発でも利用されることが多い。

プログラミング言語は数多くあるため、自分が携わりたい職種や業種などでニーズの高いものを選んで学習しましょう。

コミュニケーションスキル

エンジニアは一人で作業することが多いと思われがちですが、コミュニケーションスキルも求められます。いずれの職種であっても、エンジニアはシステムやサービスの仕様を決める上で、クライアントとのやり取りが多く発生するからです。

またセールスエンジニアやITコンサルタントであれば、クライアントの要望を上手にヒアリングしなければなりません。加えてチームで仕事を回すことが多いため、スタッフ同士のコミュニケーションも必須です。

マネジメントスキル

現場のエンジニアには、マネジメントスキルが求められます。組織全体の意識決定をスムーズにし、プロジェクトメンバーのパフォーマンスを向上させるためです。

またプロジェクトマネージャーの場合、メンバーをまとめ上げるリーダーシップや顧客のニーズをプロジェクトに落とし込む能力も求められます。

エンジニアを目指す人におすすめの資格

エンジニアは専門性が高い仕事であるため、資格の取得がおすすめです。

おすすめの資格は次のとおりです。

基本情報技術者試験

国家資格である基本情報技術者試験は、ITに関する基本知識や技能を習得できます。情報処理全般への理解を証明するメジャーな資格ですが、出題範囲が広いので事前の対策は必須です。

試験は毎年春と秋の2回開催されていて、毎年合格率は25%前後となっています。

出典:IPA(情報処理推進機構)「基本情報技術者試験

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、IT技術のほか管理や経営の部分まで網羅的に知識を習得できる国家資格です。技術から管理まで幅広い知識と応用力を身に付けたエンジニアであることを証明できます。

試験は毎年春と秋の2回で、合格率は20%前後と、基本情報技術者試験と同様に難易度の高さがうかがえます。

出典:IPA(情報処理推進機構)「応用情報技術者試験

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、経済産業省が認定する国家資格です。「情報処理技術者試験」の一種で、数あるIT系国家資格の中でも特に人気の高い資格として知られています。上流工程である要件定義から開発、運用・保守までが出題範囲です。

難易度は高く、IPA(情報処理推進機構)が設定する資格難度を示すスキルレベルでは、最大のレベル4に設定されています。

出典:IPA(情報処理推進機構)「システムアーキテクト試験

エンジニアに向いている人

エンジニアは、次のような人が向いています。

  • 最新技術や知識の習得に関心がある人
  • 論理的に物事を進められる人
  • 忍耐力がある人

最新技術や知識の習得に関心がある人

ITやコンピューターに関して最新技術や知識の習得に関心がある人は、エンジニアに向いています。技術の進歩や変化が早い業界であるため、情報収集と勉強を続けられる人でなければ長く勤まらないでしょう。

実際に現場で活躍しているエンジニアは、IT技術の最新トレンドに敏感な人や常に学ぶ姿勢を持っている人が多いです。

論理的に物事を進められる人

論理的に物事を進められる人は、エンジニアとして活躍できます。

要件定義をするときは「どのような機能を充実させるのか」「本当に必要な部分かどうか」など、ひとつひとつの作業に対して根拠を明確にしなくてはなりません。

感覚やセンスで業務に当たるのではなく、きちんと筋道を立てて結論を導き出せる人がエンジニアに向いていると言えるでしょう。

忍耐力がある人

忍耐力がある人は、長くエンジニアとして働けます。システムの開発中にエラーやバグが発生したら、その箇所を見つけ出すのに多大な時間や体力が必要になるケースもあるからです。

スケジュールを組んでいてもイレギュラーなトラブルが起こりやすい仕事であるため、臨機応変に動ける柔軟さと粘り強さが求められます。

エンジニアに向いていない人

一方エンジニアは、次のような人はあまり向いていないと言えるでしょう。

  • 効率を重視するのが苦手な人
  • 地道な作業が苦手な人
  • 残業をしたくない人

効率を重視するのが苦手な人

仕事において効率を重視しない人は、エンジニアには向いてないでしょう。

エンジニアは「従来手動でやっていた仕事を効率良くできるようにシステム化する」といった業務が多く発生します。そのため効率化の姿勢は、常日頃から求められます。

また、最新技術や新しい業務ツールなどが出てきたときも、すぐに取り入れようとする姿勢が大切です。

地道な作業が苦手な人

地道な作業が苦手な人は、エンジニアに向いていないでしょう。特にプログラミングを実施する際は、エラー時にログやエラーメッセージを追って原因究明するといった業務が数多くあるからです。

また運用まで何度もテストを繰り返す大変さがあり、トライ&エラーを繰り返す必要があります。地道な作業や調査・分析が苦にならない人でなければ、エンジニアを長く続けるのは難しいでしょう。

残業をしたくない人

エンジニアの仕事は場合によっては残業が発生するため、定時を過ぎて働きたくないという人には向いていません。プロジェクトには必ず納期が存在し、作業時間を増やしてでも厳守する必要があるからです。

また、アプリや通販サイトなど24時間稼働するシステムに携わっている場合、不具合が発生すれば深夜作業となることもあります。もちろん企業にもよりますが、ある程度の残業は覚悟すべきでしょう。

エンジニアの年収や給料事情

エンジニアの年収

勤務形態別に見たエンジニアの給与は次のとおりです。

勤務形態

年収・時給

正社員

年収497万円

アルバイト・パート

時給1,200円

派遣社員

時給1,800円

出典:求人ボックス給料ナビ「営業の仕事の年収・時給・給料

総務省統計局の「家計調査」によると、日本国内の平均年収は433万円です。正社員のエンジニアの平均年収は、国内平均を50万円ほど上回っています。

ただし、実際に得られる給与は企業規模や担当する業務などによって異なります。実際の求人を見て、納得できる給与の企業を選びましょう。

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