タクシードライバーの新人研修の内容とは?期間や流れを詳しく解説
2020年08月08日
タクシー会社に入社した社員は新人研修を受けます。資格の取得からマナー、運転技術などさまざまなことを学びます。
これから新人研修を受ける人は「どんな内容なのかな?」「厳しくない?」と不安に感じているかもしれません。
そこで今回は、タクシードライバーの新人研修の内容や期間、流れを解説していきます。
目次
タクシー会社の新人研修の流れと内容
まずはタクシー新人研修の流れと内容について解説をしていきます。
①普通自動車二種免許の取得
まずはタクシー運転手になるために必要な「普通自動車二種免許」を取得します。
ほとんどの会社で資格取得の費用を負担してくれるので、事前に取得しておく必要はありません。またタクシー運転手はAT限定でも採用があるため、運転免許さえれあれば大丈夫です。
ただし普通自動車二種免許は難易度が高いので、何度も落ちているとペナルティが科されることもあります。会社での評価を下げないためにも、しっかりと勉強をして一発で合格できるようにしておきましょう。
②地理試験の受験(東京都、神奈川県、大阪府の一部地域)
東京都や神奈川県、大阪府の一部地域では「地理試験」を実施しており、合格をしなければタクシー運転手になることができません。
これは国土交通省がタクシー業務適正化特別措置法で規定しており、指定の地域では「普通自動車二種免許」と「地理試験」に合格をしなければならないというものです。
試験は幹線道路図や施設関連図、交差点を覚えるなど、丸暗記が必要な試験です。かなり難易度が高いので、暗記が苦手な人はなるべく早めに着手しておきましょう。
③運転者適性診断
運転者適性診断とは、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)がバスやハイヤー、タクシー、トラックなどの自動車運送事業者に対して行う診断です。
診断では運転者の長所や短所、運転のクセなどを導き出し、その結果に対してアドバイスや指導をしてもらえます。
要するに、交通事故防止のための研修です。運転に自信がない人でも、適切なアドバイスがもらえるので、タクシー運転手になるのが不安という方でも安心です。
④営業や接客、法令、機器操作の研修
こちらの研修は、各県に設置されているタクシーセンターで受講をします。タクシー運転手にに必要なスキル(営業、接客、法令、安全、地理)を学ぶところです。
例えば東京タクシーセンターでは「接遇」「法令」「地理」「安全」「交通バリアフリー」の5科目の講習を4日間受講。その後、試験が行われ合格をすれば次のステップに進めます。
しっかりと研修を受ければ、そこまで難しい試験ではありませんので、安心して受講してください。
⑤教習車での実地研修(同乗研修)
実地研修は会社によって研修内容が異なります。ただし大まかな内容は変わりません。
- 身だしなみ
- 接客
- 乗車から降車までの流れ
- トラブル対応
- 運転技術
など順を追って研修を行います。
特に酔っぱらった乗客への対応や暴力をふるわれた時の対処法は、何度もロールプレイングをして、もしもの時にも冷静に対応できるように訓練します。
その他にも、間違えやすい地名を覚える研修や行き先を間違えないための研修もあります。
最近は接客の丁寧さに力を入れる会社も増えてきました。タクシー業界は競争が激しいので、細かな部分にも気を遣うようになりました。そのため、マナー研修に時間をかける会社も増えています。
⑥営業所での配属後研修(同乗研修)
実地研修を終えると、いよいよ営業所に配属をされ業務に入ります。
タクシー会社により異なりますが、最初から1人で仕事を任せることもあれば、最初の数回は上司を隣に乗せた状態で業務を行う場合もあります。
いずれにせよ上司に見てもらうことになるので、緊張せずリラックスした状態で業務を開始してください。
タクシー新人研修に関するよくある質問
タクシー新人研修の内容を知ったら、自分にもこなせるのか不安を感じ、さまざまな疑問が浮かんできている方もいるかと思います。
そこで、タクシー新人研修に関するよくある質問に回答をしていきます。
新人研修の期間はどのくらいですか?
タクシー会社により異なりますが、1ヶ月前後になることが多いです。
内容 | 期間 |
普通自動車二種免許 | 10日前後 |
地理試験 | 2日〜7日(対象の人のみ) |
運転者適性診断 | 1日 |
営業や接客、法令、機器操作の研修 | 5日前後 |
教習車での実地研修 | 5日前後 |
営業所での配属後研修 | 3日前後 |
ただし普通自動車二種免許や地理試験に落ちてしまうと、1ヶ月以上かかってしまうこともあるので注意が必要です。大まかな内容と日数は上記の通りです。
研修中に給料は発生しますか?
新人研修中でも給料が発生します。タクシー会社によって異なりますが、日当1万円前後はもらえます。金額が気になる人は、入社前に確認をしておいてください。
新人研修以外の研修を受けることはありますか?
新人研修以外にも、スキルアップを目的とした研修を用意している会社もあります。
ユニバーサルドライバー研修
ユニバーサルドライバー研修とは、バリアフリー研修推進実行委員会が推進している研修です。
車椅子の乗客や体が不自由な方、高齢者への対応など、バリアフリーに対応できる人材を育成する目的があります。高齢化社会に入っていくので、これから需要が高まる研修です。
外国語研修
外国人観光客が来る観光地では、外国語研修を実施しているタクシー会社もあります。最低限の外国語を身につけ、外国人にも対応できるようにしています。
特に東京は観光客が多いため、外国語研修を取り入れる会社が増えてきました。
観光ガイド研修
観光地を管轄とするタクシー会社では、地域の案内ができるように観光ガイドの研修を行うところもあります。
例えば東京では「東京シティガイド検定」というものがあり、多くのタクシー会社で導入をしています。
経験者も新人研修を受けるのですか?
転職して他のタクシー会社に入社した人、タクシー運転手の経験がある人もいるかと思います。そういった方は、「⑤教習車での実地研修」から入る場合が多いです。
その後は、すぐに営業所に配属され、そのまま業務を行うことになります。ただし会社によって異なるので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
新人研修が充実しているタクシー会社に入るためには?
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木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!