タクシー運転手はチップがもらえる?日本と海外のチップ事情を徹底解説!
2020年10月05日
一昔前までは、「お釣りはいりません」と言いながらチップを運転手に渡し、颯爽とタクシーを降車していくお客さんが多くいました。果たして、2020年現在もそういったお客さんや、別途チップを渡してくれるようなお客さんは日本にいるのでしょうか。
そこで本稿では、日本のタクシーにおけるチップ事情と、比較対象として海外のタクシーにおけるチップ事情をまとめました。
目次
日本のタクシー運転手はチップがもらえる?
バブル時代と比較するとタクシー運転手がチップをもらえる頻度は限りなく減りましたが、現在でももらえる場合があります。
日本には海外と違ってチップの文化がありません。普段の私たちの生活を思い返してみるとお分かりでしょう。レストランでもホテルでも、チップの受け渡しをしたことのある人はいないはずです。
しかしタクシー業界だけは別です。他のサービス業にチップ文化はありませんが、一昔前のタクシー運転手の中には「このチップ制度があるから、チップが楽しみだからタクシー運転手をしている」という人もいるくらいチップ文化が根付いていました。
現在でもその文化はありますが、時代の移り変わりとともにその文化は薄れつつあります。したがって、現代において「タクシー運転手ならチップが”たくさん”もらえる」という事実はないと覚えておきましょう。
日本でタクシー運転手がチップをもらえるケース
それでは、日本のタクシー運転手がチップをもらえるケースとは、いったいどのような時なのでしょうか。
ケース①:お釣りを受け取らないお客さんを乗せた
バブル時代は、3,000円のメーター運賃に対して10,000円札で支払い「お釣りはいりません」という気前のいい人が多くいました。日本には海外のような明確なチップ文化がないため、このような形でチップが支払われていたのです。
この文化は今も残っていて、980円のメーター運賃に対して1,000円札で支払いお釣りを受け取らない人は多くいます。ただし、バブル時代よりもその金額は極端に下がっています。
それに加えて、2020年現在においては国を挙げてキャッシュレス化が促進されているため、タクシーの精算で現金を使う人が少なくなり、自ずと「お釣りはいりません」というお客さんが減ってしまいました。
ケース②:年始の心付け文化が残っているお客さんを乗せた
1990年代のバブル崩壊までは、年始にタクシーを利用すると心付けとしてチップを運転手に渡す文化がありました。
ご年配の方などはまだこの文化が残っていることがあり、そういったお客さんを年始に乗せると心付けをもらえる可能性があります。この場合は「お釣りはいりません」と言われるのではなく、封筒に入れてお渡しされることがほとんどです。
もし急に封筒を渡されて「ありがとう」と言われた場合は、心付けをいただいたと理解し「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えましょう。
ケース③:サービスに満足してもらえた
送迎中の会話や乗降車のサポートなどでお客さんに満足してもらえた場合に、チップを支払ってもらえることがあります。
・重い荷物をトランクに入れた
・雨の日にお客さんが乗車するまで傘をさしてあげた
・乗車中の会話や気配りが心地よかった
こういったホスピタリティ溢れる対応を行うとお客様に感動してもらえ、素晴らしい乗務体験ができたとチップを支払ってくれる人がいます。
日本のタクシー運転手はどれくらいの頻度でチップがもらえる?
それでは、日本のタクシー運転手はどのくらいの頻度でチップがもらえるのでしょうか。タクシー運転手がチップをもらえる可能性を高めるには、「お釣りはいりません」と言ってもらえるお客さんを乗せることが最も有効です。
とある調査によると、60%以上の人が「お釣りを必ず受け取る」と回答しているため、10回中4回以下の確率でチップがもらえると考えられるでしょう。
残り40%のお釣りをもらわないこともある人たちの内訳をみると「いい運転手さんのときはもらわない」が11%、「50円以上100円未満であればもらわない」で10%、「近距離の移動で申し訳ないときはもらわない」が9%、その他10%という結果になっています。
つまり、ただただお客さんを乗せ続ければ40%の確率でチップがもらえるわけではなく、11%以上はタクシー運転手のホスピタリティ、サービス力に依存していることがわかります。
また、このアンケート結果を見ると分かる通り、やはり最近のチップ額は昔よりも極端に少なくなっており、チップ1回あたり1,000円以下のことがほとんどであることが予想されます。
海外のタクシーのチップ事情
それでは日本と比べて、海外のタクシー運転手はどれくらいの頻度でどのくらいの金額をチップとして受け取っているのでしょうか?
基本的には必ず支払う
海外のタクシーを利用した場合、チップを必ず支払う文化があるため、それに従う必要があります。
チップ文化のない日本人にとって、チップは支払いたくないという感情が強いかもしれません。しかし、海外のタクシー会社ではタクシー運転手に対して生活ができるだけの十分な給与が支払われていないことが多く、タクシー運転手の大半はお客さんからのチップで生活費を捻出しています。
つまり、海外のタクシー運転手にとってチップは「臨時ボーナス」ではなく「歩合制給与」です。このような言い方をした方が日本人の私たちには理解しやすいでしょう。文化の違いを理解し、海外のタクシー運転手には必ずチップを支払うようにしましょう。
金額は国によって異なる
アメリカでは運賃の15~20%、ヨーロッパでは運賃の10~15%がチップの相場です。チップ金額の相場に振れ幅(レンジ)があるのは、トランクサービスを利用したり、重いものを運んでもらったりした場合にチップをより多く渡す習慣があるからです。
例えばアメリカでタクシーを利用した際、あんまり感動するサービスではなかったと感じたのであれば15%、乗車中に観光スポットの回り方や地元の人しか知らないような豆知識を教えてもらったら20%のチップを渡すようにしましょう。
チップの渡し方
現金で支払う場合は、多めに渡してチップ分を差し引いた金額をお釣りとしてくださいと伝える方法があります。
例えば、メーター運賃が22ドルだった場合に30ドルを10ドル札3枚で支払い、お釣りは5ドルくださいと伝えるようにします。こうすることで、チップ代3ドルをスムーズに渡すことができます。
クレジットカードで支払う場合は、専用の端末にクレジットカードを差し込み、支払うチップ代金を入力するだけで大丈夫です。しかし、クレジットカードでチップが支払えないタクシーもあるので、その場合は現金で支払う必要があります。
そのため、海外は治安が悪いためあまり多くの現金を持ち歩きたくないと考える人も多いかもしれませんが、必要最低限の現金は持ち歩くようにしましょう。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!