タクシードライバーへのクレームにどう対応する?苦情対応するタクシーセンターとは?
2020年10月05日
タクシードライバーにとって最も悩ましいのがクレームです。場合によっては、些細なクレームが会社を巻き込む大問題に発展する危険性もあります。
今回はタクシードライバーに対するクレームの原因と回避や対応の方法、また、クレーム処理を担う機関である「タクシーセンター」についても解説します。
目次
タクシードライバーがクレームをもらう原因
タクシードライバーがクレームをもらう原因として「第一印象が悪い」「対応が不誠実」「乗車拒否をする」の3点が考えられます。
第一印象が悪い
ドライバーの態度やタクシー内の環境など、第一印象が悪いと乗客が不満や不安を抱きます。無愛想にしていると乗客は不愉快な気持ちになりますし、自信がなさそうにしていると不安になります。その結果、タクシーを快適に利用できなくなるのです。
対応が不誠実
どんなドライバーでも渋滞になったり道を間違えたりと、ミスはあるものです。しかし、そのときの対応が悪ければ、乗客の怒りを買ってしまいます。
言葉では謝罪はしているもののどこか「上から目線」になっていたり、謝罪すらしなかったりと、一部の不誠実なドライバーもいることは事実です。たとえ見下したつもりがなくても、態度や話し方で相手にはそのように捉えられる恐れもあります。
乗車拒否をする
移動距離が短いなどの理由で乗車拒否をしたことがクレームに発展し、それが原因でドライバーが解雇されることもあります。そのようなケースではドライバーに非があると言えますが、中には乗車拒否が正当な対応になるケースもあります。
どのような場合に乗車拒否をして良いのかについては、あらかじめ確認しておくべきです。
タクシードライバーがクレームを防ぐ手段
クレームをもらわないようにするための手段として「タクシー内の環境に気を配る」「丁寧なコミュニケーションを心がける」の2点があげられます。
タクシー内の環境に気を配る
タクシー内の環境に気を配り、乗客が快適に過ごせるようにしておくことが重要です。
特に車内の臭いや温度などは、不快感を与える原因になります。タバコの臭いや体臭などは自分では気づきにくいですが、乗客は気づきます。こまめに換気したり消臭スプレーを使ったりして対策しましょう。
そして車内の温度は極端に暖めたり冷やしたりせず、季節ごとに適切な温度にしておき、乗客の好みに合わせて調節するようにすると良いでしょう。
また、急発進や急ブレーキで車が揺れてしまうのも、乗客が不快に思う恐れがあるため、丁寧な運転をするよう注意しましょう。
丁寧なコミュニケーションを心がける
笑顔で挨拶したり、質問には丁寧に回答することを意識して、乗客を不快にさせないような接客を心がけましょう。
ドライバーになって間もないなど土地勘がなくて道がわからない場合は、その旨を乗客に正直に伝えましょう。そのことが先にわかっていれば、乗客としてもドライバーに道の説明をしながら目的地を目指すことができます。
また、渋滞や遠回りの可能性がある場合でも、事前に伝えておくと納得してもらいやすいです。
ドライバーとしてのルールをおさらいする
研修時のフィードバックなど、タクシードライバーとしてのルールを定期的におさらいしておくことも大切です。例えば、どのようなケースが乗車拒否に当たるのかなどの判断基準をおさらいしてルールを正しく知っておけば、クレームはある程度防ぐことが可能です。
ちなみに、乗車拒否が正当だと認められるのは以下のようなケースです。
シートベルト着用など、ドライバーの指示を聞かない
乗客が泥酔状態だったり不潔な格好をしていたりする
乗客が恫喝や暴行などの妨害行為を行う
積雪や災害などで走行が困難である
ただし、泥酔した乗客であっても付き添いがいる場合は乗せても良いなど、会社によって判断が異なるため、事前に自分のタクシー会社のルールを確認しておくのが望ましいです。
タクシードライバーがクレームを受けたときの対応
もしタクシードライバーがクレームを受けてしまった場合の対応として、「謝罪する」「運行管理者に相談する」ことが挙げられます。
謝罪する
道を間違えるミスをするなど、明らかにドライバーに非がある場合は、ただちに丁寧な謝罪をし、乗客の不満を和らげましょう。
ミスの発覚が遅れたり隠していたりしていると、乗客に気づかれてかえってクレームに発展する可能性が高いです。そうなる前に、ミスが発覚したらすぐに謝罪しましょう。
また、道を間違えて料金が高くなってしまった際に、お詫びとして値引きをするドライバーがいます。しかし先述のように、乗客とのコミュニケーションが取れていれば、値引きをしなくても許してもらえる可能性が高まるでしょう。
運行管理者に相談する
謝罪しても乗客の怒りが収まらなかったり、ドライバーに非がないにもかかわらず理不尽なクレームを受けたりと、ドライバーだけでは対応しきれないケースもあります。そのようなときは、タクシー会社の運行管理者に相談しましょう。
運行管理者とは、タクシーの安全かつ円滑な運行を支える管理者のことです。運行管理者に解決策を指示してもらえたり、クレームの対応を委ねることができます。理不尽なクレームに対しても毅然と対処してくれる、頼りになる存在です。
ドライバーへのクレームがタクシーセンターに届くことも?
乗客のクレームはドライバー本人やタクシー会社だけでなく、「タクシーセンター」と呼ばれる機関に届くことがあります。
タクシーセンターとは
タクシーセンターとは、タクシーサービスの改善を目的に、法令に基づいて設置された機関です。問題のあるドライバーやタクシー会社に対しては、指導や制裁措置を行います。一方で、優良なドライバーには表彰を行うこともあります。
クレーム対応の流れ
乗客がタクシーセンターにクレームを入れる際、実名か匿名かを選べます。どちらを選んだかによって、タクシーセンターの対応は変わります。
実名苦情の場合
実名のクレームの場合、当事者のドライバーと所属する会社の運行管理者がタクシーセンターに呼び出されます。ドライバーたちは「弁明」と呼ばれる対面での事実確認をすることになります。
一連の対応には数時間を要することが多く、その間業務がストップすることになります。その時間で得られたはずの売り上げがなくなってしまうことになるため、できるだけ実名苦情に発展するような対応をとらないようにすることが必要です。
匿名苦情の場合
匿名苦情の場合は、タクシーセンターはそこまで内容を重要視しません。したがって、ドライバーがタクシーセンターに呼び出されることもありません。
しかし、タクシー会社に注意の電話が入りますので、苦情の内容によっては会社に所属するドライバー全員が改善を迫られることになります。
タクシードライバーへのクレームで解雇される可能性もある
過去には、タクシードライバーがクレームを受けたことによって、タクシー会社に解雇されるケースもありました。
タクシー業界はそれほど広くないので、解雇されたという情報が広まると、次の職場探しに苦労します。そのため、タクシー会社を辞めるときは穏便に話を進めていくのが望ましいです。
万が一解雇されてしまい、次の職場を探すタクシードライバーの方は、タクシー専門求人サイトの「P-CHAN TAXI」がおすすめです。P-CHAN TAXIでは、厚生労働省の認可を受けたコンサルタントに懇切丁寧に対応してもらえます。
また過去の利用者の中には、前職で苦情をもらって失敗した経験のある方もいましたが、コンサルタントに事情を理解してもらい、再挑戦を後押ししてもらったというケースもあります。
タクシードライバーとして再挑戦したい方は、ぜひP-CHAN TAXIにご登録ください。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!