介護タクシーとは?仕組みや料金、保険適用について徹底解説!
2020年08月08日
これから介護タクシーの利用を考えている方は、仕組みや料金が気になりますよね。できれば保険適用をして安く利用したいと思っているはずです。
そこで今回は介護タクシーの仕組みや料金、保険適用について解説をしていきます。
目次
介護タクシーとは?
介護タクシーとは、要介護者や体が不自由な人が利用するタクシーです。車椅子やストレッチャーのまま乗車できるようになっており、介護の世界で活躍をしています。
ただし法律上「介護タクシー」の取り扱いはなく、要介護者の送迎をしていることから、そう呼ばれるようになりました。そのため地域によっては総称して「福祉タクシー」と呼ばれることもあります。
運転手には資格が必要
介護タクシーは普通のタクシーとは違い、介護職員初任者研修の資格を持った運転手でなければいけません。介護職員初任者研修とは、もともと「ホームヘルパー2級」とされていた資格に該当します。
介護タクシーの運転業務自体は資格がなくても問題はありませんが、介護タクシーの利用者のほとんどが介助を必要としている方なので、実質資格を取ることは必須となります。
訪問介護サービス会社が運営していることも
介護タクシーの中には、タクシー会社が運営しているものもあれば、訪問介護のサービスの一環として提供されているものもあります。
介護が必要な人を病院まで運んだり、介護施設まで送り迎えをしたりするのが仕事です。
介護タクシーと福祉タクシーとの違い
介護タクシーは、介護職員初任者研修の資格を持った運転手が要介護者のサポートを行うサービスです。家に上がってタクシーに乗車するまでのお手伝いができます。
一方、福祉タクシーは介護福祉関連の資格を持っていない運転手が担当するタクシーで、送迎のみを行います。
運転手が利用者の介助をすることはないため、家族が付き添いをしてサポートしなければなりません。そのため福祉タクシーを利用する人は、体が動く高齢者が多いです。
また福祉タクシーも法律でも取り決めがないため、地域によっては福祉タクシーと介護タクシーを総称して「福祉タクシー」と呼ぶこともあります。
介護タクシーの料金は高い?
介護タクシーの料金は決して高くなく、一般的なタクシーと同程度と言われています。また運賃とは別にレンタル料を払うことで、車椅子やストレッチャーのレンタルもできます。
料金の目安は以下の通りです。
項目 | 料金の目安 |
時間制運賃の場合 | 30分毎 500円〜1,000円 |
距離制運賃の場合 | 1km毎 300円〜500円 |
車椅子レンタル | 無料〜2,000円 |
ストレッチャーレンタル | 3,000円〜7,000円 |
この料金は保険適用外の料金です。基本的に要介護の認定を受けていても全額負担になるので注意が必要です。
ただし訪問介護の「通院等乗降介助」と併せて利用すれば、介護保険の対象になります。介護保険が使えるようになる基準に関しては、後ほど説明します。
介護タクシーは保険適用される場合と適用外の場合がある
介護タクシーは保険適用される場合と保険適用外となる場合があります。みなさんも、できれば保険適用で安く利用したいですよね。
介護保険が適用される条件は以下の通りです。
- 要介護1以上
- 「通院等乗降介助」の場合
この2つの条件を満たしていれば「ケアプラン」の作成対象となり、介護保険が適用されます。先ほど紹介した料金の半額程度で利用できるので、介護保険の適用対象の方は活用してみてください。
また「通院等乗降介助」の詳細ですが、病院への通院や預金の引き出し、本人が行かないといけない買い物(メガネ、補聴器、役所手続き)などが該当します。
要するに、日常生活が困難である場合に介護保険が適用されます。
そのため、要介護1を満たしているからといってすべての使用用途で保険が適用になるわけではありません。スーパーに買い物に行ったり、趣味でお出かけをしたりする場合は保険適用外です。
介護タクシーの利用方法
以下では、介護タクシーの利用方法を解説します。申し込みから利用までの流れを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
①ケアマネージャーに事前に相談する
まずは介護保険を利用するためにケアマネジャーに相談をします。ただし「ケアプラン」に該当しない場合は、最初から介護タクシーの利用手続きから始めても問題はありません。
②利用の手続き
介護タクシー会社と手続きをします。予約方法や利用時間を確認し、介護者に合った会社を選びましょう。
まずはお住まいの地域で、介護タクシーサービスを提供している会社を探してみてください。ただし、多くの場合はケアマネージャーが紹介してくれます。
③利用日の調整
病院への通院や介護施設への送迎の日程が決まれば、介護タクシーを予約します。日時と時間、自宅の構造、車椅子やストレッチャーの有無などを聞かれるので、事前にメモをしておくとスムーズです。
④利用する
当日、介護タクシーを利用します。料金の支払いがあるので、要介護者、もしくは運転手に財布を渡しておきましょう。
介護タクシーを利用する時の注意点
便利な介護タクシーですが、利用上の注意点があります。
家族は同乗できない
介護タクシーへの家族の同乗は認められていません。もし家族が同乗する場合は、福祉タクシーを利用して家族が介助を行う必要があります。
あらかじめ、介護タクシーと福祉タクシーのどちらを利用するか決めておいてください。
介助時間が多いと保険適用外になることも
介護タクシーは「通院等乗降介助」を目的としたタクシーなので、それ以上の介助になると別途料金が発生し、保険適用外になることがあります。
例を挙げると
- 合計30分以上の介助
- スーパーに寄り道をする
など、介護タクシーの枠を超える場合は注意が必要です。介助時間が長くなりそうな場合はケアマネージャーに確認をし、別途料金がかかるか確認をしておきましょう。
運転手は病院内での付き添いができない
病院内では看護師がサービスをする決まりとなっているため、介護タクシーの運転手は入り口までしか付き添いができません。
しかし利用者の状態によっては、病院内での移動や見守りが必要な場合もあるでしょう。そんな時はケアマネージャーに相談をすれば、例外として認めてもらえることがあります。
ただし介護タクシーの運転手に移動の付き添いなどを依頼する場合には別途料金がかかるので、あらかじめ確認をしておきましょう。
介護タクシーに役立つ資格や研修
介護タクシーを運転するには、介護職員初任者研修の資格を持っている必要があります。しかし、さらにサービス向上をするための研修や資格制度もあります。
サービス介助士(ケアフィッター)
サービス介助士(ケアフィッター)は、小売業や観光業、運輸業などのサービス業を中心に普及している資格です。
体が不自由な人への介助やサービスができ、介護タクシーの業務に役立つスキルが身につきます。
ユニバーサルドライバー研修
ユニバーサルドライバー研修は、バリアフリー研修推進実行委員会が運営している研修であり、車椅子の取り扱いや介助方法について学べます。介護タクシー事業者も多く参加している研修です。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!