タクシーの深夜料金は何時から何時まで?何割増になるのか運賃の仕組みを徹底解説!
2020年08月08日
フロントガラス端の表示板に「割増」と表示されているタクシーを見たことがあるでしょう。
あれは、特定の時間帯でタクシーを利用すると発生する「深夜料金」が適用されている時に表示されています。
しかし、深夜料金が何時から何時まで適用されるのかや、どのくらい割増されるのか知らない人も少なくありません。
そこで本稿では、タクシーの深夜料金にまつわる疑問を解決します。
目次
タクシー料金の仕組み
「そもそもタクシーの通常運賃はどのように計算されているのか」を知りたいという方もいるでしょう。そんな方のために、ここからはタクシー料金の仕組みについて解説します。
タクシー料金の計算方法
タクシー料金は、「距離」と「時間」の両方で計算されています。タクシーにあまり乗り慣れていない方は「距離」だけがタクシー料金に関係していると考えがちですが、同じ距離でも渋滞などに巻き込まれて時間がかかれば、その分だけ余計に料金が高くなります。
タクシー料金の計算を正確に理解するには、その内訳を把握するとよいでしょう。タクシー料金の内訳は以下のようになっています。
タクシー料金の内訳
①距離制運賃
距離制運賃とは、その名の通り距離に応じて加算される運賃のことです。距離制運賃には「初乗り」と「加算」の2種類があります。
「初乗り」とは、乗車した地点から特定の距離までに発生する一定金額のことです。一方「加算」は、初乗り分の距離を走行直後から一定の距離ごとに加算される金額のことです。
(例)日本交通株式会社の場合
・初乗り:1.052kmまで一律420円
・加算:233mごとに80円を加算
②時間距離併用運賃
特定の速度以下で特定の時間走行した場合に発生する金額のことです。
(例)日本交通株式会社の場合
時速10km以下の走行85秒毎に80円を加算
なお、高速道路利用時は適用されません。
③時間制運賃
タクシーを「貸切」状態にする場合に適用されます。走行距離が短いのにも関わらず、長時間の拘束を要する場合にも適用されます。
目安としては、1時間あたり15km以下の走行といわれていますが、走行状況によって「時間距離併用運賃」が適用されることもあります。
(例)日本交通株式会社の場合
・初乗り:60分まで4,700円
・加算:30分ごとに2,150円
④迎車回送料金
指定の場所までタクシーを呼ぶ(無線迎車サービス)を利用した場合に発生します。
(例)日本交通株式会社の場合
・1台あたり420円
⑤時間指定予約料金
④の無線迎車サービスに対して「時間指定」を行った場合に発生します。この場合、無線迎車サービスの420円にプラスして420円が発生します。
(例)日本交通株式会社の場合
・1台あたり420円。
⑥深夜早朝割増
特定の時間帯でタクシーを利用すると料金が割増されます。
(例)日本交通株式会社の場合
・22:00〜翌5:00まで通常料金の2割増
⑦割引運賃
事業会社によっては、走行距離や障害有無によって割引が適用されます。
(例)日本交通株式会社の場合
・遠距離割引:運賃が9,000円を超える場合は1割引
・障害者割引:運賃が1割引
タクシー料金の計算例
このようにタクシー料金は多くの項目が加算されています。項目だけの説明ではわかりにくいので具体例を使って説明します。
(例)日本交通のタクシーを昼間に10km利用した場合
・1.052kmまで420円
・以降目的地まで233mごとに80円が加算
( 10km - 1.052km ) ÷ 0.233km = 39.155… 小数点以下繰上げで”40”回加算
40回 × 80円 + 420円 = 3620円
地域や会社によって運賃が異なる理由
同じくらいの距離を走っているはずなのに、地域や会社で運賃が全然違うと感じたことはないでしょうか。
事実、地域や会社によって運賃は異なります。その理由は、運輸局が地域ごとの営業状況やその他さまざまな状況を加味して、会社ごとに適正な運賃を定めているからです。
2020年にも一部地域ではタクシー運賃が値上げされましたが、値上げ内容は各地域で異なります。
正確な料金を把握しておきたい方は、利用するタクシー事業会社のホームページや電話にて確認してみましょう。
タクシーの深夜料金の仕組み
タクシー料金の仕組みについて大枠を説明しました。ここからは本題の深夜料金にフォーカスしてお伝えします。
深夜料金はいくらか
多くのタクシー会社では、通常の2割増が適用されています。よく誤解されがちですが、この「2割」がかかる対象は合計金額ではなく、「距離」と「時間」の両方です。
計算が合わないと感じた場合は、計算方法に誤りがないか確認しましょう。
なお、深夜料金が設定されている理由は労働基準法に従うためです。同法により、深夜22:00以降翌5:00までの労働賃金を通常の2割5分にしなければならないと定められています。
タクシー会社だけでなく、その他の仕事すべてに適用されている法律です。
深夜料金が適用される時間
土日・平日関係なく、「22時から5時まで」が一般的な深夜料金が適用される時間帯です。ただし、一部の地域では「23時から5時まで」のところもあります。
自分が利用するタクシーの深夜料金適用時間帯は確認しておきましょう。
深夜料金の計算方法
先述の通り、深夜から早朝(22時〜5時)にかけて適用される深夜料金は、通常の2割増で計算されます。
なお、迎車料金自体に深夜料金(2割増)が適用されることは、基本的にありません。
ただし、深夜料金の時間帯に迎車を利用する場合のみ「予約料」が発生する会社もあります。
予約時に追加料金が発生する旨を事業会社から伝えられるはずですが、念のためそういったケースもあることを覚えておきましょう。
深夜料金の計算例
日本交通のタクシーを深夜時間帯に10km利用した場合、以下のような計算になります。
深夜の初乗り距離:1.052km ÷ 1.2 = 0.8766...km
深夜の加算距離:233m ÷ 1.2 = 194.166...m
( 10km - 0.876km ) ÷ 0.194m = 47.027...小数点以下繰上げで”48回”加算
48 × 80円 + 420円 = 4260円
タクシーの深夜料金についてよくある質問
タクシーの深夜料金について、よくある質問をまとめました。
乗車中に深夜料金の時間帯になった場合はどうなる?
自動的に深夜料金(通常の2割増)に切り替わります。フロントガラス横に設置されている表示板も「賃走」から「割増」へ自動で切り替わります。
乗車中に深夜料金の時間帯を終えた場合はどうなる?
自動的に通常運賃に切り替わります。フロントガラス横に設置されている表示板も「割増」から「賃走」へ自動で切り替わります。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!