60歳からタクシー運転手になることはできる?60歳時点での年収や必要な資格について解説
2026年07月23日
60歳を迎え、これからの働き方を考える中で「タクシー運転手」に関心を持つ方は少なくありません。
タクシー業界では高齢化と人手不足が進行しており、シニア世代の採用に前向きな会社が増えています。
本記事では、60歳からタクシー運転手になれる現状や、必要な資格・条件、働き方、年収、注意点、転職までの流れを詳しく解説します。
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目次
60歳からタクシー運転手になれる?シニア採用の現状
結論から述べると、60歳からタクシー運転手として新たに働き始めることは十分に可能と言えます。
タクシー業界では、運転者の高齢化と人手不足が同時に進行しており、シニア世代の採用に前向きな会社が数多く見られます。
国土交通省の資料によると、全国のタクシー運転者数は減少が続き、新たな運転者の確保が業界全体の課題になっています。
実際に、平成21年度には約38万人(※1)だった運転者が令和4年度には約22万人(※2)へと、4割以上(※3)も減少しました。
(※1~3 2026年6月時点 国土交通省 数字で見る自動車 タクシー事業の運転者数の推移)
また、コロナ禍で大きく落ち込んだ運転者数は完全に回復しておらず、観光地などを中心にタクシー不足が深刻化しています。
高齢化は平均年齢にも表れており、タクシードライバーの平均年齢は59.7歳(※4)に達しています。
全産業の平均年齢が40歳代(※5)であることを踏まえると、シニア世代が中心となって現場を支えている職場だとわかります。
さらに、65歳以上が運転者全体の約4割(※6)を超えており、定年後も乗務を続ける人は珍しくありません。
(※4~6 2026年6月時点 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 賃金構造基本統計調査によるタクシー運転者の現況)
こうした状況を背景に、多くのタクシー会社が定年退職者やシニア層の採用を強化しています。
国の政策でも70歳までの就業機会の確保が進められており、タクシー業界はその受け皿の一つになっています。
長年の社会人経験や落ち着いた接客は即戦力として歓迎され、年齢を理由に門前払いされるケースはほとんど見られません。
平均年齢が高くシニアが多数を占める環境は、これから業界へ飛び込む人にとっても心強い材料になります。
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60歳からタクシー運転手が選ばれる理由
60歳からの仕事としてタクシー運転手が支持される背景には、シニア世代の事情に合った明確な理由があります。
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未経験からでも始められる
タクシー運転手は、これまでの職種を問わず未経験からの転職者を幅広く受け入れている仕事です。
乗務に必須となる第二種運転免許には取得時の上限年齢が定められておらず、60代からでも新たに取得できます。
教習費用の立替えや合格までの給与保証といった免許取得支援を設ける会社もあるため、資格を持たない状態からでも始めやすい環境が整っていると言えるでしょう。
自分のペースで働ける
自分のペースを保ちながら働けることも、タクシー運転手が選ばれる理由のひとつです。
タクシー運転者の労働時間は全産業の平均より長めですが、体力に合わせて勤務形態を選べる柔軟さがあります。
たとえば、日数や時間を絞った定時制を選べば、フルタイムにこだわらず無理のないペースで続けることも可能です。
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年齢や性別を問わず活躍できる
この仕事は、年齢のみならず性別にも左右されにくく、幅広い層が現場で活躍しています。
法人タクシーでは女性ドライバーの登用も進んでおり、定年後に新たに乗務を始める女性も増えています。
体力や経験の差が表に出にくい働き方を選べるため、シニアでも自分の強みを生かして長く働けるでしょう。
年金を受け取りながら働ける
公的年金を受け取りながら収入を得られることも、シニアにとって大きな魅力です。
高齢者の就労を後押しする制度も整いつつあり、定年後も安心感を持って働き続けられる環境が広がっています。
日数を絞れる定時制は年金との両立を図りやすく、受給と仕事のバランスを取りたい人に向いていると言えます。
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60歳からタクシー運転手に必要な資格・条件
60歳からタクシー運転手になるために必要なのは、第二種運転免許の取得と、乗務に求められる健康・適性の条件を満たすことです。
第二種運転免許
タクシーに乗客を乗せて運賃を得るには、第二種運転免許が必ず必要と言えるでしょう。
受験資格は、原則として満21歳以上(※1)であり、かつ普通免許などを通算3年以上(※2)保有していることと定められています。
定年後に挑戦する人であれば、この年齢と経験年数の要件はすでに満たしているはずです。
2022年5月施行(※3)の制度改正により、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有1年以上(※4)へと要件が緩和されています。
免許の取得自体に上限年齢はなく、60代からでも受験できる点も押さえておきたいところです。
(※1~2 2026年6月時点 警視庁 二種免許試験)
(※3~4 2026年6月時点 警察庁 第二種免許等の受験資格の見直しについて)
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適性検査
第二種運転免許の取得時には、聴力や視力などの適性検査を受ける必要があります。
視力は片眼でそれぞれ0.5以上(※1)、両眼で0.8以上(※2)が求められ、奥行きをつかむ深視力検査の基準も満たさなければなりません。
基準に届かない場合でも、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正で要件を満たせば、受験や乗務に支障はありません。
乗務を始めた後は、勤務先を通じて年1回の健康診断を受けることが法令で義務づけられています。
高齢の運転者には、事故防止の観点から定期的な検査や講習も国の制度として設けられています。
持病がある場合でも、医師の指示に従って適切に管理できていれば運転業務を続けられるケースは多くあります。こまめな体調管理が、長く働くための鍵になります。
以上のように、第二種運転免許の取得と健康・適性の条件をクリアすれば、60歳からでもプロドライバーに必要な資格はそろえられます。
(※1~2 2026年6月時点 警視庁 適性試験の合格基準)
60歳からのタクシー運転手の働き方・勤務形態
タクシー業界には複数の勤務形態が用意されており、定年後でも体力や生活スタイルに合わせて働き方を選べます。
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隔日勤務
隔日勤務の場合、1回の勤務時間が長い代わりに、1日乗務したら翌日が明け番として休みになる働き方ができます。
改善基準告示では、隔日勤務の2暦日あたりの拘束時間は1回あたり最大22時間(※1)(2回の平均で21時間(※2)以内)、勤務後の休息期間は継続24時間(※3)以上(少なくとも22時間(※4)以上)と定められています。
月の乗務回数は11〜13回程度で、1回の負担は大きいものの、月の半分以上を休日に充てられるのが特徴です。
(※1~4 2026年6月時点 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示))
日勤
日勤は、早朝から夕方までの昼間帯のみ乗務する形態です。
1日の拘束時間は13時間(※1)を基本とし、延長するケースでも15時間(※2)が上限と定められているため、夜間に及ぶ長時間労働にはなりません。
深夜帯の売上がない分、収入は伸ばしにくい傾向がありますが、規則正しく帰宅できるため生活リズムを保ちたい人に適しています。
(※1~2 2026年6月時点 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示))
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夜勤
夜勤は、夕方から深夜にかけて夜間帯を中心に乗務する働き方です。
改善基準告示では夜間の勤務でも休息期間を継続11時間(※1)以上(最低でも9時間(※2)以上)確保することが求められ、過度な連続勤務にならないよう配慮されています。
深夜帯は割増運賃や繁華街の需要を取り込めるため、売上を伸ばしやすい一方、昼夜逆転による体調管理には注意が必要です。
(※1~2 2026年6月時点 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示))
定時制(嘱託・パート)
定時制は、フルタイムではなく勤務日数や時間を絞って働ける契約形態です。
1か月の拘束時間の上限などは改善基準告示で定められており、短時間勤務でもその範囲内で過度な負担なく働けるよう管理されます。
収入は抑えめになりますが、自分のペースを保ちやすく、年金を受け取りながら働く人に選ばれることもあります。
勤務形態の選択肢が幅広い分、改善基準告示の範囲内で無理なく働ける環境が整っており、60歳からでも自分に合ったスタイルを選べます。
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60代でタクシー運転手を長く続けるコツ
60代になってもタクシー運転手を無理なく続けるには、体力面に配慮した働き方と日々の健康管理がポイントになります。
- 夜勤を避けて日勤中心のシフトに切り替える
- 短時間勤務や慣れた地域での短距離中心の乗務など、負担の軽い働き方を取り入れる
- こまめに休憩をとる
- 休日・休暇をしっかり確保する
- 適齢診断などを定期的に受け、運転の適性を確かめる
こうした工夫を取り入れることで、60代以降もタクシー運転手として長く活躍し続けることができます。
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60歳からのタクシー運転手の年収・給与事情
60歳から働くタクシー運転手の収入は、歩合給を中心に変動するのが特徴と言えます。以下では、平均年収から年金との関係までを整理します。
タクシー運転手の平均年収
全国ハイヤー・タクシー連合会が厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにまとめた集計では、2024年のタクシー運転者の年間推計額は約415万円(※1)です。
月収に換算すると約35万円(※2)で、新型コロナ禍で落ち込んだ水準からは大きく回復しています。
また、タクシー運転手の年収は、全産業の平均所得と比べると低めの水準にとどまっているのが実情と言えます。
(※1~2 2026年6月時点 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 タクシー運転者の賃金・労働時間の現況)
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歩合給と収入が変動する仕組み
タクシー運転手の給与は、売上に応じて支払われる歩合給を中心とした体系が一般的です。
固定給型の会社もありますが、業界では成果が収入に反映されやすい賃金制度が広く採用されています。
そのため、営業するエリアや時間帯、工夫次第で収入を伸ばしやすく、努力が成果に結びつきやすい働き方だといえます。
在職老齢年金の仕組み
公的年金を受け取りながら厚生年金に加入したうえで働く場合、在職老齢年金の仕組みによって老齢厚生年金の一部が支給停止となることがあります。
タクシーの定時制などで収入を調整しながら、年金とのバランスを取って働くシニアも少なくありません。
支給停止の基準となる調整額は、令和8年度(2026年度)で65万円(※1)です。基本月額と総報酬月額相当額をあわせた合計がこれを超えると、超過分の半額が年金から差し引かれます。
タクシー運転手の平均的な収入水準であれば合計額が65万円(※2)を下回ることが多く、年金を大きく減らさずに働けると考えられます。
なお、老齢基礎年金は支給停止の対象に入らないため、全額を受け取れます。
(※1~2 2026年6月時点 日本年金機構 在職老齢年金)
歩合給による収入の幅や在職老齢年金の仕組みを理解しておけば、60歳からの年収・給与事情を踏まえた働き方を選びやすくなります。
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60歳からタクシー運転手になる場合の注意点
メリットの多いタクシー運転手ですが、60歳から始める前に知っておきたい注意点もいくつかあります。
- 歩合給が中心のため月ごとに収入が変動しやすく、安定した固定収入を求める人には向かない場合がある
- 第二種運転免許を持っていない場合は、取得のための教習や試験に一定の時間と費用がかかる
- 隔日勤務や夜勤は1回の拘束時間が長く、改善基準告示の範囲内であっても体力的な負担は小さくない
- 高齢になるほど事故や体調不良のリスクが高まり、65歳以上は適齢診断などへの対応が求められる
- 夜勤や隔日勤務は生活リズムが不規則になりやすく、健康管理を怠ると体調を崩しやすい
- 在職老齢年金の対象となる働き方では、収入によって老齢厚生年金の一部が支給停止になる場合がある
これらの注意点をあらかじめ理解し、自分の体力や希望に合う会社を選ぶことが、60歳からのタクシー運転手で失敗しないための鍵になります。
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60歳からタクシー運転手に転職する流れ
60歳からタクシー運転手を目指す場合、応募から乗務開始までは次のような流れで進みます。
- 求人に応募し、タクシー会社の面接を受ける
- 採用後は入社手続きを進め、勤務日数や給与体系、免許取得支援の有無などの条件を確認する
- 第二種運転免許を持たない場合は、会社が提携する教習所で取得する
- 取得時には学科・技能試験に加え、視力や深視力などの適性試験を受ける
- 入社後は無線や車内機器の操作、接客マナーなどを学ぶ社内研修を受ける(2週間程度)
- 研修を終えたら、独り立ちして乗務を開始する
こうしたステップを一つずつ踏むことで、未経験からでも60歳からタクシー運転手へとスムーズに転職できます。
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60歳からのタクシー運転手に関するよくある質問
タクシードライバーは何歳までなれますか?
タクシー運転手には実質的な年齢の上限がなく、健康と運転の適性に問題がなければ70代以降も働き続けられます。
高年齢者雇用安定法により、企業には希望者を原則65歳まで雇用する義務があり、就業機会を70歳まで確保することも進められています。
実際に70代後半から80代で現役を続けるドライバーもおり、健康であれば長く活躍できる仕事だといえます。
タクシー用語で「あんこ」とは何ですか?
「あんこ」とは、駅前にある待機レーンなどで前後の車に挟まれてしまい、列から簡単に抜け出せない状態を指し、「タコツボ」とも呼ばれるタクシー業界の用語です。
駅前や病院などで客を待ち受ける営業スタイルはタクシーでは一般的で、こうした待機の場面で起こりやすい状況です。
タクシードライバーに多い病気はありますか?
タクシー運転手は長い時間座ったまま運転するため、特定の不調を抱えやすい傾向があります。
不規則な勤務や長時間労働は脳・心臓疾患のリスクにもつながりやすく、改善基準告示が労働時間の上限を定める背景にもなっています。
代表的な不調としては、腰痛、足の血管に血栓ができるエコノミークラス症候群、長時間の座位で起こりやすい痔、生活習慣病などが挙げられます。
ただし、年1回の健康診断を確実に受け、適度な運動や水分補給を心がけることで、多くは予防や早期発見が可能です。

株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)のタクシー求人に関するコラムを管轄する編集部。
創業60年、一貫して人材サービスに携わり、累計2万社を超える企業の採用を支援した実績をもとに、タクシー転職に役立つコラムを提供。
この記事の運営者:P-CHAN TAXI


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