タクシーの相乗りが解禁へ!仕組みや料金形態について詳しく解説
2020年08月08日
日本では相乗りタクシーの解禁に向けて動いています。相乗りすることでタクシー料金が割安になることは分かりますが、仕組みや料金形態については不明瞭な部分が多いです。
本記事では相乗りタクシーの仕組みや料金、注意点について解説をしていきます。
目次
タクシーの相乗りとは?
タクシーの相乗りとは、同じ方向へ移動したい人同士がマッチングし、同じタクシーで移動するシステムです。相乗りした人同士で料金を折半するため、通常よりも料金が安くなるのがメリットです。
2018年には国土交通省が東京都内で、相乗りタクシーの実証実験を行いました。
解禁はまだですが、サービスを開始するとタクシーを利用していない顧客層も獲得できることが見込まれ、乗客とタクシー運転手どちらも恩恵を受けられるサービスとなりそうです。
現状タクシーの相乗りは法律で禁止されている
現状、タクシーの相乗りは法律上禁止されています。タクシーは1回の運送につき1つの運送契約が結ばれるという法律があるため、運転手は乗客一人とした契約が結べません。
そのため現時点では相乗りは法律上禁止です。ただし乗客がグループを作り、代表者が運賃を支払う場合は問題はありません。
相乗りについては、2019〜2020年に解禁予定でしたが、新型コロナウイルスの影響もあり、開始時期は慎重に検討されています。
ただし一部の地域では実証実験を行っているため、地域によっては利用できる場合もあります。
タクシーの相乗りの仕組みと料金
それでは相乗りタクシーの仕組みと料金形態について解説をしていきます。
仕組み
相乗りタクシーは事前予約制で、目的地を入力すると同じ方向に行きたい人とマッチングをして相乗りができる仕組みです。
マッチングは自動的にしてくれるため、自分で選ぶ必要はありません。同乗者同士で割り勘ができ、料金が安くなるというメリットがあります。
料金
運賃に関しては距離制運賃を採用し、距離に応じて料金を折半するシステムです。会社のルールによってアプリ上で計算をしてくれるため、乗客同士で料金を割り勘をする必要はありません。
ただし会社によって料金形態が異なるので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
相乗りタクシーを利用するメリット
相乗りタクシーを利用するメリットは大きいです。そこで相乗りタクシーを利用するメリットをまとめてみました。
料金が安い
相乗りタクシー最大のメリットは、乗車料金が安くなるということです。例えば自分とマッチングした人の行き先が同じ場合、2,000円の運賃がかかるところ、1,000円で済む計算です。
「タクシーは高くて乗れない」という人でも気軽に利用できます。それに伴い、タクシー利用者が増え、タクシー運転手側の恩恵も大きいと言われています。
割り勘の計算が必要ない
相乗りタクシーでは、アプリ上で運賃を計算してくれるため、乗客同士で割り勘をする必要がありません。またアプリ上で決済が行われるため、いちいち財布を出す必要もないです
ただしアプリによっては、最後に降りる人だけが決済を行うケースもあります。その場合、同乗した人の料金も支払い、後日お金が戻ってくるという仕組みです。
そのため、現金やクレジットカードなど、支払いができる準備をしておいた方がいいでしょう。
情報が確認でき犯罪の抑止力になる
相乗りタクシーはトラブル防止のため、同乗する相手の性別や顔写真が分かるようになっています。特に女性の方は、相手の情報を確認してから乗れるので安心です。
またお互いの身元が分かっているため、犯罪の抑制にもなります。
渋滞や混雑の緩和につながる
相乗りタクシーを利用することで渋滞緩和が期待されています。少ないタクシー車両で多くの人を運送できるようになるため、通勤ラッシュや帰宅ラッシュの渋滞緩和ができます。
またタクシーの料金が高いと思っている層の利用が増え、電車やバスの混雑も減ると予想されています。
運転手不足の解消につながる
タクシー運転手側のメリットにはなりますが、業界の人手不足解消につながると言われています。タクシー業界の平均年齢は55歳を超え、地方ではさらに高齢化が進んでいます。
そのため人手不足が深刻化し、タクシー業界は窮地に立たされています。
しかし相乗りタクシーが普及すれば、少ないタクシーで多くの乗客を対応できるため、人手不足の緩和につながるでしょう。特に地方はその恩恵を受けやすいです。
運転手の売上アップ
相乗りタクシーが普及すれば、タクシー運転手の売上が上がります。1台のタクシーで多くの乗客を運ぶことができるため、通常よりも多くの運賃が支払われるからです。
また一人当たりの料金は、メーター料金の6〜8割程度になると予測されています。
例えば、1,000円かかる道のりで乗客1人を乗せると売上は1,000円。
しかし相乗りタクシーで2人を乗せると、1人あたり700円程度の請求になる仕組みなので、1,400円の売上になるということです。(※あくまで概算です)
乗客側は料金が安くなり、運転手側は売上が上がるため、Win-Winの関係になれます。料金形態はアプリで異なるため、相乗りタクシーが解禁されたらまずは料金を確認してみましょう。
相乗りタクシーを利用する時の注意点
料金が安くなり気軽に利用できる相乗りタクシーですが、いくつか注意点があります。
最後に降りる人はいったん全額支払う必要がある
相乗りタクシーアプリにもよりますが、最後に降りる人はいったん通常通り全額支払う必要があります。割り勘分はアプリ内で決済した後に、指定の銀行口座に振り込まれる仕組みです。
少々ややこしいシステムですが、結果的に安く利用できることには間違いないので、そこまで気にする必要はありません。
相乗りする人の情報性別や顔写真を確認しておく
相乗りする人の性別や顔写真などの情報は、きちんと確認をしておきましょう。
本人確認をしているとはいえ、見ず知らずの相手とタクシーに乗る必要があるからです。特に女性の場合は、男性を避けて相乗りの相手を探すことをおすすめします。
自宅の前で降りない
相乗りタクシーを利用する時は、決して自宅の前で降車してはいけません。なぜなら相乗りしている相手に自分の住所を知られてしまうからです。
特に女性の場合は、トラブルにつながる可能性があります。自宅近くの大通りやお店の前で降りるようにしてください。
目的地やルートは変更不可
相乗りタクシーでは、乗車後に目的地やルートを変更できません。同乗者もいるので、予約をしたルートと目的地通りに運行します。
そのため、目的地やルートが変更になりそうな場合は、普通のタクシーを利用した方がいいでしょう。
木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!