仕事を辞めさせてくれない場合の対処法とは?辞められない状況別の打開策を伝授!
2020年11月06日
転職先が決まって退職する旨を会社に伝えたら、退職届を受け取ってもらえなかった。または執拗な引き止めにあって困っている。このような悩みを解決すべく、仕事を辞めさせてくれない場合の対処法を状況別にまとめました。
もしかすると不当な要求を受けている可能性もあるので、是非チェックしてください。
仕事を辞めさせてくれない場合の対処法
仕事を辞めさせてくれないさまざまな状況別の対処法をご紹介します。特別な理由がない限り仕事を辞めることができるので、ご自身の状況と照らし合わせてこれからご紹介する対処法をご活用ください。
ケース①:退職届を受け取ってもらえない
この場合は「内容証明郵便」で会社に退職届を郵送しましょう。
法律上は口頭で「退職の意思」を伝えてさえいれば、その2週間後には退職ができます。もっと言えば、退職届を出さなくても口頭でも正式に退職できる仕組みになっています。
しかし、退職届を受け取ってもらえないような職場の場合、退職の意思を伝えたとしても「退職の報告を受けていない」と突っぱねられる可能性があります。そのような対応を取られると、会社としても退職届を受理した証拠がないため、裁判になると「言った、言わない」の泥沼になります。
こうしたリスクを回避するためにも、退職の意思表明を行った証拠を残す意味で内容証明郵便で退職届を郵送しておきましょう。
ケース②:会社に指定された退職可能日が遠すぎる
法律上、退職の意思表明から2週間後には退職が可能です。(ただし、一般的な正社員に限ります。雇用契約の期間に定めがある場合や年俸制など6ヶ月以上の期間で報酬を定めている場合はもっと長く時間を有します。)
仮に就業規則で「退職の6ヶ月以上前までに告知が必要」と定められていたとしても、その就業規則自体が違法であると判決が下ったという判例もあります。不適切な就業規則よりも民法627条の「2週間前告知」が優先されることを覚えておきましょう。
しかし、就業規則に「1ヶ月前までに告知が必要」と記載がある場合は注意が必要です。退職時の業務引き継ぎには約1ヶ月ほどかかることが常識的に理解できるため、就業規則に記載の内容が適用されるケースもあります。
もし就業規則と民法627条のどちらが優先されるのかわからない場合は、労働基準監督署や各自治体の労働局に相談してみるとよいでしょう。
ケース③:懲戒解雇処分にすると言われた
真っ当に勤務してきた従業員を懲戒解雇処分することはできません。就業規則で定められている「違反行為」に該当する行いをした場合は別ですが、それ以外のケースで懲戒解雇処分にされた場合は不当な扱いを受けている可能性があります。
「今退職するなら懲戒解雇処分にする」と言われた場合は、確実に不当な処分です。労働基準監督署または弁護士に相談し、早急に撤回してもらいましょう。
撤回してもらわないと退職時に会社から受け取る離職票に「重責解雇」と明記され、今後のキャリアに大きな悪影響を及ぼします。
ケース④:違約金を払えと言われた
就業規則に記載の違約金を支払えと言われたとしても、支払う必要はありません。その就業規則自体が違法だからです。
労働基準法第16条「賠償予定の禁止」にて、「労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはいけません。」と定めがあります。つまり、この法律で「途中でやめたら違約金を払え」といった就業規則を違法として定義しています。
したがって、仮に「退職の意思表明から3ヶ月以内に退職する場合は、違約金として10万円支払うものとする」などの就業規則が記載されたとしても、支払う義務はありません。
ケース⑤:損害賠償を請求すると言われた
よほどのことがない限り、損害賠償請求が成立することはありません。
「よほどのこと」とは具体的には以下のようなケースが該当します。
(a) 特定プロジェクトのPMとして採用されたが即退職したことによって、取引自体がなくなり会社に損害を与えた。
(b) 一定期間の勤務を条件に無料で受講できる研修を自らの意思で受けた。
(a)の場合は損害賠償請求、(b)の場合は研修費用の請求を受ける可能性が高いです。退職時に何かしらの請求を受けた場合はその内訳詳細を確認し、不当な請求と感じたらすぐに弁護士に相談しましょう。
ケース⑥:残りの給与を支払わない
これまで働いた分の給与を支払うのは会社の義務です。
もし「今退職するなら、残りの給与支払いはしない」と言われた場合は、勤務した証拠(タイムカードや勤務表、日報など)を用意し、雇用契約書や給与明細書と合わせて弁護士を通して退職後に請求しましょう。
ケース⑦:離職票がもらえない
本来は会社からもらえる離職票ですが、「意地悪をしてやろう」という意図で退職後に発行してくれない会社もあります。そういった場合は、ハローワークに行けば発行してもらえます。
ハローワークに相談すると、まずハローワークが勤務先に発行を促してくれます。それでも発行してくれない場合は雇用保険法第8条に則り、ハローワークが離職票を発行してくれる手続きに移ります。
ケース⑧:有給消化させてくれない
有給消化は、労働者に与えられた権利であり雇用者に侵害されうるものではありません。仮に「有給消化を認めない」と言われたとしても、その行為が違法であり強制力はありません。
もし法的な強制力がないことを伝えても認めてくれない場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。この際、有給消化を認めてくれないやりとりの記録などがあれば、一緒に提出すると労働基準監督署の人もスムーズに対応を進めることができます。
仕事を辞めるときに期間に定めのある雇用契約者が注意すべきこと
派遣契約者など期間に定めのある雇用契約者は特に注意すべき点があります。
定められた期間が経過するまで退職できない
やむを得ない事由がない限り、原則的に定められた期間が経過するまで退職できません。
たとえば、雇用契約期間が6ヶ月と定めがある場合は6ヶ月が経過するまで退職できません。このケースでは、6ヶ月が経過した後は期の前半で退職の申し入れ行うことで退職が可能です。
なお「やむを得ない事由」には、「家族の介護」や「勤務ができないほどの体調不良」などが含まれます。
1年経てば時期問わず退職可能
雇用契約に期間の定めがある場合でも、1年以上勤務している場合はいつでも退職できます。
ただし、この場合も原則2週間前の退職告知が義務付けられています。また、業務引き継ぎを考慮すると最低でも1ヶ月前に退職告知を行うようにしましょう。退職時に会社を思いやることで、よりスムーズかつ円満に退職できるようになります。
仕事を辞められない時の相談先
ここまで対処法をご紹介しましたが、どうしても自分だけでは対処できそうにない場合は、第三者に相談するとよいでしょう。
労働基準監督署
最も代表的な相談先は労働基準監督署です。労働基準監督署は企業に対して是正指導する権限を持っています。そのため、仕事を辞められない状況を証明する証拠を集めて提出すれば、会社に対して行政指導を行ってくれます。
仕事を辞められないトラブルに遭遇したら、まずは労働基準監督署に相談してみることをおすすめします。
労働局
労働基準監督署の上位機関にあたる労働局も有効な相談先です。労働局への連絡は、労働基準監督署の対応が不十分な時に行いましょう。もし、労働基準監督署の対応が不適切だった場合は無料で企業との和解を斡旋してくれることもあります。
しかし、労働基準監督署による行政指導も労働局による和解の斡旋も強制力を有しません。両者の指導に従わない会社の場合は、弁護士に相談し訴訟するなど他の手段を講じる必要があります。
所轄官庁・地方自治体
企業の中には、地方自治体から助成金や補助金を援助してもらっている場合があります。特定条件を満たす雇用を結ぶことで助成金を援助してもらっている企業の場合は、法令違反にあたる行いを改めなければ助成金制度の利用を止められるリスクが高くなります。
助成金制度を利用しているかわからない場合でも、一度地方自治体に確認してみるとよいでしょう。
警察署
傷害罪にあたる暴力や暴行、脅迫にあたる強引な引き止めなどは警察に相談すると罪に問えるケースがあります。
ただし、原則的に警察は民事不介入です。確定的な証拠がなければ取り合ってもらえない可能性が高いので、警察署に頼る場合はどれだけ証拠を集められるかが肝となります。
仕事を辞めた後のキャリアはどうする?
最後に、職場を無事に辞めることができた場合の、今後のキャリア選択について紹介します。仕事を辞めた後のキャリアを考えるなら、以下の手順がおすすめです。
- 理想の暮らしを具体的にイメージする
- 1を実現するために必要なキャリアを逆算する
- 2のキャリアを実現するための転職先を探す
何歳の時点でどんな暮らしをしていたいのかを具体的に目標として定め、その目標を達成するために必要な「お金」や「スキル」を逆算し、それを実現できる転職先を探すという流れです。
転職先を探す方法は、転職エージェントを活用するのが一般的でしょう。転職エージェントには「総合型」と「特化型」が存在しており、転職先に選びたい職種や業種が定まっていない場合は前者を、定まっている場合は後者を活用します。
本メディア「P-CHAN TAXI」は後者に該当します。タクシードライバーの転職サポートに特化しており、業界に精通したコンサルタントによる転職支援によって創業から55年間で退職者ゼロの実績を誇っています。
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木村
株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)所属。入社17年目。P-CHAN TAXIのキャリアアドバイザーとして、多くのタクシー求職者を転職に導く、タクシー転職のプロ。日本全国のタクシー会社の営業も担当。
車の運転好きで、次の転職先はタクシー会社と決めている程、タクシーの仕事をこよなく愛しています!