新卒で就活をするメリットは?活かせる強みやデメリットも解説

新卒で就活をするメリットは?活かせる強みやデメリットも解説

目次

これから新卒として就職活動に挑むにあたって、「そもそも、新卒として就活するメリットってなんだろう?」「どうやってアピールして良いかわからない…」と悩んでいませんか?

実際、新卒で就活をするメリットは多数あり、就活は新卒のうちに行うべきだという考え方が一般的です。

この記事では、新卒で就活をするメリットを紹介します。企業目線でのメリット・デメリットにも触れているので、新卒で就活を始めようとしている人はぜひ参考にしてください。

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新卒での就活は有利?新卒ならではのメリット

新卒で就活を進めるメリットは以下の7つです。

  • 業績の安定した大企業に応募できるチャンスが多い
  • 就活に関する情報を得やすい
  • 就活にかけられる時間が多い
  • 現在のスキルではなく将来のポテンシャルで評価してもらえる
  • 過去の経験にとらわれずに幅広い業界にチャレンジできる
  • 同期入社同士で社内において横のつながりができる
  • 研修や教育を十分に受けられる

業績の安定した大企業に応募できるチャンスが多い

新卒で就活をすることで、業績の安定した大企業に応募できる機会が多くなります。

一般的に新卒求人を出せる企業は、即戦力にならないことを理解した上で新卒採用に踏み切れる、体力を兼ね備えた企業であることが多いです。

つまり、目先の利益にとらわれず、長期目線で人材育成に取り組めるだけの余裕のある安定企業とも言い換えられます。

逆に言えば、仮にこれらの企業に中途採用で応募しても、応募資格を満たすだけの経験やスキルを自身が兼ね備えている保証はありません。そのような企業に新卒の状態でチャレンジできることは、新卒にとって大きなアドバンテージになるでしょう。

就活に関する情報を得やすい

新卒は、就活に関する情報を得やすいというメリットがあります。と言うのも、新卒の就活はスケジュールが決まっているため、企業や就活サイトが情報を公開する時期もスケジュールに準拠するためです。

新卒採用の流れは政府によって定められており、例えば2025年度卒業予定の新卒採用のスケジュールは下記の通りです(※)。

  • 広報活動開始:2024年3月1日
  • 採用選考活動開始:2025年6月1日
  • 正式内定日:2025年10月1日以降

広報活動開始のタイミングで一斉に情報が解禁されるため、効率的に情報を収集して就活に役立てられるでしょう。

また、新卒の就活が始まると新卒向けのインターンシップや企業説明会、セミナー、OB・OG訪問などのさまざまな就活イベントが開催されます。新卒であればイベントに参加しやすく、情報を得やすいのが大きなメリットです。

さらに新卒が一斉に就活を始めるため、新卒同士の情報交換も活発になることも特徴です。実際に選考を受けた就活生の声をリアルタイムで確認できるため、自分の就活に役立てられます。

※出典:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について

就活にかけられる時間が多い

新卒は学生として就活を進められるため、就活にかけられる時間が多い点もメリットです。就活の正式な開始時期は広報活動が開始される卒業前年度の3月であるため、内定を10月に受けるとしても半年間就活に集中できます。

また、インターンシップは広報活動開始前から行われています。実際に就活が始まる前から気になる職種や企業で就業体験ができるため、業界や職種、企業についてじっくりと理解を深められるでしょう。

授業やアルバイトなどで時間が取れない場合でも、単位に影響のない範囲で時間割を作成したり、アルバイトの時間を調整したりすることで就活にかけられる時間を確保できるでしょう。

なお、就活は自己分析や企業研究、選考対策などやるべきことがたくさんあり、準備の有無によって結果は大きく変わります。新卒は中途採用などと比べると就活にかけられる時間が多いため有利です。

現在のスキルではなく将来のポテンシャルで評価してもらえる

現在保有する経験やスキルではなく、将来のポテンシャルで評価してもらえることも、新卒のメリットです。

新卒はそもそも社会人経験が少なく、企業に即戦力としてアピールできるだけのものを兼ね備えていることは少ないです。しかしその反面、素直さや謙虚さ、熱意で評価してもらえるため、上手く自身をアピールできれば、社会人経験の少なさや若さは武器になり得ます。

過去ではなく未来の可能性で勝負に挑めるのは、新卒ならではの特権と言えます。

過去の経験にとらわれずに幅広い業界にチャレンジできる

将来のポテンシャルで評価してもらえることは、過去の経験にとらわれずに幅広い業界にチャレンジできることを意味します。

通常、転職希望者が中途採用に挑むとき、応募企業における業界経験の有無は必ず問われます。業界経験の有無によって、応募企業で即戦力として働けるだけの知識やスキルがあるかを評価されるからです。

しかし新卒採用は、そもそも社会人経験がほぼないことを前提とした採用手法です。そのため新卒は、過去の経験にとらわれることなく、自身の興味のある幅広い業界にチャレンジできます。

同期入社同士で社内において横のつながりができる

同期入社同士で社内の横のつながりができやすいのも、新卒のメリットです。

同期入社した社員同士は、同時に研修を受けて入社式や行事に参加するため、お互いに刺激を与えながら切磋琢磨し合える存在になるでしょう。同期ならではの悩みや相談事を打ち明ければ、仲間意識が育まれて早期離職防止にもつながります。

その後年月を経て互いに出世していけば、部門間協力といった形で企業に良い影響を及ぼすことも可能です。

研修や教育を十分に受けられる

新卒は入社後に研修や教育期間が設けられていることが多く、本格的な業務が始まる前に学ぶ機会を多く得られます。

多くの企業で新卒はポテンシャル採用であるため、採用時点のスキルだけではなく今後の伸び代を期待されています。そのため、新卒は入社後に会社で研修や教育を行って育てるのが一般的です。社内外での研修や教育を受けて、社会人としての知識や業界・職種などについて学べます。

一方、中途採用は採用時点で即戦力として期待されており、入社後は社内の組織やルールといった必要最低限の研修しか受けられないことも珍しくありません。

入社後に十分な研修や教育を受けられることは、社会人経験がない新卒にとっては大きなメリットでしょう。

新卒で就活したときに生じるデメリット

学生にとっての新卒採用は、メリットばかりではなく、デメリットも存在します。ここからは、新卒就活のデメリットを4つ取り上げて解説していきます。

  • 社会人経験がない分就職前後のギャップを感じやすい
  • 自分が希望する職種や部署に配属されるとは限らない
  • 専攻と関係ない分野から企業を選ばなければならないことが多い
  • ライバルが多く比較されやすい

社会人経験がない分就職前後のギャップを感じやすい

社会人経験がない分就職後のギャップを感じやすいことは、わかりやすいデメリットの一つです。

厚生労働省の「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、大学卒の3年以内離職率は、長年にわたって30%前後を推移しており、およそ3割の学生が早期に離職していることが読み取れます。

その理由には、新卒は社会人としての経験が少なく、就職前に働くことへの具体的なイメージがしにくいことが挙げられます。そのため、実際に働いてみると、「思っていた職場とは違う…」と感じがちです。

就職後のギャップを小さくするには、就職活動時にインターンシップに参加したり、OB・OG訪問を通じてリアルな先輩の声を聞いたりするのも一つの方法です。

また「給料の高さ」「企業の知名度」「親の反応」といった基準だけではなく、今一度「自分に本当に向いている企業なのか」を就活時に一度考え直してみる必要があると言えるでしょう。

自分が希望する職種や部署に配属されるとは限らない

新卒採用はポテンシャルで評価されるため、配属は企業の部署事情と、学生の適性の両方を勘案して決定されます。そのため、必ずしも自分が希望する職種や部署に配属されるとは限らない点がデメリットと言えるでしょう。

また新卒一括採用では、ジョブローテーションを組みながら、さまざまな経験を積んで企業の核となる人材になることが期待されています。そのため、新卒配属時に希望の部署や職種に恵まれたとしても、数年後には別の部署や職種に異動している可能性は十分にあり得ます。

企業からの指示によって幅広い経験や視野を学べる反面、必ずしも自分の希望が通るわけではない点は覚悟しておく必要があると言えるでしょう。

専攻と関係ない分野から企業を選ばなければならないことが多い

新卒採用では、多くの場合専攻と関係ない分野から企業を選ばなければならないことも、デメリットの1つと言えます。

理学部や工学部といった直接業務に活かせる特定の学部を除き、大半の学生は大学時代の専攻とはあまり関係のない職種や業界の中から応募企業を絞り込みます。

そのため、自分の興味の深い専攻分野があっても、その知識を業務に活かす機会が少ないことはデメリットと言えるでしょう。

大学生が企業に自身の専攻をアピールする場合は、専門知識そのものより、学業を通じて身に付けた考え方や姿勢を、業務にどう活かせるかを説明することが求められます。

ライバルが多く比較されやすい

新卒は一般的に一括採用であるため、企業規模によって数十〜数百人が採用されます。同期は同じ新卒として働く心強い仲間ですが、配属された後は仲間でありながらもライバルとしての側面が強まります。

社内で昇進・昇格するには、努力や実績が欠かせません。その点で新卒は、同期が多いため成績を比較されやすいでしょう。

同期というライバルが多い中で昇進・昇格するには、自分自身の頑張りが必要です。積極的に自分をアピールして、周りと差をつけることが求められます。

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新卒のメリットを活かす面接でのアピールポイント

新卒ならではのメリットを活かす就活のポイント

新卒のメリットを活かすには、新卒ならではの強みをアピールすることが重要です。

特にアピールしたいポイントは以下の3点です。

  • 人一倍やる気があることをアピールする
  • 就業後の柔軟性の高さをアピールする
  • その企業に就職したい理由をアピールする

人一倍やる気があることをアピールする

新卒だからこそ、人一倍やる気があることをアピールすることが重要です。

多くの企業では、新卒よりも既卒の人は就職意欲が低いと考えられてしまう傾向があります。そのため、新卒で就活をするなら、それを逆手に取って就業意欲が高いことをアピールするのが非常に効果的です。

ただし、ただやる気があるだけでは意味がありません。その企業のどういった部分に引かれて、具体的にどの部分に注力したいかという点を加えてアピールすることで、より高い評価を得られるでしょう。

就業後の柔軟性の高さをアピールする

新卒だからこそ、企業にしっかり染まれる点をアピールすることを意識しましょう。

企業が新卒採用を優先する理由の1つは、企業の文化や風習、雰囲気などに慣れやすいためです。既卒で他社の経験がある人はどうしても他社と比較してしまうため、新卒と比較してその企業に慣れづらいというデメリットがあります。

新卒で就活をする以上、企業に入った後の柔軟性の高さをアピールすることで、企業も優先して採用しようと考えます。新卒でなおかつ柔軟性が高い就活生は、就職で有利になるでしょう。

その企業に就職したい理由をアピールする

その企業でないといけない理由をしっかりアピールすることが重要です。

企業が新卒を採用するときに問題になるのが、離職率の高さです。現在は新卒生の約3割が離職すると言われているため、企業としては、離職する就活生はできるだけ雇いたくないと考えています。

そこで有効になるのが、その企業だからこその理由をアピールすることです。就職した後もその企業でしっかり働き続けられる理由があること(魅力があること)を伝えることで、安心して採用できます。

新卒採用の種類

新卒採用の種類

新卒採用には、主に下記2つの採用方法があります。

  • 一括採用
  • 通年採用

それぞれの採用方法の特徴について、詳しく見ていきましょう。

一括採用

新卒の一括採用とは、決められた時期に一括で一定人数を採用する方法です。多くの企業では、政府主導の就活スケジュールに合わせて新卒を一括採用しています。

新卒が就活を行う場合、ほとんどの場合で一括採用の選考を受けることになるでしょう。企業にとって一括採用は、採用活動や入社後の教育などをまとめて進められるメリットがあります。

就活生側のメリットは、一括採用は同時に多くの人材を採用するため、採用枠が多くなりやすい点です。そのため、中途採用では採用基準が高い大企業でも採用されるチャンスがあります。

通年採用

通年採用とは、時期を決めずに年間を通して採用を行う方法です。

前述の一括採用では、決められた時期を過ぎると企業側が採用活動をストップします。採用人数が満たない場合は秋採用を行うこともありますが、基本的には一括採用時期を過ぎるとその企業に対して就活は行えません。

一方で、通年採用は時期にかかわらず採用活動を行っているため、いつでも就活が可能です。ただし、同じ通年採用でも「年に複数回選考を行っている」「常に応募を受け付けている」というように企業によって定義が異なる可能性があります。

通年採用に興味がある人は、「通年採用とは?新卒にとってのメリット・デメリットや内定のコツを解説」も読んでみてください。

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新卒で就職しなかった場合の選択肢

新卒で就職しなかった場合の選択肢

新卒で就活を行うメリットは数多くあります。しかし、必ずしも新卒で就活を行わなければならないということはありません。

新卒で就職しなかった場合、下記のような選択肢があります。

  • 就職留年
  • 進学
  • 留学
  • 既卒
  • 公務員
  • フリーター・派遣社員
  • 起業・フリーランス

それぞれの特徴や新卒との違いについて、詳しく解説します。

就職留年

就職留年は大学に留年という形で所属したまま、就活を続けられます。休学したり卒業延期制度を利用したりすることで留年できます。新卒という肩書きを維持したまま就活までの時間を確保できるのがメリットです。

しかし、留年には少なからずマイナスのイメージがあります。面接でもなぜ留年したのかを聞かれることがあるため、面接官が納得できる理由を説明できなければなりません。

実際に就職留年するには、大学が就職留年を認めているかや手続き方法など、事前の確認が必要です。

進学

新卒として就活するのではなく、大学院や専門学校などに進学して学生を続ける選択肢があります。専門知識をより深く学んだり、新たな分野に挑戦したりすることは、将来の就活にも大きな影響を与えるでしょう。

進学した場合、卒業予定年度が変わるため、就活までの時間を確保できます。また、卒業予定年度では再び新卒として就活できるのもメリットです。

ただし注意点として、学生を続けることで費用面での負担が発生することが挙げられます。また、学業へのモチベーション維持も大切です。これまでの延長線上で学生を続けるのではなく、明確な将来のビジョンを持って、主体的に学業に取り組むことが重要です。

留学

在学のまま就活までの時間を確保できる選択肢として、進学のほかに留学があります。海外で生活することで、語学力の向上や価値観が広がるなどのメリットがあります。

在学中の留学であれば、進学と同様に留学後でも新卒として就活できることもポイントです。留学で学んだことをアピールすることで、留学経験を面接に活かせるでしょう。

ただし、目的意識なく留学しても学びは得られません。留学はあくまでも手段であり、留学で何を吸収したかが重要です。新卒として就活する場合も、企業側は留学によってどのようなことを学べたのかを重視します。

また、目に見える成果を示すことも大切です。語学力が向上したとアピールしたい場合は、実際の会話力をアピールすることに加えて、TOEICやTOEFLのような試験の結果があればなお良いでしょう。

既卒

一度大学を卒業して、既卒として就活に集中することも可能です。既卒とは、卒業後に就職経験がない人のことを言います。

既卒は、就活にかけられる時間をさらに増やせるため、企業選びや選考対策などをじっくりと進められます。

ただし、新卒という肩書きが使えなくなってしまう可能性があることに注意しましょう。既卒になると、基本的には新卒採用枠で応募できません。

一方、厚生労働大臣が定めた「青少年雇用機会確保指針」では、卒業後3年以内は新卒として扱うように呼びかけています。しかし現状、既卒を新卒として扱わない企業は多いため、企業選びの選択肢は少なくなることに留意しなければなりません。

通年採用に興味がある人は、「既卒の就活では何をアピールすべき?強みや求人探しのコツなどを解説」も読んでみてください。

公務員

新卒で就活するのではなく、公務員試験を受ける選択肢もあります。公務員試験は一般企業の採用とは異なり書類選考がなく、受験資格さえあれば誰でも受けられます。

加えて、安定した職業として人気があり、競争が激しくなる点が特徴です。

公務員の採用試験は原則として年1回しか実施されないため、自分が目指す職種や自治体の試験日程を事前に確認しましょう。

フリーター・派遣社員

フリーターや派遣社員として働きながら、就業経験を積んだり資格を取得したりすることも可能です。職種や条件にこだわらなければ、新卒で就活するよりも採用されやすいでしょう。

年齢が若いうちであれば、フリーターや派遣社員として働くことで当面の生活費は稼げます。しかし、新卒で就活した場合と比べて給与の上がり幅には大きな差があります。

フリーターや派遣社員から正社員登用されることもありますが、狭き門のため新卒で就活するよりも正社員になるのは難しいでしょう。

起業・フリーランス

企業に所属するのではなく、起業したりフリーランスになったりして自分の裁量で働くこともできます。

特にインターネットが普及した現代では、SNSやオンラインプラットフォームを通じて自分のスキルを売り込み、案件を獲得するチャンスも広がっています。

ただし、企業に所属せずに稼ぐためには、何かしらのスキルを身につけていなければなりません。ポテンシャル採用が多い新卒とは異なり、自分で仕事を見つける場合は自分のスキルを売り込む必要があります。初期投資や不安定な収入に対応するリスクもあるため、慎重な計画が必要です。

多くの企業が今でも新卒採用にこだわる理由

現在においては、日本特有の終身雇用制度や年功序列制度が崩壊しつつあります。それでも企業が新卒採用にこだわる理由は、企業が短期ではなく長期的な視野で人材採用や育成を見据えているからに他なりません。

企業が今後長期に渡って成長・発展していくためには、企業を支えるベテラン人材に加え、フレッシュな風を吹き込む若手人材が必要です。企業理念に深く共感し、教えたことを素直に吸収して学びに変えられる新卒の力は、企業を大きく前進させる原動力となり得ます。

社会人経験がほぼない新卒には、即戦力として期待できる実績やスキル、経験はそれほど期待できません。しかし、企業は新卒が持つ素直さや謙虚さ、熱意の高さといったポテンシャルを評価していると言えます。

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企業側から見た新卒採用のメリット

企業側から見た新卒採用のメリット

企業が新卒採用を行うメリットはたくさんありますが、ここでは代表的な7つの側面を取り上げてそれぞれを解説していきます。

  • 企業文化を若い世代に受け継いでいける
  • 研修スケジュールの計画が容易である
  • 一定数の人員を低コストで安定的に確保しやすい
  • 将来の幹部候補となる人材を獲得しやすい
  • 人材採用活動を通じて自社の認知度を高められる
  • 企業の成長に必要な若年層の労働力を確保できる
  • 先輩社員の自覚を促して組織の活性化につなげられる

企業文化を若い世代に受け継いでいける

企業にとって社会人経験がほぼない新卒は、自社の企業文化を素直に受け入れて体現してくれることが期待できる存在です。

採用段階で自社の企業文化に強く共感する学生のみを選抜すれば、その後長きに渡って企業文化を実践し、企業全体に広めていくことが期待できます。

中途採用者は前社の価値観や考え方が沁みついているため、過去の考え方に固執して転職先の企業文化に馴染めない可能性があります。

しかし、新卒はそもそも他社との比較軸を持ち合わせていません。そのため、真っ白な状態で企業文化に触れられ、愛社精神を高めやすいのが特徴です。

研修スケジュールの計画が容易である

新卒は一括採用が多いため、多くの人材に対して一括で教育・研修を行えます。入社時期も決まっており、研修スケジュールの計画が容易に行えるため効率が良い点がメリットです。

人材教育にかかるコストは、教育の実施回数によって大きく変動します。例えば、講師を招いた座学研修を実施する場合、1人に対して説明をするのも100人に対して説明をするのも、講師の負担は大きく変わりません。

また、教育の準備などにも時間がかかります。教育を複数回で不定期に行わなければならない場合、その都度準備しなければなりません。

新卒採用は決まった時期にまとめて多くの人材に教育を行えるため、企業の負担を軽減できます。同じ教育を施すことで教育の質も安定するでしょう。

一定数の人員を低コストで安定的に確保しやすい

企業にとって新卒採用は、一定数の人員を低コストで安定的に確保しやすいのがメリットです。

新卒を採用する就活市場は大きく、毎年40万人以上の学生が同時に就活を始めます。そのため、新卒採用を行う企業は、多くの学生にアプローチできるチャンスがあります。

さらに新卒採用における給料は、年齢や学歴をベースにした平均給料が基本です。そのため、新卒で入社した時点における給料は同額であることが多く、金額はそれほど高くはありません。

新卒の給料は今後の成長性を前提に決められるため、今後の活躍次第で昇給していくのが一般的です。

このような背景から、新卒採用は企業にとって、高い人件費をかけずに安定して人材を確保できるメリットがあります。

株式会社リクルートの「就職白書2020」によれば、2019年度の新卒採用(93.6万円)と中途採用(103.3万円)における平均採用コストの差はおよそ10万円です。

少数の人員を随時採用していく中途採用と比べると、毎年同時期に一括して人員を確保できる新卒採用は、コストを削減しながら人員を確保できる効率的な手段になっています。

将来の幹部候補となる人材を獲得しやすい

新卒採用では、一度に多くの人材を採用できます。採用した新卒の中で、将来の幹部候補となる高いポテンシャルを持った人材を獲得できる可能性があります。

中途採用との違いは、高いポテンシャルを持った人材を低コストで獲得しやすいことです。中途採用でも幹部候補を採用することは可能ですが、幹部クラスのスキルを持っている人材に入社してもらうには、給与面をはじめ考慮が必要な条件が多くあります。

一方、新卒の場合は全員に同じ教育を行い、その中からポテンシャルがより高い新卒を見つけることで、将来の幹部候補に育てられます。同じ幹部候補クラスのポテンシャルを持っている人材でも、新卒採用ならより低コストで採用できるでしょう。

人材採用活動を通じて自社の認知度を高められる

人材採用活動を通じて自社の認知度を高められるのも、企業が新卒採用を実施するメリットの一つです。

企業にとって自社の宣伝を行う場は、TVCMや雑誌、新聞広告だけではありません。新卒に対して行う企業説明会やインターンシップ、公式HP上に掲載されたメッセージもまた、企業にとっての大切な広報活動の一つです。

就職活動では、多くの学生が自らさまざまな企業の情報を収集して自分に合った企業を探します。そのため、BtoC企業(※1)だけでなく、BtoB企業(※2)にも、自社のサービスや活動について学生に深く知ってもらえるチャンスがあります。

※1 BtoC企業:一般消費者向けに生活必需品を提供する企業のこと。TVCMや雑誌広告などを通じて日常生活で商品を目にする機会が多い
※2 BtoB企業:企業や組織向けに商品やサービスを提供する企業のこと。日常生活に馴染みが少ないため、学生にとって知名度が低い企業が多い

学生が就職活動において内定に至らなかったとしても、自社に興味を持ってもらえること自体は決して損にはなりません。就職活動をきっかけに自社商品のファンになったり、または近い将来、中途採用の形で自社に入社してきたりすることもあり得ます。

このように新卒の採用活動は、自社の認知度を高め、自社に興味や関心を持ってもらうきっかけ作りに役立ちます。

企業の成長に必要な若年層の労働力を確保できる

定期的な新卒採用は、企業の成長に必要な若年層の労働力の確保にも役立ちます。新卒は企業の中で最も若手であり、将来の企業の成長を長期的に支える基盤となる存在だからです。

最終的には企業の核を担う人材として育成することもできます。

一方、企業が経験やスキルばかり重視して採用活動を行っていると、社内の年齢層が固定され、特定の価値観に凝り固まって雰囲気が停滞するリスクもあります。

さらに企業を支えるベテラン層が大量に定年退職すれば、経験やスキルが若手に引き継がれず、今後の企業の存続にも影響しかねません。

そのため、企業の長期的な成長を見据えるなら、定期的な新卒採用によって、経験やスキルを引き継ぐ若年層の労働力を安定的に確保しておくことが大切と言えます。

先輩社員の自覚を促して組織の活性化につなげられる

企業にとって新卒採用は、先輩社員の自覚を促して組織の活性化につなげられるメリットもあります。

社会人がほぼない新卒を企業で受け入れると、人事部で行う研修を受ける以外に、現場で先輩社員から仕事を教わらなければなりません。

そのため新卒が企業に入社すれば、必然的に社員に先輩としての自覚が促され、手本として行動指針を示すことで組織の活性化につながります。

また、これまでの業務であいまいだった仕事の流れを再確認するきっかけにもなり、マニュアル作成など職場の環境整備にも役立ちます。

企業側から見た新卒採用のデメリット

企業側から見た新卒採用のデメリット

新卒採用は企業に多くのメリットをもたらすものの、デメリットがないわけではありません。そこでここからは、企業が新卒採用を行うデメリットについて、主な5つを取り上げて解説していきます。

  • 即戦力としての活躍が期待できない
  • 採用プロセスが多く社内の負担が大きい
  • 採用とは別に教育コストがかかる
  • 早期退職のリスクがある
  • 景気や社会情勢によって人材の獲得難易度が変わる

即戦力としての活躍が期待できない

企業が新卒採用を行う最大のデメリットは、即戦力に期待できないことです。社会経験がない新卒は、すぐに企業で使えるわけではありません。

新卒は、これまでの生活を学生として商品やサービスを消費する立場で過ごしてきました。そのため、アルバイトなどの経験を除いて、サービスを提供する側としての経験がほとんどありません。

このような背景から、新卒が企業に入社すると、人事部による研修や現場社員によるOJTが必要です。社会人としての心得から企業のルール、取り扱う商品知識までさまざまな知識を習得しなければなりません。

これらの教育が一通り終わるまでは、少なくとも数か月程度はかかります。さらに1人で業務をこなせるようになるまでは、1年程度かかることもあります。

これらの期間、企業は人件費を支払いながら新卒を育成しなければなりません。そのため、企業には目先の利益にとらわれず、新卒に先行投資をする覚悟が求められます。

採用プロセスが多く社内の負担が大きい

採用プロセスが多く社内の負担が大きいことも、企業にとって新卒採用を行うデメリットです。

社会人経験のほぼない新卒の中から自社に合った優秀な人材を見極めるには、多くの手間や時間が必要です。そのため企業は、企業説明会やインターンシップなどで学生との接点を積極的に作り、書類選考や複数回にわたる面接を通して学生を選抜していきます。

また、新卒採用は人事部だけが行っているわけではありません。自社に合った優秀な人材を獲得するには、面接だけでも人事部や、現場社員や管理職、経営陣など多くの人々が関わっています。

企業が新卒採用を開始し、研修や内定式までの手順を含めると、1年以上の期間がかかることも珍しくありません。このように、企業側は多くの手間や時間をかけて新卒採用を実施していることを頭に入れておきましょう。

採用とは別に教育コストがかかる

採用とは別に教育コストがかかることも、企業が新卒採用を行うデメリットの一つです。

新卒採用は0から育て上げることを前提としているため、採用後は研修やOJTを通じてさまざまな教育を行います。研修会場の確保からマニュアル作成、外部講師への依頼など、新卒の教育にはさまざまなコストがかかります。

また、現場に出てからも、先輩社員は通常業務と並行して新人教育を施さなければなりません。先輩社員が新人教育をする間にかかる人件費もまた、新卒採用後に必要な教育コストの一部です。

このように、新卒採用は、即戦力を期待されて入社する中途採用にはない教育コストがかかります。

早期退職のリスクがある

新卒採用は、ミスマッチによる早期退職のリスクがあります。なぜなら新卒は社会人経験が少なく、就業に対して具体的なイメージをあまり持っていないためです。

インターンシップなどで事前に業務を体験した場合でも、実際に長期間働き始めると持っていたイメージとのギャップを感じる人もいるでしょう。そのため、実際に働き始めて「自分がやりたかったことと違う」と感じて早期退職を選択する新卒も存在します。

採用活動にはコストがかかっており、さらに入社後の教育なども含めると1人あたりの採用コストは決して低くありません。また、新卒の配属先や業務の調整まで行っていた場合、早期退職によって各部署の業務にも影響を及ぼします。

新卒を一括採用する場合は、早期退職者の人数も採用者数に比例して増える可能性があります。

景気や社会情勢によって人材の獲得難易度が変わる

企業にとって、学生の参加者人数が多い新卒採用市場は、一定数の人員を低コストで安定的に確保できる効果的な採用手段です。しかし新卒採用には、景気や社会情勢によって人材の獲得難易度が変わるリスクがあります。

基本的に新卒の獲得難易度を決めるのは、人材を求める企業側(買い手市場)と仕事を求める学生側(売り手側)の需給バランスです。

例えば景気が良ければ、企業は多くの学生を獲得したいと考えるため、仕事を求める学生より人材を求める企業が増えます。その結果、希少価値の高い学生の立場が強くなり、知名度の高い大手企業に募集が集中して、中小企業や知名度の低い企業は新卒を獲得するのが難しくなるでしょう。

一方で景気が悪ければ、即戦力にならない新卒採用に踏み切るのに躊躇する企業が増えます。その結果、景気が悪い時期でも新卒採用に踏み切れる体力のある企業のみが新卒採用を行っています。

また、学生側も景気が悪いと安定志向に走るため、知名度の低い企業や中小企業は不利になりやすいです。このように、企業は景気動向や社会情勢によっては、思ったよりも人数を採用できない場合があります。

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新卒で就活する際のよくある疑問

新卒で就活する際のよくある疑問

ここでは、新卒で就活する場合によくある下記の疑問について解説します。

  • 新卒と既卒・第二新卒の違いは何?
  • 新卒は大企業と中小企業どちらがおすすめ?
  • 新卒でベンチャー企業はあり?

新卒と既卒・第二新卒の違いは何?

新卒と既卒・第二新卒の違いは、大学を卒業しているかどうかです。

新卒は卒業予定者であり、在学中に就活を行う人を指します。一方で、既卒・第二新卒はすでに卒業している状態で就活を行う人を言います。

既卒と第二新卒の違いには明確な定義がありませんが、一般的には以下の通りです。

種類

説明

新卒

大学を卒業予定の学生

既卒

卒業後に就業経験がない人

第二新卒

就職後2〜3年目で離職し、再び転職活動をしている人

新卒は大企業と中小企業どちらがおすすめ?

前提として、就活では企業規模にかかわらず自分がやりたいことや希望する就業条件などで企業選びを行うことが大切です。そのため、大企業と中小企業のメリットやデメリットを把握したうえで自分に合った企業を選びましょう。

大企業は新卒採用枠が広い一方で、中途採用枠が少ない傾向にあります。また、中にはそもそも採用枠が新卒に限られている大企業もあります。

このように、大企業の中には新卒でなければ狙えない企業があるため、新卒のメリットを最大限活用したい場合は大企業にチャレンジすると良いでしょう。

ただし、大企業が良いからという理由だけで選ぶのはおすすめできません。必ず自分がやりたいことができる企業であるか、しっかりと企業研究を行いましょう。

新卒でベンチャー企業はあり?

自分がやりたいことを実現できる企業であるなら、新卒でベンチャー企業に就職するのもひとつの選択肢です。ベンチャー企業は設立年数が比較的浅い企業ではありますが、IT業界をはじめ成長が著しい企業も多くあります。

ベンチャー企業には、下記のような特徴があります。

  • 成長志向が強い
  • フットワークが軽い
  • 若手社員が多い

斬新なアイデアをいち早く形にするため、フットワークが軽いことが特徴です。社長や役員といった重役との距離が近く、新卒でも意見を聞いてもらいやすい環境です。

全体的に年齢層が若いため、新卒で入社しても即戦力として仕事を任されます。さまざまな業務にチャレンジできるとスキルアップにもつながるでしょう。

また、比較的年齢が近い先輩社員が多いため、数年後の自分を見据えて目先の目標を立てやすくやる気にもつながります。

ベンチャー企業に就職することは、新卒でも多くのメリットがあります。やりたいことと業務が合致している場合は、ベンチャー企業への就職も検討しましょう。

ベンチャー企業の新卒就職に興味がある人は、「新卒採用でベンチャー企業に就職しても大丈夫?メリット・デメリットから向いている人の特徴まで詳しく解説」も読んでみてください。

新卒のメリットを知って就職活動を成功させよう

新卒で就活をすると、以下のようなメリットを実感できます。

  • 業績の安定した大企業に応募できるチャンスが多い
  • 現在の経験やスキルではなく将来のポテンシャルで評価してもらえる
  • 過去の経験にとらわれずに幅広い業界にチャレンジできる
  • 過去の経験にとらわれずに幅広い職種にチャレンジできる
  • 同期入社同士で社内において横のつながりができる

このような新卒採用のメリットをしっかり把握し、中途採用と差別化できれば、就職活動を有利に進められます。

ここまで読んで「新卒を採用するメリットをもっと詳しく知りたい」「どうやって自分をアピールして良いかわからない…」と感じている人は、ぜひ一度就職エージェントに相談してみましょう。

P-CHAN就活エージェントでは、就活のプロに客観的なアドバイスをもらえるため、自分が今後どうすべきかがわかるでしょう。登録料は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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