新卒でIT業界はやめとけと言われるのはなぜ?向いている人や働きやすい企業の見極め方を解説
目次
IT業界は高収入を得られるイメージがあり、人気の高い業界です。しかし、「IT業界はやめとけ」とSNSで見かけたり、周囲の人から言われたりした経験がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、新卒でIT業界はやめとけと言われる理由について解説します。また、IT業界に向いている人や働きやすいIT企業を見極める方法についても触れるので、IT業界を目指している就活生は参考にしてください。
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新卒でIT業界はやめとけと言われる理由
IT市場は拡大していて将来性がある一方、SNSなどではIT業界への就職はやめとけといった声が見られます。なぜそのように言われてしまうのでしょうか。以下では、新卒でIT業界はやめとけと言われる理由を解説します。
- 多忙で残業が多く休みを取りにくいから
- 若手のうちはエンジニア業務をなかなか任せてもらえないから
- AIの発展によって仕事が減る可能性があるから
- 新卒・未経験では戦力と見られないから
- 労働環境が悪い職場もあるから
- 頑張りが評価に直結しにくいから
多忙で残業が多く休みを取りにくいから
IT業界は多忙で残業が多く、休みを取りにくい企業もあるため、新卒ではやめとけという意見があります。
以下は、業界ごとの月間の総実労働時間・所定外労働時間・出勤日数をまとめた表です。
業界名 | 総実労働時間 | 所定外労働時間 | 出勤日数 |
情報通信 | 164.9時間 | 16.6時間 | 19.3日 |
製造 | 168.5時間 | 15.4時間 | 19.7日 |
金融・保険 | 156.0時間 | 14.4時間 | 19.1日 |
医療・福祉 | 156.7時間 | 6.9時間 | 19.6日 |
出典:e-Stat政府統計の総合窓口「毎月勤労統計調査」(※上記は、2023年10月時点の情報です。出典元ページの情報は随時最新に更新されます。)
情報通信業界において、一般労働者の月間の総実労働時間は164.9時間です。また月間の所定外労働時間は16.6時間と、金融・保険業界や医療・福祉と比べると、労働時間や残業時間が多いことが分かります。
ただし、労働の実態は企業ごとに異なり、中には残業時間が少ない企業もあります。プライベートを重視するのであれば、残業時間や年間休日などを必ずチェックしましょう。
若手のうちはエンジニア業務をなかなか任せてもらえないから
IT業界でエンジニアとして採用されたのに、コーディングを任せてもらえないケースがあることも、やめとけと言われる理由として挙げられます。入社後はまずコールセンターでの対応や、社内システムの運用・管理を任されることも少なくないようです。
それが研修期間の間だけであれば問題はないでしょう。しかし、中にはいつまで経ってもコーディングをさせてもらえないケースもあります。
AIの発展によって仕事が減る可能性があるから
今後AIに仕事を奪われる可能性があることも、新卒でIT業界はやめとけと言われる理由のひとつです。
AIが発展したとしても、IT業界自体は今後もなくなることはないでしょう。しかし、一部の業務はAIでも代行できるようになってきています。特に、プログラミングや動作テストに該当する「下流工程」は自動化しやすい業務と言われており、将来はAIが担う可能性が高いです。
ただし、要件定義や設計などの「上流工程」は自動化が難しく、人間の頭と手が必要です。そのため、IT業界で活躍したいのであれば、要件定義や設計の経験を積んでおくことをおすすめします。
新卒・未経験では戦力と見られないから
新卒は戦力として見られないため、IT業界の職種によっては就職が難しいという見方があります。
プログラミング技術が必要な求人の場合、知識のない大学生や院生が開発に携わるのはハードルが高いです。大学でプログラミングやコーディングを学んだ人でも、実務レベルかどうか問われると難しいでしょう。
とは言え、社内研修でITの基礎から教えてくれる企業もあるので、就職できる可能性はゼロではありません。近年では書籍やオンライン講座でもIT技術を学べます。新卒で未経験だからといって悲観的にならず、挑戦することが大切です。
IT企業に興味がある方は、「新卒でもIT企業に就職できる?メリットや求められるスキルなどを解説」も読んでみてください。
労働環境が悪い職場もあるから
IT業界は元請けがいて、その下に下請けや孫請けとピラミッドのような構造になっている場合があります。あくまで傾向ですが、下請け・孫請けと下がるほど、労働環境が悪くなると言われています。
例えば、元請けは上流工程部分を担当し、下請けや孫請けには設計や開発、導入、テスト、管理の下流部分を依頼するケースが多いです。そして下請けや孫請けは、元請けからの急な要望変更やシビアな納期に振り回されることも少なくありません。
このような労働環境の悪さから、新卒でITはやめとけと言われることがあります。
頑張りが評価に直結しにくいから
努力と評価が直結しにくいため、やめとけという意見もあります。特にエンジニア職の場合、営業や販売、商品開発のように売上に結びつくポジションではないからです。
とは言え、間接的に企業の売上に貢献していることは間違いありません。システムを運用・管理することで、業務の効率化やコスト削減に貢献しているのはエンジニアです。
しかし、数字で評価されるのが難しいため、頑張りを認めてもらいたい人にとっては、ストレスを感じることもあるでしょう。
IT業界に向いている人の特徴
IT業界は専門性が高いため、向き不向きがあります。以下では、IT業界に向いている人の特徴を解説します。
- 学習意欲が高い人
- ITツールの活用が苦にならない人
- コミュニケーションスキルが高い人
- 数値や分析が好きな人
学習意欲が高い人
IT業界は日々進歩しているため、学習意欲が高い人ほど向いています。進歩するIT技術に追いつけるかどうかが、活躍するための鍵となるからです。
業務時間外でも積極的に学ぼうという姿勢がなければ、進歩する技術に追いつくことは難しいでしょう。就職した企業の教育体制が整っておらず、自分から行動し学ばなければならない場面もあるかもしれません。
IT業界は入社がゴールではなく、そこから長い道のりが始まります。大学在学中にスキルを身に付けて終わりではなく、日々生まれる新しい知識や技術を吸収する貪欲さが必須です。
ITツールの活用が苦にならない人
IT業界で活躍するには、知識だけがあれば良いというわけではありません。企業では、業務のほとんどにITツールが活用されています。そのため、最新のITツールを使いこなせる人こそ重宝されやすいです。
例えば、連絡は電話やFAXよりもメールの頻度が高く、リアルタイムのやり取りならチャットツールを使う機会も多いです。スケジュール管理もホワイトボードではなく、スケジュールアプリで各自管理するスタイルを導入する企業も少なくありません。
つまり、最新のITツールを使いこなせる人でないと、社内のコミュニケーションに支障が出てしまいます。そのため、最新のITツールを活用するとなった場合、臆せずに何でも使いこなそうとする人の方が向いているでしょう。
コミュニケーションスキルが高い人
IT業界においては、コミュニケーション能力も欠かせないスキルです。IT業界と聞くと、パソコンの前で黙々と作業する仕事だと思われがちですが、実際は多数の人々とのコミュニケーションが欠かせません。
社内システムの管理・運用を任されているなら、ほぼ毎日他部署と連携を取る場面があります。社外へ出向してシステムに触れる場合、クライアントとのコミュニケーションやチームワークが必須です。
つまり「IT業界=人と話す機会がないから楽」と思っているようでは、入社後に苦労するかもしれません。協調性がある人、または人と話すのが好きな人の方が向いています。
数値や分析が好きな人
IT業界は常に数字や分析が付きまといます。反対の言い方をすれば、数値や分析作業に抵抗がある人はすぐに疲労やストレスを感じてしまうでしょう。
例えば、システムエラーが生じればエラー内容や件数、エラーの原因を分析する必要があります。IT業界は、パソコンでコーディングやプログラミングを中心に進めるイメージが強いかもしれません。しかし、実際は数字と地道に向き合うことの方が多い業界です。
分析をする際は「何となくこうだと思う」では成り立ちません。直感型の人よりは、筋道を立てて考えられる論理型の人の方が向いています。
IT業界に向いていない人の特徴
IT業界に向いている人がいる一方で、IT業界への就職に向いていない人もいます。以下ではIT業界に向いていない人の特徴を解説します。
- 単にIT業界に憧れているだけの人
- スキルアップのために努力できない人
- ルーティンワークが好きな人
- 楽して高収入を狙えると思っている人
単にIT業界に憧れているだけの人
IT業界は憧れだけで続けられる仕事ではありません。単に「カッコ良いから」という理由だけでIT業界への就職は目指さない方が良いでしょう。IT業界の一部企業では、時間外労働や休日出勤をすることも珍しくないからです。
取り扱っているシステムは24時間365日稼働しているため、急な依頼やシビアな納期にも対応しなくてはなりません。休みの希望が通らないこともあり、緊急の場合は帰ろうとした矢先に呼び止められることもあります。
もちろん苦労した分、達成感も得られます。しかし、数字や分析と向き合う地道な作業も多く、慣れていないとすぐに辛くなってしまうかもしれません。
スキルアップのために努力できない人
スキルアップのために時間を割きたくない人も、IT業界で長く仕事を続けるのは厳しいでしょう。現在持っているスキルは最新のものでも、数年後、早ければ数日後には古い知識となってしまうからです。
IT業界は日々進化を遂げています。最新の知識を積極的に取り入れなければ、あっという間に置いていかれてしまうでしょう。
そうならないためにも、勉強を怠らず最新の知識を取り入れ続けなければなりません。スキルアップに関心がない人、大学を出たら勉強から解放されると思っている人ほど、入社後は苦労の日々となりそうです。
ルーティンワークが好きな人
IT業界で働く際は、マルチタスクに対応しなくてはなりません。下請けや孫請けの場合は、担当業務が下流工程のみという場合もあります。それでも複数のクライアントを抱えているケースが多く、ルーティンワークで毎日同じ作業とはいかないでしょう。
万が一トラブルが発生したら直ちに対応しなくてはならず、柔軟性も求められます。イレギュラー対応が苦手な人ほど、イメージと違ったと後悔してしまう可能性があります。
楽して高収入を狙えると思っている人
「パソコンに向かっているだけで高収入」と思っている人は注意が必要です。年収だけでIT業界への就職を決めてしまうのは、かなり危険でしょう。
確かにIT業界の年収は平均より高めです。しかし、年収が高いのにはそれなりの理由があります。企業によっては勤務時間が不規則で休日出勤を命じられる可能性もある上、同時に多数のタスクを抱えているなど、年収が高いなりにハードワークです。
また、常に最新の知識を覚えておく必要もあります。IT業界が高収入なのは、ハードな労働や専門的な知識・技術が求められるからです。
新卒が働きやすいIT企業を見極める方法
新卒でIT業界はやめとけという声があるのは事実ですが、中には働きやすい企業も多くあります。働きやすい企業だと判断できれば、新卒でもチャレンジしやすいでしょう。
ここでは、新卒が働きやすい企業を見極める方法を6つ紹介します。
- 入社時から別の業務に回されないか
- 研修制度が充実しているか
- 残業や休日出勤が多くないか
- 労働環境の改善に取り組んでいるか
- 社員の年齢構成は幅広いか
- コミュニケーションが活発に行われているか
入社時から別の業務に回されないか
働きやすい企業を見極めるためには、まず入社時から別の業務に回されないかを確認しましょう。
例えば、社内エンジニアとして募集しているのに、実際に入社するとエンジニア以外の仕事に回されることがあります。「研修期間の間だけ」と言っておきながら、研修が終わってもエンジニアの仕事をさせてもらえないケースも一部ではあるようです。
ただし、この点は会社のホームページを見ただけでは判断のつけようがありません。そこで、実際に働いている人の口コミなどを見ると良いでしょう。
なお、P-CHAN就活エージェントは企業とのパイプを活かし、紹介する企業の実態を確認しています。就活生の不安や疑問にも丁寧に対応しているので、疑問があれば相談してみるのがおすすめです。
研修制度が充実しているか
研修制度が充実しているかどうかでも、働きやすさは決まります。プログラミングやコーディングなどの基礎を学べる研修があれば安心です。
担当の先輩がしっかり指導してくれるのであれば、分からないこともその場で解消できるでしょう。また、外部研修があればプロの講師から実践で役立つスキルを教えてもらえます。
反対に、一般的なビジネスマナー研修だけで終わってしまうような会社は要注意です。マニュアルだけ渡されて「後は自分で勉強して」というスタイルでは、なかなか業務に必要なスキルが身に付きません。
結局誰かに聞いたり、自分で調べたりするとタイムロスが生じてしまうのは明らかです。自分のせいではなくとも、いつまで経っても戦力と見られない恐れがあります。
残業や休日出勤が多くないか
残業や休日出勤の有無をチェックするのも大事なポイントです。他の企業と比較したとき、過度に多いと感じた場合は応募を考え直した方が良いかもしれません。
IT業界は専門的な職業ということもあり、残業ほぼゼロは難しいかもしれませんが、休日出勤のない企業は探せばいくらでも見つかるでしょう。
例えば、残業があっても「月何時間までなら許容範囲」と自分で決めておくと、志望する企業を最小限に絞り込めます。
労働環境の改善に取り組んでいるか
労働環境の改善に取り組んでいる企業は、新卒にとっても働きやすいです。
労働環境の改善に取り組んでいると言っても、内容はさまざまです。ノー残業デーの有無やテレワークの導入実績をチェックしてみましょう。
また、ライフステージが変わってもIT業界で長く続けたい場合、産休や育休、介護休暇の実績があると安心です。
社員の年齢構成は幅広いか
社員の年齢構成をチェックするのもおすすめです。
平均勤続年数が長ければ、福利厚生や職場環境が充実している可能性があると捉えることもできます。しかし一方で、ベテラン社員によって業務が属人化していたり、企業自体が新卒の教育に力を入れていなかったりするケースも想定されます。
反対に、平均勤続年数が短く年齢層が若い場合、若いうちから役職について活躍できる社風があるかもしれません。その一方で、会社の離職率が高く、長く続けにくい環境である可能性も考えられます。
ただし、年齢構成はあくまでも要因のひとつです。企業の実態を知る一つの参考にしつつも、先入観を抱くのは控えましょう。
コミュニケーションが活発に行われているか
コミュニケーションの活発度と職場の明るさは比例します。コミュニケーションが盛んであれば、働きやすく相談しやすい環境だと思って間違いないでしょう。
反対に社員が暗い表情をしていたり、会話がほとんどなかったりと、全体的に暗い雰囲気なら居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
コミュニケーションが活発かどうかは、インターンシップなどで社内の雰囲気を確認するのがおすすめです。また、勉強会が定期的に行われていること、スキルアップのための研修制度や資格取得支援があることなどからも、社員同士のコミュニケーションが活発かどうかが伺えます。
新卒でIT業界はやめとけと言われても、興味があれば目指してみるのもおすすめ
新卒でIT業界はやめとけと言われるのは、残業が多く休みが取りづらかったり、若手のうちはやりがいのある仕事を任せてもらえなかったりするからです。
IT業界で活躍するためには、多くのスキルや経験が求められます。そのため企業選びでは、必要なスキルを身につけるための研修制度があるか、長く働き続けられる労働環境かなどをチェックするのが得策です。
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