転職に年齢は関係ない?転職は何歳まで?平均年齢や年代別の転職活動のポイントを解説
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転職年齢は35歳が限界と聞いたことがあるかもしれません。しかし、それは誤った情報です。
たしかに転職は年齢が若いほうが有利になるケースが多いですが、
事前準備と企業に求められているスキルと経験がマッチすればどの年代でも転職を成功させることが可能です。
本記事では、転職の平均年齢や年代別の転職活動のポイントについて解説します。
目次
転職に年齢は関係ない?あると言われる3つの理由
結論としては、転職に年齢は関係あります。その理由は大きく以下の3つです。
- 採用後の将来性に差があるから
- 年功序列などの社内文化を崩したくないから
- 社内の高齢化対策をしたいから
それぞれ詳しく解説します。
理由①:採用後の将来性に差があるから
転職に年齢が関係あると言われる理由の1つに、採用後の将来性に差があるというものが挙げられます。
年齢が高くなるにつれて勤務可能期間が短くなるため、採用後の将来性を考慮して、年齢が高い転職者の採用要件は非常に高めに設定されています。
一方で、若ければ若いほど将来性があり、今後も長く会社を支えていく人材になりうることから、20代の若い層が積極的に採用される傾向にあります。
理由②:年功序列などの社内文化を崩したくないから
古くからの社内文化を崩したくない企業では、中途採用者の年齢を特に気にする傾向が強いです。
具体的な例を挙げると「年下上司」や「年上部下」という年功序列を崩すような人的配置を嫌うことがあります。
これは、ただ単に年功序列の文化を守りたいという理由だけでなく、年上部下の存在によって仕事が円滑に回りにくくなるなど、
人間関係に起因するパフォーマンス低下リスクを排除したいという理由もあります。
理由③:社内の高齢化対策をしたいから
2021年現在、日本国内では少子高齢化が深刻になっており、その影響で社内の高齢化が進んでいる企業は少なくありません。
高齢化が進めば進むほど、企業の将来を担う若い層が少なくなります。
その結果、近い将来において企業文化を受け継いだ経営幹部不足し、企業が存続できなくなるリスクが高くなります。
このような問題を解消するためにも、各企業はシニア世代よりも若い世代の採用を活発に行っています。
転職の平均年齢は何歳?
前章では転職に年齢が関係するとお伝えしましたが、世間全体で見たときに転職の平均年齢は何歳くらいなのでしょうか。
dodaの調査によると、2020年における転職の平均年齢は32.0歳であることが分かっています。
男女別の転職平均年齢と転職成功者の年齢割合は以下の通りです。
男性の転職平均年齢 | 女性の転職平均年齢 |
---|---|
男女合計 | 32.0歳 |
男性 | 32.9歳 |
女性 | 30.1歳 |
転職時の年齢 | 比率 |
---|---|
24歳以下 | 0.094 |
25〜29歳 | 0.388 |
30〜34歳 | 0.234 |
35〜39歳 | 0.128 |
40歳以上 | 0.155 |
また厚生労働省のデータによると、20〜60歳の間で最も離職率が高い、
つまり最も多く転職している年齢は男性の場合20〜24歳で30.7%、次いで25〜29歳で16.8%です。
女性の場合20〜24歳で33.9%、次いで25〜29歳で20.2%ということが分かっています。
性別/年齢 | ~19 | 20~24 | 25~29 | 30~34 | 35~39 | 40~44 | 45~49 | 50~54 | 55~59 | 60~64 | 65~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 40.5 | 30.7 | 16.8 | 12.1 | 8.9 | 6.4 | 6.7 | 6 | 5.8 | 14.5 | 12 |
女性 | 40.8 | 33.9 | 20.2 | 17.7 | 13.1 | 14.7 | 12.8 | 12.3 | 11.1 | 13.5 | 7.3 |
※単位は%
参考:厚生労働省「-2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況-」
転職年齢“35歳限界説”とは?転職は何歳まで?
「転職年齢は35歳が限界」と聞いたことがある人は少なくないでしょう。しかし、実際に35歳が転職の限界年齢なのでしょうか。
同dodaの調査によると、2020年と2019年の35歳以降の転職者の割合は、2020年の方が1.2%上昇しています。
また、転職者全体のうち35歳以降の転職者の割合は28.3%であることから、35歳以降でも転職は実現可能であることが分かります。
調査期間 | 35歳以降の転職者割合 |
---|---|
2019年 | 0.271 |
2020年 | 0.283 |
参考:doda「年代別転職のポイントも解説!コロナでどう変わった? 転職成功者の年齢調査【最新版】」
しかし、35歳以降は転職の難易度が高くなるのも事実です。その理由は本稿第一章「転職に年齢は関係ない?あると言われる3つの理由」でお伝えした通りです。
さらに35歳以降の転職者向けの求人数は、35歳未満と比較して圧倒的に少なくなります。
これは35歳以降の募集ポジションのほとんどが、管理職やスペシャリストなどのハイクラス向けで構成されているからです。
したがって35歳以降の転職では「少ない上に採用要件が厳しい求人」に対して応募することになり、35歳未満の転職と比較すると難易度が高くなるのは明らかです。
このことから世間一般的に「転職は35歳が限界」と言われるようになったと考えられています。
職種別の転職しやすい年齢
職種別の転職しやすい年齢は以下の通りです。
職種 | 転職しやすい年齢 |
---|---|
営業系 | 20代 |
技術系 | 20〜30代 |
販売系 | 20代 |
事務系 | 20〜40代 |
それぞれ理由や背景とともに見ていきましょう。
営業系
営業系の場合、過去の実績よりもポテンシャルを重視して採用されることが多いです。そのため、30代や40代よりも年齢の若い20代が採用されやすいです。
ただし、30代や40代が採用されないというわけではなく、実績が認められれば十分にチャンスはあるでしょう。
技術系
技術系は20代から30代と、幅広い年齢層で採用されることが多いです。
20代であればポテンシャルを重視した採用、30代であればスキルや知識を重視した採用が期待できます。
過去の経験値や実績に応じて、面接でのアピールポイントを決めておきましょう。
販売系
販売系の場合、20代で採用される割合が高いです。
販売系は未経験から採用されることが多く、30代や40代よりも将来性のある20代の採用がメインとなる傾向にあります。
ただし、販売系には店長候補の募集も一定数存在します。店長候補の場合、20代だけでなく30代以上でも採用される可能性が高いです。
事務系
事務系の場合は20代から40代まで、どんな年齢層でも採用されやすいです。
未経験可の場合は若い方が有利な傾向にありますが、30〜40代でも十分に転職を目指せます。
ただし、かなり人気の高い職種であるため、30代や40代の場合は若さに負けない強みを持っておくべきです。
各年代別の転職で企業が求めていること
それでは、企業が求める人材要件は年齢によってどのように変化するのでしょうか。各年代ごとに詳しく解説します。
20代から30代前半の場合
20代から30代前半では、経営幹部候補としてのポテンシャルに期待した採用が行われる傾向があります。
したがって、選考ではポテンシャルの高さを証明できるようなエピソードや経験をアピールする必要があります。
特に20代は社会人経験が浅く、参考にできるスキルや実績が少ないことから、ポテンシャル採用を行っている企業が多いです。
そのため、ポテンシャルの高さをアピールできれば、未経験業界への転職も比較的容易に実現可能です。
30代に差し掛かると20代よりも未経験職種への転職難易度は高くなりますが、業界によってはまだ若手扱いとなり、ポテンシャル採用による転職も狙えます。
ただし、中にはマネジメント経験や確固たる実績を求められる企業も多く、ポテンシャル・やる気だけで採用されることは多くありません。
転職の目的やキャリアプランを明確に提示した上で「なぜこの企業でなければならないのか」という志望理由を考えましょう。
その上で「この企業で自分が活躍できると考える理由」を伝えられるように準備しましょう。
20代の転職支援に強いエージェントを詳しく知りたい人は「【目的別】20代におすすめの転職サイト・転職エージェント」も読んでみてください。
30代後半の場合
30代後半にもなると豊富な経験が求められるため、未経験職種への転職のハードルは非常に高くなります。
さらに経験職種においても、これまでの実績の裏どりや数値的根拠を高い基準で求められます。
そのため、35歳未満の転職に比べて難易度は飛躍的に高くなります。
転職難易度が上がる理由は、35歳以上の転職者に期待していることは「即戦力」だからです。
35歳以上になると、従業員としての寿命は35歳未満の転職者よりも短い上に、仕事のやり方にもややクセが付いていることがあります。
しかし、企業としてはできるだけ教育にかけるコストを抑えたいと考えています。
したがって、いかに教育コストをかけずに即戦力として活躍できるかをアピールできるかどうかが、30代後半の転職成功の鍵を握ります。
30代におすすめの転職サイトについて知り方は「30代におすすめの転職サイト・エージェント!目的やタイプ別の人気求人サイトまとめ」も読んでみてください。
40代以上の場合
40代以上の転職者に対して企業が求めるものは、これまでの豊富な経験とマネジメント力です。
特にマネジメント経験は重点的に確認されるため、以下のポイントは求人に応募する前にあらためて確認しておきましょう。
- マネジメント経験の有無
- マネジメント対象の規模(何人のチーム/プロジェクトか)
- マネジメント成功の定義
- マネジメントに成功したエピソード
- マネジメントに成功した要因
- マネジメントに失敗したエピソード
- マネジメントに失敗した要因
- 部下の育成方法 など
また、定性的な部分で「柔軟性」をチェックされることも非常に多いです。
具体的には、これまでのキャリアを通して培った仕事観を、新しい職場で変化(または排除)できるかを確認されます。
「柔軟性」をチェックする理由は、能力的には非常に優秀な方でも「柔軟性」が欠如しているために、
入社後に社内の文化や仕事環境に馴染めず離職してしまう人が少なくないからです。
したがって40代以降の転職では、定量的に豊富な実績を伝え、定性的な柔軟性をいかにアピールできるかが重要と言えるでしょう。
40代以降の転職支援に強いエージェントを詳しく知りたい方は「40代の転職エージェントと転職サイトの利用方法!おすすめのサービスをタイプ別に紹介!」や「50代の転職エージェントと転職サイト利用方法!おすすめのサービスをタイプ別で紹介」も読んでみてください。
年齢を重ねた人が転職を成功させるコツ
年齢を重ねた人が転職を成功させるには、下記のコツを意識しましょう。
- 過去に経験がある職種に絞る
- 実績をアピールする
- マネジメント経験をアピールする
過去に経験がある職種に絞る
年齢を重ねるにつれて、未経験では採用されにくくなる可能性があります。そのため、過去に実務経験がある職種に絞って応募することが大切です。
実務経験のある職種を選ぶ場合は、できるだけ長く働いていた職種の方が内定をもらいやすいです。
面接時は、経験年数と合わせて実績やスキルをアピールしましょう。
実績をアピールする
年齢を重ねるにつれてポテンシャルを評価してもらえる可能性が低くなるため、実績をアピールすることが大切です。
経験年数だけでなく、「営業成績◯位」「売上◯万円」のような具体的な数字を出せる場合は、積極的にアピールしましょう。
具体的な数字が出せない場合は、成果を出すためにどんな工夫をしたかのエピソードを話すのがおすすめです。
マネジメント経験をアピールする
30代以降の採用では、マネジメント経験を期待されることが多いです。
前職でのマネジメント経験は、積極的にアピールしましょう。マネジメント能力を発揮したエピソードも加えることで、説得力がアップします。
年齢が若い方も高い方も転職エージェントに相談すると安心
社会人経験が浅い若い方も、実績が豊富なシニア層も、転職する際にはいずれも転職エージェントに相談することを強くおすすめします。
若い方は、はじめての転職でも一連の流れを手厚くサポートしてもらえるため安心できます。
またミドル・シニア層の方も、その年齢ならではの転職時の注意点や選考突破のコツについてアドバイスがもらえたり、
受け入れてもらいやすい求人を紹介してもらえたりするので安心です。
一般的に転職エージェントの利用は無料で、必要なのは時間と転職への覚悟だけです。
これから先のキャリアを決定づける転職活動で失敗しないためにも、少しでも不安がある方は転職エージェントを活用するようにしましょう。
おすすめの転職エージェントを知りたい人は「【転職エージェントおすすめ】自分に合った転職エージェントの選び方と人気サービスを紹介」や「転職エージェント比較!サービス同士の違いや登録時のポイントも解説!」も読んでみてください。
この記事の監修者
木川 雄策
株式会社ピーアール・デイリー 人材紹介事業部 次長
1998年入社、求人広告・人材紹介事業と募集・採用に携わり入社24年目。
累計10,000人以上の採用・転職に貢献。
メンタルヘルス検定合格 認証番号090720001611