新卒入社したら3年間は辞めずに働くべき?理由やその後の選択肢も紹介
目次
「新卒で入社したら、3年は辞めずに働くべき」とよく耳にします。しかし、「なぜ3年働く必要があるの?」「3年以内に辞めたらデメリットがあるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
この記事では、どうして新卒が3年は辞めずに働くべきと言われるのか、3年働くことのメリットやデメリット、仮に3年で離職した場合の次の選択肢などを解説しています。また、長期間働ける会社を見つけるために重要なことも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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新卒3年以内の離職率は?
まずはじめに、新卒3年以内の実際の離職率に関するデータをまとめました。新卒3年の離職率の割合や、離職率が高い職業のデータを確認していきましょう。
大学卒業者の新卒3年以内の離職率は約30%
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」によると、就職後3年以内の離職率は以下の通りです。
卒業区分 | 就職後3年以内の離職率 |
中学卒業者 | 57.8% |
高校卒業者 | 35.9% |
短大などの卒業者 | 41.9% |
大学卒業者 | 31.5% |
中学や高校、短大など卒業区分を問わず、新卒3年以内の離職率は30%を上回ります。3人に1人は3年以内に辞めるという通説が間違っていないことは、データからも判断できます。
新卒3年以内で退社を決断することは、決して恥ずかしいことではありません。とは言え、何も考えずに辞めてしまうとキャリアの迷子になることもあるため、慎重に判断することが重要です。
新卒3年以内の離職率が高いのはサービス業
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」の情報によると、大学卒業者を対象とした新卒3年以内の離職率が高い職業は、以下の通りです。
職業 | 就職後3年以内の離職率 |
宿泊・飲食サービス業 | 49.7% |
生活関連サービス・娯楽業 | 47.4% |
教育サービス業 | 45.5% |
医療・福祉に関わる仕事 | 38.6% |
不動産業・物品賃貸業 | 36.1% |
新卒3年以内の離職率が特に高いのはサービス業です。サービス業は、お客様と直接関われるやりがいのある仕事です。しかし、以下のような理由でストレスを抱えてしまうケースがあります。
- 人材が不足しており社員1人の負担が大きい
- 土・日に勤務する必要がある
- 連休が取りづらい
サービス業に関わる会社に就職したいと考えている場合は、入社1年目でも仕事量が多くなる可能性があることを理解しておく必要があります。また、友人や知人と休みのリズムがズレてしまうという点も、事前に把握しておくべき事柄です。
新卒で入社して3年以内に離職する主な理由
株式会社ビズヒッツの「新卒3年以内の転職に関する意識調査」によると、新卒で入社して3年以内に職場を変えた主な理由は以下の通りです。
順位 | 3年以内に職場を変えた主な理由 |
1位 | 仕事内容が自分と合わない |
2位 | 人間関係が良好でない |
3位 | 勤務時間や休日に不満がある |
4位 | 収入面に不満がある |
5位 | 他の仕事にチャレンジしたくなった |
仕事内容、職場の人間関係、待遇面への不満が、離職につながりやすいことが示されています。たとえ仕事内容に満足していたとしても、上司と馬が合わなかったり給料が安かったりすると、「仕事を辞めたい」という気持ちが高まる可能性が高いです。
すぐに離職する状況を防ぐために、下記のような基準を参考にしてさまざまな視点で会社を選ぶことが大切でしょう。
- 会社の社風
- 入社後のキャリアイメージ
- 先輩や上司からのフォロー体制
- 給与や休日数などの待遇面
新卒入社して3年間は辞めずに働き続けるべきと言われる理由は?
新卒入社後に一つの会社で3年間働くことで、さまざまなスキルや経験を身に付けられます。実際、「石の上にも3年」ということわざは、新卒の人にとってあながち間違いではありません。
ここでは、新卒入社して3年は辞めずに働き続けるべきだと言われる理由を5つお伝えします。
仕事面でのスキルアップにつながるから
3年間会社で働くとさまざまな仕事を任せてもらえるため、スキルアップにつながります。
入社1年目の社員の仕事内容は、それほど難しくないことが多いです。しかし、年数を重ねることで、会社から信頼を得られて徐々に難易度の高い仕事を任せてもらえるようになります。
他社でも通用する実力を身につけるには、さまざまな経験を通して実績を積み、自身の価値を高めることが大切です。そのために、新卒として3年間働き続けるのは大きなメリットになるでしょう。
仕事のやりがいに気づけるから
1つの仕事にじっくり取り組むことで、やりがいに気づけます。
例えば、最初は営業の仕事に苦手意識を感じていたものの、実際に営業先を回ることで営業のやりがいを発見できるようなケースは多いです。逆に、短期間で仕事を変え続けると、やりがいに気づくチャンスを失ってしまいます。
新卒から仕事を続けてやりがいを感じられるようになると、達成感や充実感を得られて仕事の楽しさを見い出せるでしょう。
一定の社会人経験を積めるから
3年間の社会人経験は、「仕事を変えたい」と思ったときに他社から評価されるポイントの1つになります。
社会人経験が1年程度であれば、礼儀作法や来客対応などのビジネスマナーが十分に身に付いていないことがほとんどです。そのため、言葉遣いやお客様への接し方がぎこちなくなりがちです。
一方、社会人としての年数を重ねることでさまざまな人と接することができ、相手に失礼のない対応ができるようになります。
3年程度の社会人経験を積んでいる人に対して、企業の採用担当者は「一定のビジネススキルが身についている」と判断し、安心感を抱きやすいです。また、「すぐに辞めない人」という評価も得られるため、転職活動時にそれほど不利な立場になりません。
3年間という長くはない社会経験でも、経験という点で見ると、大きなメリットになるでしょう。
ねばり強さが身につくから
ねばり強さは失敗経験を乗り越えることで鍛えられる、社会人として大切な能力です。
3年間1つの会社で仕事に取り組んでいれば、成功体験だけでなく失敗体験も増えてきます。失敗したときに原因を分析して改善を重ねることで、困難を乗り越えるためのスキルとメンタルを身につけられます。失敗したときこそ成長するチャンスです。
失敗を乗り越えた経験を具体的に語ることができれば、「転職したい」と感じたときに他社から高評価を得られます。社会人になって仕事に取り組むときには、失敗から逃げずに向き合うことが重要になるでしょう。
人間関係を構築する力が身につくから
人間関係を構築する力は仕事をスムーズに進めるために重要であり、一朝一夕には身につきません。その点、新卒として3年間働いていると、ある程度の人間関係構築能力を磨くことが可能です。
良好な人間関係を築いていると、分からない点を気軽に質問でき、困ったことがあれば協力してもらえます。さまざまな価値観を持った人と実際に仕事を進めることで、信頼関係を築ける能力が身に付くでしょう。
どの会社で働くことになっても人間関係構築力は必要であり、あなた自身が居心地よく働くために重要なスキルです。
新卒入社して3年間我慢しながら働き続けるデメリット
新卒で3年耐えながら働くことにおいて、メリットだけでなくデメリットも存在します。デメリットを理解することで、自身のキャリアを真剣に考えることにつながります。今回お伝えする4つのデメリットを踏まえて、就職する会社を決めるようにしましょう。
合わない仕事はストレスがたまってしまう
自身のスキルや性格と合わない仕事を続けると自然とストレスが溜まってしまいます。その結果、仕事で成果を出せなかったり、モチベーションの低下に繋がったりしてしまう可能性が高いです。実際ストレスを抱えると、以下のような悪循環が生まれやすくなります。
- モチベーションが下がる
- ミスが増えてしまう
- 上司や先輩からの注意が増える
- 出社がつらくなる
ストレスを抱えると心身ともに不調をきたして日常生活にも影響してきます。そのため、どうしてもつらい場合は周囲の人に相談することが大切です。また、合わない仕事を最初から選ばないことによって、ストレスの根本的な原因を断ち切れるでしょう。
ムダな時間になったと感じる可能性がある
経験や実績を積み重ねられないまま3年経ってしまうと、時間をムダにしたと感じてしまいます。新卒入社後の3年間は、さまざまなことを柔軟に吸収できる貴重な時期です。逆に、社会人として年数を重ねてしまうと、新たな物事に対する吸収力が下がってしまいます。
多くの学びを得られる最初の3年間をムダにしないためには、入社して3年以内に身につけたいスキルや能力を決めておくことが大切です。
会社を辞めることに抵抗感を抱いてしまう
1つの会社に3年程度勤めると、会社に対する心残りが出てきてしまい、辞めることへの抵抗感を抱いてしまう可能性があります。
会社に愛着がわくこと自体は、決して悪いことではありません。しかし、他にやりたいことが見つかったときに転職に対するためらいが生まれると、やりたいことに取り組むチャンスを失ってしまいます。
普段から「世の中に会社はたくさんある」「今の会社が全てではない」と考えておくことが、キャリアアップのチャンスをつかむために大切です。
未経験の仕事へのチャレンジが難しくなる
新卒から3年以上会社に勤めて転職すると、第二新卒という扱いではなくなります。そのため、未経験の仕事に挑戦するハードルが上がります。
第二新卒とは、一般的に社会人経験3年以内で年齢は25歳前後の人が対象です。第二新卒の場合は経験よりもポテンシャル重視での採用となるため、未経験の仕事にチャレンジしやすいです。
逆に考えると、年数や年齢を重ねるごとに、未経験業種や職種への転職に対する難易度が上がります。実際に職場を変えるかどうかは別として、本当にやりたいことが見つかった場合は早めに行動を起こすことを心がけましょう。
3年以内の離職であれば第二新卒として再就職するのも選択肢
一般的に「新卒は3年同じ会社で働くべき」と言われますが、3年間働いたうえで、第二新卒として再就職するのも有効な選択肢です。
1年・2年でやめて再就職しようとしても、短期での離職としてマイナス評価になる可能性があります。一方で3年間働いていると、ある程度長期間働いていたと評価されます。加えて、第二新卒として就活もできるため、希望する会社への就職もしやすいです。
そのため、3年間の就業経験を経た上で再就職するという選択肢も頭に入れておきましょう。
新卒で入社して長く働ける会社選びのポイント
仕事内容や労働環境に対する満足度を高めるために、長く働ける会社選びのポイントを理解することは重要です。ここでは、長期間働く会社を選ぶときに意識すべきポイントを5つお伝えします。
自身の価値基準を明確にする
「できるだけ長く働きたい」「この職場で活躍したい」と思える会社を見つけるために、自身の価値基準を明確にして就職活動に臨むことが重要です。
価値基準には、以下のようなものが含まれます。
- スキルアップしたい
- 給料が高い会社で働きたい
- 成果主義の環境で仕事に取り組みたい
- ワークライフバランスを実現したい
- 経営が安定している大手企業に勤めたい
自分にとって理想の働き方や将来なりたい姿などを掘り下げて、企業選びの基準を定めていきましょう。
やりたい仕事に取り組めるか確認する
やりたい仕事に取り組むとやりがいを得やすいため、長期間勤めることにつながります。やりたい仕事を見つけるには、自己分析が欠かせません。
そこで、以下のことを分析すると、自身の適性に合った仕事を選べます。
- 得意なこと
- 苦手なこと
- 興味のあること
- 過去にほめられたこと
- あまり苦痛を感じないこと
- どうしてもやりたくないこと
例えば、サッカーが得意なのであれば、サッカーのどの部分に魅力を感じるのかを考えてみましょう。チームでプレーをすることが好きなのであれば、チームで成果を挙げる仕事に向いている可能性が高いです。
逆に、1人でドリブルを決めてシュートを決められることに爽快感を抱く場合は、個人でコツコツ努力する仕事の方が合っているかもしれません。
このように、好きなことや得意なことを掘り下げることで、自身の性格や価値観に合った仕事や職場環境を把握できます。
譲れない条件をハッキリさせておく
余計なストレスを抱えないために、仕事内容や労働環境において譲れない条件を明確にすることは大切です。受け入れられない条件を無理に受け入れようとすると、短期間で仕事を辞めたくなる可能性が高くなります。
例えば以下のような条件に対し、譲れないのかどうか考えてみましょう。
- 土・日に休める職場で働きたい
- 残業が少ない会社が良い
- 希望する勤務地以外で働くのは難しい
- 転勤を受け入れられない
- ノルマが厳しいと耐えられない
譲れない条件に関してはすぐに思い浮かばないこともあるので、時間をかけて考えてみましょう。
気になる会社について徹底的に調べる
選考に進みたい会社の情報を徹底的に調べることで、ミスマッチを防げます。会社のホームページやパンフレットだけでなく、企業の口コミサイトも確認してみましょう。口コミサイトを見ることで、実際に働いた人の生の情報を手に入れられます。
ただし、ネガティブな情報も多く含まれているため、鵜呑みにしすぎずに客観的な視点で捉えることが大切です。
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新卒はさまざまな選択肢を考慮して就活をしよう
新卒での就職は、3年を目途にさまざまな選択肢をとることができます。人生の目的やどうしてもやりたいことがあるなら、3年経たずの離職も選択肢のひとつです。
逆に、それほどやりたいことがなく、かつ今の職場に大きな不満がないなら、3年は働いてみても良いでしょう。その後第二新卒として就活する選択肢もあります。
また、会社に慣れてきたらそのまま働き続けて出世を目指す道もあります。自分の状況に合わせて、3年前後で働き方を決めるのが理想的です。
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