就活における夏採用を攻略するには?スーツの着こなしや注意点も紹介

「春から就活をしているけど内定をもらえない…」「夏に就活する場合、どんな服装をすれば良いの?」などと悩んでいませんか?
夏採用は就活解禁から数か月経過したことで採用活動に参加する企業や就活生の顔ぶれが変わるため、これまでとは異なる対策が必要です。また、気温が上がって汗をかきやすくなる夏の就活では、春とは異なる服装への気遣いが求められます。
この記事では、就活における夏採用の位置づけや特徴、攻略法について解説します。さらにスーツの着こなしマナーや注意したい着こなし例、快適に過ごす工夫についても紹介するので、夏の就活を検討中の人はぜひ最後まで読んでみて下さい。
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目次
就活における夏採用の位置づけ
就活において夏採用は、春採用後の二次募集としての位置づけを持ちます。
前提として政府は「学生が学業に専念し、安心して就職活動ができるため」という理由から、以下のルールで採用活動を行うよう企業に呼び掛けています。
- 広報活動スタート:大学3年生の3月1日以降
- 選考活動スタート:大学3年生の6月1日以降
- 内定式の実施:大学3年生の10月1日以降
上記のルールに基づいた企業の場合、夏にあたる6月〜8月は面接などの選考活動を行っている時期です。
ただし、採用時期は企業側で設定できるため、優秀な人材をいち早く獲得しようと採用活動の前倒しを進める企業も少なくありません。
内々定を受け取っている | 81.7% | |
就職活動を終了する | 64.3% | |
今後も就職活動を継続する | まだ内定がない | 18.3% |
すでに内定がある | 17.4% |
出典:「2025年卒 大学生 活動実態調査 (6月)」(2024年6月時点)
株式会社マイナビが実施した「2025年卒 大学生 活動実態調査 (6月)」によると、25年卒の81.7%が卒業前年となる2024年の6月時点ですでに内々定を平均2.6社受け取っていることがわかっています。
とは言え、内々定を保有する学生全てが就職活動を終了するわけではありません。アンケートの結果調査によると、同年の6月時点で「就職活動を終了する」と回答した学生は64.3%でした。
一方で「今後も就職活動を継続すると回答した学生」は、まだ内定がない学生(18.3%)とすでに内定がある学生(17.4%)を含め、3分の1以上(35.7%)存在することがわかっています。
夏の6〜8月にかけて行われる採用活動は、上記のように就職活動を希望する学生に向けて、春採用後の二次募集として行われます。
就活における夏採用は厳しい?大きな2つの特徴
就活における夏採用は厳しいと言われることがあります。就活における夏採用の特徴は、以下の通りです。
- 春採用と比べて競争倍率が高い
- 春採用と比べて選考期間が短い
春採用の結果に満足した学生や企業から順に採用活動から姿を消すため、春と夏では参加する企業や学生の顔ぶれが変わり、夏採用ならではの特徴が出てきます。そのため、夏採用だから厳しいと言うよりは、春採用と少し特徴が異なることを理解しておく必要があります。
各特徴について詳しく見ていきましょう。
春採用と比べて競争倍率が高い
夏に就活を始める場合、春採用と比べて競争倍率が高くなります。なぜなら、春採用を通じて人材を獲得できた分だけ夏採用の募集人数が減るためです。
また夏採用には、留学や部活動など個人的な事情で春採用に参加できなかった学生も参加してきます。
少ない採用枠を巡って就活生同士が競い合う形となるため、競争倍率が上がる傾向にあります。
春採用と比べて選考期間が短い
春採用と比べて選考期間が短い傾向があることも、就活における夏採用の特徴の一つです。
6月から始まる夏採用は、10月1日に実施される内定式まであまり月日がなく、選考にじっくりと時間を割いていられません。また、6月以降は大学3年生に向けてサマーインターンを実施したり、春採用の内定者のフォローを行ったりと、企業人事も忙しくなります。
そのため、6月以降の夏採用では、春採用と比べて選考期間が短くなる傾向があります。
夏採用が選択肢となる就活生の特徴
夏採用が選択肢となるのは、下記のような就活生です。
- 春採用で内定を獲得していない人
- 内々定は受けているものの満足していない人
- 留学や部活動などで就活を始められていない人
それぞれの就活生の特徴について、詳しく見ていきましょう。
春採用で内定を獲得していない人
春採用で内定を獲得していない人は、引き続き夏採用にもチャレンジする必要があります。
春採用では、必ずしも全員が納得のいく結果を得られるわけではありません。第一志望からの内定を受けられなかったり、就活の準備が不十分で満足のいく結果が得られなかったりする人もいます。
春採用で結果が思わしくなかった人にとって、夏採用は就活を再スタートする絶好のチャンスです。内定を獲得できていない原因をしっかりと分析して対策を立てることで、就活を立て直すことが可能です。
内々定は受けているものの満足していない人
夏採用には、春採用で内定や内々定を獲得しているものの結果に満足せず就活を続ける就活生もいます。
と言うのも、春採用で内定を獲得できた企業が第一志望の企業ではなかったり、就活を進める中で新たに別の業界にも興味が出たりする場合があるからです。より好条件な企業や自分に合う企業を見つけるために、内定や内々定を獲得した後も夏採用に参加する就活生は少なくありません。
春採用で得た結果に満足できない場合、夏採用は再挑戦の場となり得ます。自分の価値観や志向に合った企業との出会いを求めて、多くの就活生が引き続き活動を行っています。
留学や部活動などで就活を始められていない人
留学や部活動などで就活を始められていない人は、夏採用から就活をスタートすることになります。
夏採用は、留学が終わって帰国するタイミングや部活動を引退するタイミングと重なりやすいため、これらの事情で春採用に参加できなかった人にとって現実的な選択肢です。あらかじめ夏からの就活を見越して、留学先や部活の合間に自己分析や業界研究を進めている人もいます。
準備期間が限られている分、効率的な情報収集と計画的なスケジュール管理が重要になります。
就活における夏採用の攻略法
就活における夏採用の攻略法は、以下の通りです。
- すでに就活中の人はこれまでの活動を振り返る
- ライバルとなる就活生の特徴を知る
- 夏採用を行う企業の特徴を知る
- 自己分析を通じて就活の軸を明確にする
- 活動範囲を広げて夏採用を行う企業との接点を増やす
- 選考対策を万全に行う
- 夏採用特有の質問に対する回答を準備しておく
- スケジュール管理を徹底する
- 就活エージェントを活用する
競争倍率が上がって選考期間が短くなる夏採用では、春採用とは異なる戦略が必要です。以下で紹介する攻略法を意識することで、内定率を高めやすくなるでしょう。
すでに就活中の人はこれまでの活動を振り返る
春採用に引き続き夏採用に参加する予定の人は、これまでの就職活動を振り返ってみましょう。
先述した通り、株式会社マイナビの調査では25年卒の76.4%が2024年6月末時点ですでに内々定を平均2.6社受け取っていることが分かっています。
そのため、夏採用時点で内定がまだない人は、応募企業から「自社に合う人材ではない」とみなされている可能性が高いです。企業とのミスマッチを防ぐためには、一度立ち止まって、自分の志望業界や企業が本当に応募企業とマッチしているかどうか考えてみることが大切です。
また、すでに内々定を確保しているにもかかわらず、継続して就活を続ける予定の人は、「なぜ内定に納得できないのか」その理由を考えてみましょう。せっかく内定をもらっても、本心からその企業で働きたいと思えなければ、意味がありません。
自分が納得できていない理由を見つけることで、夏採用に参加する目的がはっきりします。
企業とのミスマッチや内定に納得できない理由がハッキリしない人は、P-CHAN就活エージェントの「適職診断」を活用してみるのもおすすめです。20の質問に回答するだけで自分の性格や適職を判定してもらえるため、今後の活動方針を決める参考になります。
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ライバルとなる就活生の特徴を知る
競争倍率の上がる夏採用を攻略するには、ライバルとなる就活生の特徴を知ることが大切です。内定が取れるかどうかは他の就活生との相対評価で決まるからです。
夏採用に参加する就活生は、おおむね以下の3パターンに分かれます。
- 春採用から就活を続けているものの、内定がない就活生
- 事情があって春採用に参加できず、内定がない就活生
- 内定があるものの、入社を決意するほど納得できていない就活生
株式会社マイナビの「2025年卒 大学生 活動実態調査 (6月)」によれば、2024年6月時点に就職活動を続けている35.7%の学生のうち18.3%が内定なし、17.4%が内定ありの状態でした。
以上の結果から、上記の3番に当てはまる学生は約半数と想定されます。
内定を持つ学生はすでに自身の強みをアピールするノウハウを習得しているため、夏採用で強力なライバルになる可能性があり注意が必要です。
一方「事情があって春採用に参加できず、内定がない就活生」は、主に以下のタイプに分かれます。
- 留学後に就職活動に参加した
- 公務員志望だったが民間企業への就職に変更した
- 大学院に進学予定だったが民間企業への就職に変更した
- 部活動を引退してから就職活動に参加した
上記の学生は、これまで就活以外のことに労力を注いでいたため、夏から本格的に就職活動に参加してきます。
留学経験・体育会系ならではの体験・計画的に学問に打ち込む姿勢など、企業が評価する要素を存分に持っているため、彼らも夏採用において強力なライバルになるでしょう。
夏採用を行う企業の特徴を知る
夏採用を行う企業の特徴を知ることで、企業の求める人物像が分かり就活が有利になります。
前提として、企業が夏採用を行う理由は以下のどちらかに当てはまります。
- 春採用で期待通りの人員を確保できなかった
- 通年採用の一環として人材募集をしている
春採用で期待通りの人数を確保できなかった企業の例は、以下の通りです。
- 企業向けにビジネスを展開する企業
- 大手企業のグループ会社(関連会社・子会社など)
上記企業の共通点は、あまり知名度が高くないことです。
食品や生活雑貨といった日常生活で使用する商品やサービスは、TVCMや雑誌などを通じて広告を目にする機会が多いです。そのため、一般消費者を相手にビジネスを展開する企業は就活生の知名度が高く、応募も多い傾向にあります。
しかし、企業向けにビジネスを展開する企業は、一般消費者に対して広告宣伝を行う必要がありません。そのため、就活生にもあまり知られていない企業が多いです。
大手企業のグループ会社にも同様のことが言えます。中には比較的知名度の高い企業も存在するものの、親会社ほど知られていないケースが大半です。しかし、大手の経営基盤を活かした活動を行っているため、勤務条件や福利厚生が大手企業に準じたものであることが多いです。
親会社と資本関係があるグループ会社は幅広い業種に存在するため、グループ企業を応募企業に含めると選択肢が広がります。
一方、夏採用を行う企業の中には、通年採用の一環として人材募集を行うところもあります。通年採用は「良い人材がいれば採用したい」というスタンスであり、採用難易度が比較的高めです。知名度が高い企業も多数見られるため、自信がある人は挑戦してみましょう。
自己分析を通じて就活の軸を明確にする
自己分析を通じて就活の軸を明確にすることで企業とのミスマッチを防げるほか、書類選考の通過率や内定率が高まります。
就職活動における最終的なゴールは、「この企業に入社して働きたい」と決意できるだけの企業から内定を獲得することです。
就活の軸(企業選びの優先順位)が定まっていなければ、企業から内定を獲得しても「本当にこの企業で良い?」「もっと自分に合う企業があるのでは?」と迷いが生じてしまうでしょう。
夏採用は春採用より選考期間が短いため、失敗は許されません。客観的に自分を見つめ直し、就活の軸を明確に定めた上で行動に移しましょう。
就活の軸の決め方や例について詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせて読んでみて下さい。
活動範囲を広げて夏採用を行う企業との接点を増やす
夏採用を攻略するには、活動範囲を広げて夏採用を行う企業との接点を増やすことも大切です。
募集人数を確保できた企業から採用活動を打ち切るため、夏採用は春採用より応募できる企業の選択肢が狭まる傾向があります。
夏採用を行う企業に出会える場所は以下の通りです。
- 大学内にあるキャリアセンター
- 希望条件で企業を検索できる就活サイト
- プロフィールを見た企業からスカウトが届く逆求人サービス
- 夏採用を実施する企業が発信するSNS
- 複数の企業が集まる合同説明会
上記のように活動範囲を広げれば、自分の希望条件に合う企業を探しやすくなるでしょう。
選考対策を万全に行う
選考対策を万全に行うことも、夏採用を攻略する重要ポイントの一つです。
やるべきことが多い就職活動は、どうしても対策が中途半端になりがちです。特に春採用から就活に参加しているのに思い通りの結果が出ていない人は、一つ一つの対策が不十分な可能性があります。
志望動機やガクチカ、自己PRなど、内定を獲得するために手を抜けるものは一つもありません。企業が納得してくれるような内容を語るには、その準備である業界研究や企業分析も不可欠です。
「ライバルとなる就活生の特徴を知る」の章で紹介したように、夏採用では強力なライバルと戦わなければなりません。就活生同士で比較されたとき、見劣りしないだけの受け答えができるだけの選考対策は必須です。
企業分析のやり方や体育会学生の就職の進め方、エントリーシートにおける志望動機の書き方について詳しく知りたい人は、以下の記事も読んでみて下さい。
- 企業分析とは?具体的なやり方やフレームワークの活用法を解説
- 体育会系学生が就職に有利な理由とは?出身者が多い業界やアピール方法などを解説
- エントリーシート(ES)の志望動機や志望理由の書き方は?書類選考を突破するための例文も解説
夏採用特有の質問に対する回答を準備しておく
夏採用の面接では春採用と異なる質問もされるため、事前に回答を準備しておくと面接の通過率アップに繋がります。
夏採用特有の質問内容は、以下の通りです。
- 春採用に参加しなかった理由は何ですか?
- これまでの就活の流れを教えて下さい
- 内定をもらった企業はありますか?
1.は、夏採用から就職活動に参加する就活生に対して聞かれる質問です。
他の就活生が春採用に挑む間、自分がどのような目的で行動し、何を得られたのかを前向きに伝えましょう。
2.は、春採用から就職活動に参加している就活生に対して聞かれる質問です。
企業は過去の就職活動状況から就活生の就活の軸を読み取り、自社との相性の良さを判断しています。自分が決めた就活の軸通りに行動できていれば、迷うことなく一貫性のある返答ができるでしょう。
3.もまた、春採用から就職活動に参加している就活生に対して聞かれる質問です。
他社状況を知ることで、就活生に対する他社からの評価や自社への熱意の高さがわかります。内定の有無を素直に伝えた上で、応募企業に入社したい理由をしっかり説明しましょう。熱意の高さが伝われば、内定の有無は結果に大きな影響を及ぼしません。
上記のように企業の質問の意図を理解した回答を用意しておけば、本番でも堂々と回答でき面接官に好印象を与えられます。
新卒が面接で聞かれやすい質問内容や企業から「ほかに受けている企業は?」と聞かれたときの回答法に知りたい人は、以下の記事を読んでみて下さい。
スケジュール管理を徹底する
夏採用では、春採用以上にスケジュール管理を徹底しましょう。
内定式まで期間が短い夏採用は、春採用よりも選考スピードが早い傾向にあります。選考日時が重複したり、約束の日時を忘れたりしないためにも、スケジュールアプリや手帳を活用し、先を見通して行動することが大切です。
一日・一週間・一か月など期間ごとの予定を常に見比べられるようにしておくと、優先順位をつけながら作業を進められるでしょう。
就活エージェントを活用する
夏の就活を攻略するには、プロである就活エージェントの手を借りるのも効果的です。
仕事を探す就活生と人材を求める企業の橋渡しをする就活エージェントは、お互いの立場について熟知しています。そのため、就活生が抱えがちな悩みを理解しつつ、企業人事の目線を踏まえたアドバイスがもらえるのがメリットです。
また、就活エージェントを経由して企業に応募すると、合否に関わらず応募後のフィードバックがもらえます。「自分に何が足りなかったのか」を踏まえて次の選考に活かせるため、一人で就活するより内定率を高められます。
P-CHAN就活エージェントは、隠れた優良企業紹介に力を入れる就職支援サービスです。
専任のアドバイザーがマンツーマンでサポートするため、自己分析や企業研究など、就活生がつまずきがちな作業も気軽に相談できます。応募書類の添削や面接対策も合わせて行うため、自分を効果的にアピールする方法が見つかります。
夏の就活におけるスーツの着こなしマナー
夏の就活におけるスーツの着こなしマナーは、以下の通りです。
- 基本は夏でもジャケットを着用する
- クールビズの指定があればジャケット不要の場合もある
スーツにジャケットを着用するかどうかは、応募企業の服装に関する指定次第です。ジャケット着用の有無によって異なるビジネスマナーについてまとめたので、参考にしてください。
基本は夏でもジャケットを着用する
暑い夏の就職活動であっても、企業から服装に関する指定がなければ、ジャケットを着用するのがマナーです。なぜなら、ビジネスの場ではジャケットを着用することが礼儀とされているためです。
就活生も同様にジャケットを着用し、ジャケットの裾から長袖のシャツがのぞくようにします。男性はさらにネクタイを締め忘れないよう注意しましょう。
また、ジャケットを着用していないと、面接官や他の学生がジャケットを着ていた場合に浮いてしまうことにも注意しなければなりません。その場の雰囲気に馴染むためにも、ジャケットを着用しておくか、いつでも着られるように準備しておく必要があります。
夏採用でもジャケットを着こなすことで「社会的な常識が備わった人物である」と企業にアピールできます。
クールビズの指定があればジャケット不要の場合もある
企業からクールビズの服装指定があった場合は、ジャケットを着用しなくて良い場合もあります。
クールビズとは、地球温暖化防止を主な目的として、環境省が呼びかけている取り組みのことです。過度な冷房に頼らず快適に過ごせる軽装で過ごすのも取り組みの一環であることから、一般的に知られるマナーよりも服装の条件が緩和されています。(※)
そのためクールビズを推進する企業では、就活生のノージャケットが許容されていたり、男性のネクタイが不要とされていたりする場合もあります。
ただし、企業によって許容範囲は異なるため、クールビズを指定する企業の面接であっても臨機応変な対応ができるようジャケットやネクタイを持参しておいた方が安心です。
※出典:環境省「環境省におけるクールビズの服装の可否」
夏の就活における着こなしで注意したいポイント
夏の就活における着こなしで注意したいポイントは、以下の通りです。
- ジャケットの下に半袖シャツを着用しない
- ボタンダウンシャツを着用しない
- 色やラインが出やすいインナーは避ける
- 袖をまくらない
- ボタンはきちんと留める
- 素足を出さない
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
ジャケットの下に半袖シャツを着用しない
ジャケットの下に半袖シャツを着るのは避けましょう。ジャケットの下に半袖シャツを着用すると、下記のようなデメリットがあります。
- ジャケットの袖からシャツの袖が出ず、見た目が悪くなる
- ジャケットと肌が直接触れてジャケットが傷みやすくなる
スーツの着こなしでは、ジャケットの袖からスーツの袖が1.0〜1.5cmほど見えているのが理想です。ジャケットの下に半袖シャツを着用するとジャケットからシャツの袖が出ないため、スーツ全体のバランスが崩れてしまいます。
また、ジャケットに肌が触れてしまうことで生地が傷む恐れがあることにも注意が必要です。就活中はスーツを頻繁に着用するため肌と接することも多くなってしまいます。ダメージが進んでしまうとジャケットを買い直さなければならず、出費もかさむでしょう。
ボタンダウンシャツを着用しない
就活では、ボタンダウンシャツを着用しないようにしましょう。
特に夏の就活では、クールビズの指定でボタンダウンシャツを選びたくなるかもしれません。しかし、ボタンダウンシャツはネクタイがなくても襟元が綺麗に見えるものの、どうしてもカジュアル感が出てしまいやすいです。
面接などの緊張した場面でカジュアル感が出てしまうと、周りから浮いてしまい悪い印象を与える恐れがあります。私服指定などではない限り、ボタンダウンシャツは避けるのが無難です。
色やラインが出やすいインナーは避ける
シャツから色やラインが出やすいインナーは避けましょう。インナーによっては、色やラインがシャツから透ける可能性があり、インナーが透けてしまうとだらしなさが出てしまいます。
そのため、シャツから透けないベージュなど肌馴染みの良い色のインナーを着用するのがおすすめです。また、ノーネクタイの場合、インナーのネックがUネックだとシャツの隙間からインナーが見えてしまうこともあるため、Vネックのものを選ぶと良いでしょう。
袖をまくらない
就活では、シャツの袖をまくらないようにしましょう。夏の暑い時期は、どうしても袖をまくって暑さを軽減しようとしてしまいます。しかし、袖をまくるとラフな印象を与えてしまい、マナー違反と判断される可能性があります。
また、袖をまくるとシャツにシワができることにも注意しましょう。「移動中だけでも」と思ってまくっていると、いざ会場に着いて袖を戻してもシワが残ってしまいます。そのため、就活中はどのような場面でも袖をまくらないようにする必要があります。
暑さ対策には、袖をまくるのではなく通気性の良いシャツを選択したりハンディファンを使用したりすることがおすすめです。
ボタンはきちんと留める
夏の就活中でも、シャツのボタンを全てきちんと留めておくことが基本マナーです。特に注意したいのは、第一ボタンと袖のボタンです。
移動中の暑さ対策でボタンを外したままにしてしまうと、だらしない印象を与える恐れがあります。ネクタイを着用する場合は自然と第一ボタンを留めることになりますが、クールビズでノーネクタイのときは留め忘れが起こりやすいため注意が必要です。
また、袖ボタンが外れていると全体の印象が崩れてしまうため、企業訪問や面接前に鏡で最終確認する習慣をつけましょう。
素足を出さない
就職活動では、素足を出さないことが重要なマナーです。特に夏場はくるぶしソックスなどを履きたくなりますが、座った際にスーツの裾から素足が見えると、カジュアルでだらしない印象を与えてしまいます。
企業はTPOをわきまえているかを評価するため、足元のマナーも重要です。男性は座っても素足が見えない丈の長いビジネスソックスを、女性は季節を問わずストッキングを着用しましょう。
暑くても常にフォーマルな足元を心がけることが、真剣な姿勢を伝える上で大切です。
就活でビジネスカジュアルを指定された場合の服装に興味がある方は、「就活におけるビジネスカジュアルとは?服装選びのコツや注意点を解説」も読んでみてください。
夏の就活における服装指定の判断ポイント
クールビズOKなどの指定があっても、実際にどのような服装が適切なのかがわからないという人は多いでしょう。ここでは、企業の服装指定における服装選びの判断ポイントについて解説します。
ノーネクタイ・ノージャケットの判断ポイント
下記の服装の指示がある場合は、ノーネクタイ・ノージャケットでも良いと判断できます。
- ノーネクタイOK
- ノージャケットOK
- 半袖OK
- クールビズでお越しください
ノージャケットOKなど具体的に書かれていた場合はもちろん、半袖OKの場合もノーネクタイ・ノージャケットで問題ありません。また、クールビズと記載されている場合は、環境省のガイドラインを基準ではノーネクタイ・ノージャケットで良いとされています。
※出典:環境省「環境省におけるクールビズの服装の可否」
半袖着用の判断ポイント
半袖を着用して問題がないかの判断ポイントは、下記のような指示です。
- 半袖OK
- 私服OK
私服OKと記載されている場合は、半袖を着用しても問題ないでしょう。ただし、面接のようなフォーマルなシーンや企業の雰囲気によっては、半袖OKでも着用は避けた方が無難です。
就活におけるクールビズは、基本的に企業側から明確な指示があった場合にのみ取り入れると良いでしょう。
就活スーツでも暑い夏を快適に過ごす工夫
蒸し暑い夏の就活を涼しく快適に過ごすための服装の工夫は、以下の通りです。
- 移動中はジャケットを脱いでおく
- 移動中はネクタイを外しておく
- 日傘を利用する
- 脇汗パッドや制汗剤を活用する
- 吸湿速乾・消臭などの効果のあるインナーを着用する
- 通気性が良い春夏用のスーツを選ぶ
- 自宅で洗えるスーツを選ぶ
夏の就活で着用するスーツに制約があっても、小さな工夫を実践することで暑さを和らげられます。暑い夏は汗や臭いも気になりやすいため、できることから実践してみましょう。
移動中はジャケットを脱いでおく
蒸し暑い夏の就活を涼しく快適に過ごす工夫の1つ目は、移動中にジャケットを脱いでおくことです。
ジャケットは夏の就活における必需品であるものの、常に着用する必要はありません。企業担当者に会うまでの服装には制約がないため、最寄り駅に到着するまでの移動時間は、半分に折りたたんで腕にかけて持ち歩きましょう。
鞄にしまわずに持ち歩くのは、ジャケットにシワがつくのを防ぐためです。
移動中はネクタイを外しておく
ジャケットと同じく、移動中はネクタイを外しておくと快適に過ごせます。面接会場の最寄り駅に着くまでは、コンパクトに丸めてバックに入れておきましょう。
それでも暑い場合は、シャツの第一ボタンを外しておいてもかまいません。ただし、最寄り駅に到着したら鏡を見ながら第一ボタンを留め、ネクタイもしっかりと締めましょう。
日傘を利用する
就活中の屋外移動では、日傘の利用がおすすめです。日傘をさすと直射日光を避けられるため、体感温度が下がり暑さを軽減できます。
スーツを着用する夏の就活において、日傘の利用は服装を変えずにできる有効な熱中症対策であり、体調管理の一環としても非常に有効です。折りたたみ式の日傘も多いため、常に持ち歩くと良いでしょう。
脇汗パッドや制汗剤を活用する
蒸し暑い夏の就活を涼しく快適に過ごす工夫の3つ目は、脇汗パッドや制汗剤を活用することです。
脇汗パッドは、パッドが汗を吸収することで衣服への汗染みを予防できるアイテムです。
制汗剤は、肌に吹きかけることで汗そのものを抑制したり、常在菌を殺菌することで臭いを抑制したりする効果が期待できます。
夏の就活に脇汗パッドや制汗剤を取り入れることで、汗染みや臭いを防ぎ、選考に集中できます。
吸湿速乾・消臭効果のあるインナーを着用する
蒸し暑い夏の就活を涼しく快適に過ごす工夫の4つ目は、吸湿速乾・消臭効果のあるインナーを着用することです。
ジャケットを着ることは避けられなくても、ジャケットの中に着るインナーを工夫すれば、暑さを和らげられます。
肌に直接触れるインナーには、汗を吸収して素早く乾かす「吸湿速乾」機能や、抗菌などで汗の臭いの発生を予防する「消臭」機能があるものが販売されています。
上手く取り入れれば、汗をかいてもベタつかず快適に就活に取り組めるでしょう。
通気性が良い春夏用のスーツを選ぶ
蒸し暑い夏の就活を涼しく快適に過ごす工夫の5つ目は、通気性が良い春夏用のスーツを選ぶことです。
リクルートスーツには季節を問わずに使えるオールシーズンタイプの他、春〜夏にかけて使用する春夏タイプ、秋〜冬にかけて使用する秋冬タイプも販売されています。
春夏タイプのスーツは以下のように、着用時の暑さを軽減できるよう工夫がされています。
- 素材が薄い
- 通気性が高い
- 裏地がない
夏の就活をより快適に過ごしたい人は、春夏タイプのスーツの購入を検討しても良いでしょう。
自宅で洗えるスーツを選ぶ
自宅で洗えるスーツ(ウォッシャブルスーツ)は衛生面を保ちやすいため、汗をかきやすい夏の就活に最適です。
夏は汗をかきやすいため、衛生面や臭いが気になりがちです。一方で汗をかく度にクリーニングに出していては、手間とお金がかかってしまいます。
最初から洗濯機で洗える商品を選べば、リクルートスーツを洗うハードルが下がり、清潔に保ちやすくなります。
夏の就活でよくある質問
ここでは、夏の就活でよくある下記の質問について解説します。
- どのような企業が夏採用を行っている?
- 夏採用特有の質問などはある?
それぞれの質問について、詳しく見ていきましょう。
どのような企業が夏採用を行っている?
夏採用を行っているのは、主に下記のような企業です。
- 通年採用している企業
- 応募者が集まらなかった企業
- 辞退者が出たため採用予定数を下回った企業
夏採用だけに限らず、1年を通して選考を受けられるのが通年採用の企業のメリットです。就活の準備ができたタイミングで選考を受けられるため、準備が万全の状態で選考を受けられます。
また、さまざまな理由で予定していたよりも採用者が下回った企業が追加募集するケースもあります。知名度が高くない企業は、応募者が集まらず夏採用を実施する場合が多いでしょう。
とは言え、夏採用を行っている企業が優良企業ではないと言うわけではありません。BtoB企業など広く知られていない優良企業も数多く存在するため、しっかりと企業研究を行うことで自分に合った優良企業に出会えます。
夏採用特有の質問などはある?
面接では、夏採用特有の下記のような質問をされることがあります。
- 他社で内定や内々定を受けていますか?
- 春採用の選考を受けなかったのはなぜですか?
夏採用に応募している就活生の中には、春採用で内定や内々定を受けている人もいます。そのため、現在の就活状況について聞かれる可能性があるでしょう。
また、基本的に夏採用を行う企業は春採用も行っている可能性が高いです。そのため、なぜ春採用で自社の選考を受けなかったのかを聞かれます。
留学や部活動などで就活を始めていなかった場合は、活動を通して成し遂げたことや学んだこと、学びを入社後どのように活かすかなどを回答するのが効果的です。春に就活を行っていた人は、就活を進める中で自己分析がより深まったことで志望する業界や企業が変わったことを伝えると良いでしょう。
夏採用特有の質問についても把握して、しっかりと対策しておきましょう。
夏の就活は万全の準備をして攻略しよう
この記事では、就活における夏採用の位置づけや特徴、攻略法について主に解説しました。
競争倍率が高く選考期間が短い夏採用では、春採用とは異なる対策が必要です。今回紹介した内容をしっかりと押さえて効率的に活動を進めましょう。
夏の就活でもスーツの着用がマナーですが、クールビズの導入によりジャケット不要の企業もあります。就活する企業の指示に合わせて適切な服装を選ぶことが大切です。
なお、P-CHAN就活エージェントでは、大学生や大学院生の就職活動を無料でサポートしています。
全国にある企業から年収や福利厚生など一定の基準をクリアした優良求人のみ紹介するため、「自分に合う企業がわからない…」という人はぜひご相談ください。競争倍率が高まる夏採用だからこそ、プロの力を活用して希望する企業の内定を手に入れましょう。