新卒が3月から働く入社前研修とは?実施期間や給料、メリットを解説
目次
最近だと新卒が3月から働くケースが増えていますが、「3月から働く場合何をするの?」と疑問に思っている人も多いはずです。また、3月から働く場合でも、きちんと給料が支払われるのか不安になっている人も多いでしょう。
新卒が3月から働く際によくあるケースが「入社前研修」です。この記事では入社前研修がどういった労働体制なのかについて解説していきます。また、入社前研修のメリットや給料についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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新卒が3月から働く入社前研修とは?
入社前研修とは、入社式の前に行われる研修のことです。企業によって名称が異なり、内定者研修と呼ぶ場合もあります。研修内容は企業によりさまざまですが、入社前研修を行う目的は主に以下の3つです。
- 社会人の基礎スキルやビジネスマナーを学んでもらうため
- 会社の雰囲気や人間関係にいち早く慣れてもらうため
- 入社後の早期退社を防ぐため
いずれの目的も、入社後の仕事に取り掛かりやすくするためのものです。入社前研修と聞くと少しイヤな気持ちになる人もいるかもしれませんが、入社後スムーズに働けるようになると考えると、あって損はないものと言えるでしょう。
新卒が3月から働く入社前研修の実施時期と期間
一般的な入社前研修の実施時期は以下の通りです。
- 10月(内定式後)
- 2〜3月(入社式前)
一般的には、入社式前の2〜3月のどこかで行われます。ただし、中には10月に行われる内定式の後に、そのまま簡単な入社前研修を行う企業もあります。
研修の実施期間は各企業によりますが、10月の内定式後に行う入社前研修は1日〜2日など、簡単な研修のみ行われるケースが多いです。
一方、2月〜3月に行われる入社前研修の場合は、4月から即戦力として働いてもらうため、実践的な研修がメインになります。そのため、1〜2週間かけてビジネスマナーや社会人のスキルを養う研修を行う場合が多いです。
新卒が3月から働く入社前研修の内容
ここでは、入社前研修の内容を解説していきます。よくある入社前研修は、下記の4つです。
- 自己紹介のみの懇親会形式の研修
- ビジネスマナー研修
- オンライン研修
- OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
それぞれの内容について見ていきましょう。
自己紹介のみの懇親会形式の研修
一般的な企業の場合、新卒同士の顔合わせや自己紹介のために、懇親会形式の研修を開くことが多いです。懇親会形式の研修の内容は、以下の通りです。
- 同期同士で自己紹介
- 会社や業務の説明
- グループワーク
懇親会形式の研修は自己紹介がメインです。そのため、業務に直結する実践的な研修が行われることはありません。
また、中にはグループワークを実施する企業もあります。ただし、あくまで懇親の一貫なので、「お題に対し、皆で話し合って答えを導き出す」といった簡単なものがほとんどです。そのため、懇親会形式の研修は1日〜2日で終わることが多いです。
ビジネスマナー研修
入社前研修で特に多いのが、新社会人向けのビジネスマナー研修です。ビジネスマナーは社会人としての基本になるため、外部から講師を招いて研修を行う企業が多くあります。
ビジネスマナー研修の具体的な内容は、以下の通りです。
- 名刺交換
- ビジネスシーンでの言葉遣い
- メールマナー
- 身だしなみ
- 接客・来客対応
4月から顧客対応や接客業がスムーズにできるように、上記の研修を通してビジネスマナーの基本から応用までをしっかり学んでいきます。
特に、営業職や接客職で入社する場合、ビジネスマナー研修は必須となるケースが多いです。企業によってマナーやルールは異なりますが、あらかじめビジネスマナーの基礎を理解しておくと、スムーズに研修に臨めるでしょう。
オンライン研修
近年はコロナ禍の影響でZoomを利用したオンライン研修を行う企業も増えてきています。オンライン研修は主に2種類あり、リアルタイムで行われる「ライブ配信」と録画した動画を見る「録画型」の2つです。
オンライン研修の具体的な内容は、以下の通りです。
- 挨拶や顔合わせ
- 会社や業務に関する説明会
- 業務に関する学習教材を配信
- グループディスカッション
- 上司や先輩との面談
オンライン研修のほとんどは、上司や先輩、同期との顔合わせがメインになります。そのため、基本的には1日〜2日で終わることがほとんどです。
ただし、技術職やクリエイティブ職の場合は、学習教材用の動画を使って勉強していくケースもあります。学習教材を使った研修の場合は、1〜2週間ほどかけて行われるため、期間に余裕を持たせておくと良いです。
また、職種によっては課題提出を求められることもあります。課題提出がある場合は、しっかり準備してから臨むようにしましょう。
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは実践的な研修のことで、実際の業務を通してスキルや知識を習得していきます。一般的な研修は最初に座学を行い、その後現場に出て実習という流れになりますが、OJTはいきなり現場に出て業務を学んでいきます。
飲食業や小売業など、接客業界に多い研修方法で、いち早く現場の業務に慣れてもらうのが目的です。
いきなり現場に出ると聞くと少し不安が残るかもしれませんが、OJTでは先輩社員がマンツーマンで指導してくれます。そのため、未経験者でも安心して仕事を覚えることができるでしょう。
新卒が3月から働く場合の入社前研修の給料
入社前研修で働く場合に発生する給料や支払いは、主に以下の3つです。
- 給料(研修に参加すると発生)
- 交通費(研修場所に来るまでにかかる料金)
- 研修で必要なものの実費(必要な場合のみ)
入社前研修をしている段階では、まだ正社員でなく「内定者」です。そのため、1か月分の給料が丸々支払われる可能性は低く、日割り計算やアルバイトのような時給計算で支払われます。
また、給料に合わせて交通費や研修のための実費なども支払われます。支払いの時期は企業によりますが、4月末に支払われるのが一般的です。
新卒が3月から働く場合の入社前研修の服装や髪色
ここでは、入社前研修の服装や髪色について解説していきます。
- 会社が指定した服装で参加する
- 髪色は明るすぎないようにする
1つずつ解説していくので、入社前研修が不安な人は参考にしてみてください。
会社が指定した服装で参加する
会社から服装の指定がある場合は、それに従いましょう。
スーツでの参加を指示された場合は、黒色もしくは紺色で柄のない、一般的なリクルートスーツがおすすめです。男性の場合は白か水色の派手でないシャツに、女性でスカートを履く場合はひざ丈にしましょう。また、靴に関してはヒールの高さが5cm以内のパンプスやローファーがおすすめです。
服装に指定がない場合は、オフィスカジュアルを意識し、ジャケットやシャツを着用していくと良いでしょう。
髪色は明るすぎないようにする
就職する企業や職種によっては、髪を派手に染めて研修に参加すると、悪い印象を持たれる可能性があります。そのため、髪色は明るすぎない程度にしておきましょう。基本的には、面接時の髪色や髪型で参加しておくと間違いありません。
ただアパレルや美容関係など、業界によっては髪を染めても問題のない場合があります。そういった業界に就職する人は、上司や先輩社員の身だしなみを見てから、髪色を決めると良いでしょう。
新卒が3月から働く入社前研修のメリット
ここでは、入社前研修のメリットを紹介していきます。入社前研修のメリットは以下の4つです。
- 早く仕事に慣れることができる
- 事前に悩み事や不安を相談できる
- 入社前に同期とコミュニケーションが取れる
1つずつ見ていきましょう。
早く仕事に慣れることができる
入社前研修に参加することで、いち早く仕事に慣れることができます。入社前に業務を理解しておけば、4月からスムーズに働くことが可能です。特に、入社前研修の段階で実務に関する研修を受ける場合は、新卒でもすぐに職場の環境や業務に順応できます。
また、研修の段階で人間関係も構築できるため、入社前にありがちな人間関係の不安も払拭可能です。3月から働くと聞くと一見大変そうに思えますが、早く仕事に慣れることができるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。
事前に悩み事や不安を相談できる
入社前研修で上司や先輩社員との面談を設けている企業では、入社前に不安や悩み事を相談することができます。特に、直属の上司や先輩と個別面談ができる場合は、周りの目を気にせず、率直に悩みや不安を相談できます。
就職前に不安を感じたり、相談したい内容があったりする人は非常に多いです。業務や福利厚生など、自分が不安に感じる部分は積極的に相談しておきましょう。入社前に悩み事や不安を解決できれば、4月からスムーズに働けます。
入社前に同期とコミュニケーションが取れる
入社前研修では、同期とコミュニケーションを取る機会があります。特に、懇親会形式の研修では自己紹介やグループワークを通して同期とコミュニケーションを取っていくため、人間関係の不安を払拭できます。
また、研修の段階で同期とうまく関係性を築くことができれば、入社早々人間関係の問題で退職するといったトラブルも防げるでしょう。
さらに、研修の段階で同期と仲良くなっておくと、入社後も信頼できる仲間として、さまざまなことを相談できます。入社前研修では積極的に同期とコミュニケーションを取るようにしましょう。
新卒が3月から働く入社前研修は違法?
結論から言うと、入社前研修は違法ではありません。ただし、以下の3点を把握しておきましょう。
- 違法ではないがブラックという声もある
- 入社前研修が2月からの場合は注意する
- 新卒の入社日が3月末というのはよくある
違法ではないがブラックという声もある
たとえ入社前研修が強制参加だとしても、きちんと賃金や交通費が支払われる場合は、違法ではないと労働基準法で定められています。
しかし、日本では4月入社が一般的なため、入社前研修に対する意見として「ブラック企業」や「かわいそう」という声も多いのが現状です。
3月は春休みに相当し、最後の思い出作りを行う学生も多いため、企業がその時間を減らす行為に対してネガティブな意見が集まりやすい傾向があります。
入社前研修が2月からの場合は注意する
入社前研修は早くても3月が一般的なため、2月から入社前研修がある企業はブラック企業の可能性があります。そもそも、入社前研修はどんなに長くても1~2週間が一般的だからです。
あまりに入社前研修の開始が早い場合、研修は建前で、実務に近い作業を学生に任せようとしている可能性も疑えます。また、不必要な研修内容を詰め込んだ結果、期間が無駄に長くなっていることも考えられます。
ただし、2月から入社前研修があるからブラック企業確定というわけではありません。あくまで可能性があるというだけですので、その点は間違えないように注意しましょう。
新卒の入社日が3月末というのはよくある
入社前研修と混同されやすいですが、新卒の入社日が3月末というのはよくある話です。理由は単純で、3月末に入社式を行えば、4月からスムーズに業務を開始できるからです。それを見越した上で、あえて3月末に入社式を行う企業は少なくありません。
3月末に入社式を行うのは、違法ではないと覚えておきましょう。
新卒の3月に入社前研修を実施している企業の一例
実際に入社前研修を実施している企業の一例を紹介します。
- 三菱商事:IT基礎スキル研修
- 伊藤忠商事:TOEIC・中国語レッスン
- 住友商事:英語の通信教育講座
上記のように、日本有数の大企業の一部も入社前研修を実施しています。特に、総合商社だと業務の関係で英語を扱うため、語学関係の研修や課題を入社前研修として課すケースが多くあります。
もちろん、上記の研修はあくまで一例ですが、大手企業に応募したい人は知っておくと良いでしょう。
新卒が3月から働く際によくある質問
新卒が3月から働く際によくある質問と回答を紹介していきます。
- 入社式が3月中旬の場合は3月下旬から働くの?
- 新卒の一般的な入社日はいつ?
- 入社前研修を断ることはできないの?
1つずつ見ていきましょう。
入社式が3月中旬の場合は3月下旬から働くの?
企業にもよりますが、入社式が3月中旬の場合は3月下旬から働くことが多いです。しかし、いきなり通常の業務が開始する可能性は低く、3月中は研修で終わることがほとんどです。
4月からスムーズに業務に入れるよう、しっかり研修をこなしていきましょう。
新卒の一般的な入社日はいつ?
新卒の一般的な入社日は4/1です。しかし、4/1が休日の場合は、週明けの月曜日に入社式が行われるケースが多いです。また、どんなに遅くとも4/7までには入社式が行われます。
入社前研修を断ることはできないの?
予定がある場合などで入社前研修を断りたいときは、断っても問題ありません。入社前研修の段階では、労働契約の効力が発生していないため、研修を強制することができないためです。
そもそも、入社前研修は原則的に任意の参加であり、企業側は内定者の同意を得て、はじめて入社前研修を実施できます。
入社前研修が不安なら就活エージェントに相談しよう
新卒が3月から働く場合、「入社前研修」を通して会社の業務や雰囲気に慣れていくのが一般的です。3月から働くと聞くと一見ブラックに思えますが、会社の業務にすぐに慣れることができる、入社前に社内の雰囲気を掴めるなど、メリットも多くあります。
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