ソリューション営業はきつい?理由や向いてる人を解説
目次
これから就職活動を進めるにあたり、ソリューション営業に興味があるものの、きついという噂を聞いて不安を感じている人もいるでしょう。
ソリューション営業は、売り手ではなく顧客目線に立って問題解決を目指す営業手法であり、従来型の営業よりも難易度が高いのが特徴です。
ソリューション営業は、IT技術やグローバル化の進展といった社会情勢の変化に伴い、より顧客満足度の高い営業サービスを提供するために広まりました。
この記事では、そんなソリューション営業がきついと言われる理由を紹介します。活躍できる業界や向いてる人の特徴についても解説しているので、ソリューション営業に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
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ソリューション営業がきつい・難しいとされる理由
時代の要請に応えて広まったソリューション営業ですが、その一方で「きつい」「難しい」とする噂があるのも事実です。
ここでは、ソリューション営業がきつい・難しいと噂される理由について、主な5つを紹介していきます。
- 顧客の課題解決には正解がない
- あらゆる分野に対する幅広い知識が要求される
- 成約に至るまでの期間が長い
- 数値目標をクリアしなければならない
- 営業とコンサルタントの一人二役で仕事がハード
顧客の課題解決には正解がない
ソリューション営業の業務は、顧客目線に立って顧客の課題解決に役立つ商品と解決策を提案するため、正解がありません。なぜなら、顧客の周囲を取り巻く市場環境や社内環境は、顧客によって全く異なるからです。
顧客の元を訪問し注文の有無を確認する御用聞き営業や、自社商品を売り込む提案(プロダクト)営業なら、どの顧客に対してもやるべき業務は大きく変わりません。価格が決まっており、プレゼン内容もある程度マニュアル化すれば対応できるからです。
しかし、ソリューション営業はそうはいきません。顧客一人ひとりに合った解決策を提案するには、顧客の状況に合わせ、提案内容をオーダーメイドで変える必要があります。
ソリューション営業では、顧客の課題に合わせて商品をカスタマイズしたり、または商品を選定したり組み合わせたりする機会が比較的多いです。顧客に提案できる選択肢が多い分、商談を成功させるための正解を出すことが難しく、「きつい」「難しい」と感じる可能性があります。
あらゆる分野に対する幅広い知識が要求される
顧客一人ひとりに合う解決策を提案するには、顧客の状況を理解できるだけの幅広い前提知識が必要です。顧客の抱える根本的な課題を解決に導くには、顧客の状況を正確に把握することが不可欠だからです。
ソリューション営業が身に付けておかなければならない前提知識には、以下のものが挙げられます。
- 最新の社会情勢
- 自社商品の強みと弱み
- 顧客の事業やビジネスモデル
- 顧客の業績
さらに、IT業界のような技術進化が著しい業界では、常に最新知識をアップデートしていかなければ、顧客の期待に応えることができません。そのため、幅広い知識を身に付けなければならないことに対し、「きつい」「難しい」と感じる可能性があります。
成約に至るまでの期間が長い
ソリューション営業が行う商談は、成約に至るまでの期間が長くかかる傾向があります。その理由は、無数にある課題のなかから最も根本的な課題を特定し、有効な解決策を絞り込むには、何度も顧客の元に足を運んで提案書を作成しなければならないからです。
ソリューション営業が商談にかける時間と労力は、御用聞き営業や提案営業とは比べものになりません。ソリューション営業の商談が決まるまでには、長ければ半年、または1年を要する場合もあります。
手間とコストをかけた分売上金額は大きくなるものの、商談が決まるまでの期間を「きつい」「難しい」と感じる可能性があります。
数値目標をクリアしなければならない
ソリューション営業は顧客の課題解決を目指す仕事ですが、営業として企業から雇われている以上、当然数字目標をクリアすることが求められます。
ソリューション営業が売上高を確保する方法は主に2つあります。
- 解決策を提案する対価としてアドバイザリー報酬を受け取る
- 商品やサービスを販売した対価としてアドバイス料を含んだ金額を受け取る
上記のうち、アドバイザリー報酬を対価に提案を行えるソリューション営業は少数です。それ以外のほとんどのソリューション営業は、商品やサービスを販売した対価としてアドバイス料を含んだ金額を受け取っています。
そのため、ソリューション営業として働く以上、原則として商談を成功させて解決策と一緒に自社商品を購入してもらうことが必要です。思い通りに商談が進まずに商品が売れないと、数値目標をクリアできずに、「きつい」「難しい」と感じる場面が増えます。
営業とコンサルタントの一人二役で仕事がハード
ソリューション営業は、自社商品に加え顧客の課題に対する解決策も合わせて提案するため、コンサルタントとしての役割も担っています。
顧客の無数にある課題のなかから最も根本的な課題を特定し、有効な解決策を絞り込むには、時間と手間がかかります。
そのため、案件の数が増えれば増えるほど作業量が膨大になり、残業時間が増えて仕事が「きつい」「難しい」と感じる可能性があると言えるでしょう。
きついだけじゃない!ソリューション営業の魅力・やりがい
ソリューション営業に「幅広い分野の知識が要求される」「営業とコンサルトの一人二役をこなさなければならない」など、きついとされる側面があることは事実です。一方でソリューション営業には、そのきつさを吹き飛ばすだけの魅力ややりがいもあります。
そこでここからは、ソリューション営業の業務を通じて実感できる魅力・やりがいとして主な3つを紹介します。
- 大規模な商談に関われる
- 顧客の課題を解決することで深い信頼関係が得られる
- 成果次第で高い年収を手にできる
大規模な商談に関われる
ソリューション営業で働く魅力ややりがいの一つに、大規模な商談に関われることが挙げられます。ソリューション営業の商談が大きくなりやすいのは、ソリューション営業は顧客だけでは解決が難しい難易度が高い課題を取り扱うからです。
顧客の課題を解決するために、商品をカスタマイズしたり、商品を選んだりまたは組み合わせたりする場合があります。その場合は、顧客に合わせたオーダーメイド発注となるため、付加価値が上乗せされて通常の取引より売上高が大きくなりやすいです。
ソリューション営業は商談を成功させる難易度は高いものの、大規模な商談に関わることでやりがいを実感できます。
顧客の課題を解決することで深い信頼関係が得られる
ソリューション営業は顧客目線に立って課題解決に導くため、顧客と信頼関係を深めやすいのが特徴です。
ソリューション営業が対象とするのは、自分だけの力だけでは課題を解決できずに困っている顧客です。費用を支払ってでも解決したい悩みがあるだけに、ソリューション営業に寄せる期待は大きいと言えます。
その期待に応え、見事に課題を解決してみせれば、当然顧客はソリューション営業に感謝し、深い信頼を感じるでしょう。
このような深い信頼関係を構築できるのは、御用聞き営業や提案営業にはないソリューション営業の醍醐味と言えます。
成果次第で高い年収を手にできる
成果次第で高い年収を手にできるのも、ソリューション営業として働くやりがいや魅力の一つです。
商談のスケールが大きいソリューション営業では、営業成果に応じたインセンティブ報酬を設定する企業が数多くあります。そのため、成果を出せば高い年収を手にすることも夢ではありません。
中には年収1,200万円以上を提示する求人もあり、成果を出した分だけ報いられる環境が用意されているのは、ソリューション営業として働く大きな魅力です。
ソリューション営業に向いてる人の特徴
これまで紹介してきたソリューション営業の特徴から、ソリューション営業に向いてる人の特徴は以下の通りです。
- 地道な作業が苦にならない
- 相手の立場に立って物事を考えられる
- 論理的思考が得意
- 向上心が強い
- ハードワークに耐えられる
地道な作業が苦にならない
ソリューション営業は、言葉の響きだけ見れば一般の営業職と一線を画す特別な職業のように見えます。しかし、ソリューション営業には業務を進める上で地味な作業が欠かせません。
顧客の課題を解決に導くには、顧客や自社商品との相性に関する調査、提案書の作成といったこなさなければならない作業が数多く存在します。
これらの地味な作業をいかに丁寧に進めるかによって商談の精度は変わってくるため、ソリューション営業には、地道な作業をコツコツと積み上げられる人が向いています。
相手の立場に立って物事を捉えられる
ソリューション営業には、相手の立場に立って物事を捉えられる人が向いています。その理由は、ソリューション営業は顧客目線に立ち、顧客の抱える課題解決を目的に業務を進めるからです。
顧客の元を訪問し、単に注文の有無を聞く御用聞き営業や売り手目線で商品の魅力をアピールする提案営業なら、それほど相手の立場を深く理解する必要はありません。
しかし、ソリューション営業は、顧客とのコミュニケーションを通じて課題を引き出し、顧客と一緒に解決策を導き出すのが仕事です。
顧客から上手く課題を引き出すには、ソリューション営業が真剣に顧客のことを考えており、「この人なら自分の課題を解決してくれそうだ」と顧客に期待を抱かせる必要があると言えるでしょう。
論理的思考が得意
論理的思考が得意な人も、ソリューション営業としての適性が高いと言えます。なぜなら、顧客の抱える無数の課題の中から根本的な課題を特定して有効な解決策を絞り込むには、物事を論理的にとらえ、因果関係について深く理解している必要があるからです。
日常生活の中でPDCAサイクル(※)を回し、仮説と検証を繰り返しながら最適解を模索する習慣のある人は、ソリューション営業としても活躍が期待できます。
※PDCAサイクル:PLAN(計画)→DO(行動)→CHECK(確認)→ACTION(改善)の順で物事をとらえて行動すること
向上心が強い
ソリューション営業は、向上心が強い人にも向いています。顧客の抱える課題解決を目指すソリューション営業には正解がなく、業務を進める上で幅広い知識が要求されるからです。
自社商品への深い知識や顧客が所属する業界知識など学ぶべき内容は多く、さらに業務を進める上で調査や情報収集も欠かせません。向上心が強い人なら、これらの業務を楽しみながら乗り越えていけるでしょう。
ハードワークに耐えられる
ハードワークに耐えられることも、ソリューション営業として大切な資質の一つです。
コンサルタントと営業の一人二役の役割が求められるソリューション営業では、業務がハードになりやすく、残業をしなければならない場面もあります。ソリューション営業は案件一つ一つをこなすのにパワーがいるため、案件数が増えるほど作業量が膨れ上がる傾向があります。
ソリューション営業として仕事をこなしていくには、体力面・精神面ともにタフでありハードワークに耐えられることが必要です。
ソリューション営業が活躍する主な業界
顧客目線に立って課題解決を目指すソリューション営業は、極論を言えばあらゆる業界で必要とされる職業です。
しかし、顧客自らが課題をすでに認識し、解決策も把握している場合には、ソリューション営業に対するニーズはそれほど高くありません。
例えば、参入障壁が高く、常にニーズも安定しているような業界(化学・食品・インフラなど)では、ソリューション営業より御用聞き営業や提案営業の方が適している場合があります。
一方、業界の進化や競争が激しく、顧客が自ら課題や解決策を見つけるのが難しい業界では、ソリューション営業によるサポートが必要です。そこでここからは、ソリューション営業が活躍する主な業界について、以下の4つを紹介します。
- IT業界
- 広告業界
- メーカー業界
- 金融業界
IT業界
日進月歩の勢いで進化を遂げるIT業界は、顧客自ら課題や解決策を発見することが難しく、ソリューション営業の活躍が期待される業界の一つです。
顧客は業務効率化やコスト削減、または売上拡大のためにITシステム導入の必要性を認識しているものの、自社に必要なのはどんなシステムなのか理解していない場合が多くあります。
ソリューション営業の役割は、そんな顧客の要望を聞き出し、具体策に落とし込んで実現化していくことです。
ITシステムは顧客の要望に合わせてカスタマイズできるケースが多いため、顧客の要望に合わせた幅広い提案が可能です。また、サービス導入後も長期に渡って顧客をサポートしていくことも、ソリューション営業に期待されます。
広告業界
広告業界もソリューション営業の活躍が期待される業界の一つです。
現在では企業が活用する広告の手段が多様化し、テレビや雑誌媒体の他、デジタルツールでの広告もよく見られるようになりました。広告効果が測定ツールによって計測されるようになった結果、より広告の価値を高めるためにソリューション営業が求められています。
ソリューション営業の役割は、顧客との打ち合わせによって広告イメージを浮き彫りにし、ターゲット層の決定や効果的な広告媒体の選定など、広告戦略の策定や実行を支援することです。
広告出稿後も顧客のアフターフォローを行い、広告効果が最大化するように努めていきます。
メーカー業界
メーカー業界も積極的にソリューション営業を取り入れるようになった業界の一つです。その理由は、グローバル競争の激化によって短期間で類似品が出回るようになり、自社商品を他社と差別化するために、ソリューション営業を活用するニーズが高まっているからです。
メーカーの場合、決められた順序で商品を製造するため、顧客の要望を聞いてカスタマイズするケースは多くありません。
しかし、顧客の要望に目を向け、商品知識に精通したソリューション営業が商品選定をサポートすることで、他社よりも付加価値をつけることができます。
金融業界
金融業界も、ソリューション営業の活用に力を入れる業界の一つです。
金融業界が取り扱う商品には、事業継承や融資、税金対策、海外進出など高度な経営判断を伴うものが多くあります。そのため、顧客は自ら課題を発見し解決策を実行することが難しく、ソリューション営業に期待される役割は大きくなります。
顧客によって置かれた状況が異なるため、一人ひとりに合ったオーダーメイドな提案が必要です。
新卒がソリューション営業に就職する上での注意点
新卒がソリューション営業に就職するにあたり、押さえておきたい注意点があります。それは、社会人経験がほぼない新卒は「ソリューション営業」「コンサルティング営業」「インサイト営業」といった表面的な言葉の響きに踊らされやすいことです。
ソリューション営業には、頭を使うスマートな仕事といったかっこいい仕事のイメージがあります。そのため、「ソリューション営業なら泥臭い営業活動をしなくていい」と安易に考えて求人に応募する学生もいるかもしれません。
しかし、「ソリューション営業」と求人に謳えば応募者が集まりやすいため、それを悪用するブラック企業が一部存在するのも事実です。そのため、「ソリューション営業だから応募したのに、実際の業務は単なる飛び込み営業だった…」というケースも実際にあり得ます。
また、ソリューション営業にも新規開拓業務は存在し、見込み客を発掘するために飛び込み営業もテレアポをしなければならない場合もあります。
企業の求人に応募する際は、ソリューション営業というネーミングだけでなく、細かい業務内容までしっかりとチェックするようにしましょう。
ソリューション営業の職種について相談したい方は?
営業とコンサルタントの一人二役をこなすソリューション営業は、きついとされる一面もある一方で、顧客から感謝され信頼関係を深められるやりがいのある仕事です。
「人の役に立ちたい」「人から感謝される仕事がしたい」と考える学生なら、ソリューション営業として働くことでその夢を叶えられるでしょう。
「自分がソリューション営業に向いているかわからない人」「自分に合ったソリューション営業を募集する企業が知りたい人」は、一度P-CHAN就活エージェントへの相談を検討してみましょう。