「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われるのは本当?良かった人と後悔する人の違い
目次
就職先としてベンチャー企業に興味があるものの、「新卒でベンチャーをめざすのはやめとけ」との声があるのを知り、迷いが生じていませんか?
ベンチャー企業への就職は、その会社としての特徴から向き不向きがはっきりしています。そのため、単なる憧れだけで安易に選択すると、将来後悔する可能性が高まります。一方、適性がある人にとっては思う存分能力が発揮でき、やりがいをみつけられる就職先です。
そこでこの記事では、ベンチャー企業とは何か解説するとともに、最近の就活生のベンチャー志向ややめとけと言われる理由、ベンチャー企業を選んで良かった人、後悔する人の違いを解説します。
就職先候補としてベンチャー企業が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもベンチャー企業とは?
ベンチャー企業には、資本金や従業員数、創立年度などの具体的な指標で示される厳密な定義はありません。
しかし一般的には、起業してから比較的歴史が浅く、これまでにはない新たな技術や発想力を武器に著しく成長している小規模な企業を指します。チャレンジする風土があり、比較的若い社員で構成されていることが特徴です。
ベンチャー企業は成長している業界によく見られ、IT業界や医療業界、コンサルティング業界などで多くのベンチャー企業が誕生しています。
ベンチャー企業とスタートアップの違い
スタートアップにも厳密な定義はないものの、創業から日が浅く、まだ組織の体制や方向性が定まっていない企業のことを指します。ベンチャーとして活動する前の準備段階にある企業だと考えれば、イメージしやすいでしょう。
スタートアップ企業の組織体制がある程度固まり、資金調達を得て成長段階に入ると、「ベンチャー企業」と呼ばれるようになります。新卒採用が始まるのもこの頃であり、スタートアップ時点では新卒採用を実施していない場合があります。
ベンチャー企業とメガベンチャーの違い
同じベンチャー企業であっても、大企業に匹敵する規模に成長したベンチャー企業はメガベンチャーと呼ばれます。
通常、企業は規模が大きくなると、意思決定のスピードが遅くなり、安定志向になってベンチャーマインドが失われていく傾向があります。しかし、メガベンチャーと呼ばれる企業は、規模が大きくなってもチャレンジする風土を持ち続けているのが特徴です。
「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由
ここからは、「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由を以下の5つの観点から解説していきます。
- 業務がハードワークになりがちだから
- 倒産するリスクがあるから
- 給料や福利厚生面で大企業より劣る場合が多いから
- 教育制度が十分ではない場合が多いから
- 貴重な新卒カードがもったいないから
業務がハードワークになりがちだから
「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる背景には、業務がハードワークになりがちであることが挙げられます。
ベンチャー企業は、基本的には少数精鋭の社員で構成された組織です。大企業のように十分な人手が揃っていない分、一人ひとりの社員が担当する業務量が増えやすい傾向があります。また、企業が成長し続けていることも、業務量を増やす一因です。
決められた時間に業務が終わらなければ、残業したり、休日に作業をしなければならなかったりする場合も十分にあり得ます。
倒産するリスクがあるから
倒産するリスクがあるのも、「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由の一つです。
中小企業庁の「企業後の企業生存率」によると、日本における創業後の企業生存率は以下の通りです。
創業年度 | 創業後の企業生存率 |
創業0年目 | 100% |
創業1年目 | 95.3% |
創業2年目 | 91.5% |
創業3年目 | 88.1% |
創業4年目 | 84.8% |
創業5年目 | 81.7% |
創業後3年目には11.9%の企業が、5年後には18.1%の企業が撤退または倒産していることがわかります。
ベンチャー企業は起業してから歴史が浅く、成長しやすい一方で業績は安定しない傾向があります。社会情勢の変化などの要因で業績が急速に悪化し、倒産に追い込まれるリスクもあり得ます。
もちろん倒産のリスクは、ベンチャー企業だけが突出して高いわけではありません。倒産は、大企業やその他の中小企業でも起こり得る現象です。そのため就職活動では、自分の就職した企業が将来倒産することもあり得ると考えておく必要があります。
給料や福利厚生面で大企業より劣る場合が多いから
給料や福利厚生面で大企業より劣る場合が多いことも、「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由の一つです。
新たな技術や発想で急成長を目指すベンチャー企業には、給料や福利厚生などに大きくコストをかける余裕がありません。また、年功序列ではなく実力主義を採用する企業が多く、成果を出せなければ給料は下がる傾向にあります。
そのため、ベンチャー企業で働く場合、仕事に対して十分にやりがいや社会的意義を感じていないと、「頑張っている割には報われない…」と不満を抱く可能性があります。
教育制度が十分ではない場合が多いから
教育制度が十分ではない場合が多いことも、「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由の一つです。
少数精鋭で業務を進めるベンチャー企業は現場が忙しく、先輩がじっくりマンツーマンで教育してくれる機会はそれほど多くありません。そのため、ベンチャー企業では、実務を通して仕事を覚えていくOJTのスタイルが多く採用されています。
新卒として採用される就活生は、一般的に社会人経験がほとんどありません。業務をこなすノウハウがない状態でいきなり業務がはじまるため、どのように仕事を進めたら良いかわからず悩む人もいます。
貴重な新卒カードがもったいないから
貴重な新卒カードがもったいないことも、「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われる理由の一つです。新卒カードとは、スキルや経験とは関係なく、ポテンシャルのみで内定を勝ち取れる就活生のアドバンテージのことを指します。
一度社会に出てしまうと、転職を希望する企業から内定をもらうには、スキルや経験など「その企業で何ができるのか」を厳しく問われます。そのため、企業にアピールできるスキルや経験がなければ、そもそも書類選考すら通らない可能性があります。
一方、ほぼ社会人経験がない就活生は、将来への成長可能性や企業への適性のみで評価されるのが一般的です。
そのため、新卒には、現時点で身に付けているスキルや経験がなくても大企業に入社できる可能性が開けています。その意味で新卒カードは、人生においてたった一度だけ使える特別なカードとも言えます。
ベンチャー企業で働くのは、大企業で経験を積んでからでも遅くありません。大企業の経験者であれば、その知名度やスキルを活かしてベンチャー企業に転職するのは難しくないからです。
一方、知名度のあまりないベンチャー企業から大企業への転職は、突出して高いスキルがない限り極めて難しいことは、あらかじめ知っておきましょう。
ベンチャー企業を目指す就活生の割合は増えている
株式会社マイナビが学生35,543名に行った「2023年度卒大学生就職意識調査」では、就職を希望する企業規模に関する回答は以下の通りでした。
- 大企業志向:48.5%
- 中堅・中小志向:47.8%
大企業志向の方が0.7%多いものの、両者に大きな差がないことがわかります。
また、企業規模に関する志向は、卒業年度によっても変化が見られます。
卒業年度 | 大手志向 | 中堅・中小志向 |
21年卒 | 55.1% | 41.1% |
22年卒 | 51.1% | 44.9% (前年比8.46%増) |
23年卒 | 48.5% (前年比5.09%減) | 47.8% (前年比6.07%増) |
上記を見ると、大手志向は年々減少傾向が見られるのに対し、中堅・中小志向は年々増加傾向にあります。以上から、中堅・中小志向に分類されるベンチャー企業への抵抗感も、就活生の間では薄れつつあることが読み取れます。
ベンチャー企業を選んで良かったと感じられる人の特徴
「新卒でベンチャーはやめとけ」と言う人がいる一方で、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と感じる人もいます。結局のところ、ベンチャー企業を選んで良かったと感じられるか否かは、その人の適性次第です。
そこでここからは、ベンチャー企業を選んで良かったと感じられる人の特徴を6つ取り上げて解説していきます。
- 自ら学んで成長できる
- 給与ではなくやりがいを重視したい
- 近い将来起業や独立を考えている
- 幅広いスキルを身に付けたい
- ハードワークに耐えられる
- 若いうちに出世して成功を収めたい
自ら学んで成長できる
自ら学んで成長できる人は、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と感じられる可能性が高いです。なぜなら、少数精鋭の組織であるベンチャー企業では、教育に十分な時間や人員を割く余裕がなく、自ら学んで成長できなければ業務を進めていくことが難しいからです。
さらにベンチャー企業では、周囲にお手本となる先輩がいるとは限りません。そんな環境でも、自ら積極的に情報収集し、仮説と検証を繰り返しながら成果を出していく姿勢がベンチャー企業には求められます。
給与ではなくやりがいを重視したい
給与よりやりがいを重視したい人も、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と実感しやすいでしょう。
ベンチャー企業は実力主義で成果が給料に反映されやすい傾向がある反面、ベースとなる給料金額はそれほど高くありません。また、福利厚生も大企業ほどは期待できないのが現状です。
しかしその反面、業務で任される裁量が大きく、企業の決定に大きく関わっていけるのもベンチャー企業の特徴です。
ベンチャー企業の理念に強く共感し、業務を通して世の中を変えていきたいとする思いがあれば、給料や待遇面が気にならないくらいやりがいを実感できるでしょう。
近い将来起業や独立を考えている
近い将来起業や独立を考えている人も、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と感じられる可能性が高いです。
少数精鋭の組織であるベンチャー企業では、社長との距離が近く、企業を経営していくために必要なことを肌感覚で学べます。自分が起業する前に経営者としてのふるまいを学べることは、将来大いに役に立つでしょう。
一方、大企業などに就職した場合、経営陣とは距離が遠く、自分の業務をこなすことに終始しがちです。現場で働きながら企業経営について学べるのも、ベンチャーならではの特徴と言えます。
幅広いスキルを身に付けたい
幅広いスキルを身に付けたい人も、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と実感しやすいでしょう。
組織がまだしっかりと固まっていないベンチャー企業では、自分の担当業務以外の業務を兼業する機会が多くあります。ベンチャー企業では、自分の職種や業務範囲を超えて、企業に貢献することが求められるからです。
例えば、普段は営業の仕事をこなしていても、顧客から要望があればエンジニアと一緒に商品開発について関わることもあります。また企業に必要であれば、採用活動や事務処理も行います。
そのため、ベンチャー企業では、特定の職種にはとらわれない幅広いスキルが身に付きます。さまざまな職種を経験する中で、自分がどんな職種が向いているのか見えてくることもあるでしょう。
ベンチャー企業は、幅広いスキルを身に付けたい人や自分に合う職種を見つけたい人に向いています。
ハードワークに耐えられる
ハードワークに耐えられる人も、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と感じられる可能性が高いです。
ベンチャー企業は組織体制がしっかり固まっていないため、業務分担が効率的になされているとは言えません。そのため、仕事ができる人ほど業務が集中しやすく、ハードワークになりがちです。
人材や資金など少ない資源で最大限の成果を出さなければならないことも、ベンチャー企業の業務をハードにさせる要因の一つです。
しかし、体力的や精神的にもタフでハードワークに耐えられる人なら、その厳しさを乗り越えて仕事の成果に結び付けられるでしょう。
若いうちに出世して成功を収めたい
若いうちに出世して成功を収めたい人も、「新卒でベンチャーを選んで良かった」と感じられる期待が持てます。
創業から歴史が浅いベンチャー企業は、組織がしっかり固まっておらず、上層部に位置する社員が少ない傾向にあるからです。企業が成長すると、それに応じて必要なポストも増えていきます。
そのため、成果を出しさえすれば、自分がその地位に付く可能性は十分あり得ます。社内ルールが厳しく年功序列制度が残る大企業と比べると、ベンチャーは出世しやすいと言えるでしょう。
ベンチャー企業を選んで後悔しやすい人の特徴
「新卒でベンチャーはやめとけ」と言う人がいる通り、「ベンチャー企業を選んで後悔する人」が一定数いるのも事実です。
自分がベンチャー企業を選んで後悔することがないかどうか、まずはその特徴を確認しておきましょう。
- 充実した教育環境で段階的にステップアップしたい
- チャレンジよりも安定を重視したい
- 特定の専門スキルを深めていきたい
- ワークライフバランスを重視したい
- プレッシャーに弱い
- 頻繁な方針転換にストレスを感じる
充実した教育環境で段階的にステップアップしたい
充実した教育環境で段階的にステップアップしたいと考える人は、ベンチャー企業を選んで後悔する可能性があります。大手企業に就職した方が整った研修制度が用意されており、しっかりとビジネスマナーや基礎知識が身に付くうえ、1対1で先輩から実務を学べるからです。
特に社会人経験に乏しい新卒は、社会で実力を発揮できるだけの基礎的能力が備わっていません。その段階でいきなり現場の業務を任され、成果を出さなければならないのがベンチャー企業の特徴です。
このような環境に不安を感じる人は、ベンチャー以外の企業でしっかりと研修を受け、段階的にステップアップしていった方が無理なくスキルを身に付けられるでしょう。
チャレンジよりも安定を重視したい
チャレンジよりも安定を重視したい人も、ベンチャー企業を選んで後悔する可能性があるでしょう。
チャレンジと成長を追い求めるベンチャー企業には、そもそも安定志向の人は向きません。また、成果に応じて給料が決まる企業が多く、長年努めても給料が上がらないケースが大半です。
そのため、企業の業績が下がれば、給料が下がることも十分にあり得ます。さらに市場環境次第では、企業が倒産することもあります。ベンチャー企業では、このようなリスクを想定したうえで、果敢にチャレンジして業績を出すことが求められます。
特定の専門スキルを深めていきたい
特定の専門スキルを深めていきたい人も、ベンチャー企業を選んで後悔するリスクが懸念されます。なぜならベンチャー企業では、自分の担当業務にとらわれず、企業に必要な業務を幅広くこなすことが求められるからです。
さまざまな業務を兼務することは、幅広いスキルが身に付く半面、一つ一つの業務で身に付くスキルは中途半端になりやすい傾向があります。
そのため、特定のスキルを深く極めたい人にとっては、組織体制がしっかり整っており、作業が分業化されている大企業の方がスキルを身に付けやすいでしょう。
ワークライフバランスを重視したい
ワークライフバランスを重視したい人も、ベンチャー企業を選んで後悔する可能性があります。
少数精鋭で業務を進めるベンチャー企業は、そもそも一人ひとりが抱える業務の量が多くなりがちです。そのため、基本的にハードワークになる傾向があり、必要であれば残業したり、休日に仕事をしたりしなければならない場合もあるでしょう。
そんなとき、「定時に帰りたい」「残業はしたくない」「家族と過ごす時間を大切にしたい」と感じる人は、思い通りに休みが取れず、不満を感じる可能性が高いです。
特にベンチャー企業は、仕事に対してやる気の高い社員が多いため、理解を得られず孤立してしまうかもしれません。
プレッシャーに弱い
プレッシャーに弱い人も、ベンチャー企業特有の文化が合わない可能性があります。どの企業で働いても与えられた業務に責任を果たすのは当然ですが、ベンチャー企業は自分の能力を超えた裁量権を任されることが多く、それが過度なプレッシャーになる場合があります。
社会人経験も乏しい新卒には、与えられた業務を完璧に成し遂げるだけの力があるとは限りません。そのため、新卒の時点で大きな裁量権を任されると、かえってプレッシャーに押し潰されることが懸念されます。
自分がプレッシャーに弱い自覚がある人は、ベンチャー企業を選ぶよりベンチャー以外の企業を選んだ方が、自分の能力に見合った裁量権で仕事ができるため、働きやすいでしょう。
頻繁な方針転換にストレスを感じる
頻繁な方針変更にストレスを感じる人も、ベンチャー企業を選んで後悔する可能性があります。
企業で働くようになると、社長や上司の方針に従って業務を進める必要があります。しかしベンチャー企業では、その方針が頻繁に変わることが多いです。
周囲の状況に合わせスピード感を持って決断できるのがベンチャー企業の強みであるものの、現場で働く部下はその方針に振り回されることになります。
このような状況の変化を楽しんで受け入れられる人は、ベンチャー企業に適性があります。しかし、そうでない人は、ベンチャー以外の企業の方が向いているでしょう。やるべきことがある程度決まっているので、予測を立てながら計画的に業務を進められます。
優良ベンチャーを見分けるコツ
ベンチャー企業と一言で言っても、企業によって文化も方針もさまざまです。ベンチャー企業に就職する限りは、優良ベンチャー企業から内定をもらいたいと考える人も多いでしょう。そこでここからは、優良ベンチャーを見分けるコツについて解説していきます。
- 成長産業の中で業績を伸ばしているか
- 投資企業から資金提供を受けているか
- ベンチャー企業としての受賞歴があるか
- 段階的にオフィス移転をしているか
- 経営者に確固たるビジョンがあるか
- 公的機関から補助金を受けているか
成長産業の中で業績を伸ばしているか
優良ベンチャーかどうかは、成長産業の中でどの程度業績を伸ばしているかを確認すれば、ある程度判断できます。前年の業績だけでなく、数年間の業績推移を見比べると、より正確な判断が可能です。
チャレンジする風土で成長を追い求めるベンチャー企業は、基本的に衰退産業に参入することはありません。
成長産業全体における成長率よりもさらに上回る成長をその企業が遂げているのなら、そのベンチャー企業は今後業界上位のシェアを占める企業に成長する可能性があります。
投資企業から資金提供を受けているか
優良ベンチャーかどうかは、投資企業から資金提供を受けているかも判断の目安となります。
投資企業は、将来成長する可能性が期待できる企業に対して投資を行うのが一般的です。そのため、投資のプロである投資企業から資金提供を受けているということは、そのベンチャー企業が将来有望であると判断されたことを意味します。
もちろん、投資企業から資金提供を受けたからといって、確実にその企業が成長できる保証はありません。しかし、ベンチャー企業の有望性を判断する一つの手がかりになることは確かです。
ベンチャー企業としての受賞歴があるか
優良ベンチャーかどうかは、ベンチャー企業としての受賞歴を確認することでも、ある程度判断が可能です。受賞歴があるベンチャー企業は、ある特定分野に秀でたアイデアや技術力があり、その強みを武器に今後業績を拡大していくことが期待できます。
ベンチャー企業を表彰する制度には以下のものが挙げられます。
- 中小機構「Japan Venture Awards」
- 経済産業省「日本スタートアップ大賞」
- JEITA「JEITAベンチャー賞」
- 国立研究開発法人科学技術振興機構「大学発ベンチャー表彰」
段階的にオフィス移転をしているか
優良ベンチャーかどうかは、段階的にオフィス移転をしているかも判断の目安になります。
起業したばかりのスタートアップ当初は数人規模でも、事業が拡大して社員の数が増えると、オフィスを拡大させる必要があります。そのため、事業が軌道に乗って順調に売上高を増やしているベンチャー企業は、オフィス移転を繰り返していることが多いです。
また、大きなオフィスには家賃などのコストがかかるため、コストを支払えるだけの売り上げを確保できなければオフィス移転はできません。そのため、段階的にオフィス移転をしているベンチャー企業は、優良ベンチャーである期待が持てます。
経営者に確固たるビジョンがあるか
優良ベンチャーかどうかは、経営者に確固たるビジョンがあるかを確認することでも、ある程度判断が可能です。
給料面や待遇で大企業よりやや劣る傾向のあるベンチャー企業では、やりがいがある仕事ができるかどうかが極めて大切です。そして、そのやりがいは、ベンチャー企業の経営者のビジョンに大きく左右されます。
就職後生き生きと働くためにも、ベンチャー企業の経営者のビジョンについてしっかり確認しておきましょう。将来のビジョンは企業のホームページやSNSなどでも確認できます。
公的機関から補助金を受けているか
優良ベンチャーかどうかは、公的機関から補助金を受けているかを確認することも、判断の目安になります。
特に経済産業省や中小企業庁などの機関では、国の産業育成のために、将来性の高いベンチャー企業に補助金を出す制度があります。これらの機関から補助金を受け取るには、決められた審査基準をクリアしなければなりません。
そのため、補助金を受け取っているベンチャー企業は、国の審査基準を満たすだけの裏付けがある証拠となります。補助金の審査結果については各都道府県で公表されているため、確認してみると良いでしょう。
ブラックベンチャーを見分けるコツ
ベンチャー企業の中には、ブラックベンチャーが混じっていることがあります。優良ベンチャーから内定を得たいと考える一方、ブラックベンチャーは避けたいのが本音です。そこでここからは、ブラックベンチャーを見分けるコツについて紹介します。
- 募集人数が多すぎないか
- 選考基準が緩すぎないか
- 過去に社名を変更したことはないか
- 給料が不自然に高すぎないか
- 求人が抽象的な内容ばかり記載されていないか
募集人数が多すぎないか
ブラックベンチャーかどうかは、募集人数が多すぎないかを確認することで、ある程度区別できます。もちろん、純粋に業務拡大のために募集人数を増やしているケースもあるものの、離職率が高いことを見越して多めに募集している場合は要注意です。
せっかく内定をもらっても、同期が次々と辞めていけば、このままベンチャー企業に居続けるべきか悩むでしょう。入社後に後悔しないためにも、募集人数が適性かどうかはしっかりと確認しておきましょう。
選考基準が緩すぎないか
選考基準が緩すぎないかどうかも、ブラックベンチャーかどうかを見抜くのに効果的です。
企業が採用活動を行う場合、優秀な学生を獲得するためにさまざまな選考基準を設けるのが一般的です。にもかかわず、書類選考をなくすなど選考基準を下げている場合、人材があまりにも不足していて人を選別する余裕がないなど、何らかの問題を抱えている可能性があります。
そのような企業に就職した場合、1人で抱える業務量が多く、ハードワークで苦労するかもしれません。大切な新卒カードを使って就職活動に挑むため、「採用基準が緩すぎる企業には何か問題がある」と考えて応募するかどうかを決めましょう。
過去に社名を変更したことはないか
過去に社名を変更したことはないかどうかも、ブラックベンチャーかどうかを見抜く上で有効です。
過去に社名を変更したからといって、必ずしも問題があるわけではありません。しかし、過去に不祥事を起こし、その経歴を隠すために社名を変更している場合もあるため、注意が必要です。
過去に社名を変更したことがあるベンチャー企業には、過去に不祥事を起こした可能性もあり得ると思って、応募するかどうかを検討しましょう。
給料が不自然に高すぎないか
給料が不自然に高すぎないかを確認することも、ブラックベンチャーかどうかの判断材料になります。特に注意が必要なのは、実際には給料が低いにもかかわらず高く見せかけている場合です。
例えば、残業代を含めた給料を提示している場合、実際の基本給は他社よりも低く、かつ残業が非常に多い企業の可能性があります。求人の給料面を確認するときは、額面金額だけではなく、その内訳までしっかり確認すればブラックベンチャーかどうかを見抜けるでしょう。
求人に抽象的な内容ばかり記載されていないか
求人に抽象的な内容ばかり記載されていないかを確認することも、ブラックベンチャーかどうかを見抜くのに有効な方法です。
特に注意が必要なのは、「圧倒的成長環境」「世界を変える」「誰でも意見が言える」など、就活生の心をくすぐる魅力的な表現が列挙された求人です。求人に魅力的な表現が並んでいる場合は、それを裏付ける具体的根拠が示されているか必ず確認しましょう。
抽象的な表現のみに終始し、なんら根拠が示されていなければ、その求人はブラックベンチャーである可能性が高いです。しっかり現実を注視したうえで冷静に応募するかどうかを検討すれば、ブラックベンチャーへの就職を防げます。
新卒でベンチャー企業への就活を成功させる方法
新卒でベンチャー企業への就活を成功させる方法は以下の通りです。
- 十分に自己分析して就活の軸を明確にする
- ベンチャー企業に関する情報を積極的に集める
- ベンチャー企業が実施するインターンに参加してみる
- 就活エージェントに相談してみる
十分に自己分析して就活の軸を明確にする
ベンチャーから内定をもらうには、まずは自分がベンチャー企業に向いているかどうかを知る必要があります。
ベンチャー企業を選ぶ前に、自己分析をして就活の軸を明確にしましょう。
- なぜベンチャーに行きたいのか
- 仕事をする上でゆずれないこだわりは何か
- ベンチャーでやってみたいこと
- 5年後、10年後の自分はどうありたいか
自分について客観的に分析することで初めて、自分に合う企業像が見えてきます。
就活の軸についてさらに詳しく知りたい人は、「就活の軸一覧|面接やES作成で役立つ軸を業界・業種別に紹介」も合わせて読んでみてください。
ベンチャー企業に関する情報を積極的に集める
自分のことをある程度把握出来たら、次にベンチャー企業の情報収集に移ります。
ベンチャー企業は大企業と比較すると、入手できる情報量が少ないです。そのため、自分に合うベンチャー企業に出会うには、ホームページをチェックするだけでなく、社長が発信するSNSを確認してみるのもおすすめです。
採用に力を入れるベンチャー企業なら、就活生に向けたメッセージなども確認できるでしょう。口コミサイトを活用するのも、ベンチャー企業を知る方法の一つです。
ベンチャー企業が実施するインターンに参加してみる
ベンチャー企業が自分に合っているかどうかを判断する最も有効な方法は、インターンに参加してみることです。「百聞は一見に如かず」という言葉もあり、物事を確かめるには自分で体験してみるのが一番です。
インターンに参加すれば、職場の雰囲気や社員の様子、どんな仕事をするのかまで把握できます。インターンに参加する他の大学生とも交流できるため、そのベンチャー企業がブラックベンチャーかどうかの判断もしやすいです。
インターンシップには短期と長期があり、参加期間が異なります。自分の将来を決める決断となるため、可能であれば長期インターンに参加するのがおすすめです。
1ヶ月以上、または1年以上インターンをすれば、仕事の大変さや厳しさもわかるため、自分に本当に合っているかどうかの判断ができます。
就活エージェントに相談してみる
「ベンチャー企業が自分に合っているかどうかわからない」「または自分に合ったベンチャー企業を探したい」という人は、就活エージェントに相談してみるのも一つの方法です。
就活エージェントは、非公開求人を多数保有しているほか、求人を出す企業事情にも精通しています。就職相談をすることで、自分に合った求人を紹介してもらえる可能性が高いです。
新卒でベンチャーを目指すかどうかは自分次第!応募企業を見極めよう
「新卒でベンチャーはやめとけ」という言葉は、全ての就活生にあてはまるわけではありません。結局のところ新卒でベンチャーを目指すかどうかは、自分次第です。
また、同じベンチャー企業でも、優良ベンチャーからブラックベンチャーまでその種類はさまざまです。ベンチャー企業という枠組みだけでなく、どの企業に就職するかによって、その後の人生は大きく変わります。
「新卒でベンチャーを目指すべきかどうかわからない」「優良ベンチャーを知りたい」という人は、ぜひ一度就活エージェントの活用を検討してみましょう。
P−CHAN就活エージェントでは、ベンチャー企業に関する求人を紹介してくれるほか、その他の個別の就職相談にも応じてくれます。プロのエージェントの手を借りることで自分が今後どうすべきか判断するヒントがもらえます。