既卒の就活は厳しい?就職は無理なのかの実態や挽回策を解説

就職活動中に内定をもらえなかった人や、内定をもらったものの入社せず卒業してしまった人の前に立ちはだかるのが「既卒」という問題です。「既卒になったら就職は無理」「既卒の就活は厳しい」という声もあり、既卒になることに不安を感じる人も多いでしょう。
結論から言えば、既卒は新卒よりも就職活動において厳しい側面があるものの、就職は無理と言われるほど極端な差はありません。
この記事では、厳しいとされる既卒就活の実態やその背景、既卒が企業に伝えるべきこと、挽回策としてやるべきことなどを紹介します。既卒のまま就職活動を進めることに不安を感じている人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
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目次
厳しいとされる既卒就活の実態
「既卒による就活は厳しい」と言われることがありますが、どの程度厳しいのかといった実態は、就職活動を行った就活生の内定保有率を見れば客観的に把握できます。
既卒や新卒が就職活動で獲得した内定保有率は以下の通りです。
就活生 | 内定保有率 |
---|---|
2024年度の既卒(※1) | 49.3% |
2024年卒の新卒(※2) | 98.1% |
※出典1:株式会社マイナビ「2024年度 マイナビ既卒の就職活動に関する調査」(2024年11月26日時点)
※出典2:厚生労働省「令和6年3月大学等卒業者の就職状況」
既卒と新卒の内定保有率は約2倍の開きがあることから、既卒の就活がかなり厳しいことが分かるでしょう。
既卒の就活が厳しい背景もあり、厚生労働省は2010年より「青少年雇用機会確保指針」を公表しています。青少年雇用機会確保指針とは、卒業後3年以内の既卒を新卒と同じ扱いで採用活動を行うよう企業に要請する政府の方針です。
青少年雇用機会確保指針の影響で年々既卒の内定保有率は上がりつつありますが、やはり現状は厳しいと言わざるを得ないでしょう。
厳しいとされる既卒就活の背景
既卒就活が厳しいとされる背景には、以下の内容が考えられます。
- 既卒は新卒より応募できる企業が少ない
- 新卒採用では既卒より新卒を評価する企業が多い
- 中途採用では社会人経験がない分不利になりやすい
既卒の就活が厳しいと言われるのは、既卒が就活する際には新卒や第二新卒といった強力なライバル達と競わなければならないことにあります。新卒や第二新卒と常に比較される既卒は、どうしても就活が厳しくなりがちです。順番に解説していきます。
既卒は新卒より応募できる企業が少ない
厳しいとされる既卒就活の背景として、そもそも既卒は新卒より応募できる企業が少ないことが挙げられます。
3年以内に学校を卒業し、かつ正社員としての就業経験のない既卒も、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」によれば新卒と同じ扱いです。しかし、全ての企業がその方針を採用しているわけではなく、採用していない企業も多いのが現実です。
このような背景から、既卒が応募できるのは「既卒OK」「既卒歓迎」といった条件が表記された求人のみに限定されます。そのため、幅広く企業に応募できる新卒と比べると、応募できる企業数はどうしても少なくなってしまいます。
新卒採用では既卒より新卒を評価する企業が多い
新卒採用では既卒より新卒を評価する企業が多いことも、既卒の就活を厳しくしている背景の一つです。
企業が新卒枠に応募する既卒をどのように評価しているかは、2021年卒を対象に行われた厚生労働省による令和2年労働経済動向調査から、ある程度把握が可能です。
この調査によると、新卒採用を行った企業のうち68%が既卒も応募可能な状態でした。つまり、新卒採用を行う企業のうち7割近くが、既卒を新卒と同様にみなして採用活動を行っていたことになります。
しかし、上記のように既卒を受け入れる企業でも、実際に採用に至ったのは40%であり、残り60%は採用に結びついていません。以上からも、既卒は応募のチャンスを十分に活かすことができず、なかなか評価に結びついていない実態が伺えます。
また、一般的に新卒採用枠はポテンシャル採用が多いのも理由のひとつです。新卒採用枠は学校を卒業予定の新卒を対象としているため、選考基準に社会人経験やスキルはあまり重視されません。
それよりも、「企業風土に合っているか」「熱意はあるか」といった成長可能性(ポテンシャル)を基準に選考が進められるのが一般的です。新卒より年齢が高く、またブランクがある既卒は、新卒採用に求められる人材に合っていないという理由で評価されにくい傾向にあると言えるでしょう。
中途採用では社会人経験がない分不利になりやすい
中途採用では第二新卒より社会人経験が少ない分不利になりやすいことも、既卒の就活を厳しくしている背景として挙げられるでしょう。
既卒で就活をする場合は、新卒採用以外に中途採用で就活することも可能です。既卒には新卒採用と中途採用両方に応募できるメリットがあるものの、決して内定が取りやすいというわけではありません。
なぜなら中途採用では、既卒者より社会経験のある第二新卒や転職希望者がライバルになるためです。そもそも中途採用枠は、社会人経験やスキルが重視される傾向が強くあります。
そのため、一から研修を行って教育をしなければならない既卒より、一定の知識を身に付けている第二新卒の方が育てやすいと考える企業も存在します。
このような背景から、既卒と第二新卒は年齢が近いにもかかわらず、同じ中途採用枠の中で競い合った場合、既卒が選考で不利になりやすいと言えるでしょう。
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企業が既卒の就活生を厳しく見る理由
企業が既卒の就活を厳しく考える理由は、以下の通りです。
- 就業意欲の低さに懸念があるから
- 「内定がもらえなかった=レベルが低い」と疑ってしまうから
既卒の内定保有率が低めなのは、企業側が既卒者の内定を厳しく見ているためです。逆に言えば、これらを面接でしっかりと払拭できれば、有利とされる新卒や第二新卒の代わりに内定をつかみ取ることも夢ではありません。
まずは、企業が既卒に対して抱く懸念事項をしっかりと把握して、対策に役立てましょう。
就業意欲の低さに懸念があるから
「就業意欲が低いのではないか」というのは、企業が既卒に対して抱く最も大きな不安材料です。
既卒になる背景は人によって異なりますが、学校卒業後に正社員ではない空白期間が存在する点は共通しています。
日本では多くの学生が、卒業後に就職して働く道を選択します。そのため、卒業後に正社員として働いていない既卒は、全体から見ると少数派であり、理解を得にくい存在です。
このような背景から、「この人はなぜ新卒時に就職しなかったのだろう?」「就業意欲が低いのかな?」と見られやすいと言えます。
企業が新卒採用において期待するのは、「長く活躍してくれそうな人材」です。就業意欲が低い人は「すぐに辞めるかもしれない」と認識され、選考では不利になるでしょう。
「内定がもらえなかった=レベルが低い」と疑ってしまうから
「何か内定をもらえなかった理由があるのではないか」というのも、企業が既卒に対して抱く不安のひとつです。
新卒採用を行っている企業は、一般的に毎年多くの就活生に会って面談を繰り返し、内定を出すかどうかの決定をしています。そのため、応募してくる就活生が自社以外にも多数の企業を受けており、その中で自分の希望に合った企業を選択していることを理解しています。
そのため、今現在既卒として就職活動をしていることは、「新卒時の就活で何か内定をもらえなかった理由があるのではないか」と疑問に思われる可能性が高いです。
レベルが低いと思われる・内定をもらえなかった理由として疑われる内容としては、下記のようなものが挙げられます。
- 就活に対するやる気や意識が低いのではないか
- 行動力や分析力が不足しているのではないか
- 人柄に問題があるのではないか
こうした印象を受けた人物に対して、内定を出そうとする企業はほぼありません。既卒で就活する場合、上記のような不安をどれだけ払拭できるかによって内定の有無が変わるでしょう。
厳しいとされる既卒が就活で挽回策としてやるべきこと
厳しいとされる既卒が就活で挽回策としてやるべき下記12の内容について解説します。
- 新卒時に就職活動が上手くいかなかった原因を明らかにする
- 就職活動が十分にできる時間を確保する
- 積極的に行動する
- 目標や期限を明確にする
- 空白期間をどう過ごしたかについて前向きな回答を用意する
- 自分を客観的に見つめ直す
- 就活の軸を見直してみる
- 企業選びは慎重に行う
- 活動の質と量を両立させる
- 面接の模擬練習をする
- 周囲の意見を取り入れる
- ネガティブにならない
これまで紹介してきた通り、厳しいとされる既卒の就活では、相応の準備が必要です。企業は既卒に対して、新卒にはない懸念を抱いています。それらを払拭するためにも、これから紹介する挽回策をしっかりと実践しましょう。
新卒時に就職活動が上手くいかなかった原因を明らかにする
既卒が厳しいとされる就活を挽回するためにまず必要なことは、新卒時に就職活動が上手くいかなかった原因を明らかにすることです。
就職活動が上手く行かなかった理由の具体例は、以下の通りです。
- 新卒時は競争倍率の高い有名企業や大手企業しかエントリーしなかった
- 手あたり次第に応募を繰り返し、就活の軸が見えていなかった
- 就職活動にやる気が出ず、行動量が圧倒的に足りなかった
- 周囲の評判ばかりを気にして、自分が本当に行きたい企業に応募できていなかった
上記のように就職活動の進め方に原因がある場合は、その点を改善することで状況を好転できます。
しっかり原因を把握して就活に臨むことで、内定率を大幅に上げられるでしょう。
就職活動が十分にできる時間を確保する
既卒が厳しいとされる就活を挽回するために、次に必要になるのは、できるだけ就職活動の時間を確保することです。
既卒になると、学校に行かなくてもいい分自由な時間が増えます。その時間をアルバイトなどに充てるのも良いですが、できるだけ就職活動に時間を充てるようにしましょう。
納得できる内定を手にするためには、就職活動に必要な時間を確保することが欠かせません。就職活動をすると決めた時期は、アルバイトのシフトを調整するなどして、就職活動に専念できる環境を作ることが大切です。
積極的に行動する
既卒で就活を成功させるためには、積極的に行動することが大切です。既卒という立場は企業から慎重に見られる傾向があるため、自らチャンスをつかみにいく積極性が評価につながるからです。また、行動を起こすことで選択肢が広がり、自分に合った企業と出会う可能性も高まります。
実際、既卒として就活に臨んでいる人の中には、就活や社会人としての今後のキャリアについて悩みを持っている人も多くいます。
もちろん悩むこと自体は自然なことですが、行動せずに思い悩むだけでは状況は変わりません。逆に、説明会への参加やエージェントの利用など、小さな一歩を踏み出すことで、自分に合う方向性が見えてくることもあります。
また悩む時間が長くなるほど、チャンスを逃してしまうリスクも高くなります。だからこそ、まずは積極的に行動を起こし、就活の流れをつかんでいくことが重要です。
目標や期限を明確にする
既卒として就活する場合は、「いつまでに何をするのか」といった目標や期限を明確に設定することが重要です。
既卒は、就活に時間が取れる分、目標や期限が曖昧なままダラダラと就活を進めがちです。いつまでにどこまで終わらせるかを決めておかなければ、「後からやれば良い」「今は忙しい」など理由をつけて先延ばしにしてしまう人もいるでしょう。
例えば「◯月末までに5社エントリーする」「1週間以内に履歴書を完成させる」など、具体的なゴールと期限を設けることで、行動にメリハリがつき、進捗も管理しやすくなります。
就活は情報収集・書類準備・面接対策など、やるべきことが多くあります。しっかりと目標や期限を決めて、一つひとつのタスクを確実に終わらせながら就活を進めましょう。
空白期間をどう過ごしたかについて前向きな回答を用意する
既卒が厳しいとされる就活を挽回するためには、「空白期間をどう過ごしたか」について前向きな回答を用意することも大切です。
学校を卒業後企業に入社するまでの空白期間は、誰にも強制されない自由な時間です。応募企業から見れば、この自由な時間に何をしていたか問うことで、既卒の自社への熱意や今後の成長可能性を推し量れます。
既卒が空白期間をアピールするのに効果的なのが、応募企業と関連のある資格を取得したり、アルバイトやインターンを体験してみたりすることです。空白期間の過ごし方によって「それを反省して現在は目標に向けて真剣に取り組んでいる」と行動で示せます。
その姿勢が評価されれば、新卒や第二新卒を超えて自分が内定を獲得することも夢ではないでしょう。
自分を客観的に見つめ直す
新卒時の就活で思い通りの内定が得られなかった既卒は、自分を客観的に見れていない可能性があります。
就職活動において自己理解は非常に大切です。自分のことが十分に見えていなければ、企業選びや職種選び、自己PRなど全ての選考過程に影響を及ぼします。
既卒として就職活動を再開すると決めた限りは、もう一度自分を客観的に見つめ直し、自分の本当の姿は何なのか問いかけてみましょう。
新卒時に多くの企業に応募したからこそ発見した気付きもあるはずです。「自分が他の学生より強みにできるのは何か」「どんな仕事なら他人よりも頑張れるのか」「何に挑戦していたいのか」などの答えは自分の中にあります。
新卒よりも就活に時間をかけられる分、より深く自分を知れるのは既卒の強みです。
就活の軸を見直してみる
既卒が厳しいとされる就活を挽回するためには、再度就活の軸を見直してみることも効果的です。
新卒時よりも企業の選択肢が狭くなりやすい既卒就活では、新卒時と同じような就活の軸では思い通りの結果が得られなくなる可能性があります。そのため、新卒時に応募した反省も踏まえたうえで、就活の軸を見つめ直しましょう。
先入観や思い込みを捨てて求人を見ることを習慣付ければ、自分が働きたい企業の理想像が見えてくることもあります。
企業選びは慎重に行う
既卒としての就活では、企業選びをより慎重に行うことが重要です。なぜなら、焦って選んだ企業に入社しても、自分に合わなかった場合は早期離職につながりやすく、結果的にキャリアにマイナスの影響が出る可能性があるからです。既卒者が再び離職すると、次の転職活動ではさらに不利になる恐れもあります。
応募する企業を増やすこと自体は間違いではありません。業界や職種の選択肢を広げることで、チャンスが増える面もあります。
しかし、「どんな企業でも良い」「とにかく内定が欲しい」と闇雲に企業を選んでしまうと、大切な就活の時間を無駄にしてしまう恐れがあります。既卒だからこそ、企業選びは慎重に行い、一つひとつの選考に真剣に取り組むことが大切です。
活動の質と量を両立させる
就活の質と量を両立させることも、既卒が就活で挽回するために大切です。
2024年度マイナビ既卒の就職活動に関する調査によると、2024年卒の既卒で内定をもらった学生の新卒時と比較した活動量は以下の通りでした。
- かなりorやや活動量が増えた:51.5%
- かなりorやや活動量が減った:38.1%
以上の回答から、内定をもらった既卒のうち半数以上が、新卒時よりも活動量を増やして就職活動を行っていることがわかります。
これまで紹介した通り、既卒は新卒よりも応募できる企業の選択肢が少なく、評価されにくい傾向にあります。そのため、内定を獲得するチャンスを増やすには、応募する企業の数を増やすとともに、一社一社の質を高めることも欠かせません。
その意味で、既卒による就職活動は新卒時よりもハードになることを覚悟しておくべきでしょう。
面接の模擬練習をする
面接の模擬練習をすることも、厳しいとされる既卒の就活を挽回するうえで有効です。
新卒時に就職活動が上手くいかなかった理由として、面接で自分の魅力を十分に伝えきれなかったという人も多いです。既卒になって同じことを繰り返さないためには、模擬練習を通して、面接に慣れておくことが大切と言えます。
特に既卒の場合は「既卒になった理由」を尋ねられる可能性が高いです。質問されて動揺したり口ごもったりしないよう、回答の準備と練習を重ねておきましょう。
どんなに優れた志望動機や自己PRを用意していても、応募企業に伝わらなければ何の意味もありません。可能であれば、友達や兄妹、両親に模擬面接を手伝ってもらいましょう。自分では気付かなかった良さや欠点を指摘してもらえるかもしれません。
より確実に面接力を高めたいのなら、プロである就活エージェントを活用するのもおすすめです。面接に関する知識や経験が豊富にあるため、どのように話せば自分の魅力が伝わるのか、プロの目線によるアドバイスが期待できるでしょう。
周囲の意見を取り入れる
既卒は、周囲の意見を取り入れながら就活を進めることが大切です。自分の考えだけでは視野が狭まり、思い込みや不安にとらわれてしまうことがあるためです。特に既卒の場合は、一度就活に失敗した経験から、自信を失っていたり、孤独を感じやすかったりするため、周囲のサポートが大きな助けになります。
既卒が意見をもらう場合は、まず下記のような人を頼るのがおすすめです。
- 家族
- 友人
- OBやOG
- 就活エージェント
家族や友人など自分をよく知っている人であれば、自分で気がつかない長所や短所などを教えてもらえます。一方、OB・OGや就活エージェントであれば就活の経験者やプロの視点から適切なアドバイスがもらえるので、効率良く就活が進められます。
周囲からの意見やアドバイスを柔軟に取り入れながら、自分に合った進め方を見つけていくことが、既卒の就活を成功させる鍵となるでしょう。
ネガティブにならない
既卒の就活では、ネガティブにならないことが重要です。
「既卒だから」とネガティブになってしまうと、自信が持てません。ネガティブな気持ちは面接官にも伝わってしまうため、印象が悪くなり不採用になるといった負の連鎖に陥りやすいです。
ネガティブにならないためには、自己肯定感を高めて自信をつける必要があります。そのためには、小さな行動でも「できたこと」を記録していくと良いでしょう。また、誰かに相談したり、ポジティブな言葉を意識的に使ったりするのもおすすめです。
既卒でも就活を成功させることはできるため、きちんと選考対策を行い、自信を持って選考に臨むことが大切です。
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就活が厳しい既卒が面接で伝えるべきこと
厳しいとされる既卒が面接で伝えなければならないことは、以下の3点です。
- 逆境への強さや失敗を通して学んだこと
- 新卒や第二新卒に負けない熱意があること
- 新卒や第二新卒より自分が応募企業に相応しい存在であること
上記で紹介した通り、既卒が企業から内定をもらうには、まずは企業が既卒に対して抱く懸念を面接で払拭しなければなりません。自分が熱意を持って就活していることを伝えるのが重要です。
逆境への強さや失敗を通して学んだこと
逆境への強さや失敗を通して学んだことは、現在就職活動進行中の新卒にはないアピールポイントです。
既卒になった理由はさまざまですが、企業から見れば「新卒時の就職活動で失敗した人」といった目線で見られがちな側面は否定できません。そのような事実を受け入れたうえで、いかにポジティブに変換して話せるかが、既卒就活において重要です。
具体的には以下のように伝えましょう。
今から振り返れば、新卒時に思い通りの企業から内定をもらえなかったのは、自己分析不足が原因でした。当時はやみくもに企業にエントリーを繰り返し、自分が本当に働きたいと思える企業を認識できていませんでした。 十分に自分を見つめ直した現在は、○○分野に絞って就職活動ができています。御社を志望したのは、御社なら自分がやりたいことを実現できると確信したためです。 既卒になって学んだのは、「どんな場面に遭遇しても決してあきらめないこと」、そして「可能性を信じてやり抜くこと」です。既卒になった当初は焦りや不安がありましたが、逆に現在はつまずいたからこそ気付けた学びを仕事に活かしていきたいです。 |
上記のように、一見ネガティブに見える体験でも、その後の受け止め方や考え方を示してポジティブに転換することが大切でしょう。
新卒や第二新卒に負けない熱意があること
企業に既卒が次に伝えなければならないことは、新卒や第二新卒に負けない熱意や入社意欲の高さです。
卒業後に空白期間のある既卒は就業意欲が低く、「すぐに辞めるのではないか」といった目線で見られがちです。しかし、入社後早期離職のリスクがあるのは、実は既卒だけではありません。
厚生労働省の2021年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況によると、大卒で就職した人のうち34.9%が3年以内に離職しています。また、第二新卒も就職後3年以内に転職する人を指すため、「前職を3年以内に退職した(する予定)」という見られ方をします。
新卒にしろ第二新卒にしろ、採用する企業側から見れば、3年以内に早期離職するリスクは避けられません。
そのため、既卒であっても新卒や第二新卒を上回る熱意を伝えられれば、内定を獲得できるチャンスがあります。そして、企業がほしいのは「新卒」や「第二新卒」などに限らず、「長く活躍してくれる人」です。
この事実に気付けば、既卒が力を入れて取り組むべきなのは、アピール要素の少ないスキルや経験ではなく、熱意を示せる志望動機であることがわかるでしょう。
新卒や第二新卒より自分が応募企業に相応しい存在であること
さらに伝えなければならないことは、新卒や第二新卒より自分が応募企業に相応しい存在であることです。
最終的に内定がもらえるかどうかは、ライバルとの相対評価で決まります。そのため、既卒が内定をもらうには、「新卒や第二新卒より自分が応募企業に相応しい存在である」と企業に認識してもらうことが大切です。
応募企業に自分を採用するメリットを伝えるには、自分の強みを十分に理解したうえで、企業が求める人物像と一致させる作業が欠かせません。そのためには、自己分析と企業研究を入念にこなす必要があります。
既卒という理由だけで内定を諦める必要はありません。今しっかりと踏ん張って、自分の強みが生かせる企業と出会えるよう、全力を尽くしましょう。既卒をハンデとせず、思い通りの社会人生活を歩めるかどうかは、現在の自分の行動にかかっています。
内定後すぐに働ける状況であること
内定後すぐに働ける状況であることは、新卒や第二新卒にはない既卒の強みです。
第二新卒もすでに退社してしまっている人は内定後すぐに働けますが、まだ在職中で転職活動をしている場合には、入社できるまでに一定期間かかります。
そのため、退職者による欠員補充など企業が早期に人材を求めているような場合には、新卒や第二新卒より、柔軟に入社時期を調整できる既卒が採用に有利です。
上記で紹介した成長可能性や熱意の高さ、企業との相性の高さを十分にアピールした上で、入社時期にも対応できることを伝えれば、内定率を高められるでしょう。
既卒が取り入れたい就活方法
既卒として就活する場合、下記のような就活方法を取り入れると良いでしょう。
- 就活サイトを利用する
- ハローワークを利用する
- 企業のホームページから応募する
- 就活エージェントを利用する
それぞれの就活方法について、詳しく解説します。
就活サイトを利用する
既卒の企業選びには、就活サイトを利用するのがおすすめです。就活サイトには大手企業から中小企業、ベンチャー企業まで幅広い求人情報が掲載されているため、自分では探しきれない企業に出会えるチャンスがあります。
検索機能を使えば業界や職種、勤務地などの条件で絞り込めるので、希望に近い企業を見つけやすいのも特徴です。
また、就活サイトによっては企業からオファーをもらえるスカウト型のサービスもあります。自分で就活を進めながら受動的に企業の情報を得られるため、より効率的に就活を進められるでしょう。
ハローワークを利用する
ハローワークを利用することも、既卒の就活におすすめの方法です。
ハローワークは地域密着型の中小企業に関する情報も掲載されているため、就活サイトには掲載されていない企業と出会えるチャンスがあります
絞り込み検索ができるほか、窓口担当者が面接の日程調整などをサポートしてくれることもあります。ただし、利用者数が多いため、一人ひとりに対して手厚い支援が行われているわけではありません。また、求人の内容が必ずしも精査されているとは限らないため、企業研究はしっかりと行う必要があります。
ある程度自分で就活を進められる人や、地域に根差した企業への就職を目指している人に適した方法と言えるでしょう。
企業のホームページから応募する
志望する企業が明確な場合は、その企業のホームページから応募することも有効な手段です。企業によっては就活サイトなどを使わず、自社の採用ページだけで募集しているケースもあるため、チェックしておくと見落としを防げます。
ただし、人気企業の場合は応募が集中しやすく、内容を丁寧に見てもらえない可能性がある点には注意が必要です。
内定率を上げるためには、提出書類の質を高めるなど、他の応募者と差をつける工夫も必要です。
就活エージェントを利用する
就活エージェントを利用すれば、求人紹介だけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、幅広いサポートを受けられます。就活の進め方が分からない人や、何から始めれば良いか迷っている既卒の人にとって、心強い味方となるでしょう。
自分の状況をアドバイザーに伝えることで、既卒という立場を踏まえたうえでの選考対策を提案してもらえるのも大きなメリットです。
マンツーマンでサポートを受けながら就活を進められるため、効率良く内定を目指したい人は利用してみましょう。
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厳しいとされる既卒が就活で狙いやすい業界
厳しいとされる既卒が就活で狙いやすいのは、以下の業界です。
- IT業界
- 建設業界
- 飲食業界
- 福祉業界
- 運送業界
- 小売業界
- サービス業界
上記の業界は、人材不足に悩んでいるという共通点があります。若手人材を求めており、かつ人材不足に悩んでいる企業は、新卒や既卒、第二新卒の区別にそれほどこだわりがありません。
そのため、他の業界と比べると競争倍率が低く、かつ内定も得やすい可能性があります。自分の就活の軸に当てはまるなら、チャレンジしてみる価値があるでしょう。
厳しいとされる既卒が就活で狙いやすい職種
厳しいとされる既卒が就活で狙いやすいのは、以下の職種です。
- 営業職
- 介護職
- 販売職
- 接客職
- 製造職
上記の職業にも、人手が不足しがちであるという共通点があります。
さらに未経験で応募ができることが多く、それほど高度な専門スキルも求められません。そのため、なかなか選考が進まず悩んでいる人は、選択肢の一つとして検討してみるのも一つの方法です。
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既卒の就活でよくある質問
ここでは、既卒の就活でよくある下記の質問について解説します。
- 既卒でも大手企業を狙える?
- 就活はいつまで続ければ良い?
- 履歴書にアルバイト経験を記載した方が良い?
既卒でも大手企業を狙える?
既卒でも大手企業への就職を狙うことは可能です。
大手企業は採用人数が多く、教育体制も整っているため、既卒でも採用される可能性は十分あります。また、大手企業は国の方針に対する取り組みが活発なため、若者の就職機会を広げるための政府方針である「青少年雇用機会確保指針」に積極的に取り組んでいる企業が多いのも特徴です。
そのため、「既卒だから大手企業に就職なんて無理だ」と諦める必要はありません。とは言え、新卒の方が有利な企業は多いため、新卒以上に選考対策をしっかりと行う必要があるでしょう。
大手企業への就職を狙っている方は、「大手企業へ就職するには?具体的な方法から有利になるポイントまで詳しく解説」の記事も参考にしてみましょう。
就活はいつまで続ければ良い?
既卒の就活は、自分が納得できるまで続けると良いでしょう。実際に、2024年度に内定を獲得した既卒者のうち、約20%の人が就活を続けると回答しています(※)。
とは言え、いつ終えるかはある程度決めておくことが大切です。企業から内定を受けても「もっと良い企業に出会えるのではないか」と感じてしまい、就活を終えるタイミングがわからなくなってしまう可能性があります。
事前に希望条件などの目標を立てておき、目標を達成できたら就活を終えるのが良いでしょう。
就活をいつまで続けるかの目安については、「就活はいつまで続ける?いつ終わる?就活時期を長引かせないための対策も紹介」の記事も参考にしてみましょう。
※出典:株式会社マイナビ「2024年度 マイナビ既卒の就職活動に関する調査」(2024年11月26日時点)
履歴書にアルバイト経験を記載した方が良い?
アルバイト経験は、履歴書に記載しないのが一般的です。ただし、記載してはならないというわけではありません。アルバイトで培ったスキルや経験が選考を受ける企業で活かせるのであれば記載しても問題ないでしょう。
既卒の就職は無理ではない!やや厳しい現実を受け止め就活で挽回しよう
この記事では、厳しいとされる既卒就活の実態やその背景、既卒が企業に伝えるべきこと、挽回策としてやるべきことなどを紹介しました。
既卒の内定率は新卒と比べると低い傾向にあることは事実です。しかし、既卒が応募できる企業も増えており、内定をもらえる可能性は十分あります。
企業は既卒に対し、「就業意欲が低いのではないか」といった懸念を抱きやすいです。しかし、逆に言えば懸念を払しょくできるだけの熱意や成長可能性を伝えられれば、新卒や第二新卒を超える評価を得られるでしょう。
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