新卒入社から10年後の離職率は何割?辞めたくなる理由や対処法も解説

新卒入社から10年後の離職率は何割?辞めたくなる理由や対処法も解説

「ひとつの企業でできるだけ長く勤めたい」これは就活生の多くが望むことです。しかし、3年以内の離職率が高いという話は多くの人が聞いたことがあるでしょう。そんな中で、10年以上勤務し続ける人はどのくらいいるのでしょうか。

この記事では、新卒入社から10年後の離職率について解説します。また、新卒入社から10年経ったときの立ち位置や辞めたいと思う理由、対処法についても紹介するので就活生は参考にしてみてください。

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新卒入社から10年後の離職率は?

新卒入社から10年後の離職率は?

三菱東京UFJリサーチ&コンサルティングの「労働者アンケート調査結果」によると、現在の会社で10年以上勤めている人は約10%(11.3%)と少ない傾向にあります。

勤続年数と在籍率のデータについては以下の通りです。

勤続年数

在籍率

1年未満

14.4%

1年以上3年未満

25.4%

3年以上5年未満

21.1%

5年以上10年未満

27.9%

10年以上15年未満

9.9%

15年以上

1.4%

最も多いのは5年以上10年未満で、3割近い社員がこのタイミングで離職する計算となっています。次いで3年以上5年未満のタイミングで辞める社員が約2割と、約半数が3年以上10年未満のタイミングで離職しているという結果です。

また、15年以上継続して同じ会社に勤めている割合はわずか1.4%と、長く勤めるのがどれだけ難しいのか如実に表れています。

新卒入社から10年後はどんな時期?離職率との関連は?

新卒入社から10年後はどんな時期?離職率との関連は?

新卒入社から10年後は、浪人・留年なしの大卒入社なら32歳、大学院卒なら34歳です。新人気分も完全に抜け切り、責任感をもって取り組んでいる人が多いでしょう。新卒10年後は会社にとってどんなポジションにあたるのか、離職率との関連も含めて解説します。

  • 会社にとって大事な戦力となる
  • 若手でもベテランでもない中堅社員の立ち位置
  • 後輩の育成を任せられる
  • 管理者候補に名前が挙がる
  • ライフスタイルの変化が生じる

会社にとって大事な戦力となる

就職して10年後は現場で力を発揮できる時期です。プロジェクトのリーダーに抜擢される人も珍しくありません。会社を動かす中心的存在として生産性の高さを求められています。

この時期は仕事にやりがいを見出す時期でもあるため、仕事に夢中になっている人は退職を考えることはまずないでしょう。その一方で「10年も続けているとさすがに飽きる」と仕事への興味を失ってしまうと離職につながりやすいです。

若手でもベテランでもない中堅社員の立ち位置

新卒入社10年はベテランから見れば若手であり、反対に若手から見ればベテランの位置にあります。良く言えば、都合に合わせてどちらの立場にもなれるということです。

その一方で、中途半端な位置関係から社内での振る舞い方が分からず、若手とベテランの板挟みになることも少なくありません。

中には「まだ若手だから」と謙遜しつつ、責任あるポジションを避けてしまう人もいます。ただし、中堅社員は一番安定しているポジションという見方もあり、中堅で満足している人は安定を求めて離職しない傾向が高めです。

後輩の育成を任せられる

後輩の育成は入社5年以上の中堅社員に任されることが多いため、10年目になるとほとんどの人が教育に携わっています。

とは言え、マニュアル通りに教えるだけが後輩教育ではありません。後輩がミスをしたときは話を聞き「どうしてミスをしたのか」「次はどうすればミスを防げるのか」と、後輩の感情や意思を読み取るスキルも必要になってきます。

後輩を自分の後継者と考えている場合、後輩が育ったのを見届けてから離職を考える人もいるでしょう。

管理職候補に名前が挙がる

課長補佐や係長として肩書きが付く人も少なくありません。このような人は、いずれは課長への昇進も期待されている人たちです。昇進がほぼ約束された状態がモチベーションにつながる人も多いでしょう。

一方で、昇進すると業務内容が増えるだけではなく、責任ある立場というプレッシャーに耐え切れないと離職を考える人もいます。

ライフスタイルの変化が生じる

入社10年も経つと結婚や離婚、出産など私生活にも変化が訪れます。ライフスタイルの変化が離職へのきっかけになることも十分に考えられます。

例えば結婚や出産を機に、もっと条件の良い企業に転職を考える人がいるかもしれません。また、親の介護や自分の離婚などで実家に帰ることになると、物理的な距離から離職を選択する人もいます。

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新卒入社から10年後に辞めたくなる理由

新卒入社から10年後に辞めたくなる理由

新卒で就職して10年も経つと、何らかの理由やきっかけで離職を考える人も増えてきます。その一方で「せっかく慣れてきたのに辞めたいと思うのは良くないことなのか」と悩む人もいます。

しかし、新卒で10年も働いていれば自分の将来を真剣に考えるようになるのは自然なことです。そんな中で10年も在籍していて辞めたくなる理由は人によって異なります。

以下では、新卒が10年後に離職を考えるようになった理由を解説します。

  • ミスが多い
  • やりがいを感じない
  • プレッシャーに耐え切れない
  • 人間関係で悩みがある
  • 自分のキャリアに不安がある
  • もっと条件の良い企業で働きたい

ミスが多い

10年経ってもミスが多く、会社に迷惑をかけていると感じた場合、離職を考える人がいます。10年も在籍していれば当然ながら後輩が増え、その環境下で怒られることに精神的な疲労を感じてしまうためです。

ただし、10年在籍していてミスが多いのは、会社の評価基準が異なっているのかもしれません。任務の遂行のみを重視している社風で、改善に向けて何かと提案してしまう人は社内から疎んじられてしまいます。

それを「いつまで経ってもミスが多い」と考えてしまい、離職に向けて動く人も出始めます。

やりがいを感じない

10年経ってもやりがいを感じられないと、今の仕事を辞めたくなってしまいます。例えば、与えられた仕事に責任をもてない人、頑張ろうという意欲が湧いてこない人に当てはまるでしょう。

中でもルーティンワークが多い仕事だと、なかなかやりがいを見い出せないことが多いです。変化のない日々に飽きてしまい、仕事に集中できず大きなミスを引き起こす恐れがあります。

また、昇進していく同期を見るに耐えかねて離職を選ぶケースも少なくありません。自分の無能さを突きつけられているようで苦しくなり、やりがいとはかけ離れた世界で離職を本格的に考えるようになります。

プレッシャーに耐え切れない

将来へのプレッシャーに耐え切れないのも理由のひとつです。近年では上昇志向より安定志向を重視する就活生が多い傾向にあります。期待されるのは嬉しいと感じる反面、管理職への昇格を打診されてしまうと、プレッシャーに耐え切れなくなってしまいます。

とは言え、管理職への打診は前向きに評価してくれている証です。決して退職に追い込もうとプレッシャーを与えているわけではありません。離職を考えるよりも、「自分には思い描いているキャリアプランがある」と相談するのも良いでしょう。

人間関係で悩みがある

在籍年数に限らず、離職する理由の多くが人間関係の悩みです。上司や同僚と合わないと離職を考える傾向が高くなります。

新卒して間もない期間なら上司から叱責されても「自分が未熟なのが悪い」と思えるでしょう。一方で10年在籍していれば築き上げてきたプライドがあります。そんなプライドから「こんな会社だったら辞めた方がマシ」と離職を選択肢に入れ始めます。

また、合わない上司の元で10年働いていた場合、我慢の限界を迎えたときに離職を本格的に考えるようです。

自分のキャリアに不安がある

「このままで良いのだろうか」と考えたとき、社風や待遇面で魅力的な企業があると気持ちが離職へと揺らいでしまいます。「こっちの会社にいた方が自分のスキルを活かせるかもしれない」と考えてしまうのでしょう。

周りの先輩を見て「あんな風になりたくない」と感じる人ほど、自分の冴えない未来が想像できてしまい離職を意識し始めます。

もっと条件の良い企業で働きたい

10年経っても待遇がさほど変わらないと、離職を考え出す人が多くなります。例えば、昇給があっても少ない、不景気でボーナスをカットされたなど、収入面の満足度は離職率に大きく関わっているでしょう。

収入は独身の実家暮らしであれば妥協できるかもしれません。しかし、一人暮らしの人や結婚・出産など、ライフイベントの変化が控えている場合は離職を意識する傾向が高いです。

もちろん収入面だけではありません。休日出勤や残業が多いなど、待遇に難がある場合も条件が良い企業への転職を考えるきっかけになり得ます。

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新卒入社から10年後に辞めたくなった場合の対処法

新卒入社から10年後に辞めたくなった場合の対処法

転職する人が多くなった現代でも、嫌なことがあったら何でも転職に結びつけるのはあまり好ましくありません。

離職すべきかどうか迷ったら、まずは自分でできることをやることが重要です。それでも気持ちが揺らがなければ、離職に向けて準備を始めてみると良いでしょう。

以下では、新卒入社から10年後に辞めたくなった場合の対処法を解説します。

  • 解決策を考える
  • 職場の長所を洗いだす
  • キャリアビジョンを明確にする必要はないと割り切る

解決策を考える

まずは辞めたい原因が離職しないと解決できない問題なのか考えます。

例えば「やりがいがない」「プレッシャーに耐え切れない」などが原因であれば、離職後の新しい職場で同じことで悩むかもしれません。そうなったときに離職がベストな解決策とはならないでしょう。

また、人間関係に関する悩みも辞めたら解決できそうなものですが、どこの職場にも自分と合わない人はいます。そうなれば辞めたところであまり意味はないかもしれません。

やりがいがないと感じる場合は、他の部署へ移動ができないか打診してみましょう。プレッシャーに耐え切れない場合は休暇を取ってリフレッシュするのがおすすめです。人間関係もチームの再編成ができないかを相談してみると、離職せずとも今の仕事を続けられます。

職場の長所を洗いだす

辞めたい気持ちが大きすぎると、職場の長所が見えなくなってしまいます。それを洗い出して、本当に離職すべきか考え直してみましょう。

新卒から10年在籍していたということは、自分にとってそれなりのメリットがあるということです。職場の長所と辞めたい理由を天秤にかけてみると、本当に離職して良いか見極められます。

キャリアビジョンを明確にする必要はないと割り切る

キャリアビジョンを明確にする必要はないと割り切るのもひとつの手段です。10年も在籍しておきながら、これといったキャリアビジョンがないことがコンプレックスに感じるかもしれません。

確かにキャリアビジョンが明確になっていた方がモチベーションも上がり、仕事も充実する可能性はあります。しかし、キャリアビジョンがないのは自分の問題であって、周りがとやかく言う資格などありません。

「家族のため」「趣味の旅行のため」と、働く理由がひとつでもあれば十分続けていけます。

新卒入社後に10年以上働き続けられる企業を見つけるポイント

新卒入社後に10年以上働き続けられる企業を見つけるポイント

就活生として望むのは、できるだけ長く続けられる企業で頑張ることです。たしかに、就活の段階でそれを見極めるのは至難の業ですが、就活の段階で長く続けられる企業を見つけるポイントはいくつかあります。

以下では、入社後に長く働ける企業探しのポイントを解説します。

  • 自分が譲れない条件を決めておく
  • キャリアアップの道を確認しておく
  • 自分に合った社風の企業を選ぶ

自分が譲れない条件を決めておく

まずは自分が譲れない条件を決めておくことです。就職する上で自分が譲れない条件を決めておくことで、入社後に不満が溜まりづらくなります。

重視すべきポイントは人によってさまざまですが、以下のような点を譲れない条件に定めておくと良いでしょう。

  • 給料体系
  • 人間関係
  • 福利厚生
  • 家からの距離
  • 在宅勤務の有無
  • 有給の取りやすさ

多少不満があっても「自分の望む条件はクリアしているから」と、10年以内での退職を思い留まらせ、長く続けることができます。

キャリアアップの道を確認しておく

キャリアアップの道を確認しておくことで、長年勤めた後に納得できる給料がもらえる可能性が上がります。反対にキャリアアップの道筋が途絶えてしまうと、将来的に働く目的がなくなってしまいます。

例えば、「5年勤務後に一定の能力があると昇進」のような具体的な昇進事例があると、自分のモチベーションに繋がるでしょう。逆に言えば、5年勤務後に一定の能力があるにも関わらず昇進や昇給がなければ、見切りを付けやすくなります。

自分に合った社風の企業を選ぶ

長期間勤めるためには、自分に合った社風であるかも大切です。自分にとって会社が苦痛な空間になってしまうと、長期間勤めることは簡単なものではありません。

そのため、就活の段階でやりがいのある仕事や心地の良い職場であることを見極める必要があります。

「この企業の社風が分からない」という場合は、就活エージェントなどに相談するのもひとつの方法です。自分一人で解決できない場合は、就活エージェントに在籍しているプロを頼ってみましょう。

新卒10年後の離職率は高い!就職する企業は慎重に判断しよう

新卒10年後の離職率は高い!就職する企業は慎重に判断しよう

新卒で入社して10年同じ企業で勤められるのは、そう簡単にできることではありません。実際に新卒の3年以内の離職率は30%以上と、3人に1人が離職を決意しています。

10年も経てば新卒の頃とは違い、責任のあるポジションを任されることもあるでしょう。後輩の育成に携わったり、役職候補として名前が挙がったりとさまざまです。

就活中の方にとって、10年後のビジョンと言われても想像しにくいと思いますが、10年以内の離職率は高いため企業選びは慎重に行う必要があります。

「P-CHAN就活エージェント」では、早期離職に繋がりにくくするために細かい企業情報を提供しています。人事には聞きにくい疑問や不安について快く対応しているため、気軽に相談してみると良いでしょう。

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この記事の監修者

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