TOEICは就活において本当に意味ない?理由と意味があるケースも解説
目次
就活を有利に進めるためにTOEICを受験しようと考えている人もいるでしょう。しかし「TOEICは就活において意味がない」と聞いて悩んでいませんか。
実際、就活におけるTOEICの価値は、自分が希望する業界や取得した点数によって大きく異なります。
この記事では、TOEICが就活において意味ないと言われやすい理由や、役立たない事例を紹介します。また、意味がある場合も紹介しているので、就活にTOEICを役に立てたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
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TOEICは就活において意味ない?
結論から言うと、TOEICが就活に必要かどうかは希望する業種や業界によって異なります。企業や業界における英語の必要性、取得した点数によって大きく評価が変わるからです。
確かにTOEICが有利になるケースはあります。しかし、有利に働くのは企業や業界が求める点数に達している場合のみです。
「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション」の調査によると、「TOEIC Program」を利用している企業や団体は、社員に対して平均で500~600点を求めています。以下は、TOEICの点数から判断できる英語レベルと、その英語レベルが求められる職種例です。
点数 | 英語のレベル | 職種例 |
500~600点以上 |
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730点以上 |
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860点以上 |
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900点以上 |
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企業によって求められる英語レベルが変わるため、あなたが就きたい職種ではどれくらいの点数が必要なのか、そもそも英語が必要なのかを把握しておきましょう。
TOEICが就活で有利になるか興味がある人は、「就活でTOEICは何点から有利になる?取得すべき点数や間に合わない場合の対策も紹介」も読んでみてください。
TOEICが就活で意味がないと言われやすい理由
TOEICは就活で有利に働くこともありますが、意味がないケースも意外と多いです。ここでは、なぜTOEICが就活で意味がないと言われるのか、下記4つの理由を説明します。
- 良い点数でも英語を話せるわけではないから
- テクニック次第で良い点数が取れるから
- 全ての企業で英語が必要ではないから
- スキルよりも人柄を重視している企業もあるから
良い点数でも英語を話せるわけではないから
1つ目の理由は、仮に良い点数でも英語を話せるわけではないからです。社員に対して英語力を求める企業の多くは、実際に英語で会話ができるかどうかに重きを置いています。
TOEICは、リスニング(聞く)とリーディング(読む)の能力を評価するテストであり、スピーキング(話す)やライティング(書く)の能力は評価の範囲外です。そのため、ビジネスシーンで求められる英会話能力は、TOEICの得点だけでは判断ができません。
実践的な英会話が必要な業種では、TOEICでの高得点より英会話スキルが重要であるため、TOEICは意味がないと言われるケースがあります。
テクニック次第で良い点数が取れるから
2つ目の理由は、TOEICはテクニック次第で良い点数が取れるからです。
TOEICは英語力だけでなく、設問のパターン分けや特定単語のみの読解など、小手先のテクニックでもある程度点数を伸ばせると言われています。採用担当者がテクニックの存在を認知していれば、「高得点は英語力に直結しない」と判断されてしまう可能性があります。
もちろん高得点であることに越したことはありませんが、採用担当者の考え方によっては英語力の証明に繋がらない点には注意しましょう。
全ての企業で英語が必要ではないから
3つ目の理由は、全ての企業で英語が必要ではないからです。英語を使わない企業では、TOEICの有無は実際の業務に影響がないので、評価されづらいです。
例えば、海外進出をしていない企業では英語の使用頻度が低く、他のスキルや経験が重視されます。そういった企業では面接や自己PRでTOEICをアピールしても、評価のポイントになる可能性は低いでしょう。
あなたが目指す業界や企業が英語を重視しているのかどうかを事前に調査し、場合によってはTOEICだけでなく他のスキルや経験をアピールすることが重要です。
スキルよりも人柄を重視している企業もあるから
最後の理由は、スキルよりも人柄や適応性を重視している企業があるからです。
TOEICは、あくまでスキル面の証明です。「スキルは入社してから身に付ければ良い」という考えのもと、スキルではなく人間性やチームへの適応性を評価されるケースがあります。特にコミュニケーション能力はどのような業種でも評価対象になるため、スキルよりも大切な要素です。
実際に企業に勤めると、職場の雰囲気に合わせられるか、周囲と協力して円滑に仕事を進められるかが重要です。もちろんスキルは大切ですが、第一優先になるとは限らない点には注意しましょう。
TOEICが就活で役に立たないケース
ここでは、TOEICが就活で役に立たないケースを具体的に紹介します。
- 企業が求める点数よりも自身の取得点数が低い
- 他の応募者もTOEICで高い点数を持っている
- 希望の業界で英語を使うシーンがほとんどない
企業が求める点数よりも自身の取得点数が低い
企業が求める点数を満たせていないと、就活では有利に働きにくいです。
「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション」によれば、企業が社員に期待するTOEICの点数は平均500〜600点台です。つまり400点台では、むしろ英語力が低いと評価されてしまうかもしれません。
また、500〜600点台はあくまで全体平均であるため、日常業務で英語を使う企業では700点台以上が求められる可能性もあります。
英語を使う業界を目指す人は、希望する企業や業界が求めるTOEICの点数基準を調べておくと良いでしょう。
他の応募者もTOEICで高い点数を持っている
他の応募者がTOEICで高い点数を持っている場合は、差別化が難しいです。特に英語力を重視する企業では、他の応募者もTOEICを勉強していることが多く、500〜600点台では目立てない可能性があります。
英語力を重視する企業では、TOEICの点数がある程度高いのは当たり前と思い、勉強してきた過程や目標に向けてどういった行動をしたかをアピールしましょう。目標点数へ到達した努力から入社後への意気込みを伝えれば、評価されやすいです。
希望の業界で英語を使うシーンがほとんどない
希望する業界で英語を使うシーンがほとんどなければ、TOEICは役に立ちません。例えば、以下の業界は英語が求められないことが多いとされています。
- 建設業界
- 銀行
- 電力やガス、鉄道のインフラ業界
- 海外展開していないメーカーや金融
英語を使わない業界では、英語よりも他のスキルや能力が重視されるでしょう。
就活でTOEICが評価されるケース
一方で、就活でTOEICが評価されるケースもあります。ここでは評価されやすいケースについて紹介します。
- 応募先の企業が英語力を重視している
- TOEICの勉強に力を入れた背景を自己アピールに絡められる
応募先の企業が英語力を重視している
企業が英語力を重視している場合は、TOEICが評価されやすいです。グローバル化が進む現代は、英語力を求める企業が増えています。特に外資系企業や国際的なビジネス企業では、高い点数を持つ応募者は評価されやすいです。
ただし、そういった企業のほとんどは実際の英会話力を評価しています。TOEICの点数だけでなく、実際に英会話が得意というアピールも求められるでしょう。
TOEICの勉強に力を入れた背景を自己アピールに絡められる
仮に英語力が求められない企業だったとしても、TOEICの勉強に力を入れた経験を自己アピールに上手く組み込めば、企業に対して良い印象を与えられる可能性があります。なぜなら、応募者が自発的に学習する姿勢を持ち、目的意識を持って行動できると判断されるからです。
例えば、以下のように自己アピールに組み込みましょう。
大学2〜3年生の頃、私はまだ将来携わりたい仕事を決められずにいました。しかし、今の時代、英語はどのような業界に就職するにせよ求められると思い、TOEICの勉強を始めました。 初めて受験したときは500点台と、悔しい思いをしたことを今も覚えています。大学生活と並行して勉強を重ねることで、1年後には1つの目標である700点を達成できました。 御社で英語を使う機会は少ないかもしれませんが、TOEICの勉強の過程で培った自己管理能力や計画性、そして何より挑戦を続ける精神を活かして、チームに貢献できると考えています。 |
TOEICの点数だけでなく、勉強の過程や目標に向かってきた姿勢を伝えると、企業からの評価に繋がりやすいでしょう。
就活に向けてTOEICの勉強をしておいた方が良い人の特徴
就活におけるTOEICは、必要な人とそうでない人が明確に分かれています。ここでは、就活に向けてどのような人がTOEICの勉強をした方が良いか、下記2つの特徴を説明します。
- 海外進出している企業を目指している
- 目指している企業がTOEICを応募条件にしている
海外進出している企業を目指している
海外進出している企業を目指している人は、TOEICの勉強をしておきましょう。仕事上で英語を使用する可能性があるため、TOEICの点数が評価されやすいです。
他にも将来的に海外での仕事をしたい人や英語を使った仕事をしたい人は、TOEICを受けておいて損はありません。仮に最初に入る企業で評価されなかったとしても、将来的に必要な場面が出てくる可能性が高いです。
TOEICの勉強をするかどうかは、自分が英語を使う業務に関わりたいかどうかで判断するようにしましょう。
目指している企業がTOEICを応募条件にしている
目指している企業がTOEICを応募条件にしている場合は、勉強が必須です。特に英語を使った業務がメインになる企業は、応募者に一定レベル以上の英語力を求めていることが多いです。
このような企業では、応募前に基準となる点数以上を取得する必要があり、基準以下の点数では応募ができない場合もあります。
希望する企業がどの程度の英語レベルやTOEICの点数を求めているのかを事前に把握し勉強しておきましょう。
TOEICが就活以外で役に立つシーン
TOEICは、就活だけでなく入社後や大学院の進学後にも役立ちます。ここでは、TOEICが就活以外で役立つ具体的なシーンを紹介します。
転職
TOEICは、転職活動でも有利に働きます。英語力を重視する企業が応募者のもともとの英語力を評価する点は、新卒入社でも中途入社でも変わらないからです。さらに言うと、中途採用は将来性よりも能力が重視されるため、英語力は評価されやすい傾向にあります。
特に、海外進出している企業や商社は英語力が必須に近いです。将来のキャリアチェンジに備え、TOEICを勉強しておいても損はありません。
出世や昇給
「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会」の調査によると、約4割の企業が昇進や昇格の判断にてTOEICの点数を参考にしています。
もちろん英語力が評価されているケースもありますが、TOEICで高い点数を取ったという実績を評価されているケースもあります。そのため余裕がある人は、英語が必要かどうかに限らずに取っておくと良いでしょう。
大学院への進学
TOEICは、大学院への進学を目指すときにも役立ちます。大学院では、入試や入学後に英語力を問われることがあるからです。
学校によっては、TOEICの点数に応じて英語試験を免除しているケースがあります。免除の制度がなくても、TOEICの勉強がそのまま入試対策になる可能性もあるため、大学院進学を考えているのであればTOEICの勉強は無駄になりにくいです。
新卒採用でTOEICが重視されやすい業界
以下のような業界は、新卒採用においてTOEICの点数を重視する傾向にあります。
- 商社業界
- メーカー、マスコミ業界
- 物流業界
- 旅行業界
- 航空業界
- ホテル業界
- IT業界
- 金融業界
例えば商社業界は国際取引が業務に含まれており、英語のコミュニケーションが不可欠です。また、航空業界で国際線の運航に携わるパイロットや客室乗務員は、英語でのコミュニケーション場面が多いです。
上記のような業界を目指すのであれば、TOEICの勉強をしておくべきと言えます。
TOEICで高得点を狙うコツ
就活でTOEICが必要な人は、以下3つのコツを押さえて勉強しましょう。
- 単語を覚えておく
- 公式問題集を何度も解く
- 学習アプリを使う
TOEICの試験では、リーディングやリスニングの理解度を高めるためにも単語の勉強が必須です。また、出題傾向を把握するために、公式問題集の解き直しも必要になるでしょう。
学習アプリを使えば、通学や休憩の時間など、スキマ時間を利用して勉強を進められます。これらのコツを実践して、TOEICで高得点を目指しましょう。
TOEICを就活に役立てるなら早めの受験が必須
就活でTOEICを役立てるには、大学3年生の2月までには受験しなければなりません。なぜなら、テスト結果の公式認定証が届くまでに約1か月かかるからです。
そして、本格的に高い点数を目指すなら、より早い段階からの準備が必要です。大学3年生が始まったらすぐに勉強を始めても、早すぎることはないでしょう。
自分が目指したい企業に必要かどうかを確認しつつ、勉強の計画を立てることが重要です。
就活でTOEICが意味がないかどうかは人によって異なる!まずは自身の目的や希望を整理しよう
今回は、TOEICが就活において意味ないと言われる理由や役に立つケースを解説しました。
TOEICの勉強をしても意味がないかどうかは人によって異なり、あなたが目指す企業や業界によって変わります。仮に今回の就活には必要なくても、転職に役立ったり出世のきっかけになったりするケースも珍しくありません。
まずはあなたの目的や希望を整理して、必要に応じてTOEICの勉強を始めましょう。
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