大学院生の就活はいつから始まる?修士まで進んだ場合のスケジュールや両立のコツなどを紹介
目次
「大学院の同級生が入学してすぐに就活を始めたと聞いて焦っている」「2年間しかないのにどうやって就活を進めれば良いのかわからない」と不安を感じる人もいるでしょう。また、忙しい大学院での研究と就活の両立に悩む人もいるはずです。
大学院生は1年目から就活を始め、2年目で内定を受けるのが一般的です。
この記事では、実際の就活データをもとに、大学院生の就活スケジュールや受けた企業数などを紹介します。さらに、大学院での研究と就活を両立させるポイントについても解説するので、大学院での就活を検討している人は参考にしてみてください。
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大学院生の就活は遅くとも修士1年生の3月から始めるべき
大学院生の就活は、遅くとも修士1年生の3月から始めるべきです。
厚生労働省が発表している「就職・採用活動の要請」では、広報活動開始は修士1年生の3月以降となっています。しかし、3月に情報が公開されてから就活を始めると、自己分析や企業研究など準備期間が足りなくなってしまう可能性が高いです。
そのため、納得のいく就活をしたいなら、スケジュールに余裕をもって就活準備をすることが大切です。
ここでは、実際に大学院生が就活をする場合に、準備不足にならないためのスケジュールを紹介します。
時期 | やること |
修士1年4月 | 自己分析や情報収集などの準備を開始 |
修士1年7月 | インターンシップへの参加 |
修士1年3月 | エントリーシートの提出 個別説明会や合同説明会に参加 |
修士2年6月 | 選考への参加 |
修士2年10月 | 正式内定や内定式への参加 |
それぞれ確認していきましょう。
修士1年4月から自己分析や情報収集を開始する
修士1年生の春(4〜6月頃)は、就活の準備段階である自己分析や企業研究などを行いましょう。
可能であれば、夏のインターンシップへ参加する前に、自己分析を完了しておきたいところです。なぜなら、インターンシップの応募時にも志望動機や自己PRを記載する必要があるからです。早めに自己分析を終えておけば、応募時書類の準備に余裕が持てます。
中には、「新生活が始まったばかりで就活まで意識できない」と思う人もいるかもしれません。しかし、大学院生活は2年間と短いため、後々焦ることのないよう、早めに就活をスタートさせるのが賢明です。
修士1年7月からインターンシップへ参加する
修士1年生の7月頃には各企業で夏季インターンが開催されるので、興味がある企業があれば積極的に参加しましょう。
内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」によると、インターンシップに参加する時期で最も多いのは「修士1年生の7~9月」で、全体の約6割を占めています。
また参加日数は「5~10日」が最多となっており、その期間インターンシップに参加するには、大学院の研究とのスケジュール調整が必要です。希望する企業のインターンシップ日程を事前に確認してから、スケジュールを組みましょう。
なお、インターンシップへの参加は選考において重要になる可能性もあります。政府の「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」によると、2024年度以降の卒業生は、インターンシップの参加経験が選考に影響を与える場合があると明記されています。
そのため、インターンシップには積極的に参加すると良いでしょう。
修士1年3月からESの提出や説明会への参加をする
修士1年生の3月からは、希望する企業へESを提出したり、説明会に参加したりしましょう。厚生労働省発表の要請では、修士1年生の3月1日から就活の情報が公開されます。そのため、3月からESの提出や説明会への参加を始めるのが理想です。
また、内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」によると、ES提出のピークは修士1年生3月が最も多く36.9%でした。一方、最初のES提出は修士1年生6月以前が18.7%と最も高いことから、早い時期から提出を始めている人も多いことが分かります。
希望する企業が、どんなスケジュールでESの受付けをしているのかよく確認し、漏れがないように注意しましょう。
修士2年6月から選考に参加する
厚生労働省発表の要請によれば、修士2年生6月から採用選考活動が開始されます。そのため、6月からが本格的な就活のスタートになるでしょう。
ただし、内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」によると、最初に内々定を受けた時期で最も多かったのは「修士2年生の4月」で、全体の19.8%でした。
6月から本格的にスタートが始まるとは言え、実態としては6月より前に内々定を出す企業も存在しています。そのため、スケジュールに余裕がある人は、6月より前に選考を開始する企業にも目を向けましょう。
なお就職みらい研究所の「就職白書2024」によれば、最初の内々定後も就職活動を続けた学生は約68%にのぼります。仮に本命でないとしても、内定をもらうことで気持ちに余裕ができるので、可能であれば6月以前に一度は内定をもらえるのが理想です。
修士2年10月に正式内定が出る
正式な内定が出るのは、修士2年生の10月1日以降です。正式内定と同時期に内定式を開催する企業が多く、社長や役員が同席して内定通知を学生に渡します。内定式では、内定者同士や先輩社員と交流する機会があり、入社への不安を和らげることができるでしょう。
また企業によっては、内定式が11月以降となる場合もあるので、内々定を受けたらスケジュールを確認しておくと安心です。
大学院の学業と就活を両立させるコツ
大学院生は、学業と就活を両立しなくてはなりません。研究や学会への参加などもあり、就活との両立が難しいと思う人もいるかもしれませんが、以下の4つのコツを意識することで十分両立可能です。
- 教授に就活を進めたいと相談する
- 応募企業の優先順位を決める
- できるだけ早く就活をスタートする
- 就活エージェントを活用する
ここでは、学業と就活を両立するためのコツを解説します。
教授に就活を進めたいと相談する
就活を疎かにしないために、研究室の教授や指導教官に、就活への理解をお願いしましょう。例えば、6月は就活に集中したいので何日か研究を休ませてほしいなど、具体的な日程を伝えたうえで相談することが大切です。
しかし、中には就活にあまり理解がない教授もいます。その場合は、一緒にスケジュールを組んでもらえないか相談し、落としどころを見つけるのもひとつの方法です。
それでも理解してもらえないようであれば、現状を就職課に相談しアドバイスをもらいましょう。
応募企業の優先順位を決める
スケジュールが厳しいにもかかわらず気になる企業全てに応募するのは、時間と労力がかかりすぎてしまいます。そのため、スケジュール的に厳しい場合は、企業を絞ることも大切です。
また、応募する前に優先順位を決めておけば、余裕を持って就活を進められます。事前に優先順位を決めたうえで、説明会への参加や企業へのエントリーをしましょう。
できるだけ早く就活をスタートする
早めに就活をスタートさせ、大学院の研究などと就活のピーク時期が重ならないように工夫することも大切です。
内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」によれば、42.6%の学生が修士1年生の6月までに最初の説明会に参加し、就活をスタートさせています。
大学院生活の後半は、学会への参加や修士論文の作成などがあるため忙しくなります。そのため、できるだけ早い段階で就活を始めるのがベストです。
またスケジュールに余裕を持たせることで、自己分析や企業研究の内容も濃くなり、より内定取得の確率を高められるでしょう。
就活エージェントを活用する
忙しい大学院生活との両立方法を見つけるために、就活エージェントを利用するのもひとつの方法です。就活エージェントでは、専門のキャリアアドバイザーが就職活動に関するあらゆる不安や疑問に、丁寧に対応してくれます。
大学院との両立に困っている人は、スケジュール管理の方法や優先順位の付け方など、効率的な両立のヒントが得られるでしょう。
ほかにも、応募書類の添削や面接対策など、就活のプロとしてのノウハウを活かしたアドバイスも受けられます。非公開求人も扱っているため、就活エージェントを上手に活用すれば、限られた時間の中で効果的な就職活動ができるでしょう。
就活エージェントの活用を考えている人には、P-CHAN就活エージェントがおすすめです。就活のプロによる企業紹介や就活サポートで、効率良く就活を進められます。
大学院生が就活で有利と言われる理由
大学院生が就活に有利だと言われる理由は2つあります。
- 専門性が必要な職種に応募しやすいため
- 大学院の推薦を受けられる場合があるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門性が必要な職種に応募しやすいため
大学院生は専門性やスキルの高さから、大学院卒限定の研究職にも応募できます。応募できる企業の絶対数が増えるため、その点で有利になるでしょう。
特に研究職や高度なスキルを必要とする職種では、大学院を卒業した専門性の高い人材を求める傾向にあります。大学生では期待に応えられないような能力でも、大学院生であれば応えられる可能性が高いからです。
応募できる企業の幅が広がれば、適性や希望にあった企業を見つけやすくなるでしょう。
学校からの推薦を受けられる場合があるため
大学院生は、学校や教授からの推薦制度を利用できる可能性もあります。学校推薦や教授推薦と呼ばれる制度で、学校や教授と繋がりがある企業へと学生を推薦します。通常応募よりも高い確率で内定を獲得可能です。
内定をもらいやすい推薦ですが、内定したら断れないというデメリットもあります。また、確実に内定がもらえるというわけでもないので、その点は注意が必要です。
場合によっては、そもそも学校推薦や教授推薦がない可能性もあるので、事前にチェックしておきましょう。
大学院生の就活で失敗しやすい人の特徴
ここでは、就活で失敗しやすい大学院生の特徴を紹介します。
- 就活に対して甘い考えを持っている
- 就活のスタートが遅い
- こだわりが強すぎる
- 自己分析や企業研究がおろそかになっている
それぞれ見ていきましょう。
就活に対して甘い考えを持っている
適当に就活をしても内定がもらえるなど、就活に対して甘い考えや慢心があると、就活で失敗しやすくなります。
「人手不足だから採用されるだろう」「大学院で専門分野を学んできたから大丈夫」などと考えながら就活をしてしまうと、同じ分野で学んできたライバルと比べられたときに効果的なアピールができません。
自信を持つことは大切ですが慢心はせず、就活のスケジュールを早めに立てて、自己分析や企業研究などを疎かにしないよう注意しましょう。
特に人気の企業や大手企業は大学院生同士の競争率も激しいです。甘い考えを持っていると躊躇なく落とされてしまうので、入念に準備することを心がけましょう。
就活のスタートが遅い
当然と言えば当然ですが、就活のスタートが遅れれば遅れるほど、失敗する可能性は高くなります。本記事でも紹介しましたが、自己分析や企業研究などの就活の準備は、修士1年生の4月から始めるのがベストです。
環境が変わったばかりで新生活に慣れず、就活まで手が回らない人もいるかもしれません。しかし、就活のスタートのタイミングで内定が取れるかどうか決まってしまう可能性もあるので、できるだけ早いタイミングで就活を始めるようにしましょう。
こだわりが強すぎる
志望する業界や職種へのこだわりが強すぎると、視野が狭くなって就活に失敗しやすくなります。
やりたいことがはっきりと決まっているのは、もちろん素晴らしいことです。しかし、特定の業界や職種にこだわるあまり志望企業を狭めすぎると、かえってチャンスを逃してしまう可能性があります。
自分の専門性を活かせる会社は幅広く存在するので、少し視野を広げて就活してみると上手くいきやすくなるでしょう。
自己分析や企業研究が疎かになっている
自己分析や企業研究を疎かにすると、本当に働きたい企業がどこなのかが分からなくなってしまいます。その結果、志望動機の内容が薄くなり、内定をもらいづらくなる可能性が高いです。
また、自己分析や企業研究を疎かにすると、仮に内定をもらって入社しても、ミスマッチになってしまうこともあります。企業の実態を正しく把握できていないので、就職先の業務内容や労働環境と自身との相性が合わず、早期退職の原因になります。
内定をもらうためだけでなく、将来のことを考えても、自己分析や企業研究を疎かにしないよう注意しましょう。
大学院生の就活は何社受ける?
内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」によれば、大学院生が就活で受けている企業の数は以下の通りです。
- 1~4社:42.9%
- 5~9社:34.1%
- 10~19社:16.3%
なお、大学院生の企業へのプレエントリー数は、平均16.4社となっています。大学生の18.7社とあまり変わらず、大学院生も多くの企業にプレエントリーをしていることが分かります。
大学院卒の平均年収は?
厚生労働省発表の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、大学院卒の初任給の平均額は月額276,000円です。これを12か月分とすると年収は3,312,000円で、ボーナスが加算されれば年収はより高くなるでしょう。
また同調査によれば、大学院卒はほかの卒業区分と比べると60~64歳時点での月収が高く、大卒との差は260,200円にもなります。生涯年収で見たときも、ほかの卒業区分よりも金額が高くなりやすいと考えられます。
大学院生の就活は計画的かつ早めに進めよう
大学院生の就活は、修士1年生の4月から自己分析や情報収集などを始めるのがベストです。
大学院生は研究や学会などで忙しい時期も多く、学業と並行して就活も進めることが難しい場合もあります。周りに遅れを取らないように、計画的に進めることを意識しましょう。
なお、大学院での研究と就活の両立が不安な人には、「P-CHAN就活エージェント」がおすすめです。専門のアドバイザーが大学院生の就活の進め方についてアドバイスをしてくれるので、不安を解消しながら就活を進められます。
大学院生で就活が不安な人は、ぜひ活用を検討してみましょう。