理系学生は就職で有利?実態や背景、学部ごとの違いも解説

理系学生は就職で有利?実態や背景、学部ごとの違いも解説

理系学生は「理系の方が文系より就職に有利って本当?」と今後の進路に悩んでいませんか?

大学で学んだ内容を実務に活かしやすい理系学生は、一般的に就職に有利だと言われています。しかし、同じ理系学生でも学部によって学んだ専攻分野は異なるため、今後の進路によって有利かどうか変わってくるはずです。

この記事では、有利とされる理系就職の実態やその背景について紹介するとともに、学部ごとの違いや就職を有利に進めるポイントなどについて解説していきます。

就職に有利とされる理系学生で今後の進路について悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

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就職内定率では理系学生が明らかに有利とは言えない

就職内定率では理系学生が明らかに有利とは言えない

株式会社リクルートの就職プロセス調査によると、就職内定率において理系学生と文系学生との間に明らかな差異は見られませんでした。

就職プロセス調査における2021年卒、2022年卒、2023年卒理系学生・文系学生の3月卒業時点の就職内定率は、以下の通りです。

3月時点における就職内定率

理系

文系

理系と文系の差

2021年卒

95.8%

96.2%

-0.4%

2022年卒

96.7%

96.3%

0.4%

2023年卒

98.7%

96.0%

2.7%

両者の就職内定率を見ると、2021年卒では文系学生の方が理系学生より0.4%高いものの、2022年卒では立場が逆転し、2023年卒では理系学生の方が2.7%高くなっています。

しかし、その差は数%程度に過ぎず、理系学生と文系学生との間に明らかな差は存在しないと言えます。

理系学生の就職活動についてより詳しく知りたい人は、「理系就職に人気の就職先まとめ!理系学部卒が就活でアピールできる強みも解説」の記事も合わせて読んでみて下さい。

理系学生の就職が有利と言われる背景

最終的な就職内定率にほぼ違いがないのにもかかわらず、理系学生の就職が有利と言われるのには、以下の背景が挙げられます。

  • 学校推薦や教授推薦が多い
  • 比較的早期に就職活動を終えられる
  • 理系しか応募できない求人がある
  • 比較的少ない応募数で内定を獲得できる
  • 第一志望に入社できる割合が高い
  • 文系職種にも応募できる

理系学生が就職に有利かどうかを判断するには、最終的な結果だけでなく、プロセスを見ることも大切です。順番に確認していきましょう。

学校推薦や教授推薦が多い

理系学生の就職が有利と言われる背景の一つに、理系学生は学校推薦や教授推薦が多いことが挙げられます。

学校推薦は、企業と学校間で築かれた信頼関係を土台に実施される制度です。学校推薦では、企業が求める学生を学校側である程度選抜して推薦状を添えて応募することが多く、希望する学生は学内選考を通過する必要があります。

一方で教授選考とは、企業とつながりのある教授が企業の求める学生を自身で選抜して推薦状を添えて応募する仕組みです。学校推薦も教授推薦も、産学共同研究など企業活動と研究分野の関係が深い場合に実施されるため、文系学生よりも理系学生に多い傾向があります。

企業と学校につながりがある学校推薦や教授推薦では、選考過程が一部省略されていたり、同じ工程でも面接に進みやすかったりするケースが多いです。そのため、一般的な就職活動(自由応募)より内定につながりやすい傾向があります。

内定につながりやすい推薦制度を多く利用できる理系学生は、文系学生と比べて就職に有利だと言えます。

比較的早期に就職活動を終えられる

比較的早期に就職活動を終えられるのも、理系学生の就職が有利と言われる背景の一つです。

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生と文系学生の就職活動を終えた時期は、以下の通りでした。

就職先を決めて就活を終了した時期

理系

文系

月別

累計

月別

累計

12月以前

3.3%

2.2%

1月

4.2%

7.5%

1.0%

3.2%

2月

8.6%

16.1%

3.4%

6.5%

3月

19.2%

35.3%

9.0%

15.5%

4月

21.4%

56.7%

13.6%

29.1%

5月

20.8%

77.5%

22.8%

51.9%

6月以降

22.5%

100%

48.1%

100%

理系学生が就活を終えた時期を月別に見ると、6月以降が22.5%と最多であるものの、文系の48.1%と比べると25.6%も少ないです。

また、12月以前〜4月までは一貫して理系学生の就活を終了した割合が高いです。以上から、理系学生の方が文系学生よりも就職活動を終える時期が早いことが読み取れます。

就職活動は内定を獲得するのが難しければ難しいほど、長期化しやすいです。しかし、理系学生は比較的早く就職活動を終えられるため、文系学生より有利だと言えるでしょう。

理系しか応募できない求人がある

理系しか応募できない求人があることも、理系学生の就職が有利と言われる背景の一つです。

ポテンシャルが重視される新卒採用では、過去に身につけた経験やスキルよりも入社後の成長可能性で評価されることが一般的です。そのため、文系大学生では、自分が大学で学んだ分野とは無関係の企業や職種に就くケースがよく見られます。

しかし、研究開発や設計、生産管理などの理系分野では、業務に高い専門知識が求められます。そのため、大学で基礎的知識を習得した理系学生が即戦力として求められる傾向が高いです。

上記のような求人には文系学生は応募できないため、競争倍率が下がることで理系学生の就職が有利になりやすいと言えます。

比較的少ない応募数で内定を獲得できる

理系学生の就職が有利と言われる背景には、比較的少ない応募数で内定を獲得できることが挙げられます。

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生と文系学生の就職活動量の違いは以下の通りでした。

就職活動量(社数)

理系

文系

理系と文系の差

エントリー

18.2社

28.8社

-10.6社

企業セミナー

12.1社

16.6社

-4.5社

エントリーシート

10.1社

16.2社

-6.1社

面接試験

6.8社

9.8社

-3.0社

上記を見ると、理系学生は、企業のエントリー数、企業セミナー、エントリーシート、面接試験いずれの項目でも、文系学生の活動量を下回っていることがわかります。

活動量が少なければ、その分内定も得にくくなると考えるのが普通です。しかし、理系学生は文系学生よりも早く就職活動を終えており、その考えは当てはまりません。

最終的な就職内定率だけ見れば、文系と理系に大きな差はありません。しかし、文系学生の方が就職先を決めるまでにより多く活動していることを踏まえると、1社あたりの内定率は理系学生の方が高く、就職を有利に進めていると考えられます。

第一志望に入社できる割合が高い

第一志望に入社できる割合が高いことも、理系学生の就職が有利と言われる背景の一つです。

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生と文系学生の第一志望に決まったと感じた割合の違いは以下の通りでした。

就活開始当初の志望度

理系

文系

理系と文系の差

第一志望の企業に決まった

46.4%

29.3%

17.1%

第一志望ではないが入りたい企業に決まった

35.8%

42.3%

-6.5%

すべりどめとして検討中の企業に決まった

3.6%

5.2%

-1.6%

志望していなかった企業に決まった

14.2%

23.2%

-9.0%

以上から、第一志望の企業に決まったと回答した理系学生は、文系学生より17.1%も多いです。また、第一志望以外の選択肢「第一志望ではないが入りたい企業」「すべりどめ予定の企業」「志望していなかった企業」のいずれも文系学生より回答が低いこともわかります。

以上から、最終的な就職内定率の割合には文系と理系に大きな差は見られないものの、就職活動に対する満足度の観点で見れば、理系が有利であることがうかがえます。

文系職種にも応募できる

文系職種にも応募が可能なことも、理系学生の就職が有利と言われる背景の一つです。

理系学生と言えば専攻を活かした研究開発や設計、生産管理といったものづくりに進むイメージがありますが、進路は必ずしもそれだけに限定されません。

新卒採用は基本的にポテンシャルを重視しているため、理系学生も総合職や営業職など、文系学生と同じ進路を選択できます。志望業界も、メーカーだけにとどまらず、商社や銀行、コンサルタントなどさまざまです。

理系学生は理系ならではの職種に加え、文系職種にも応募できる意味において、文系学生より有利だと言えます。

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【学部別】理系学生が就職で有利になりやすい業界

【学部別】理系学生が就職で有利になりやすい業界

理系が就活に有利な業界は、学部別では以下の通りです。

  • 機械・電気系学部:メーカー関連に分散
  • 情報系学部:4割以上が情報処理やソフトウェア・ゲームソフトへ
  • 土木・建築系学部:7割以上が建設・住宅・不動産へ
  • 化学・農学・薬学系学部:メーカーや情報処理などさまざま

理系学生と一口に言っても、専攻する分野によって、就職で目指す業界に違いがあります。各分野の学生が選んだ業界を知ることで、専攻分野に有利な業界を把握できます。

機械・電気系学部:メーカー関連に分散

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、機械・電気系学生が就職で決めた業界の割合は以下の通りでした。

機械・電気系学生が就職で決めた業界

割合

  • 電子・電気

20.6%

  • 自動車・輸送用機器

16.5%

  • 機械・プラントエンジニアリング

14.4%

  • 運輸・倉庫

8.2%

  • 精密機器・医療用機器

6.2%

  • 建設・住宅・不動産
  • エネルギー
  • 通信関連

5.2%

以上から、機械・電気系学生の進路は、メーカー関連をメインにさまざまな業界の選択肢があることが読み取れます。

情報系学部:4割以上が情報処理やソフトウェア・ゲームソフトへ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、情報系学生が就職で決めた業界の割合は以下の通りでした。

情報系学生が就職で決めた業界

割合

  • 情報処理
  • ソフトウェア
  • ゲームソフト

42.4%

  • 電子・機器

15.3%

  • 通信関連
  • 人材サービス・人材紹介・人材派遣

15.3%

  • 建設・住宅・不動産
  • 自動車・輸送用機器

6.8%

  • 機械・プラントエンジニアリング
  • 精密機器・医療用機器
  • 鉄鋼・非鉄・金属製品

3.4%

以上から、情報系学生はさまざまな業界に就職する可能性が高いものの、主に情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト分野に集中する傾向が見られます。

土木・建築系学部:7割以上が建設・住宅・不動産へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、土木・建築系学生が就職で決めた業界の割合は以下の通りでした。

土木・建築系学生が就職で決めた業界

割合

  • 建設・住宅・不動産

74.3%

  • 素材・化学
  • 調査・コンサルタント
  • 農業・林業・鉱業

5.7%

  • 官公庁・団体
  • 保険
  • OA機器・家具・スポーツ・玩具他

2.9%

以上から、土木・建築系学生が目指す業界にはさまざまな選択肢があるものの、多くの学生が建設・住宅・不動産業界を選んでいることがわかります。

化学・農学・薬学系学部:メーカーや情報処理・コンサルタントなどさまざま

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、化学・農学・薬学系が就職で決めた業界の割合は以下の通りでした。

化学・農学・薬学系が就職で決めた業界

割合

  • 素材・化学

19.3%

  • 水産・食品

14.8%

  • 医薬品・医療機器・化粧品

9.1%

  • 情報処理・ソフトウェア・ゲームソフ
  • 調査・コンサルタント

6.8%

  • 電子・電機

5.7%

  • 自動車・輸送用機器
  • エネルギー
  • 官公庁・団体
  • その他サービス

3.4%

以上から、化学・農学・薬学系学生は素材・化学や水産・食品などメーカー系への進路が多いものの、他の学部ほど特定業界に対する占有率が高くありません。むしろ、情報処理やコンサルタントを含め幅広い分野を選んでいることがうかがえます。

【学部別】理系学生が就職で有利になりやすい職種

【学部別】理系学生が就職で有利になりやすい職種

理系が就活で有利な職種は、学部別では以下の通りです。

  • 機械・電気系学部:約6割が研究・開発・設計職へ
  • 情報系学部:7割以上がIT系職種へ
  • 土木・建築系学部:7割が建築・土木設計系職種へ
  • 科学・農学・薬学系学部:5割弱が研究・開発・設計職へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生のうち約6割が、専攻を活かした職種に就職したと回答しました。しかし、専攻とは関係ない理系職種を選んだ学生(約3割)や文系就職を選んだ学生(約1割)も存在し、その割合は学部によって違いがあります。

ここからは、各学部の学生が選んだ職種の内訳について解説していきます。

機械・電気系学部:約6割が研究・開発・設計職へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、機械・電気系学生が就職で決めた職種の割合は以下の通りでした。

  • 研究・開発・設計系:60.5%
  • 生産・製造・品質管理系:19.8%
  • IT系:8.1%

機械・電気系学生の進路は、理系学生にイメージされる通り、メーカーでの研究開発や設計がメインであり、次いで生産現場に関わる職種が続きます。近年ニーズが増しているIT職種に進む学生もいますが、全体の割合から見ると、それほど多くないことがわかります。

ちなみに、機械・電気系学生が選んだ職種と専攻分野との関連性は以下の通りでした。

  • 専攻を活かした理系就職をした割合:71.7%
  • 専攻とは関係のない理系就職をした割合:26.8%
  • 文系就職を選んだ割合:2.1%

理系の各学部でそれぞれの割合を比較すると、機械・電気系学生での文系就職率(2.1%)は、最も割合が低いのが特徴です。機械・電気系学生では、文系就職を選ぶ人(2.1%)が少ない分、専攻とは関係のない理系就職をする人(26.8%)の割合が多めとなっています。

情報系学部:7割以上がIT系職種へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、情報系学生が就職で決めた職種の割合は以下の通りでした。

  • IT系:70.7%
  • 研究・開発・設計系:15.5%
  • 生産・製造・品質管理系:3.4%

以上から、情報系学生が選ぶ職種は、自身の専攻を直接的に活かせるIT系職種に集中しており、理系学生を通してイメージされる研究開発に進む学生は、全体から見ればそれほど多くないことがわかります。

また、情報系学生が選んだ職種と専攻分野との関連性は以下の通りでした。

  • 専攻を活かした理系就職をした割合:72.9%
  • 専攻とは関係のない理系就職をした割合:22.0%
  • 文系就職を選んだ割合:5.1%

理系各学部を比較すると、情報系学生の専攻を活かして就職した割合(72.9%)は、土木・建築学生(85.3%)よりは低いものの、機械・電気系学生(71.1%)よりは高いです。学部ごとの割合の違いから、専攻分野の活かしやすさが読み取れます。

土木・建築系学部:7割が建築・土木設計系職種へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、土木・建築系学生が就職で決めた職種の割合は以下の通りでした。

  • 建築・土木設計系:70.0%
  • IT系/専門・スペシャリスト系/生産・製造・品質・管理系:6.7%

以上から、土木・建築系学生が就職で選べる選択肢は複数存在するものの、圧倒的多数の学生が建築・土木設計系の職種に決めることがうかがえます。

また、土木・建築系学生が選んだ職種と専攻分野との関連性は以下の通りでした。

  • 専攻を活かした理系就職をした割合:85.3%
  • 専攻とは関係のない理系就職をした割合:5.9%
  • 文系就職を選んだ割合:8.8%

理系の各学部の割合を比較すると、土木・建築系学生は専攻を活かした理系就職の割合が85.3%と最も高く、逆に専攻とは関係のない理系就職の割合は5.9%と最も低くなっていました。

以上から、土木・建築系学生は専攻を活かしやすく有利であるが故に、専攻とは関係のない理系就職する学生の割合が少ないと考えられます。

化学・農学・薬学系学部:5割弱が研究・開発・設計職へ

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、化学・農学・薬学系学生が就職で決めた職種の割合は以下の通りでした。

  1. 研究・開発・設計系:46.6%
  2. IT系:19.2%
  3. 生産・製造・品質管理系:12.3%

以上から化学・農学・薬学系学生の5割弱が研究・開発・設計系職種に就職しているものの、他の理系学部の上位職種の割合(6〜7割)より少なく、就職先が分散している傾向が読み取れます。

また、化学・農学・薬学系学生が選んだ職種と専攻分野との関連性は以下の通りでした。

  • 専攻を活かした理系就職をした割合:50.6%
  • 専攻とは関係のない理系就職をした割合:33.3%
  • 文系就職を選んだ割合:16.1%

理系の各学部でそれぞれの割合を比較すると、専攻を活かした理系就職をした割合(50.6%)が最も低く、文系就職を選んだ割合(16.1%)が最も高くなっています。

以上から、化学・農学・薬学系学生は、理系学部の中で比較的自身の専攻を活かしにくく、他の理系学部よりも専攻とは関係のない理系就職や文系就職を選ぶ割合が高いことが読み取れます。

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理系学生が就職を有利に進めるポイント

理系学生が就職を有利に進めるポイント

理系学生が就職を有利に進めるポイントは、以下の通りです。

  • 推薦制度を上手く活用する
  • 余裕を持って早めに準備を進める
  • 積極的にインターンシップに参加する
  • 専門外の人でも理解できるような説明を心がける
  • 情報交換できる仲間を作る
  • 就活エージェントを活用する

理系学生は就職に有利と言われる反面、研究が忙しくて就職にかけられる時間が少ないことや、就職する学生が比較的少ないことがデメリットです。これから紹介するポイントを押さえて、就職活動を有利に進めましょう。

推薦制度を上手く活用する

理系学生が就職を有利に進めるには、推薦制度を上手く活用しましょう。

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学部全体における学校・教授推薦と後付推薦の利用者割合は全体の29.2%でした。

学部別で見ると、機械・電機系学部が51.5%と高く、次いで情報系学生30.6%、化学・農学・薬学系が20.7%と続きます。土木・建築系の利用者は11.7%と最も低い割合となっています。

推薦制度は学校や教授の推薦状を条件とするため、一般的な自由応募による就職活動と比べると、競争倍率が低く内定に至りやすいです。学内選考による選抜はあるものの、着実な内定を目指すなら、活用すべき手段の一つです。

ただし、推薦制度は自由応募とは異なり、原則として選考辞退はできません。併願や入社後の早期退職も基本的にできないため、本当に第一志望になり得る企業かどうかしっかりと見極めて応募することが大切です。

余裕を持って早めに準備を進める

理系学生が就職を有利に進めるには、余裕を持って早めに準備を進めることを意識しましょう。

これまで紹介したとおり、理系の学生の大半は、文系よりも早期に内定を獲得して就活を終える傾向にあります。理系全体で見ると、6割弱の学生が最終学年の4月に、8割の学生が5月に就活を終えています。

また、株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生が業界研究を始める時期は、卒業前年の7月にすでに過半数に達していることが判明しました。さらに10月には、8割近くの学生がすでに業界研究に取り組んでいることもわかっています(学部全体)。

 

一方、業界研究を始めた文系学生が過半数を占めるのは、9月に入ってからです。12月に入って初めて8割に近づくため、文系学生は理系学生より活動時期が2ヶ月程度遅いことがわかります。

早いタイミングで就職活動を始める理系学生の場合、少なくとも同時期から自身も動き出さないと、乗り遅れてしまいます。理系学生の最終学年は研究で忙しくなる可能性が高いため、研究に専念するためにも余裕を持って早めに就職を進めることを意識しましょう。

積極的にインターンシップに参加する

理系学生が就職を有利に進めるには、積極的にインターンシップに参加しましょう。

インターンシップでは、業務体験ができる場合があるほか、志望企業で働く社員から直接話を聞くことで社内の雰囲気や社員のタイプを知れます。また、企業が期待する人物像を質問すれば、自分との相性を図れるほか、今後の選考対策にも役立ちます。

株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」によると、理系学生が本選考に応募した企業のうち、インターンシップがきっかけになったものは、理系全体で34.8%でした。

インターンシップがきっかけで本選考に参加した割合を学部別に見ると、土木・建築系が51.8%と最も多く、次いで機械・電機系46.3%が続きます。情報系は30.9%、化学・農学・薬学系は28.3%でした。

以上から、学部による違いはあるものの、約3割〜半数近い学生がインターンシップをきっかけに選考に応募しており、インターンシップが就職に大きな役割を果たしていることがわかります。

また、株式会社ディスコの「2024年卒理系学生の就職活動」では、企業で働きたいと思ったタイミングの最多回答も「インターンシップに参加したとき(29.2%)」でした(理系全体)。

次いで回答が多かったのは、「面接を重ねるうちに徐々に(22.2%)」、「就職活動を始める前から(14.7%)」です。上記の回答からも、インターンシップに参加しておくことが就職先を決定づける上で役立つことが読み取れます。

専門外の人でも理解できるような説明を心がける

理系学生が就職を有利に進めるには、専門外の人でも理解できるような説明を心がけることが大切です。

理系学生は面接で専攻分野について問われることが多くあります。専攻を選んだきっかけや学んだ内容、仕事でどう活かせるかについて話せるように準備しておきましょう。

社会に出ると、自分とは異なる分野の人と協力して業務を進めることが増えます。そのため、自分の知識を専門外の人でも理解できるように話し方を工夫することが必要です。

面接官は自分の専攻分野に詳しい人ばかりではありません。特に、専攻とは直接関係のない理系就職をする場合や、文系就職する場合は、その傾向が強くなります。

面接では、社会に出た後のコミュニケーションスキルを試されていると認識し、わかりやすさを意識した説明をこころがけましょう。

情報交換できる仲間を作る

理系学生が就職を有利に進めるには、情報交換できる仲間を作りましょう。

理系学生は大学院進学や理系就職、文系就職など進路が分かれるため、大多数の文系学生と比べると、周囲からの情報を得にくい傾向があります。

同じ目的で就職活動をする学生と出会える手段に挙げられるのが、合同説明会や企業説明会、インターンシップ、SNSの活用などです。

学生同士で情報交換ができれば、新たな視点を発見したり、就職するモチベーションの維持につながったりすることもあります。同じ目的を持つ仲間を作って、有利に就職活動を進めましょう。

就活エージェントを活用する

理系学生が就職を有利に進めるには、就活エージェントの活用も検討しましょう。

理系学生の進路は、専攻を活かした理系就職や専攻とは関係のない理系就職、文系就職、大学院進学など複数あり、どれが自分に合っているのか迷うことが多いです。また、研究中心の日々を送ってきた人も多く、自分をどのようにアピールしたら良いかわからない人もよく見られます。

就活エージェントは、人材を求める企業と仕事を探す学生をつなぐ役割を担っているため、両方の立場を熟知していることが強みです。就活生の希望や適性を踏まえた上でプロの立場でアドバイスをくれるため、今後の就職の方針を決めるのに役立ちます。

P-CHAN就活エージェントでは、業界知識に精通したキャリアアドバイザーがマンツーマンで就職相談に応じています。就活生の強みを活かした企業紹介やES対策、面接対策も行なってくれるので、プロのアドバイスが聞きたい人は相談してみましょう。

面接日程の交渉なども代行してもらえるため、研究に忙しい理系学生も効率よく就職活動を進められます。

おすすめの就活エージェントについて詳しく知りたい人は、「【2023年最新】新卒におすすめの就活エージェント10選!使うべき理由や選び方も解説」の記事も参考にしてみてください。

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自身の強みを活かせば理系の就職は有利になる

自身の強みを活かせば理系の就職は有利になる

この記事では、有利とされる理系就職の実態やその背景について紹介するとともに、学部ごとの違いや理系学生が就職を有利に進めるポイントなどについて解説しました。

就職内定率だけを見れば、理系学生と文系学生には大きな違いはありません。しかし、就職活動量や第一志望への内定割合、推薦制度の有無など プロセス面で比較すれば、理系学生は文系学生より就職で有利な可能性が高いです。

P-CHAN就活エージェントでは、大学生や大学院生に特化した就職支援を行なっています。企業との信頼関係があるため、一次選考をパスした企業を紹介してもらえることもあります。

早期内定も目指せるため、研究活動で就職活動が大変だと感じている人は、一度相談を検討してみましょう。

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創業60年。一貫して人材サービスに携わり、累計2万社を超える企業の採用を支援。
東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県を中心にサービスを展開。
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