9月卒業の就活生は不利?就活スケジュールや入社時期、就活のポイントも解説
目次
日本の就活市場では、新卒採用は3月に学校を卒業した学生が4月に企業へ入社するという形が一般的です。
しかし、中には留学・休学・留年などさまざまな事情により、次年度の9月卒業になる就活生もいます。
この記事では9月に卒業する就活生の就活スケジュールや就活のポイント、9月卒業で就活をする人が注意しておきたいことなどを解説します。
「卒業が遅れそうだが、就活はどう進めたらいいか」「9月卒業での就活は不利にならないか」と疑問や不安を感じている人はぜひチェックしてみてください。
P-CHAN就活エージェントでは、登録者に対して、プロのエージェントによるアドバイスを提供しています。もし、9月卒業の就活を少しでも不安に感じているのなら、P-CHAN就活エージェントのサービスをぜひ利用してみてください。
サービス利用料は無料なので、気軽に登録可能です。
9月卒業・10月入社する就活生も一定数いる
日本の就活は「新卒一括採用」スタイルが主流です。3月に学校を卒業して、4月から入社できる就活生を対象に採用活動を行う企業が多いのは事実です。
しかし、中にはさまざまな理由があって9月に学校を卒業し、10月から入社というスケジュールになる就活生もいます。
ダブルワーク、フリーランス、リモートワークなど多様な働き方がある今、秋採用・通年採用・既卒採用など就活の形も多様になりつつあります。
9月卒業で就活をするのはどんな人?
9月卒業で就活をする人にはどんな人が多いのでしょうか。どのような場合に9月卒業となるのかをケース別に紹介します。
留学・休学していた学部生
留学をしていた人は9月卒業で就活を始める人が多い傾向にあります。
なぜなら、海外の大学は9月の入学が一般的なためです。9月の入学時期に合わせて渡航し、1年間留学して帰国すると卒業が1年遅れになります。その結果、通常の3月から卒業時期が9月へずれることになります。
また、休学をしていた人も同じです。休学期間は人によりますが、休学制度は半年単位が一般的なため、卒業時期が3月より半年ずれて秋卒業となるケースも多くあります。
秋卒業の大学院生
大学は春に卒業するのが一般的ですが、大学院では単位の取得状況により卒業が秋となるのもよくあることです。
大学院は講義への出席で単位を取得できる大学とは異なり、所属しているゼミの進捗や卒論・論文の出来、試験の合否によって学位を取得します。
学位を取得できなければ卒業できず、ゼミの進捗や論文の完成に関しては不確定な要素も多いため、大学よりも卒業時期はイレギュラーになりやすいのが普通です。
大学院生においては大学生に比べて9月卒業はそれほど珍しくありません。
留年で卒業時期が半期ずれる学部生
9月卒業で就活をする就活生には、卒業に必要な単位が足りず留年してしまう人も含まれます。大学は春・秋の2回、卒業時期を設けており、実はこうした人は意外に多くいるものです。
単位の取得は半期ごとになっていますので、卒業に必要な単位が取得できれば秋を待って卒業することが可能です。
また、就活で思うような成果を得られなかったため、あえて卒業せず半期〜1年間留年して就活をやり直す「就活留年」をする学生もいます。
9月卒業の就活生の入社時期は?
9月卒業就活生の入社時期は、以下の2パターンがあります。
- 10月入社
- 翌年4月入社
10月入社
10月入社できる学生を募集している会社への入社です。4月入社よりも募集人数は少なくなりますが、9月卒業の学生向けに新卒入社の枠が確保されています。
9月に卒業する就活生だけを対象としているので、留学・休学・家族の介護をしていた人など色々な事情を持った同期が集まります。
就活スケジュールは後ほど詳しく解説しますが、10月入社でも就活の基本的な対策内容は4月入社組と同じで、就活時期だけがそのまま半年ずれます。
翌年4月入社
翌年4月に次の年の新卒と一緒に入社し、一学年下の人と同期になるというパターンです。
前年9月に卒業してから半年ほどの期間を空けて入社となります。その間に会社から仕事に必要な資格を取るように言われたり、入社に備えて自主的に勉強を進めたりする人もいるでしょう。
また、正式に入社する前の半年間をインターン・研修生として過ごす場合もあります。さまざまな部署にアシスタントとして配属され、会社や職場の雰囲気を感じることができます。
インターン・研修生の期間に学んだことは、入社前の良い経験となるでしょう。
9月卒業の就活スケジュールは?
9月卒業の就活生のスケジュールは以下の通りです。
3年次の春~夏 | 就活を始める (自己分析・業界研究・企業研究など) |
3年次の12月~ | エントリー開始 |
4年次の2月頃 | 面接 |
卒業直後の10月(または翌4月) | 入社 ※入社時期は会社によるので要確認 |
就活スケジュールは一般的に卒業月を3月に設定しているので、頭が混乱してしまうかもしれません。応募先企業のエントリー・選考時期を事前にしっかり整理して、選考対策をしておきましょう。
「9月卒業・10月入社」の採用枠を設けている企業は別として、場合によっては「9月卒業・翌年4月入社」として一年下の就活生と同時に採用活動を行う企業もあります。
9月卒業の就活生を「半期卒業の早い新卒として扱う」というケースです。この場合は、一学年下の就活生と同じスケジュールで就活を進める必要がありますので、応募先企業の募集要項をよくチェックしておきましょう。
9月卒業の就活生は不利?新卒扱いになる?
ここでは9月卒業の就活生は就活で不利になるのか、9月卒業になることで就活にどんな影響があるかを解説します。
9月卒業が就活で不利に働くことはない
基本的に、9月卒業であることが就活で不利に働くことはありません。
3月卒業の就活生と就活のタイミングが違うため、焦る人もいるかもしれません。しかし、卒業や就活の時期が変わる理由は人によって異なります。本人の努力ではどうにもならない仕方のない事情もあるでしょう。
就活生の側から見れば、9月卒業生は3月卒業組と比べて母数が少ないため不安に感じるかもしれません。
しかし採用する側の会社にとっては、入社時期よりも「自社に合う人材か」「入社後に活躍してくれる人材か」の方が重要です。ですから就活生は「9月卒業」という事実だけで過度に気構える必要はありません。
とはいえ、イレギュラーなケースであることは確かですから「なぜ半期卒業が遅れたか」を自分の言葉できちんと説明できればそれで十分です。
もし、この半期の間で特別に取り組んだことや努力したこと、乗り越えてきたことがあるなら、それも合わせてアピールできるとなお良いでしょう。
近年は10月採用企業も増えている
4月の新卒一括採用に比べて多いとは言えないものの、10月採用や通年採用など4月採用にこだわらず採用活動を行う会社も増えています。
企業の中には、以下のような狙いがあって秋採用に力を入れているところも多くあります。
- 留学経験者や大学院生といった優秀な人材を採用するため
- 余裕を持って採用活動を行うことでミスマッチのない採用活動をするため
これまで秋採用と言えば中途採用としてのもの、また採用数が定員に満たないために行われる追加の人員補充など補完的な意味合いが強いものでした。
しかし今では、グローバル人材を採用したい、高度な知識を持つ学生を採用したいなど優秀な人材を求める企業において採用時期が多様化する傾向が多く見られます。
また企業にとっても過密スケジュールの中、4月の入社に合わせて行う一括採用は大変負荷の大きい業務です。採用期間にゆとりや新たな選択が生まれることは企業にとっても大きなメリットとなります。
就活時期の多様化は今後も進んでいくとみられます。
留年の場合は詳しく理由を聞かれることもある
9月採用自体が不利になることはありません。しかし、もし留年で卒業時期が遅れた場合は、面接で必ず理由を聞かれることは覚悟しておきましょう。
もちろん、留年の理由について面接で嘘をついてはいけません。単位の取得が間に合わなかったことは、面接で正直に答える必要があります。
とはいえ、「不真面目な学生だった」「授業態度が怠慢で留年した」と思われるような回答ではかえって選考に不利になる場合もあります。面接官にマイナスな印象を与えてしまわないよう、伝え方には工夫が必要でしょう。
もし、留学・大学院・やむを得ない休学でない限りは「なぜ卒業時期がずれたのか」は悪印象を与えない上手な伝え方を考えておく必要があります。
また、空白期間に取り組んでいたことがあるのなら「その期間に何をしていたのか、何を学んでいたのか」もアピールポイントとして説明できるようにしておきましょう。
新卒扱いで入社できる企業が多い
新卒とは、卒業後すぐに会社へ入社する学生のことです。そのため、9月に学校を卒業して10月に入社する学生はもちろん、9月卒業で4月入社の学生も「半期卒業の早い新卒」として取り扱われます。
もし、9月に卒業してから就職活動を始める場合は既卒となります。しかし最近では「青少年雇用機会確保指針」により、卒業後3年以内の既卒学生は新卒として応募を受付けている企業も多くありますので、あまり悲観する必要はありません。
とはいえ、どんな企業でも新卒枠で募集・採用を行っているとは限らないため、新卒として応募可能かどうかは各社の応募要項で事前にチェックしておきましょう。
採用資格に「○○年以降に大学・大学院を卒業・修了した方で就業経験のない方」とあれば既卒者でも新卒枠で応募可能です。逆に「○○年度卒業見込みの大学生、または大学院生」とあれば新卒向けの採用枠となりますので、新卒扱いでの応募は難しいでしょう。
9月卒業の就活のポイント
9月に卒業する就活生が就活で気を付けておきたいポイントを紹介します。
就活準備は早めに進めておく
9月卒業の就活では、できるだけ早めに就活準備を始めておくことがポイントです。
9月卒業の就活生の就活は同年の就活生と比べて半年遅く、一学年下の就活生と比べると半年早いスケジュールです。就活時期が半年遅くなるからといって、一学年下の就活生と同じタイミングで就活を始めると間に合わなくなってしまいます。
通常、就活は準備も含めて入社の1年前から始めるのが普通です。9月卒業であってもそれを踏まえて準備を進めるとよいでしょう。
9月卒業の就活生は、留学・留年・休学、また大学院での勉強など他の学部生に比べて特にやることが多く忙しいと思います。しかし、できるだけ早いうちから情報収集だけでも進めておかないと、他の学部生に遅れを取ってしまうでしょう。
応募先企業は幅広く探す
9月卒業の就活生は、応募先企業を幅広く探すことも大切です。
9月卒業だからといって、10月入社・秋採用企業の中から探さなくてはいけないということではありません。通年採用企業を探す方法の他にも、9月に学校を卒業して翌年の4月に入社するというやり方もあります。
入社時期や選考時期から応募先を絞るのではなく、まずは自分が応募したい企業を探し、その企業が9月卒業生向けの選考を行っているかどうかを確認しましょう。
また、新卒向け採用サイトだけで応募先を捜すと情報が限られてしまうので、秋採用に特化した就活ページや一般の転職・就職サイトの求人にも目を通しておきましょう。
思いもよらぬ良い企業との出会いが待っているかもしれません。
10月入社にこだわらず、既卒採用も視野に入れる
9月卒業の就活生にとっては「9月卒業・10月入社」が一般的な流れと思うかもしれませんが、そのスケジュールにこだわる必要はありません。
先述の通りですが、もともと3月卒業学生の一括採用枠に比べ、9月卒業の就活生の採用枠は少なくなりがちです。
色々な企業を見た上で、どうしても入社したい企業が見つからないということもあるでしょう。そうした場合は無理に妥協して入社先を決めるのではなく、一旦卒業してしまってから翌年の就活生と一緒に既卒として就活を行うなど、柔軟な対応も検討してみてください。
卒業後3年以内の既卒なら新卒として扱う企業も多いため、この場合でも新卒として入社することは不可能ではありません。ただ就職を先送りしたからといって、必ずしも入社したい企業が現れるとは限りません。この点はよく注意しておきましょう。
転職・就職エージェントも利用する
転職・就職エージェントを利用することで、応募先の視野が広がったり応募先の選択肢がぐっと増えたりする可能性があります。
もともと、新卒向けの就活ナビサイトは3月卒業の就活生向けに作られています。そのため9月卒業の就活生の場合、新卒向けサイトの利用だけでは応募先を見つけるのが難しいという人もいるでしょう。
転職エージェントでは通常のサイトには掲載されない非公開求人を保有しており、そうした求人の紹介のほか応募書類の添削や面接対策など、充実した就活サポートも無料で受けられます。
9月卒業の就活生なら「学生向け」「20代向け」など若手就活生に対応したサービスの利用がおすすめです。
9月卒業の就活で注意しておくべきこと
9月卒業の就活で注意しておきたいことを紹介します。
新卒と同じ選考スケジュールとなることもある
9月卒業の就活生は、通常の選考とは別の採用スケジュールが用意されている場合と、卒業時期に関係なく3月卒業と同じ新卒枠採用のスケジュールで選考を進める場合があります。
どのような採用スケジュールになっているかは、応募先の企業によって異なりますので、一概には言えません。
また、選考自体は3月卒業の就活生と同時で、入社は卒業後すぐの10月といったイレギュラーなスケジュールになることもあるので注意が必要です。
10月ではなく翌年4月採用になることもある
9月の卒業就活生は10月入社ではなく、翌年4月に「一学年下の学生と同時に入社」となることもあります。
入社時期を10月・4月の2回に分けてしまうと研修などの教育コストがかさむことや、同期とのコミュニケーションを考え、まとめて入社させたいと考える企業がいるためです。
また、入社は10月で4月までの半年を試用期間として扱うといった企業もあります。試用期間中でも、給与その他待遇は正社員とほとんど変わりません。
とはいえ、入社までに間が空き過ぎてしまったり、試用期間が長かったりすることで不安を感じる学生は多いでしょう。
入社先の企業へ「入社時期はいつか」「いつから正社員として働き始めるのか」は特にしっかりと確認しておきましょう。
9月卒業の理由は説明できるようにしておく
9月卒業の理由は明確に説明できるようにしておきましょう。
「9月卒業」という事実そのものが選考に不利に働くことはありませんが、理由の説明次第では選考に悪影響を与える可能性もあります。
留学・大学院進学など一見前向きなものでも、「海外生活が楽しそうだと思ったから」「皆が大学院に進学していたからなんとなく」といった理由では、計画性がないとマイナス評価に繋がるでしょう。
面接官を納得させ、かつ好印象を与えられる答え方を事前に考えておき、よどみなく答えられるようにしておくことが大事です。
9月卒業はイレギュラーゆえに事前の準備と対策が必要
本記事で何度も繰り返してきた通り、9月卒業は企業が内定の判断を下すにあたって不利な材料にはなりません。しかし、日本の就活市場においてはやはり少数派であることを留意しておく必要があります。
3月卒業の学生と取り組むべきことは同じでもスケジュールが異なっていたり、応募先が探しにくかったりといった側面もあります。
9月卒業の理由をどう説明するか、就活スケジュールをどう組むかは事前によく準備・検討してから取り組む必要があるでしょう。
P-CHAN就活エージェントでは、そうしたイレギュラーな就活にも役立つコンテンツや、プロのエージェントによるアドバイスを受けられるので、ぜひ利用してみてください。