介護士の給料は上がる?2025年以降の賃上げ動向を解説
「介護士の給料は本当に上がるの?」「今の職場でも給料は改善されるの?」と不安に思っている介護士の人も少なくありません。実際には介護士の給料は近年上昇しており、2025年以降も継続的な賃上げが見込まれています。
この記事では、介護士の給料が上がる理由や具体的な施策を詳しく解説します。給料改善の実態や職場選びのポイントも紹介しているので、転職を検討している人にも役立つ内容です。
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介護士の給料は今後も上がる見込みがある
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介護士の給料は2025年以降も、国の制度改正や予算確保により継続的な賃上げが見込まれています。特に2025年度は給料2.0%アップが目標として設定されており、介護職専用の最低賃金制度も検討されているため、より確実な給料の向上が期待できるでしょう(※)。
国は高齢化社会に備えて介護人材の確保を重要課題として位置づけており、そのための給料改善策を積極的に進めています。これまでの処遇改善の実績も踏まえ、介護業界は将来性のある分野として注目が高まっています。
介護職を目指す人にとって、安定したキャリア形成と収入向上の両方が実現できる環境が整いつつあると言えるでしょう。
※出典:厚生労働省「処遇改善加算の一本化及び加算率の引上げ」
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ピーチャン介護転職に無料相談をする介護士の給料が今後上がる理由
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介護士の給料が今後上がる理由を詳しく解説します。実際に行われた施策を確認しておきましょう。
- 処遇改善加算の統合と拡充
- 政府による直接的な賃上げ支援
- 最低賃金・労働環境改善施策
- 2025年問題を見据えた長期的施策
処遇改善加算の統合と拡充
処遇改善加算とは、介護職員の給料をアップするために国が設けた制度です。介護施設が条件を満たすと、介護報酬に所定の単位(点数)が加算され、その分を職員の給料に反映できます。
国は、2012年に創設された介護職員処遇改善加算をはじめとし、職員の待遇改善のため、段階的に以下の3つの施策を設けました。
- 介護職員処遇改善加算
- 介護職員等特定処遇改善加算
- 介護職員等ベースアップ等支援加算
これら3つの加算は2024年に「処遇改善加算」として統合され、手続きが簡素化されました。
統合後は、介護職員を中心に幅広い職種が対象となり、正社員・パート・派遣など働き方に関わらず給料アップの恩恵を受けられます。職場の判断で配分が決められるため、今後さらに給料改善が期待できます。
対象者:介護職員を中心とした幅広い職種
処遇改善加算制度は、主に介護職員を対象とした制度ですが、職場の判断でケアマネジャーや相談員なども対象に含められます。また、雇用形態に関しては正社員・パート・派遣のすべてが対象となり、働き方による違いは基本的にはありません。
介護職員に加算金をより多く配分することが基本ですが、チーム全体で給料が上がることで、職場環境の改善と長期定着が促進されるでしょう。
対象施設:介護サービスを提供する事業所
処遇改善加算は介護サービスを提供している事業所が対象で、特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護事業所などが含まれます。
制度に申請していることが条件となるため、未申請の施設では給料アップの恩恵を受けられません。就職・転職するときは、その施設が制度を活用しているかどうか事前に確認することが大切です。
政府による直接的な賃上げ支援
政府は2022年と2024年に、介護職員への直接的な給料アップ支援補助金を交付し、確実な賃上げを実現しています(※1)。
2022年には月額9,000円の賃上げ、2024年には月額6,000円相当の賃上げ支援が実施され、補正予算では806億円の人材確保対策が決まりました(※2)。
この直接的な支援補助金によって、処遇改善加算と合わせて2つの給料改善効果が生まれており、介護業界全体の給料が底上げされています。
※1出典:厚生労働省「介護職員処遇改善支援補助金」
※2出典:厚生労働省「令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金について」
最低賃金・労働環境改善施策
2025年には介護職専用の最低賃金制度の導入が検討されており、地域の最低賃金より高い収入確保が目標になっています。この制度が施行されれば、介護分野では他の職種より高い最低賃金が設定される予定で、給料のベースアップも期待できるでしょう。
また、働きやすい環境づくりも進められています。厚生労働省は2022年に「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」を策定し、介護職員がより良い条件で長く働けるよう支援しています(※)。具体的には職場の労働環境改善や業務効率化の推進により、介護の仕事をより魅力的にする取り組みです。
最低賃金制度や環境改善施策により、介護職は安定した収入を得られ、働きやすい職場環境も整いつつあります。
※出典:厚生労働省「介護職員の働く環境改善について」
2025年問題を見据えた長期的施策
団塊世代が75歳以上になり要介護者が急激に増加する「2025年問題」に備えて、政府は今後も継続的な給料改善を行う方針を示しています(※)。2025年問題とは、団塊世代が75歳以上になり要介護者が急増する問題です。
この問題に対応するため、国は高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる仕組みづくりを2025年までに進めています。具体的には介護人材を確保するための会議や予算を設けて、全国的な取り組みを展開中です。
2025年以降も継続して給料アップが期待できるため、介護士として長期的に安定したキャリアを築けるでしょう。
※出典:厚生労働省「介護人材確保に向けた取り組み」
介護士の平均給与額の推移
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介護士の平均給与額の推移を月給、日給、時給に分けてそれぞれ解説します。年度による差額や増減比などを参考にしてみましょう。
月給の推移
年度 | 常勤職員の平均給与 | 前年比増減 |
2018年 | 300,970円 | – |
2019年 | 300,120円 | -850円 |
2020年 | 315,850円 | +15,730円 |
2021年 | 316,610円 | +760円 |
2022年 | 317,540円 | +930円 |
2023年 | 324,240円 | +6,700円 |
2024年 | 338,200円 | +13,960円 |
年度 | 非常勤職員の平均給与 | 前年比増減 |
2018年 | 209,470円 | – |
2019年 | 189,200円 | -20,270円 |
2020年 | 196,630円 | +7,430円 |
2021年 | 198,520円 | +1,890円 |
2022年 | 209,540円 | +11,020円 |
2023年 | 182,930円 | -26,610円 |
2024年 | 196,060円 | +13,130円 |
出典:
厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
正社員として働く介護職員の平均月給は、常勤職員において6年間で約4万円の給料アップを実現しており、2018年の約30万円から2024年の約34万円まで着実に上がっています。
一方、非常勤職員は年によって減少している場合もあり、2023年には前年より約2.7万円下がりました。しかし、2024年には回復しており、国の給料改善の取り組みが常勤職員を中心に効果を上げている状況です。
日給の推移(月給換算)
年度 | 常勤日給職員の平均給与 | 前年比増減 |
2018年 | 215,250円 | – |
2019年 | 214,410円 | -840円 |
2020年 | 228,330円 | +13,920円 |
2021年 | 233,760円 | +5,430円 |
2022年 | 232,030円 | -1,730円 |
2023年 | 232,570円 | +540円 |
2024年 | 244,520円 | +11,950円 |
年度 | 非常勤職員の平均給与 | 前年比増減 |
2018年 | 157,280円 | – |
2019年 | 131,280円 | -26,000円 |
2020年 | 136,670円 | +5,390円 |
2021年 | 157,990円 | +21,320円 |
2022年 | 157,210円 | -780円 |
2023年 | 181,890円 | +24,680円 |
2024年 | 185,670円 | +3,780円 |
出典:
厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
日給制で働く介護職員は働く日数によって月収が変わりやすい傾向がありますが、1日あたりの平均給料は年々上がっているのが特徴です。常勤日給職員は2018年から2024年にかけて約2.9万円の増加、非常勤職員も約2.8万円の増加となっています。
日給制は勤務日数によって月収が不安定になりがちですが、日給自体が上がることで全体的な収入改善が進んでいます。
時給の推移
年度 | 常勤パートの平均時給 | 前年比増減 |
2018年 | 約1,291円 | – |
2019年 | 約1,289円 | -2円 |
2020年 | 約1,344円 | +55円 |
2021年 | 約1,359円 | +15円 |
2022年 | 約1,376円 | +17円 |
2023年 | 約1,434円 | +58円 |
2024年 | 約1,515円 | +81円 |
年度 | 非常勤パートの平均時給 | 前年比増減 |
2018年 | 約1,333円 | – |
2019年 | 約1,318円 | -15円 |
2020年 | 約1,370円 | +52円 |
2021年 | 約1,398円 | +28円 |
2022年 | 約1,386円 | -12円 |
2023年 | 約1,469円 | +83円 |
2024年 | 約1,542円 | +73円 |
出典:
厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
パートタイムで働く介護職員の平均時給は2018年から2024年の間に大幅にアップしており、常勤パートで約224円の時給アップを実現しています。
常勤パートで約1,515円、非常勤パートでも約1,542円まで上がっており、特に2023年から2024年にかけて大きく伸びているのが特徴です。この時給アップにより、パートタイムで働く介護職員の収入改善が着実に進んでおり、多様な働き方に対応した給料改善が実現されています。
事業所別の給与推移
事業所種別 | 2022年 | 2024年 | 増減額 |
介護老人福祉施設 | 348,040円 | 361,860円 | +13,820円 |
介護老人保健施設 | 339,040円 | 352,900円 | +13,860円 |
介護医療院 | 320,700円 | 330,030円 | +9,330円 |
訪問介護事業所 | 315,170円 | 349,740円 | +34,570円 |
特定施設入居者生活介護 | 313,920円 | 361,000円 | +47,080円 |
認知症対応型共同生活介護 | 291,080円 | 302,010円 | +10,930円 |
小規模多機能型居宅介護 | 287,970円 | 305,220円 | +17,250円 |
通所リハビリテーション | 304,790円 | 319,310円 | +14,520円 |
通所介護事業所 | 275,620円 | 294,440円 | +18,820円 |
出典:
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
全ての介護施設で給料は上がっており、特に入所系施設での高い給料水準が特徴です。夜勤がある施設ほど給料が高い傾向にあり、最高水準の施設では約36.2万円に達しています。
2022年から2024年にかけて、全ての施設で9,330円以上の給料アップが実現されており、中には47,080円の大幅増となった施設もあります。業界全体で給料の底上げが確実に進んでいる状況です。
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ピーチャン介護転職に無料相談をする介護士が自身の給料を上げるための方法
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介護士が自身の給料を上げるためは、上位資格の取得や夜勤の増加、給料の高い職場への転職などが必要です。現在の給料に満足できていない人は参考にしてみましょう。
上位の介護資格を取得する
介護士が自身の給料を上げるには、上位資格の取得が有効な手段です。介護福祉士やケアマネジャーなどの上位資格を取ることで、資格手当によって月数万円の給料アップが期待できます。介護福祉士では5万円前後の給料アップに期待でき、ケアマネジャーでは年収50万円以上のアップも可能です。
これらの資格は専門性が高まるとともに、キャリアアップの基盤にもなります。資格を取ることで責任ある仕事を任されるようになり、職場での評価も高まります。長期的なキャリア形成において、上位資格の取得は最も確実な給料アップ方法と言えるでしょう。
介護の資格の取り方について詳しく知りたい人は、「介護の資格の取り方は?種類や働きながらの取得方法も紹介」も読んでみてください。
夜勤回数を増やす
夜勤回数を増やすのも給料を上げるための有効な方法です。夜勤手当は1回5,000〜9,000円が相場で、夜勤専門だと月収40万円を超えるケースも珍しくありません。夜勤は身体への負担はありますが、短時間で高収入を得られる魅力があります。
ただし、体調管理や生活リズムの調整が重要になるため、自身の体調と相談しながら無理のない範囲で取り組むことが大切です。
給与水準の高い入所系施設へ転職する
給与水準の高い入所系施設へ転職するのも一つの方法です。介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの入所系施設は、夜勤があるため通所系より年収が70〜80万円程度高い傾向があります。
特別養護老人ホームでは最高水準の給料が期待でき、夜勤があるかどうかが給料の違いの主な理由です。入所系施設では利用者と継続的に関われるため、専門性を深められるメリットもあります。
転職する際は、希望する施設が処遇改善加算を活用しているか、職場環境は良好かなどを確認して総合的に判断することが重要です。
介護職の転職に興味がある人は、「介護転職サイトおすすめ人気ランキング9選|選び方・口コミ評判も紹介」も読んでみてください。
管理職を目指す
介護業界で管理職を目指すのも給与アップにつながる方法です。施設長や管理者などの役職に就ければ、役職手当により月5万円以上の給料アップが期待できます。
管理職では年収60〜200万円の差が生まれるケースも多く、実務経験とリーダーシップが必要な分、大幅な収入向上が期待できるでしょう。
また、管理職としての経験は、将来的な独立開業や他の施設への転職でも大きなメリットになります。責任は伴いますが、施設の運営に関わる貴重な経験を積め、キャリアの幅が大きく広がります。
処遇改善加算対象の職場で働く
処遇改善加算を活用している職場を選ぶことで、継続的な賃上げの恩恵を受けられます。制度に申請していない職場では国の賃上げ支援を受けられないため、就職するときに制度を活用しているかどうか確認することが重要です。
処遇改善加算を活用している職場では、定期的な給料見直しや職場環境の改善も期待できます。制度の内容や配分方法についても事前に確認して、自分のキャリアプランに合った職場を選ぶことが給料アップにつながります。
同じ施設に長期間勤務する
一つの施設に長期間勤務するのも有効な方法です。介護業界に限らず、勤続年数が増えるほど昇給が期待できる職場は多いです。
長期間の経験を積むことで業務の効率が向上し、職場での評価も高まります。また、長く勤務する従業員に対して特別手当を設けている施設も多く、安定した収入増加が期待できます。さらに、職場での人間関係も深まり、働きやすい環境を構築できる点も長期勤続の大きなメリットです。
介護スキルを活かした副業・兼業に取り組む
介護スキルを活かした副業や兼業に取り組むのも給料を上げる方法の一つです。
介護関連の副業では専門性を活用でき、研修講師や相談業務などの選択肢があります。ただし、勤務先の副業ルールを確認する必要があり、本業との兼ね合いを慎重に検討しなければなりません。
副業に取り組むことで、新たなスキルや人脈を獲得でき、将来的なキャリアアップにもつながります。時間管理と体調管理に注意しながら、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
介護士の給料に関するよくある質問
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介護士の給料に関するよくある質問をご紹介します。給料についての疑問や不安を参考にしてみましょう。
介護福祉士に8万円支給されるって本当?
介護福祉士に月額8万円が支給されるわけではありません。2019年に創設された「介護職員等特定処遇改善加算」で、目安として月8万円の支給が掲げられましたが、全員が一律で受け取れる制度ではありませんでした。
実際の支給額は事業所や個人の状況により異なり、加算分は勤続10年以上の介護福祉士を中心に分配されていました。2024年度には加算が統合され、手続きが簡素化されるとともに賃金改善の財源確保が図られています。
「介護士の給料が上がる」という噂は本当?
介護士の給料が上がるという噂については、現時点で具体的な政策として実施されたわけではありません。ただし、介護職の処遇改善に向けた検討は進められており、介護職専用の最低賃金制度導入を検討する考えが2025年3月に示されていました。
地域の最低賃金より高い水準設定が目標で、この制度が設立されれば介護職の給料底上げが期待できます。制度の詳細や実施時期は今後の政策決定を待つ必要があります。
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ピーチャン介護転職に無料相談をする給料が上がる職場を選んで介護士として理想のキャリアを築こう
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介護職として理想のキャリアを築くためには、給料が上がりやすい職場選びが非常に重要です。処遇改善加算に対応している事業所であることや職場環境、資格取得支援制度など、さまざまな視点から職場を比較検討しましょう。
さらに、上位資格の取得や夜勤業務への取り組みを積極的に行うことで、より効率的に給料の向上を実現できます。国の継続的な支援により業界全体の給料水準が向上しているため、各ポイントを理解すれば、希望に合う職場に出会えるはずです。
P-CHAN介護転職では、介護職として就職・転職を目指す人を全力でサポートしています。求人紹介や面接対策、キャリア相談まで全て無料で受けられます。今より給料を上げたい人は、積極的に活用して理想の転職を実現させましょう。
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