介護の転職を成功させる自己PRの作り方!未経験・経験者別に解説

自己PRは、介護職への転職活動において、採用担当者に自身の魅力と熱意を伝えるための重要な要素です。保有しているスキルや経歴を効果的に伝え、採用担当者に「一緒に働きたい」と思わせる自己PRは、どのように作成すれば良いのでしょうか。

この記事では、介護職の転職活動に役立つ自己PRの作り方を解説します。また、採用担当者に響く自己PRを作成するための具体的なステップや例文も紹介します。

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目次

介護転職における自己PRで採用担当者がチェックするポイント

介護転職における自己PRで採用担当者がチェックするポイント

介護職への転職における自己PRで採用担当者がチェックするポイントは、以下の3つです。

  • 人柄や価値観が施設の方針と合っている
  • 即戦力として活躍できるスキル・経験がある
  • 仕事への熱意や長く働き続けてくれる意欲がある

採用担当者が自己PRで何を評価し、何を期待しているのかを理解することで、アピール内容の精度を高められます。

人柄や価値観が施設の方針と合っている

採用担当者は、自己PRから応募者の人柄や価値観が施設の理念や方針とマッチするかを判断します。新しい職員の雇用は、良くも悪くも施設に影響を及ぼすためです。

例えば施設の雰囲気に合わない転職者を採用してしまうと、チームワークを乱したりクレームが増えたりして、社内の雰囲気が悪くなるリスクがあります。その結果、職員の離職につながるケースもあるでしょう。

そのため自己PRでは、施設の価値観に共感している点を具体的に伝え、協調性や人柄をアピールすることが大切です。

即戦力として活躍できるスキル・経験がある

採用担当者は、介護現場で即戦力となるスキルや経験を持つ人材かどうかを自己PRから読み取ろうとしています。人手不足の状況が続く介護業界では、入社後すぐに対応できる人材が特に歓迎される傾向があるためです。

自己PRでは、現場でどのような役割を果たしてきたか、どのような成果や工夫があったかを具体的に伝えることで即戦力をアピールできます。例えば、利用者との信頼関係を築くために実践したコミュニケーション方法など、現場での行動とその効果を交えて伝えると即戦力としての説得力が増します。

仕事への熱意や長く働き続けてくれる意欲がある

採用担当者は、自己PRを通して仕事への熱意や長く働き続けてくれる意欲がある人物かどうかもチェックしています。介護業界は人材の入れ替わりが激しく、業務の習得にも一定の時間がかかるため、熱意や継続的な意欲の有無は採用の有無を判断する重要な要素です。

自己PRでは、介護職に興味を持ったきっかけや、仕事を通じて実現したいことを明確にすることで「この仕事に本気で取り組もうとしている」と伝えられます。「人と関わる中で感謝される喜びを知ったこと」など、自身の価値観や体験を交えて語ると印象的です。

応募先を選んだ背景や、自分がそこで実現したい目標を明確に伝えて、仕事への熱意を示しましょう。

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介護転職を成功に導く自己PR作成の3ステップ

介護転職を成功に導く自己PR作成の3ステップ

介護転職を成功させる自己PRを作るための3ステップは以下の通りです。

  • ステップ1:自己分析を徹底し経験を棚卸する
  • ステップ2:企業分析で応募先が求める人物像を理解する
  • ステップ3:自分の強みと企業(施設)のニーズを結びつける

これらのステップを踏むことで、採用担当者の心に響く、一貫性のある自己PRを効率的に作成できます。

ステップ1:自己分析を徹底し経験を棚卸する

自己PRを作るうえで最初に行うのが、これまでのキャリアを振り返り、自身の経験を棚卸しすることです。自己分析では、以下の項目を洗い出します。

  • 保有スキル
  • 自身の強み
  • 仕事に対する価値観

介護職の経験者であれば、どのような施設でどのような役割を担ってきたのかを明確にしましょう。未経験者の場合は、前職でどのような実績を挙げ、どのように仕事に向き合ってきたのかを整理します。

成功体験だけでなく、困難をどのように乗り越えたかといった経験も、人柄や問題解決能力を示す重要なアピールポイントです。

ステップ2:企業分析で応募先が求める人物像を理解する

次に応募先の施設が求める人物像を把握するため、企業分析を行います。応募先の施設の特徴を分析することで、求められているスキルや強みが明確になります。

企業分析の参考になるのが、応募先の施設・法人のWebサイトや求人情報です。企業情報からリサーチすべき項目は以下の通りです。

  • 経営理念
  • 事業方針
  • サービスの特徴
  • 求める人物像

上記の情報を把握しておくことで、施設の方針や価値観と自分の強みを結びつけやすくなり、説得力のある自己PRが作成できます。他の応募者と差をつけるためにも、企業分析は丁寧に行いましょう。

ステップ3:自分の強みと企業(施設)のニーズを結びつける

最後に、ステップ1で明確になった自分の強みと、ステップ2で理解した企業(施設)が求める人物像を結びつけます。

例えば施設の理念が「利用者の自立を尊重した生活支援」であれば、相手の意思を尊重する姿勢やサポートを見極める判断力といった強みを結びつけてアピールすると効果的です。

自分のスキルや経験が、応募先の施設でどのように活かせるのか、どのように貢献できるのかを具体的に考え、自己PRを組み立てましょう。

介護の転職で評価される自己PRの特徴

介護の転職で評価される自己PRの特徴

介護の転職で評価される自己PRには、共通する以下の特徴があります。

  • 結論ファーストで強みを伝えている
  • 強みを裏付ける具体的なエピソードや資格を示している
  • 入社後にどのように貢献できるかビジョンを伝えている

ここでは、採用担当者に評価されやすい自己PRの特徴を紹介します。

結論ファーストで強みを伝える

自己PRの冒頭で、最も伝えたい内容である自身の強みを簡潔に述べます。例えば「私の強みは、粘り強さです」というように、最初に要点を伝えましょう。

結論ファーストでアピールしたい強みを伝えると、採用担当者は話の全体像を把握しやすくなり、その後のエピソードもスムーズに理解できます。

例えば「私の強みは、利用者に寄り添う丁寧な対応力です」と明確に述べることで、その後のエピソードに一貫性が生まれ、伝えたいメッセージがぶれにくくなります。

特に介護職では人柄・姿勢・価値観といった目に見えにくい要素も評価に大きく関わるため、冒頭で方向性を明確に示すことが重要です。

また、結論を先に伝えることで、エピソードの説得力が高まり、応募者の論理的思考力や自己理解の深さもアピールできます。

強みを裏付ける具体的なエピソードや資格を示す

自己PRでは、単に強みを挙げるだけでなく、それを裏付ける根拠を示すことが重要です。強みがどのような場面で発揮されたのかを具体的に伝えることで、「実際に現場で成果を上げられる人材かどうか」を採用担当者が判断しやすくなります。

エピソードを作る際に意識すべきポイントは以下の通りです。

  • どのような状況だったか
  • どのように考え行動したか
  • どのような成果が得られたのか

これらを具体的に説明できれば単なる自己評価にとどまらず、行動や結果を伴った強みとして信頼性が増すため、書類選考や面接での評価につながります。

例えば「認知症の利用者に対し、同じ目線で会話を重ねることで徐々に信頼関係を築いた」といった具体的な経験があると、実行力や継続力の裏付けになります。

また「最初は一切返答がなかったが、呼びかけに対して8割以上の確率で返答が得られるようになった」のように数字で成果を示すと、より説得力を高められるでしょう。

さらに、介護福祉士や初任者研修などの保有資格もスキルの証明としてプラス評価につながるため、忘れずに記載しましょう。

入社後にどのように貢献できるかビジョンを伝える

「自分の強みを活かしてどのように貢献していくか」という将来のビジョンを具体的に描けている自己PRは、採用担当者の評価につながります。入社後の活躍イメージを具体的に提示することで、仕事への高い意欲と熱意を採用担当者に強く印象付けられるためです。

例えば「私の強みである傾聴力を活かし、個別ケアの質の向上に貢献したいです」といったように、自身の強みと入社後の貢献イメージを具体的に結びつけましょう。

さらに施設の理念や運営方針と自分の考え方がどのように重なるのかを盛り込めば、応募先との相性や理解度の高さも伝わります。「強み→貢献内容→共感ポイント」という流れを意識することで、自己PR全体の完成度が高まるでしょう。

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【経験者向け】介護転職の自己PR例文

【経験者向け】介護転職の自己PR例文

ここでは、以下の4つの切り口から介護職経験者向けの自己PR例文を紹介します。

  • リーダー経験
  • 認知症ケアの専門性
  • 介護職員の指導経験
  • ブランク期間中の学びや経験

自己PRは、200字から300字程度で簡潔にまとめるのが一般的です。採用担当者が読みやすいよう、適度に改行を入れるなどレイアウトも工夫しましょう。

リーダー経験をアピールする

私の強みは、チームの状況を把握し、目標達成に導くリーダーシップです。

前職の特別養護老人ホームでは、5年間ユニットリーダーを務めました。スタッフ一人ひとりの個性やスキルを把握し、それぞれの強みが活かせるような役割分担を心がけた結果、チーム全体の残業時間を月平均10時間削減することに成功しました。

貴施設においても、これまでのリーダー経験を活かし、スタッフ間の連携の強化による質の高いケアを提供できるチーム作りに貢献したいと考えています。

リーダーとしてどのような役割を果たし、具体的にどのような成果を出したのかを数字で示すと説得力が増します。チーム全体の目標達成や業務改善に貢献した経験をアピールしましょう。

認知症ケアの専門性をアピールする

私の強みは、認知症ケアに関する深い知識と実践的な対応力です。

グループホームで6年間、認知症の方々のケアに携わり、認知症ケア専門士の資格も取得しました。利用者様の言動の背景を理解し、その方に合ったコミュニケーションを心がけることで、穏やかな生活を送れるよう支援してまいりました。

特に、周辺症状が強い方に対して、環境調整や非薬物療法を試み、症状の緩和につなげた経験があります。貴施設が力を入れている認知症ケアの分野で、専門性を活かして貢献したいです。

認知症ケアに関する資格や研修経験は、専門性の高さを客観的に証明できます。具体的なケアの事例を挙げ、利用者様にどのような良い変化をもたらしたかを伝えましょう。

職員の指導経験をアピールする

私の強みは、新人スタッフの個性に合わせた丁寧な指導力です。

前職では3年間、新人指導担当として、毎年2名の新入職員の育成に携わりました。職員を指導する際は、個々の理解度や性格に合わせて指導計画を調整し、定期的な面談で不安を解消することを徹底しています。

その結果、私が指導した新人スタッフの3年以内の離職率は0%でした。貴施設においても、まずは業務にしっかりと慣れた上で、ゆくゆくは新人スタッフの育成やチームのサポートにも携わっていきたいです。

指導した人数や離職率の低下など、具体的な数字を交えて実績をアピールすることが有効です。指導において工夫した点や、大切にしている価値観を伝えると良いでしょう。

ブランク期間中の学びや経験をアピールする

出産と育児によるブランク中の成長が、私の強みになっています。子育て期間中も最新の介護知識を学ぶため、オンラインセミナーに定期的に参加し、介護福祉士の資格取得に向けて勉強を進めてきました。

また子育てを通じて、多様な状況に冷静に対応する忍耐力や、相手の気持ちを察する力がより一層養われたと実感しております。ブランク期間に得た学びと経験を活かし、即戦力として一日も早く貴施設に貢献できるよう努めてまいります。

ブランクがあった理由を正直に伝え、ブランク期間中に介護の仕事へ復帰するためにどのような努力をしていたかを具体的に示しましょう。子育てなどの経験も、介護の現場で活かせる強みとしてポジティブにアピールできます。

【未経験者向け】介護転職の自己PR例文

【未経験者向け】介護転職の自己PR例文

ここでは、以下の3つの観点から、未経験者向けの自己PR例文を紹介します。

  • コミュニケーション能力をアピールする
  • 体力や真面目さをアピールする
  • 学習意欲や資格取得への熱意をアピールする

未経験から介護職へ転職する場合、経験のなさを補うポテンシャルや熱意をアピールしましょう。

未経験からの介護転職を検討している人は、「資格なしでも介護士になれる?無資格での転職を成功させるポイントを解説」も読んでみてください。

コミュニケーション能力をアピールする

私の強みは、相手の立場に立ち、相手の気持ちに寄り添って信頼関係を築くコミュニケーション能力です。

前職の接客業では、お客様一人ひとりのお話を丁寧に伺い、ニーズを的確に把握することを心がけてきました。その結果、お客様から「あなたに対応してもらえて良かった」と感謝の言葉をいただく機会も多くありました。

介護の仕事は未経験ですが、この傾聴力と提案力を活かし、利用者様やご家族の皆様に安心していただけるような心に寄り添ったケアを提供したいと考えております。

前職の経験から、介護の仕事に活かせるスキルを具体的に結びつけてアピールしましょう。どのような工夫をして、どのような成果につながったのかというエピソードを交えると、説得力が増します。

<h3>体力や真面目さをアピールする</h3>

私の強みは、何事にも真面目に取り組む姿勢と、学生時代から続けているスポーツで培った体力です。

前職の製造業では、任された業務を最後まで責任を持ってやり遂げる真面目さが評価され、チームリーダーを任されていました。

介護の仕事は未経験ですが、体力には自信があるため、夜勤などの不規則な勤務にも対応できます。まずは、一つひとつの業務を確実に覚え、真摯な姿勢で利用者様と向き合い、一日も早く戦力として貢献できるよう努力してまいります。

真面目さや誠実さをアピールする際は、具体的なエピソードを添えることが欠かせません。客観的な事実や、体力に自信があることを示す具体的な経験を伝えることで、信頼性が高まるでしょう。

<h3>学習意欲や資格取得への熱意をアピールする</h3>

介護職に貢献したいという強い思いから、現在、介護職員初任者研修の資格取得に向けて勉強中です。

異業種からの転職で実務経験はありませんが、新しい知識を積極的に吸収し、成長していきたいという学習意欲は誰にも負けません。前職でも、業務に必要な資格を自主的に取得し、スキルアップに努めてまいりました。

貴施設で実務経験を積みながら、将来的には介護福祉士の資格取得も目指したいと考えております。一日も早く貢献できるよう、熱意を持って業務に取り組んでまいります。

未経験であることを正直に認めた上で、経験不足を補うための学習意欲や具体的な行動を示すことが重要です。入社後のキャリアプランを具体的に語ることで、長期的に働く意欲と高いポテンシャルをアピールできます。

介護資格の取り方について知りたい人は「介護の資格の取り方は?種類や働きながらの取得方法も紹介」も読んでみてください。

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介護転職における自己PRの失敗例

介護転職における自己PRの失敗例

介護転職における自己PRの失敗例として、以下の特徴が挙げられます。

  • 抽象的で具体性に欠けている
  • どの施設でも使い回せる内容でオリジナリティに欠けている
  • アピールする強みが複数ありまとまりに欠けている

時間をかけて作り込んだ自己PRも、作成の方向性や伝え方を間違えると逆効果になってしまう可能性があるので注意しましょう。

抽象的で具体性に欠けている

抽象的で具体性に欠けている自己PRは、採用担当者の印象に残りません。抽象的な表現の例としては「コミュニケーション能力が高いです」「責任感があります」といった内容が挙げられます。

なぜコミュニケーション能力が高いと言えるのか、その能力をどのように仕事に活かしてきたのかを具体的なエピソードを交えて説明しましょう。

ありきたりな言葉ではなく、自分自身の経験に基づいたオリジナリティのある言葉で語ることが、説得力を持たせるポイントです。

どの施設でも使い回せる内容でオリジナリティに欠けている

どの施設にも当てはまるような一般的な内容の自己PRは、熱意が低いと判断されがちです。採用担当者は「なぜ他の施設ではなく、うちの施設で働きたいのか」を知りたいと考えています。

応募先施設の理念や特徴に触れ、自身の強みがその施設でこそ活かせると語ることで「この施設で働きたい」という強い意志と志望度の高さを示せます。

アピールする強みが複数ありまとまりに欠けている

アピールする強みの数が多すぎる自己PRは、採用担当者にまとまりに欠けている印象を与えてしまいます。

アピールしたいことが多いあまり、複数の強みを羅列したところで、それぞれのエピソードの印象が薄れてしまい、何も伝わらないという結果になりかねません。

アピールしたい強みをピックアップし、具体的なエピソードで深掘りする方が、採用担当者の記憶に残りやすいでしょう。応募する施設の求める人物像と照らし合わせ、最も効果的な強みは何かを戦略的に選ぶことが大切です。

自己PRを完成させ自信を持って介護転職の採用試験に臨もう

自己PRを完成させ自信を持って介護転職の採用試験に臨もう

評価される自己PRのポイントは、徹底した自己分析と企業分析に基づき、自身の強みと応募先施設のニーズを結びつけることです。

「結論から伝え、具体的なエピソードで裏付け、入社後の貢献意欲で締めくくる」という一連の構成を意識することで、魅力や強みを採用担当者に効果的に伝えられるでしょう。

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この記事の著者

ピーチャン(P-CHAN)介護転職編集部

株式会社ピーアール・デイリー(厚生労働省認可 有料職業紹介事業許可番号13-ユ-305520)の介護求人に関するコラムを管轄する編集部。
創業60年、一貫して人材サービスに携わり、累計2万社を超える企業の採用を支援した実績をもとに、介護の転職に役立つコラムを提供。

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