40代女性の介護転職は遅すぎる？今からでも転職するメリットやキャリアイメージについても解説

40代で介護業界への転職を検討しているものの「家庭と両立できるかな？」「体力的に大丈夫かな」と悩んでいる女性もいるでしょう。転職を強く希望しているものの、内定が得られるか不安を感じている人もいるかもしれません。

この記事では、介護業界における40代女性の転職事情について解説します。介護士に転職するメリットや転職後のキャリアイメージについても紹介するので、ぜひ確認してみてください。

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40代女性が介護業界へ転職することは可能

40代女性が介護職に転職することは十分可能です。その理由として、少子高齢化が進む日本では介護人材の需要が年々高まっていることが挙げられます。

各施設で人材確保が急務となっているため、年齢よりも人柄ややる気、これまで培ってきた社会経験を重視して採用するケースが増えています。40代以上のスタッフも多いことから、介護職は40代女性でも転職しやすいと言えるでしょう。

実際に厚生労働省の「介護労働の状況」によると、介護業界で働く女性のうち69.6%が40歳以上と高い割合を占めているのが特徴です。さらに、介護職員全体では正規職員の67.4%、非正規職員の86.0%が女性であり、女性が活躍しやすい職種と言えます。

家庭や子育てを通じて培った気配りやコミュニケーション力は、介護現場で活かせる大きな強みとなるでしょう。

40代女性が介護業界に転職するメリット

40代女性が介護業界に転職するメリットは以下の通りです。

• 未経験・資格なしでも挑戦できる
• 高齢化による需要の高さで転職が成功しやすい
• 中長期的に収入のベースアップや職場環境の改善が期待できる
• 家族の介護が必要になったときに知識や経験を活かせる
• 働き方の幅が広く子育て・家庭との両立しやすい

ひとつずつ詳しく解説していきます。

未経験・資格なしでも挑戦できる

未経験で資格がない40代女性でも、介護業界に挑戦することは十分可能です。介護職は人材不足の傾向があるため、経験や資格がなくても応募できる求人が数多く存在します。

無資格でも取り組める仕事は、食事の配膳・掃除・洗濯などの生活援助、先輩スタッフの補助業務などが中心です。

最初はサポート的な立場でも、経験を積んで資格を取得すればより専門的な介護業務に携わったり、キャリアアップにつなげたりすることができます。また、資格取得支援制度や研修制度を設けている介護事業所も多いため、働きながら資格取得も目指せます。

高齢化による需要の高さで転職が成功しやすい

高齢化により介護を必要とする人が増えているため、介護職の需要は高く、転職が成功しやすいのもメリットです。転職市場全体では年齢がネックになることもありますが、介護業界においては40代女性も採用のチャンスが広がっています。

介護職員の必要数は年々増え続けており、2026年度は約240万人の介護職員が必要と見込まれています。さらに2040年度の必要人数は約272万人にまで増える見込みです（※）。今後も介護職の求人数の増加が予想されることから、安定した需要が期待できる業界です。

※出典：厚生労働省「第９期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」

中長期的に収入のベースアップや職場環境の改善が期待できる

介護職は人材不足が課題となっているため、国をあげて収入のベースアップや職場環境の改善が進められています。給与が低いイメージを持つ人も多い介護業界ですが、近年は改善が進んでおり、今後も待遇改善が期待できます（※1）。

例えば2024年2〜5月には、厚生労働省が「介護職員処遇改善支援補助金」を実施し、介護職員1人あたり月額平均6,000円程度（収入の約2％）の賃上げが行われました（※2）。さらに、厚生労働省は2025年度に介護職員の給与を2.0％引き上げる目標を掲げており、収入面の改善を継続的に進めています（※3）。

他にも業務の生産性を向上させるためのIT化を促したり、労働者からの相談体制を整備したりと、国をあげて環境改善が進められています。

※出典1：厚生労働省「総合的な介護人材確保対策（主な取組）」
※出典2：厚生労働省「令和６年２月からの介護職員処遇改善支援補助金について」
※出典3：厚生労働省「介護職員の処遇改善について」

家族の介護が必要になったときに知識や経験を活かせる

介護現場で得る知識や経験は、将来家族で介護が必要になったときに大いに役立ちます。とくに40代女性の場合、親世代の年齢を考えると介護が必要になる時期が近づいている人もいるでしょう。

認知症の人への接し方や声かけの工夫を知っていれば、親が認知症になった場合にも落ち着いて対応できるため、介護する側もされる側も安心して過ごせます。食事や入浴、排せつの手伝いといった身体介助や、掃除・洗濯などの生活援助の方法を理解しているだけでも、日常的な介護をスムーズに進めることができます。

さらに介護保険制度や地域の支援サービスの知識を持っていれば、必要なサービスを適切なタイミングで利用できるでしょう。制度の仕組みや相談窓口を知っていれば、いざというときも安心です。

働き方の幅が広く子育て・家庭と両立しやすい

介護職は勤務形態の選択肢が豊富で、子育てや家庭と両立しながら働きやすいのがメリットです。シフト制を導入している施設も多く、自分のライフスタイルや家庭の状況に合わせて働き方を調整できます。

例えば、子どもがまだ小学生という40代の女性であれば、デイサービスなど日勤のみの職場を選ぶことで、夜は家族と一緒に過ごす時間を確保できます。パート・アルバイトで10時から16時までの時短勤務にすれば、家事や育児とも両立しやすいでしょう。

さらに、事業所によっては「パートやアルバイトからスタートし、子育てがひと段落したら正社員へ切り替える」といったキャリアパスを用意しているところもあります。

勤務形態やシフト時間は求人情報に掲載されているケースが多いため、自分のライフスタイルに合わせて働ける職場を探してみましょう。

40代女性が介護業界に転職する前に知っておくべきこと

40代女性が介護業界に転職する前に知っておくべきことを紹介します。介護業界で働くメリットだけでなく、以下のような注意点についても把握しておきましょう。

• 体力的な負担を感じる場合がある
• 働き方によっては夜勤がある
• 人間関係に悩む人もいる

体力的な負担を感じる場合がある

介護の仕事は身体を使う場面が多く、40代女性にとっては体力的な負担を感じることもあります。例えば利用者の移動や入浴のサポートなどは、腰や肩に負担がかかりやすいです。

ただし、正しい介護技術を身につけることで身体への負担は軽減できます。介護施設では研修を通じて腰に負担をかけない介護の方法を伝えているところもあり、未経験からでも無理なく技術を習得できるでしょう。

さらに、リフトやスライディングボードといった福祉用具を活用することで、安全かつ負担を軽減して介助を行えるようになります。

体力面に不安がある場合は、利用者の生活援助が中心となるデイサービスや、比較的軽度の支援を行う訪問介護といった職場を選ぶのもひとつの選択肢です。自分に合った働き方・環境を選び、経験を重ねながら身体に負担をかけない介護方法を身につけていくことが大切です。

働き方によっては夜勤がある

介護施設で働く場合、シフトによっては夜勤で働かなければならない可能性があります。特に特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった入居型の施設では、24時間体制で利用者の生活を支えているため夜勤で働く人員が必要です。

子どもや要介護者がいる40代女性はとくに、夜勤があると子育てや家庭との両立が難しくなるでしょう。この場合、日勤のみのデイサービスや訪問介護といった職場を選べば、夜勤を避けることもできます。

自分のライフスタイルや家庭の事情に合わせて職場を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントです。

人間関係に悩む人もいる

介護職は利用者や同僚と接する機会が多いため、人間関係の悩みを感じる可能性があります。介護現場ではチームでの連携が欠かせないため、同僚や上司との関係がうまくいかないとストレスに直結しやすいでしょう。

また、利用者だけでなくその家族ともコミュニケーションをとる必要があるため、気疲れしてしまうこともあります。たとえ人と接することが好きな人であっても、我慢しすぎると心身に負担がかかってしまいます。

困ったときは先輩や上司に相談したり、職場のメンタルケアや相談窓口などのサポート制度を活用したりして、悩みを溜め込まないことが大切です。職場選びの段階で、人間関係の雰囲気やサポート体制についても確認しておきましょう。

40代女性が介護業界で働く際の勤務形態

40代女性が介護業界で働く場合の勤務形態を紹介します。働き方として、以下のような選択肢があります。

• 正社員として働く
• 契約社員として働く
• パート・アルバイトとして働く

子育てや家庭と両立をしたいと考えている40代女性も、自分にあった働き方を探しましょう。

正社員として働く

介護業界での勤務形態のひとつが、正社員で介護士として働くことです。正社員は「安定した収入を得たい」「キャリアアップしたい」と思っている40代女性におすすめの働き方です。

フルタイム勤務や夜勤を含む場合もありますが、安定した給与や賞与、社会保険などの福利厚生が受けられます。職場によっては家庭や子育ての状況に合わせて勤務時間を調整できることから、無理なく働き続けられる環境が整っています。

正社員として経験を積むことで、将来的にリーダー職や介護施設の運営管理、ケアマネジャーなど、キャリアアップの道が開けることもメリットです。研修や資格取得サポートの制度がある職場であれば、未経験からでも安心してスタートできるでしょう。

契約社員として働く

契約社員として介護職に就く方法もあります。業務内容は正社員と共通のケースが多いですが、雇用期間が3年などと決まっていることが特徴です。正社員に比べて勤務時間を柔軟に調整しやすいため、「いきなり正社員として働くのはハードルが高い」と感じている40代女性におすすめです。

契約社員として経験を積んだ後、希望すれば正社員登用制度を利用できる職場もあります。「まずは契約社員として無理なく始め、慣れてきたら正社員を目指す」といったステップアップも可能です。将来的に正社員を目指したい人は、選考時に正社員登用制度があるか確認しておきましょう。

パート・アルバイトとして働く

パートやアルバイトとして介護職に就くことも選択肢のひとつです。短時間勤務や日勤のみの求人も多く、家庭や子育ての状況に合わせて勤務時間を柔軟に調整できるため、無理なく続けやすい働き方です。

ブランクがある場合でも、経験を積みながら少しずつ業務に慣れることができるのもパート・アルバイトのメリットです。介護職未経験やブランクのある40代女性でも安心して始められるでしょう。

慣れてきたら徐々に勤務日数や時間を増やすことで収入を上げることも可能です。正社員登用制度のある施設であれば、パート・アルバイトとして経験を積んだ後に正社員へのキャリアアップも目指せます。

40代女性が転職して介護士になった場合の年収

40代女性が介護職に転職した場合の年収は、勤務形態や資格の有無によって異なります。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、資格がない場合の平均給与額は月額約290,620円（基本給・手当・賞与の一部を含む）で、12ヶ月分に換算すると約348.7万円となります。

未経験からのスタートでも、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士といった資格の取得で給与アップを目指すことが可能です。勤務先や地域、夜勤の有無によっても年収が変わるため、求人情報を比較して検討することが重要です。

40代女性が介護転職をした場合のキャリアイメージ

40代女性が介護業界に転職をした場合の、どのようなキャリアプランがあるのかを紹介します。

• 介護福祉士を目指す
• ケアマネージャーや生活相談員を目指す
• 管理職を目指す

キャリアイメージが決まっていれば、職場を決める際の判断軸にもなります。まずはどのような選択肢があるのかを確認しておきましょう。

介護福祉士を目指す

介護業界に就職した際のキャリアプランとして、介護福祉士を目指すことがあげられます。介護福祉士は、介護に関わる資格のなかで唯一の国家資格です。取得すると資格手当や昇給の対象になるため、年収が高くなるのが魅力です。

介護福祉士の資格をとるためには、まず介護職員初任者研修を取得し、その後介護福祉士実務者研修の資格を取得する必要があります。さらに3年以上の実務経験を積むことで受験資格が得られます。

40代女性で未経験からの転職でも、必要な資格をひとつずつ取得をしながら実務経験を積めば十分目指せるでしょう。

ケアマネージャーや生活相談員を目指す

介護の現場で経験を積み、ケアマネージャーや生活相談員を目指すこともできます。

ケアマネージャーは、利用者の心身の状態からケアプランを作成したり、利用者とサービス事業者の調整をしたりする職種です。一方、生活相談員は主に施設で利用者・家族からの相談を受けるのが仕事です。

40代からの転職でも、現場経験と資格取得を組み合わせることで、ケアマネージャーや生活相談員を目指せます。身体介護のような直接的な介護だけではなく、多角的な面でサポートしていきたい人は、こうしたキャリアプランも視野に入れておきましょう。

管理職を目指す

介護現場において、管理職を目指すのもひとつのキャリアパスです。介護施設での現場経験を積んだり資格を取得したりすることで、40代で転職した場合でも十分管理職を目指せます。

管理職になると、スタッフの指導やシフト管理、施設運営など幅広い業務を担当します。責任は増えますが、その分給与や待遇が改善されることが多く、長期的に安定した収入を得やすくなるでしょう。

さらにリーダー経験を積むことで、施設全体の運営に関わる役職や複数施設を統括するポジションへとステップアップする道も開けます。

40代女性が介護職に転職する方法

40代女性が介護職に転職する方法を3つ紹介します。

• 公式サイトから応募する
• 求人サイトを利用する
• 転職エージェントを利用する

介護業界に転職するか迷っている人も、一度確認してみると具体的な職場環境や働き方のイメージがつく可能性もあります。

公式サイトから応募する

介護職に転職する方法のひとつとして、施設や事業所の公式サイトからの直接応募があります。家の近くの介護施設や、働きたい職場が具体的に決まっている40代女性におすすめの方法です。

公式サイトから応募することで、採用担当者とスムーズにやり取りできるのがメリットです。また、求人情報の最新状況を収集するのにも公式サイトは役立ちます。

さらに、サイトによっては職場の雰囲気や教育・研修制度、福利厚生の情報まで詳しく掲載されている場合があるため、入職後のイメージもつかみやすいでしょう。

求人サイトを利用する

介護職に転職する方法として、求人サイトを活用するのも有効です。未経験歓迎や40代以上対象の求人も多数掲載されています。

幅広い求人情報を比較できるため、給与や勤務時間、勤務地など、自分に合った条件の職場を探しやすいのがメリットです。施設ごとの詳細情報や口コミが掲載されている場合もあり、職場の雰囲気や教育・研修体制を事前に確認することもできます。

さらに複数の求人サイトを併用することで、より幅広い選択肢から自分に合った職場を見つけやすくなります。人気の求人は早めに募集が締め切られる可能性があるので、気になる求人があれば条件を確認した上で迅速に応募しましょう。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用して、転職先を見つけるのもひとつの手です。

40代女性で未経験・資格なしの場合でも、担当者が研修制度や働きやすさを考慮した求人を紹介してくれます。求人サイトでは自分に合う職場を絞りきれない人も、転職エージェントのアドバイザーに相談してみるのがおすすめです。

転職エージェントを利用すると、非公開求人や施設の内部情報など、求人サイトだけでは分からない情報も得られます。さらに、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートも受けられるため、内定獲得に向けた効率的な転職活動が可能です。

40代女性の介護転職は十分可能！資格なし・未経験からでも目指せる

介護業界は40代以上の女性スタッフも多いことから、40代からの転職でも遅すぎることはありません。研修制度や資格取得サポート制度が充実している職場を選べば、無資格・未経験だったとしても安心してキャリアをスタートできます。

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