法人営業はきつい?つらい?難しい、大変と感じる理由や対処法を紹介

法人営業はきつい?つらい?難しい、大変と感じる理由や対処法を紹介

就活準備を始めている人の中には、職種に関する研究を進めている人もいるのではないでしょうか。新卒採用の求人で多いものに営業があり、営業はさらに法人・個人営業に分けられます。法人営業は、企業などの法人に対して自社の製品やサービスを販売する仕事です。

法人営業は個人営業よりも販売する商品やサービスの価格が高く、契約を受注するまでに数か月〜数年の時間がかかる場合もあるため、プレッシャーのかかる職種です。そのため「法人営業はきつい」「法人営業はやめとけ」と言われることがあります。

この記事では、法人営業の仕事内容ややりがい、きついと言われる理由やつらいと感じたときの対処法などを紹介します。法人営業への志望を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

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法人営業の特徴

法人営業の特徴

ここでは、法人営業の仕事内容や営業スタイルの違いについて解説します。

仕事内容

法人営業の仕事は企業や団体といった法人に自社の製品やサービスを販売・提案することです。販売する商品の価格は数百万〜数億円といった多額になる場合も多く、受注に至るまでかなりの時間を要します。

顧客への提案に際しては他社とコンペを行ったりプレゼンで競ったりするほか、顧客企業へ接待を行うこともあるでしょう。

法人営業ではオフィス機器や工業機械といった有形のものからシステム、コンサルティングサービスといった無形のものまで幅広い種類の商材を取り扱います。

営業スタイル

法人営業の営業スタイルには以下の2つがあります。

  • 新規開拓
  • ルート営業

新規開拓

新規開拓とは、現在自社と取引をしていない会社にアプローチして顧客を獲得していく営業スタイルです。

電話で企業の担当者に商材を売り込んだり、アポを取らず訪問して営業を行う「飛び込み営業」をしたりすることも新規開拓に含まれます。企業の新規開拓に成功すれば顧客企業の増加や販売数・売上アップに繋がるため、企業への貢献度を実感しやすいです。

しかし、これまで自社と取引をしたことのない企業に訪問し販売・提案を行うため、「アポが取りづらい」「成約に結びつきづらい」といった厳しい面もあります。

ルート営業

ルート営業とは、すでに自社と契約や取引をしている顧客へ新商品を紹介したり納品数を増やしたり提案営業を行ったりする営業スタイルのことを言います。

新規開拓と異なり契約や販売の実績がある企業のところへ行くため、「担当者と話せない」「アポイントが取れない」ということにはなりにくいです。

ただし注意しなくてはならないのは、たとえどんなに相性の悪い顧客であっても、自社の既存顧客である以上、良好な関係を保たなくてはならないということです。

「話しづらい」「提案しにくい」といった理由から足が遠のいてしまい、他社に契約を取られてしまうといった場面も往々にしてあります。そうなってしまうと、営業社員としてはマイナス評価をつけられてしまうでしょう。

個人営業との違いは?

営業職には、法人営業だけでなく個人営業もあります。

個人営業の場合、取引相手は一般の消費者や個人ですが、法人営業の場合は法人顧客(企業・団体)が取引相手になります。個人営業に比べて、法人営業は案件の規模が大きいのが特徴です。

また、訪問したり商材を提案したりする担当者と実際に商品・サービスの購入を決定する決裁者が異なる点も個人営業と大きく違う点と言えるでしょう。

営業に興味がある方は、「営業職とは何か説明!種類や仕事内容、向いている人の特徴や年収」も読んでみてください。

法人営業がきつい、つらいと言われる理由は?難しい、大変とされるのはなぜ?

法人営業がきつい、つらいと言われる理由は?難しい、大変とされるのはなぜ?

法人営業は企業・団体などの法人を顧客とし、個人の顧客相手には販売されないような単価の高い商材を販売・提案する仕事です。そのため、法人営業ならではのきつさ、つらさを感じることもあるでしょう。

ここでは、法人営業がなぜきついと言われるのか、その理由を解説します。

ノルマがあるから

営業職であれば、まずノルマ達成のプレッシャーからは逃れられません。営業職は他の職種に比べて仕事の結果が目に見える数字で表されやすいため、仕事のプレッシャーをより強く感じやすい傾向にあります。

特に法人営業は個人営業よりも契約単価が大きいため、達成すべき目標がそもそも高く設定されがちであるということも、プレッシャーを高める要因の一つと言えるでしょう。

アポイントが取りづらいから

法人営業の中でも特に新規開拓の場合、何の契約実績もない会社に電話で面談のアポイントを取り付けます。過去に取引がないため、話を聞いてもらえず電話を切られたり、冷たくあしらわれたりするのがほとんどです。

なかなかアポイントが取れず商談に進めないため、精神的にきついと感じるときがあります。

休日出勤があるから

法人営業社員として働いていると、自社が休みであっても顧客が土日に稼働していればその対応のため出社しなくてはならない場面があります。

一般的には土日・祝日休みの企業が多くを占めますが、医療関係や飲食・販売などのサービス業であれば土日稼働で、平日休みなど変則的な勤務の職場も多くあります。

自社がさまざまな業界の企業を相手に仕事をしているなら、「いつ呼び出しがきてもおかしくない」ということは心得ておきましょう。

残業が多いから

法人営業は顧客のスケジュールに合わせて仕事をします。そのため、定時を過ぎた終業後の時間に顧客との商談や打ち合わせが入ってしまうケースもあります。

企業ごとに就業時間は定められています。しかし、顧客先から連絡を受けたり対応しなればならないトラブルが発生したりすると、内勤のように定時で帰社するということは難しくなるでしょう。

幅広い知識が必要だから

法人営業で商品やサービスを提案する際、自社の商材に関する知識はもちろん、提案先の企業の業界事情や企業事情などを知らなくては効果的な提案はできません。

また競合他社の商品・サービスについてもよく知っておかなくてはなくては、他社商材と比べたときの自社商材の優位性はアピールできないでしょう。

法人営業は、自社・他社の商材や業界・企業事情について提案先の企業担当者と同じか、それ以上の知識を持っていなくては商談を進めることが難しくなります。

接待が多いから

法人営業では、顧客との親密な関係を構築することが重要です。そのためには通常の商談を行う営業だけではなく接待への参加を求められることも多いでしょう。

しかし、接待と言っても顧客先の担当者とのパイプをつくるための仕事の一環で、「接待営業」とも言われます。接待の頻度や仕事における接待の重要度合いは業界や企業によって異なりますが、飲み会や接待の席で大口の契約が決まるというケースも少なくありません。

法人営業で仕事を獲得するには商談や営業活動だけでなく、接待も必要とされる業務の一つであるということを知っておきましょう。

思うようには売れないから

一般に、営業は「明るくてエネルギッシュな人」「人に好かれる人」なら向いているとも言われますが、法人営業に必要な資質はそれだけではありません。

なぜなら、たとえ企業担当者との関係が良好であったとしても、実際に購入の決裁権を持っている上役の同意が得られなくては受注に結び付かないためです。

法人営業においては、明るく元気で担当者に好かれることももちろん大事です。しかし、自社の商材がどう売上や利益に貢献できるかを論理的に説明し、担当者が上役を説得できるような説明もできなくてはなりません。

受注までのプロセスが長く複雑だから

先述したように法人営業は個人営業と異なり、実際に対面して商談を行う担当者と、購入決定者は別々です。

提案から契約に至るまでには、まず担当者が購入についての稟議を上げ、課長・部長・役員等の承認を得なくてはなりません。

つまり、もし担当者の反応が抜群に良かったとしても、必ず稟議に通るというわけではありません。会社によっては稟議を挙げるまでのフローが複雑で、提案から契約まで一筋縄ではいかない場合もあります。

法人営業においては、提案から購入決定までに2〜3段階以上のプロセスが必要になること、また受注までには数か月以上の長い期間を要するということは覚えておきましょう。

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きつい、つらいだけじゃない!法人営業のやりがいは?

きつい、つらいだけじゃない!法人営業のやりがいは?

ここまでは法人営業として働く上できついこと、つらいことを紹介してきましたが、法人営業はもちろん大変なことばかりではありません。

ここでは法人営業として働くやりがいや魅力を紹介します。

自社製品やサービスで顧客の業績に影響を与えられる

法人営業の場合、契約が成立し商品やサービスを導入されることで、顧客企業の売上や利益の向上に貢献できるといったメリットがあります。法人は取引の規模や価格も大きい分、成約が企業に与えるインパクトも大きいものになります。

「自社の製品が企業の売上や利益アップに貢献した」という事実は、自分のキャリアにおける大きな自信にも繋がるでしょう。

成果が報酬に反映される

営業職の場合、社員のやる気を引き出すため、成約数に応じたインセンティブを設けている会社も多くあります。特に法人営業の場合、個人営業よりも1件の成約額が大きいため多額のインセンティブが期待できるでしょう。

仕事の結果が数字で見える法人営業の仕事は、プレッシャーが大きい反面、成果が明確に報酬という形で還元されるといった利点があります。

スキルや専門知識が身につく

法人営業として働くことで、どんな業界や職種でも役立つビジネススキルや、扱う商品・サービスに関する深い専門知識が身につきます。

特に以下に挙げるようなビジネススキルは、法人営業として働いていれば自然と身につきやすいもので、今後様々な業界や職種で生かすことができます。

  • メールや電話の作法
  • 打ち合わせ・商談時のマナー
  • アポイントの取り方
  • プレゼンスキル

目標を達成したときの達成感が大きい

法人営業は目標達成までの道のりが複雑で険しいものの、成約に至ったときの達成感も大きいです。売上などの成果は数字として残るだけでなく、企業によっては目標達成した社員を表彰する制度もあります。

特に法人営業は法人を相手に商品・サービスを販売するため、「自分の提案が企業を動かした」という実感も仕事の大きなモチベーションに繋がるでしょう。

人脈が作れる

扱う商材にもよりますが、法人営業では異業種・異業界の担当者と接触する機会が多くあります。また、商材の提案をするために自社の他部署と連携が必要な場面も増えるでしょう。

法人営業は、さまざまな業界や職位の担当者と絶えずコミュニケーションを取る仕事なので、タテ・ヨコの人脈を広げやすい職種であると言えます。

他社とだけでなく、自社内でも人脈作りをしておくことで、商材の提案や受注がスムーズに進められる場面も多いでしょう。こうして法人営業で培った人脈は転職時にも役立ちます。

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法人営業がきついと感じたときの対処法

法人営業がきついと感じたときの対処法

法人営業はやりがいが大きいとは言え、働く上では「きつい、つらい」と感じることに直面する場面も多いはずです。ここでは、法人営業がつらいと感じたときの対処法を紹介します。

スキルを磨く

法人営業として働いていると、なかなか成果がでなくてつらいと感じることもあるでしょう。そんなときは以下に挙げる営業スキルを向上させることで、成果に繋がる可能性があります。

傾聴(ヒアリング)スキル

傾聴(ヒアリング)スキルとは、顧客のニーズをくみ取り、理解する力です。「営業=話す仕事」と捉えられていますが、実はそうではありません。

法人営業は自分の売りたい商材をプレゼンするのではなく、顧客の悩みや課題を聞いて解決法を提案するのが仕事です。

商談においては自社の商品紹介ばかりをするのではなく、まず顧客の話に耳を傾け「悩みは何か」「課題は何か」を聞き取り、商機に繋げるヒアリングスキルが求められます。

マーケティングスキル

マーケティングスキルとは消費者や市場動向・業界ニーズを調査する能力です。

法人営業では、しっかりとマーケティングを行うことが重要です。顧客へのポイントを押さえた提案ができるようになるだけでなく、商材のニーズがある新規開拓先を見つける手段にもなります。

マーケティングをしてから新規開拓や商談を行うといった仕事の流れは、一見遠回りに感じられるかもしれません。しかし法人営業のように受注までのハードルが高い仕事においては、このようなステップを踏むことで営業効率の向上が期待できます。

プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションスキルとは、商談の場で自社の商品やサービスを魅力的にプレゼンする力です。

プレゼンにおいては商材そのものについての話はもちろん、顧客側のメリットや費用、顧客にもたらす利益も合わせて提案し「ぜひ導入したい」と思ってもらう必要があります。

そのため、効果的なプレゼンを組み立てる構成力や魅力的なフレーズを考える考案力、顧客に商材の魅力を強く訴求するための話術が必要です。

知識をインプットする

顧客先企業や業界・商材に関する深い知識をインプットすることで、より良い提案ができるようになります。

自社や他社の商材に関する知識が少ないと、なかなか効果的な提案ができないでしょう。また、業界や企業に対する情報を持っていないため、担当者に相手にしてもらえないといったケースもしばしばあります。

法人営業として働くのであれば、日経新聞や業界誌、企業HPなどに目を通し、常に有益な情報をインプットするよう意識することが大切です。

キーマンの動かし方やアプローチ法を学ぶ

担当者・決裁者に対するアプローチはそれぞれ異なるため、それぞれに適したアプローチを行い、契約のキーマンを動かす工夫が必要です。

商談の際は、ユーザーとなる担当者には商材の使いやすさや特徴を説明します。一方でキーマンとなる決裁者や上役には、商材が企業にもたらす利益や売り上げといった業績面のメリットを打ち出していくと良いでしょう。

転職も視野に入れる

ここまで紹介した対処法を試してもどうしても上手くいかないという場合は、転職も一つの方法です。

どんな仕事にも向き不向きはあります。また自社の商材や営業方法が、自分の得意とする営業スタイルに合っていないという可能性もあるでしょう。

仕事がきついと感じる場合は思い切って環境を変えることで、状況が好転する場合もあります。工夫して今の状況で頑張ることも大事ですが、心や体を病んでしまう前に見切りをつける勇気も必要です。

法人営業はきついがやりがいも大きい!自分に合った会社や商材を見極めることも大事

法人営業はきついがやりがいも大きい!自分に合った会社や商材を見極めることも大事

法人営業は大変な仕事で「きつい」「つらい」と感じる部分は多いでしょう。しかし、どんな仕事にも「きつい」と感じる部分はありますし、法人営業に向いている資質を持った人ならきついと感じることはほとんどないかもしれません。

また、法人営業は大変と言われる分、大きな達成感や多額の報酬を得られたり、他の仕事にはないスキルが身につけられるなど魅力も大きい仕事です。自分の適性を知らないまま、一概に「法人営業=きつい」と考えて応募を避けてしまうのはもったいないことです。

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